10月最終日の奈良県川上村。
杉檜に覆われた山々に、少しずつ彩りが加わり始めました。

燃え上がるように真っ赤な紅葉も素晴らしいですが、
林業産地で目にする、杉檜の合間に見える広葉樹も
緑と秋色のコントラストがあって美しいですね。

紅葉シーズンまで、もう暫くです。

 

 

 

Posted by wpmaster on 火曜日 10月 31, 2017 Under すべての記事, ちいきのgraffiti~写真集~

 

今年度は「物流」と「財務」をテーマに掲げて開催している大阪経営実践研究会は、第3回が終了しました。台風が近づき天気が荒れ工場設備の保守などの作業もある中、今回も遠くから足をお運びいただいたメンバーの皆さまに御礼申し上げます。

 

~今月のMENU~

【1】各社報告

【2】テーマ講座

『木材ビジネスにおける“財務戦略”と“在庫管理”』

ゲスト講師:長谷部正明氏(株式会社古川ちいきの総合研究所財務パートナー)

【3】今月のマーケティング講座

『「第42回全国育樹祭開催1年前キックオフフォーラム(10/21)」&「神奈川建築士会講演(10/23)」を経ての情報提供』
講師:古川大輔(株式会社古川ちいきの総合研究所 代表取締役)

【4】話題提供

①最新業界情報の提

②オウンドメディア紹介

③新組織立上げ、構想の発表

 

テーマ講座:在庫管理不十分で黒字倒産の危機

「木材ビジネスにおける財務戦略と在庫管理」
長谷部正明氏(株式会社古川ちいきの総合研究所 財務パートナー)

 

今回のテーマ講座では、第2回の研究会でもゲスト講座を担当していただいた長谷部氏にお越しいただきました。前回は財務管理について財務三表の読み方のキホンなどを説明いただきましたが、今回は前回の応用、実践編として、財務戦略と在庫管理について詳しく解説していただきました。

財務戦略の立て方に加え、在庫管理が不十分なために黒字倒産が起こる場合があることなどをお伝えし、参加者の皆様の経理、会計システム、棚卸期間などを共有しながらディスカッションを進めました。

 

参加者の皆様からは、

「他社での財務会計の取組を知る貴重な機会となった。」
「月次の管理会計、日次の管理会計の他社の最新の取り組みを知ることができた。」
「小ロット多品目の製材業という特殊性で逃げていたが、在庫管理については、今後、必ず仕組を作る必要があると思っていたので良いタイミングでお話を聞けた。」
「在庫管理の方法によって、月次管理の精度が高まることは分かっていたが、それに基づいて、自社の事業計画(SWOT分析、販管費の計画)があることで、極めて高い金融機関の評価が得られることが出来た。」
「原価の算定方法には幾つかの方法を知り、自社でルール化する必要性を強く感じた。」

といった嬉しいお声を頂きました。

 

普段の経営業務では、他社の財務会計や在庫管理の方法についてはあまり詳しくお話を聞く機会はないと思いますが、本研究会では今回のように専門知識を持つゲスト講師のお話を聞くことに加え、参加者同士、経営者同士が意見を交換することで普段知ることのできない経営情報や業界の最新情報を得られる事が出来ます。

2009年から始まり、Clubプレミアム国産材メンバを中心に回以上開催してきた本研究会の1つのメリット、強みとなっています。
これからも、この強みを活かした研究会の開催を継続していきますので、全国の多くの熱い林業・木材業経営者の皆様に参加していただき、ビジネスのヒントにしていただけると幸いです。

 

 

マーケティング講座:新聞、雑誌の読み方

皆様は会社でどのような新聞、雑誌を購読しているでしょうか。林業・木材業界であれば、日刊木材新聞や現代林業といった業界誌は購読されていると思います。

 

今回は弊社スタッフから日経MJや新建ハウジングから切り取った記事と考察メモから最新トピックスを共有した後、

・新聞は2紙以上読むこと(新聞社によって考察が異なるため)
・業界紙以外の購読をして異業界の情報やビジネス情報を得ること
・会社として購読し、社員皆と情報を共有すること
・読むだけではなく、気になる情報を切り抜きメモをとること

