去る2017年1月17日(日)に開催した、
2017年経営実践研究会年末特別フォーラム&大望年会は、
たくさんのお客様にご来場いただき、話題続々。
大盛況のうちに終了いたしました。
年明けとなってしまいましたが、
本ブログにて、開催の様子を報告させていただきます。
最近のトピックス紹介
序盤には、今年度プロジェクトとして
ご支援させていただいている産地から、
近況情報をお伝えしました。
・北山丸太の販路拡大業務
・一般社団法人ソマミチ
・ウッディーラー豊田
いずれにおいても、
実利の営業と思われにくい、山側からの発信が、
川下の顧客(商流)を動かすキーを握っています。
「コミュニティ=森へ集える場」と
「ペルソナ=木のある暮らしの実践者」をつくり、
山側からの発信を共に行いませんか?
2017年3月29日に淀屋橋で開催した
「木のある暮らし展」のような活動を
今年もパワーアップしたいと考えていますので、ご注目ください!
古川が斬る!ここ10年間の地域と企業経営
「理念なき利益は犯罪であり、
利益なき理念は寝言である」を座右の銘に、
林業木材業特化型のコンサルティングに携わり約10年。
弊社代表・古川がこれまでのコンサルティング経験を基に、
「ちいきのメソッド経営力9フレーム」を用いながら、
”企業価値を高める「経営の秘訣」”について
基調講演を務めました。
参加者の皆さまには、経営力9フレームについても、
テキストで詳細をご紹介していますので、
振返りとして資料をご覧ください。
そして、講座を通じて古川が伝えたかったのは、
「地方創生とは行政がトップダウンで作るものではなく、
皆さまのような中小企業の方々が
個々の地域に根差して実践していくものでは?」
という問いかけです。
一般的に、中小企業には、
大手がやらないことをやろう!という差別化意識が根強いですが、
このような発想ではやはり、2番手、3番手の印象が否めません。
大手では実現できないから、
中小である自分達が実践して、細々と生き残ろう。
このような考え方で、世の流れを創造できますか?
今こそ、地域から、地域経営から、
世の流れを変えたい。
自社、他社、顧客という3Cの視点を持って、
・自社にできて
・顧客が求めていて
・競合にできない
といった「強み」を探し続けていく。
そこから「夢」を実現させる。
夢とは何か。
地域経済やエネルギーの自立、ここでしかできない地域全体の夢。
この「暮らし方×働き方」を描くこと。
地域や経営ビジョンの礎となるのは、
経営者やそこで働く社員の”マイビジョン”ではないでしょうか。
業界ビジョンを問う前に、あなたのマイビジョンは何ですか?
産地巡礼2017秋、総集編
続いてのコーナーでは、
株式会社山共 代表取締役 田口房国代表にご登壇いただき、
2017年秋に開催・産地巡礼のトークショー総集編版を行いました。
田口さんが目指す”カントリージェントルマン”という生き方や、
経営者マインドについて、お話いただきました。
産地巡礼の開催ブログも、併せてご覧ください。
●伊勢神宮・式年遷宮を巡る「木曽ヒノキ備林」編
産地巡礼2017年秋 ~伊勢神宮・式年遷宮を巡る「木曽ヒノキ備林」編~
●日本一美しい村でみた、工場編
産地巡礼2017年秋 ~日本一美しい村でみた、工場編~
●この山で一番自由な奴が林業王だ!!山共と田口社長のキャリア編
産地巡礼2017年秋 ~この山で一番自由な奴が林業王だ!!山共と田口社長のキャリア編~
FSC森林認証の近況
つづいて
「脱・補助金、いま求められる国産材新ビジネスの作りカタ講座」
と題したリレートークでは、4名のゲスト講師にご登壇いただきました。
まずは、アミタ株式会社ワークデザイングループ
サステナビリティ認証チーム 小川 直也さんから、
FSC®認証制度の近況についてお話いただきました。
1.登録件数の状況
2.製紙業界の動向
3.オリンピック動向
と3つの近況紹介を通じて、小川さんからのメッセージは、
「日本は、ルールを作れば、キッチリ守る国!
しかし、ルールそのものにグレーゾーンが多いのでは・・・?」という問いかけでした。
森林資源を扱い事業を営む中で、
世界基準のルールに対して、どう対応しますか?
その前に顧客へ説明できる、
自社の資源利用に係る理念とルールはありますか?