が重要であることをお伝えしました。業界の枠にとらわれず、異業界の情報から経営ノウハウや需要のトレンドを得ることで自社事業のヒントを得ることもできます。実際に今回の研究会に参加された方々の多くは、日経新聞やプレジデントなどのビジネス雑誌を購読し、経営に活かしていました。

 

 

次回は、産地巡礼!<11/17(金)~18(土)>

次回は台風18号の影響で延期になっておりました、産地巡礼in岐阜東白からが11月17日~18日に開催いたします。産地巡礼では、大阪では会えない全国の経営者と交流の場もお届けします。

Clubプレミアム産地の風景や文化・食を味わうツアーですが、最たる醍醐味は、経営者の哲学に触れられること!Clubプレミアム国産材メンバー、株式会社山共さまの現場を見て、参加者と共に語らうことで、自社の事業へのヒントを学んでみませんか?

 

詳しくは下記URLの産地巡礼紹介ブログからご覧ください!

https://chiikino.jp/blog/?p=8689

 

チラシダウンロードは、画像をクリック↓↓

 

 

 

 

 

Posted by wpmaster on 土曜日 10月 28, 2017 Under すべての記事, セミナー報告, 経営実践研究会[国産材ビジネススクール](大阪)

 

 

居酒屋やレストランでのこと。特に終盤では、少し酔い覚ましに一杯のお水が欲しくなりませんか?そんな時に、「お水下さ~い」と出されるお水は大抵決まって、どの店舗でも見る同じようなコップに、何のおもてなし気分も無いような水が出てくることがあるものです。もっと酷い時には、水道水そのままの塩素臭いお水が出てくることもありますね。しかしこの日、私が足を運んだお店(西中島の某居酒屋)は、違いました。飲み物の平均価格は400円~500円前後で、平均客単価3500円程度と、少し高単価の居酒屋でした。そこで「お水くださ~い」といって出てきたお水に、私たちは、目を丸くしました。出されたお水は、カクテルグラスに、お店独自で製造された氷が入り、且つ、素敵なコースターを用意し直して、提供されたのです。

 

「わぁ」

 

と声を揃えた我々はその時、この言葉を思い出しました。それは、佐藤芳直さんの著書「100年企業 経営者の条件」にも記載される「下限価格商品に企業の魂が宿る」という一言です。最も安い価格商品にこそ、企業のこだわりをだせ!という意味が込められています。末端の最低価格ですら、こんな素晴らしい価値を提供できるのか、と消費者に、認識させれば、より高価な商品には、もっとレベルの高い価値があるのだろうと期待させることができる。ファンを増やせる段階的構図としての入り口の質。安いからといって、質を落とすのではなく、「入り口商品」であるからこそ「企業の魂を込めるべき」という意味が込められています。

 

サービス会社、営業会社でいえば、新入社員が下限商品だとも言います。「新入社員です」というバッチを付けて品質の低さを敢えて認めさせてもらうのではなく、新入社員がこのレベルかと、人材育成をするべきです。

 

例えば、メルセデスベンツは「最低単価のAクラスから最高単価のSクラスまで、ドアの取っ手を握った瞬間、ベンツだとわかるのです。」と、そこに一過性の基準が定められています。また例えば、トヨタのカローラを思い、そこから、100万円で、この車なのか?と思えば、「クラウン」「セルシオ」のレベルを想起し、憧れに繋がります。著書の中で佐藤さんは、日本酒の失敗についても述べておられます。日本酒の世界では、 高級志向が強まりすぎて「入り口商品」と「高級商品」との差を広げすぎ、入り口商品の妥協により、落ち、朽ちていったのだと佐藤さんは書いておられます。何も、昨今の焼酎ブームに押されたのではなく、原因は、日本酒側にもあるということ。この日の本日の体験は、非常に納得のいくものでした。レストランや居酒屋のお水やお通しは、価格がないという点で商品ではないかもしれませんが、立派な商品です下限価格商品の典型的な例であるのではないでしょうか。

 

人づくり、モノづくり、下限商品に魂を。

(地域再生・森林再生コンサルタント古川大輔日記  2004.11.26より編集)

 

 


 

代表取締役 | 代表コンサルタント 古川 大輔  Daisuke Furukawa

twitter: @daisukefurukawa

blog: 地域再生・森林再生コンサルタント日記

 

地域と森林林業専門コンサルタントとして全国の産地を飛び回ること十数年。会社のミッションは、森林や林業、山村の問題解決ではなく「価値創造」です。そんな志を共有できるお客様・そして未来のビジネスパートナーとの更なる出会いを目指して、古川の考えや、先輩方から教わった学びを言葉にお届けします。

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

Posted by wpmaster on 金曜日 10月 27, 2017 Under ちいきのコラム

 

 

2017年10月21日、東京都内で開催された、東京第42回育樹祭プレイベント「国民参加の森林(もり)づくり」シンポジウムに、弊社代表古川がパネリストとして登壇させていただきました。

 

 

 

会場には、林業・木材業関係者、そして森林ボランティアに参加する市民の方々を中心に、約200人が集まりました。「いま“市民”は森林の何に注目しているか!?」と詳しい開催レポーティングは、今週末28日(土)の大阪経営実践研究会で、古川よりお話させていただきます。

【H29年度第3回 大阪経営実践研究会】のご案内(10/28)

 

 

さて今回は、木にまつわるエピソードについて、特に古川の印象に残っているエピソードを一つ。基調講演を務められた、山田五郎さん(編集者・評論家)が「自然と共にいきる木との関係性」について紹介される中で、教えていただきました。

 

 

 

経度の発見と木の関係

 

 

突然ですが、「経度の発見」という言葉をご存知ですか?それは「古川も、世界史の授業で習った記憶がない」とても興味深い内容でした。例えば南北(緯度)の関係は太陽を調べることで分かっていましたが、東西の動きを知ることが当時の大きな命題でした。コロンブスは、アメリカをインドと認識して西インド諸島、インディアン等々と名付けたことも、経度が分からなかったゆえ、と言われます。そのような情勢の中、経度(東西)を知る方法は、現在でいう30億円相当の懸賞金を掲げて集められました。そして考えられた方法は2つ。

 

1)何かの星に着目する

2)時差に注目する(狂わない時計を持っていけば、南中時の時刻差で経度が分かる)

 

というものでした。

 

それでも、ホイヘンス(オランダ)が作ったヒゲゼンマイ時計では、1日およそ10分の誤差が生じるため、正確な時刻計測による経度の発見には至りませんでした。さらにイギリスでは、ニュートンが委員長を務める「経度委員会」が発足されました。しかし、その後暫くの間も、経度の正確な測定方法は発見されません。しかし、漸くここで、経度の発見と木の関係に繋がります。1736年、大工のジョンハリソンが「俺らの時計を使ったらどうだ?」と提案します。それが、木の歯車時計だったのです。それは放射状に木を組んで作られた時計でした。

 

木材ならではの

1)温度変化しないこと

2)錆びないこと

3)軽いこと

という特長が生かされたジョンハリソン大工の時計によって、正確な時間を計測でき、これによって経度の発見に至ったのです。ちなみにこの方法は貴族の中で円滑に認められず、賞金が出るまで20年も掛ったという後日談も教えていただきました。

 

 

「木の文化というのは、自然の文化(人間の営み)であり、相反するものの、共存である。」

 

「人間が、自然の欠点を補って文化となっていく。」

 

 

基調講演の最後、山田五郎さんは、このようにお話されました。林業に携わる方々から見ると、「自然こそが人間の欠点を補ってくれている」と補完関係を述べられるかもしれません。しかしながら、一方で、人間こそが、自然に唯一、大きな手を加えられる生き物であるという視点であれば、文化を生み出すのは我々自身であると気付かされる講演でした。「経度の発見」と木の文化。他にもクリスマスや欧米のお祭りにおける、木との関係。ヨーロッパの文化を対象に、旅するように木のお話を教えていただきました。国民参加の森林づくりシンポジウム。最も聴衆の注目を集めたテーマは何だったでしょうか?詳しくは、10月28日(土)大阪経営実践研究会in新大阪でもお話しいたします。