地域経営を担う皆さまが、
森林認証分野の博士になる必要はありません。
認証分野の最新動向については、
小川さんのような専門家から教わりながら、
自社の経営の付加価値を高めるチャンスとしていただければ幸いです。
併せてこちらのコラムもご覧ください。
【ちいきのコラム】森林認証 必要あるの?の答え
【ちいきのコラム】森林認証 必要あるの?の答え
森林資源量について改めて考える
さて、リレートークの2人目は、
公益財団法人 自然エネルギー財団 上級研究員の
相川 高信さんにご登壇いただきました。
こちらの講演では、
「2015年パリ協定の採択から、
世の中の流れが大きく変化している。」と、
エネルギー利用に係る世界の動向や
ドイツにおけるエネルギー政策についてご紹介させていただきました。
「森林大国」とも称される日本ですが、
国内の森林資源活用状況をみても、
森林資源に恵まれた国と言えるのでしょうか。
日本の場合、森林面積と比べて人口が多いので、
人口当たりに森林面積を換算すると、
ヨーロッパ各国と比べて小さくなります。
人口一人当たりの森林面積が少なく、
木質バイオマスも頭打ち状態。
真の森林大国と言える状況でしょうか?
「①リソースフルネスの概念を持とう!」
日本は森林というリソースに満ち溢れていることを認識し、
活かす方法を考えること。
地方創生や自立を考慮すると、
地方こそ”うちの地域には、こんなに資源が溢れている!”と
感じられることが大切。
「②出発点として、戦後を忘れない。」
伐採しすぎた歴史の事実は確かにあった。
焼野原になった戦後の山々に植林し、蓄積されたのが、
今ある森林資源。
あくまでも持続可能な資源を扱うのは
「人間」であることを前提に、出発点として戦後を忘れない。
講演を通じて相川さんからは、この2つのメッセージを頂きました。
キーワードは、As a tax player!
リレートークの3人目は、
株式会社トライミライ 三好琢さん。
「経営者に必要なのは利益、
学者に必要なのは理想、
政治に必要なのは誇り。
私は政治の世界からやってきたので、
誇りを大切にしています。
仕事は、縦割りを理解することが専門。
また、政治の言葉が分かるので、
政治家と皆さんを繋げるのも僕の仕事です! 」
という自己紹介の下、政治家の仕事と、
民間の経営者に求める役割についてお話いただきました。
アメリカでは、”納税者として言わせろ”という意を込めて、
「As a tax payer!」 というフレーズが用いられるそうです。
経営者の仕事は利益を上げること。
政治の仕事は、稼がれたお金を使うこと。吸い上げて使う仕事。
この仕事の“違い” を再認識した上で、
集められたお金(=税金)の使われ方をチェックしていますか?
1)経営者は利益を上げよ!
2)そして、政治に知らしめろ!
3)さらに、行政の代わりに考えろ!
As a tax player!~納税者として声を上げよ!~
三好さんからの講演では、
地域から経営者が集まった今回のセミナーを通じて、
このようなメッセージをいただきました。
ここがヘンだよ林野行政&業界、あと人材
リレートークの最後は、
総合地球環境学研究所 FEASTプロジェクト
上級研究員 田村典江さんにご登壇いただきました。
田村さんのトークは、
昨年度の国産材ビジネスセミナーでも大好評でしたので、
この続編をお話しいただきました!
まず、森林・林業・木材業界と政策(林野庁)のヘンなところは、
①現場と政策の距離が近すぎる
②行政の悪口を言うワリに、過信しがち!?
との所感の下で、
林野庁とのプロジェクトを各種経験された田村さんから、
林野政策の流れや、支援のメインターゲットを
図式によって、分かりやすく、そして面白くご紹介させていただきました。
そんな田村さんからの問いかけは、
「専門技術者はどこにいる(べき)なのか?」ということ。
地方分権の下で、財源としての森林環境税が設置されます。
ここにきて、専門技術者は、どこにいるべきでしょうか?
-木を育てる、管理する専門家
-木を伐る、売る専門家
-空間としての森林を管理する専門家…etc
行財政改革の動向の下で、
市町村行政の人員は削減され、既存の業務に手一杯な場合も
少なくないと言います。
今回のフォーラムに参加するような事業者がコアとなり、
経営者のプロとして、市町村に意見してほしい、とメッセージをいただきました。
フォーラム企画を通じて、古川が伝えたかったこと。
今回の特別フォーラムを通じて、
主宰者の古川が伝えたかったことは、
1.コアを持て!
2.領域をずらせ!
3.独自のライフスタイルを伝えよう!
という3つです。そして、
①個:コアを高め、経営者の実力アップのための研究機関
②面:学び合う仲間たちが広がり、政策提言するロビーング機関
③個の強さ、面の魅力、独自のライフスタイルを実践している人達を発信するメディア機関
この3ステップを経て、
Clubプレミアム国産材の経営者、業界コンサルタントが共に、
新しい「木のある暮らしの世界観」を創り、届けたいと構想中です。
まずは参加者の皆さまに新構想をお届けできた、
2017年末の特別フォーラム&大望年会。
そして年が明け、新しい動向にもご注目ください!
まずはご参加&ご登壇いただきました皆さまに、
心より御礼申し上げます。