 

★開催のご案内はこちら

【H29年度第3回 大阪経営実践研究会】のご案内(10/28)

 

 

 

Posted by wpmaster on 火曜日 10月 24, 2017 Under pick up, お知らせ, すべての記事, 経営実践研究会[国産材ビジネススクール](大阪), 講演&研修 報告

 

この日は、ある製材メーカー様の定期支援。お客様の会社まで車で2時間半の道中、いつもに増して心が躍ります。そのワケは、毎回夕方17時からの社員研修会。お昼前~夕方までの幹部会議を終えた後は、社員様も含めた全員参加型での研修会を開催していますが、この日は特別編として新しく設置された6軸モルダー加工機の実演加工見学会が待っていたのです。新しく設置されたピカピカの格好良い機械ですが、この日までは製材部の一部の方にしかお披露目されていませんでした。他の社員の皆さまはどんな風にご覧になるだろう!?この会社で新たなモノづくりが始まる瞬間。その場に立ち会えることに感謝しながら、その時を写真におさめようとカメラを構えました。

 

 

それぞれの立場の会話が交差する

 

少し補足をすると、こちらの企業様にとって「製材メーカー」とは肩書の一部です。会社全体をみると、5つの事業部(建設部、建材部、サッシ部、製材部、不動産部)から形成されるチームなのです。そして全事業部の皆さまが見守る中、いよいよ杉の原板がモルダー加工機の中へ通されます。反対側から出てきた加工品は、表面が磨かれて輝き、さらに側面には実加工まで施されて、最終製品に近い状態で反対側へと送り出されていきます。このエリアでは他に見ない高性能機械に皆さん興味津々の様子で、まずは送り出されてきたフローリング材の手触りを確かめます。そして、私はその後、各部の社員様の様子を傍から窺っていました。

 

 

まず一番大きな声で相談しているのは、製材部Aさん、Bさん。

 

「やっぱり白太は、こんな風になるから赤身ばっかりで取らなあかんかな~」

「この刃、一枚いくらするんやろ!?」

「刃も一カ月でこんなに変わんやったら、やっぱり6番を使うのは、最後だけやな!」

と、加工方法について熱心に相談しておられます。

 

 

 

次に私が質問に行ったのは、建設部のC部長。

「檜のフローリングも作ってほしい。」

「12mmでなくて9mmを使いたい!」と設計者視点で規格に関するご要望を熱く意見を聞かせて下さいました。

 

 

 

そして隣では建材部のDさんが話しておられます。

「××社のあのレベルの商品まで作りましょう!」

「△△社は、こんな塗装まで施しているが、そこまで出来るんでしょうか??」と、
他社の建材製品と比較しながら、モルダー加工+αの付加価値を高めて、売れる商品を作っていきましょう、と提案されていました。

 

 

 

一方で、同じく建材部のEさんは、「ピークでどれくらい作れるんですか?」と
生産量と在庫管理について、製材部のAさん、Bさんに質問されています。

 

 

 

 

 

会社とは、「3人の人」×経営者で動いている

 

今回、金額的にもスペック面でもハイレベルな加工機械が導入されました。製材部のAさんBさんが話す通り、機械を使いこなすだけでも、ある程度の試験期間を要することでしょう。商品とは一つの機械を通せば自動的に完成するものではない。製材部が中心となって良い品質の製品を安定的に製造するための研究を重ねていかれます。一方で、求められる商品を作るには、社員全員の視点がいかに大切か改めて教わる見学会でもありました。会社とは「作る人」「売る人」「支える人」の3人で動いていて、その全体をマネジメントするのが経営者の役割。今回の見学会では、製材部、建設部、建材部、サッシ部、不動産部という「作る人」「売る人」「支える人」が一堂に会し、一つの商品に対して、それぞれの立ち位置から質問が飛び交う光景が広がっていたのです。

 

 

 

モルダー加工機の導入を機に、新商品のパッケージ包装も一新します。生産ラインが整えば、パッケージ包装を施して、今度は「売る人」に仕事がパスされます。最近では社長の方針で新しいプロジェクトが始まると、他部署の方々も“自分の仕事にどんな影響があるだろうか??”と興味を持ってもらう雰囲気が、じわじわと生まれているように感じました。

 

 

 

5つの事業部から構成され、役割分担が明確な会社だからこそ、

 

1)まずプロジェクトチームごとに動いて実績を作る

2)社内全体で報告会を行う

3)各部の視点から精査して全員で動く

 

と、誰もが最終的には当事者であると認識してもらい、バトンを繋いでもらうように、各プロジェクトを進めていこう。直接的にはモノづくりに携わらない私自身も、背筋が伸びる想いの見学会でした。はやくお施主様のお宅まで、新商品をお届けしたいですね!

 

 


 

【アシスタント/マーケティング主査  |  老籾千央 】

古川ちいきの総合研究所、入社三年目。アシスタントとして、代表古川と共にお客様のプロジェクトをお手伝いしています。本コラムでは、「アシスタント老籾が仕事の中で学んだこと」を通じて、“ちいきのメソッド(弊社がセミナー・研究会でお話するマーケティングフレーム)”をお届けします。コンサルティング会社が日々どんな仕事をしているのか!?と私たちの日々をご覧ください!

 


 

 

Posted by wpmaster on 月曜日 10月 23, 2017 Under ちいきのコラム, 未分類

 

 

20年という周期を定めて社殿を更新し、新たな社殿に神体を移す伊勢神宮の「式年遷宮」。その式年遷宮で用いられるヒノキを中心とした木材は、どのような森で育まれているのでしょうか?来たる11月17日~18日に開催される産地巡礼では、この式年遷宮の背景を辿ります。三重県の伊勢神宮で、林業施業と大工技術の継承を命題としている20年ごとに行われる式年遷宮では、なんと1回の遷宮で1万本以上のヒノキが用いられるそうです。持統天皇4年(690年)に第1回が執り行われた式年遷宮制度(天武天皇のご発案)ですが、長い歴史の中で一時的な中断はあったものの、約1300年の長きにわたり続けてこられました。この度は、産地巡礼で木曽ヒノキ備林を訪れる前に、簡単に予習してみませんか?そして、現地ガイドからの案内を楽しみに当日を迎えましょう♪

 

木曽ヒノキ備林のキホン

 

今回の産地巡礼では、木曽ヒノキ備林と呼ばれる加子母裏木曽国有林を訪れます。この木曽ヒノキ備林からは、伊勢神宮式年遷宮の御用材をはじめ、日本を代表する文化財的な建造物への木材供給が古くから行われてきました。木曽ヒノキ備林の概要は、面積約730ha、標高820~1,820m、木曽ヒノキ択伐で育成複層林施業が行われています。平成10年の標準値調査によると、全体蓄積32万㎥のうち、樹種別の蓄積割合はヒノキが76%、サワラが23%、その他の樹種が1%。「ヒノキ備林」の名の通り、ヒノキが多くを占めています。その備林の樹齢は約300年~400年で、平均直径は50~80cm、平均樹高25mと、データからも大径木が並ぶ景色を想像できますね。(参考:木曽ヒノキ備林(旧出ノ小路神宮備林)案内の取り組みについて:東濃森林管理署 http://www.rinya.maff.go.jp/chubu/gijyutu/siryousitu/pdf/181.pdf)

 

 

木曽地域における森林利用と保護の歴史

 

木曽ヒノキ備林のある木曽と言えば、木材界で知られている言葉の一つ「木曽五木」。木曽五木とは、木曽地方を代表する5つの樹種を示します。それは、アスナロ、サワラ、ヒノキ、ネズコ(クロベ)、コウヤマキの5つですが、頭文字を取って、「あさひねこ」と語呂合わせで覚えることもあります。どうして木曽の山々には、ヒノキを中心とした特定の樹種が残っているのでしょうか?それは、1624年、尾張藩による禁伐統制から始まった森林保護施策に起因しています。無許可での木曽五木の伐採を禁じるために、なんと江戸時代には「木一本、首一つ」と呼ばれるほど、無許可で木曽の木々を伐採することは、重罪に課せられたのです。よって現在の木曽ヒノキ林が成立したのは、平均樹齢から考えて、江戸時代の森林保護政策が大きな要因と考えられています。こうして育まれた木曽の備林からは、姫路城「昭和の大修理」のほか、昭和以降、歴史的木造建造物の修復などに木材が供給されています。なお、今回の産地巡礼では、木曽ヒノキ備林ならではの伐採方法や森林づくりの計画についてもお話をお聞きします。神宮備林ならではの時間軸で紡がれている森づくりについて、現地ガイドの案内と共に学びに行きませんか?

 

 

チラシダウンロードは、画像をクリック↓↓

 

 

 

【見どころ1】樹齢千年の木曽ヒノキに会える!神宮備林見学

こちらの内容では、中津川市加子母村へ移動します。東白川村の隣の中津川市になりますが、伊勢神宮の式年遷宮にて納るためのヒノキ備林を現地専門ガイドにご案内いただきます。次回の式年遷宮を前に伐採を控えているため、この時期を逃すとチャンスがありません。神事ならではの特殊な伐採方法が継承されている場所ですが、まさに今年、これから伐採予定のお話が聞ける貴重な機会です!

 

 

 

【見どころ2】特別講座 経営セミナー&ディスカッション交流

大阪で隔月開催する「経営実践研究会」の特別編として、経営セミナーを開催します。田口社長を始め、Clubプレミアム国産材の経営者が集まる参加型ディスカッションも必見!下記のテーマを中心としたセミナーをお届けします。

 

★ Clubプレミアム経営者による特別講座(講師:株式会社山共 代表取締役 田口房国社長)
1)5期連続業績向上のヒケツ
2)首都圏への納材、香港等の海外展開について
3)森林組合と連携、新たな人材育成、副社長制度の取り組み
4)clubプレミアム国産材、プレミアムとは何か
5)先代からの家業の継承と発展、その後の経営のウラ
6)東白川村の村づくりと自社経営

 

 

★ 株式会社古川ちいきの総合研究所 代表取締役 古川大輔 講
1)東京オリンピック後こそが勝負、地域ブランディング(トータル林業、フリースタイル林業をつくる)
2)財務と物流で、差別化すべく3つの経営ポイント
3)林業、製材業も人材募集や人材育成は戦略人事の時代へ

 

 

★ 参加者ディスカッション&交流会
1)既存の研究会メンバーとビジョン&課題をシェア
2)異業種の参加者にも内容をシェア⇒ディスカッション
3)最後に古川が「本日のまとめ」と題して、皆さまの経営へのメッセージを要約

+α:夕方からは、美味しい夕食と懇親会♪

 

 

 

【見どころ3】株式会社山共の製材工場見学

 

山林事業部から製材業までトータルで経営する株式会社山共。実際に工場を案内してもらいながら、事業内容やオペレーションを教わるまたとないチャンス・・・!。スタッフの殆どが地元の中学校卒業という、まさに地域密着型の企業でもありますが、人材募集やキャリアアップについてもお聞きします。

 

【見どころ4】バイオマス発電所見学

東白川村の隣町、白川町へ移動し、東濃ひのき製品流通協同組合が運営するバイオマス発電所を見学します。ちなみに同組合は、株式会社山共の田口代表が現在、代表理事を務める団体でもあります。バイオマス発電事業のみならず、同組合で製造している小径木丸太や、杉の梁桁材の集荷の仕組みや加工の流れも見学させていただきます。

 

【見どころ5】懇親会&セミナー・ディスカッション

持つべきものは、「近くの異業種、遠くの同業種!」。全国から集まる遠くの同志と懇親会やディスカッションでじっくり語らう時間を設けています。地元や異業種の間では言いにくい経営の悩みも、この機会に経営者同士で相談、投げ掛けてみてください。

 

 

日付  H29年11月17日(金)~18日(土)
場所  岐阜県東白川村~中津川市加子母村
定員 先着15名
参加費 30,000円(税抜)【会員は無料】
※交通費、宿泊費、懇親会費、昼食代は別途。
※宿泊手配は、事務局が代行いたします。
キャンセル料 宿泊、交通などの手配により、開催日から逆算し
下記の通りキャンセル料が発生しますので、ご注意ください。
・7日前まで(10日):宿泊費の20%
・6日前~3日前(11日~14日):宿泊費の20%+交通費
・2日前~(15日~):宿泊費の30%+交通費+受講費
・当日(17日):全額
お申込方法 メール: info@chiikino.jp

お電話:06-7878-6376

FAX :06-7878-6326

お申込内容 ①お名前
②ご所属
③業種(林業、製材業、木材流通業、建築業、その他)
④メールアドレス
⑤お電話番号
⑥交通手段(自家用車・電車やバス)
※上記をメールまたはお電話、FAXでお伝えください。
締切り 2017年11月8日(水)まで
※定員に達し次第募集を締め切ります。

 

 

 

下記のお問い合わせフォームから、『お申込内容』をご記入の上、お申込みください。

 

 

 

 

 

産地巡礼へ行く前におすすめのコラム集

 

 

 

 

「日本で最も美しい村 」にも選出されている、岐阜県東白川村。裏木曽山系の山に囲まれ、古くからの木材産地としても名を馳せてきた地域です。今秋の産地巡礼は、ここ東白川村で林業と製材業を営む、株式会社山共 が舞台です。今回のコラムでは、株式会社山共の拠点である東白川村についてご紹介します。続きはこちら

 

 

 

 

東白川村から、首都圏のみならず今や海外まで販路開拓を目指す山共ですが、そんな山共の代表・田口房国三と弊社代表・古川の出会いは、当時2人が34歳、今から6年前のことでした。今回のコラムでは、古川の日記を遡り、山共・田口代表と古川が歩んできたブランディング中のエピソードをお届けします。それは、田口社長が代表取締役に就任し4年目の出来事でした。・・・続きは、こちら

 

 

こちらは2017年5月31日に完成した、東京大学総合図書館別館の地下1階「ライブラリープラザ」の建物。天蓋に使われた2,200本の杉は、東白川村久須見地区から産出され、山共で製材された納材事例です。立木の状態から何度も設計士、施工者の方々と打合せを重ね、20人近い人数で進められた2年掛りでのプロジェクト。このような大きなプロジェクトも完遂できるようになるまでに、多くの苦悩がありましたが、山共ではどうやって壁を乗り越えてきたのでしょうか? ・・・続きは、こちら

 

 

「田舎でデカい夢を語るとバカにされるが、ここでは夢を語れないとバカにされるんだ。それが良いよね。」産地巡礼の開催を前に、“なぜ田口社長は、経営実践研究会に集まるのか”。そんな話をお伝えしたいと思います。・・・続きは、こちら

Posted by wpmaster on 木曜日 10月 12, 2017 Under pick up, すべての記事

 

大阪茶屋町のユニクロ前を歩いていると、
吉野杉によるオブジェが灯りに照らされていました。
昨年に引き続き、イベント「まちデコールOSAKA 2017」の一環で大阪工業大学・空間デザイン学科の学生さんが制作されたそうです。(展示は10月15日までで終了)

大阪工業大学では他にも川上村とコラボしたプロジェクトを色々と手掛けておられるそうです。
地域×大学のプロジェクトを通じて、新しい交流人口が生まれていますね。大学での学習のみならず、これからの行楽シーズン、川上村の山々で目一杯遊んでもらいたいと思います!

 

 

 

Posted by wpmaster on 水曜日 10月 11, 2017 Under すべての記事, ちいきのgraffiti~写真集~

 

報告書を書きあげている時、ふと“自分は単なる自己満足な評論家になっていないか”と振り返る瞬間がありました。そんな話で言えば、1年半ほど前に「病的に自分が好きな人(榎本博明:幻冬舎)」という書籍が注目を集めましたね。私は常々、「人生とは発言権獲得ゲームである」と言っています。いわゆる実力者とどうやったら話ができるのか、認めてもらえるか。有名なもので言えば、豊臣秀吉が主君の信長のわらじを温めていた逸話。また、今や世界的指揮者として活躍する小澤征爾でも、欧州で修業した頃は無名の下積み時代を経験したと言います。また、武道や職人の世界には「守破離」という言葉があり、まず守るべき型を学び、次に型を破ってみて、最後に離れてから我流を築く考え方もあります。本書で指摘されるのは、最近はSNS等により発言権(と言うより発言の場)がドンドンと増えていて、自分が大好き過ぎる若者が増えているという社会現象について、確かに頷ける内容でした。

 

~~~書籍より一部引用~~~

「かつてなら実績や能力から評価して“論じる資格がない”ということで相手にされなかったような素人でも、専門家気取りで上から目線の論評をすることができる。〈略〉このような発信権を手にしたことで、現代人の『自分大好き』度合いは、自己効力感という形でみるみる肥大化していく。この万能感の幻想が、傍若無人の態度を助長する。『自分大好き』の度合が肥大化しすぎて見失われがちなのが、相手の立場に立つという姿勢である」

作家や野球選手がどのような苦労を経て、いまその瞬間を迎えたのか、他人の事情や気持ちは関係ないのです。

~~~

 

と、このような書籍を読むことで、「人生は、単なる発言権獲得ゲーム」ではなく、もっともっと前提に大事なことが3つある」と気付きました。

 

発言権獲得ゲームの前に大事なこと

 

①本当の意味で、相手の気持ちを同等の視点で感じられること。
②本当の意味で、実力者と同等の努力を積み重ねること。
③本当の意味で、陳腐な発言権より、同等の行動を実際にすること。

痛い目に合わなければ気付かない。人の“振り見て我が振り直せ”とはこういうことかもしれません。どうも最近の若いモンは・・では片付けられない模様です。前職時代に、先輩から色々と教えていただいた、「素直」とは何か。「力相応一番主義」とは何か。まず、否定するのではなく「素直」にやってみること。自分の実力に合わせた一番を築くことです。
たとえば、

1)私の解釈が未熟かもしれませんが、教えていただけますか?
2)教えて頂ける範囲でよいのですが、教えていただけますか?

ただ質問をする時にも、「心の持ち方」と「伝え方」が試されるのです。そして、自分が意見を言う前の2つの心意気と伝え方。自分より目上の人や経験がある人には、一旦認め、自分を卑下し、相手を尊重し、

1)なるほど貴方の言うことは、●●の視点で理解できます
2)私の意見は偏見で特殊解かもしれません

と伝えられる場合もあります。古い事例ですが、日本代表サッカーにおいて、中田英寿選手とトルシエ監督との間を通訳したダバディ氏も、上記のような解決方法で通訳ならぬコーディネートをしたとご自身が話されています。いま、色々な人に対して意見が言いやすくなったからこそ、もう一度「じゃぁ自分は何をしてきたのか」。今一度、自分自身を引き締めて、多くのよき人に出会い、未来に繋がるアクションをしていきたいところです。

(地域再生・森林再生コンサルタント古川大輔日記 2016.03.28より編集)

 

 

 


 

代表取締役 | 代表コンサルタント 古川 大輔  Daisuke Furukawa

twitter: @daisukefurukawa

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新潟県生れ、東京都町田市育ち。大学院時代、全国の農山村地域を巡り、研究の道を捨て博士課程中退。㈱船井総合研究所主任、㈱アミタ持続可能経済研究所客員主任研究員、㈱トビムシを経て独立し、㈱古川ちいきの総合研究所を設立。船井総研時代に「地域ブランド創造チーム」設立。以後、地域ブランド創造を切り口に、地域再生、森林再生に携わる。㈱トビムシでは、ニシアワー(森の学校)設立前支援、高野山・高野霊木プロデュース、経営実践研究会の実施等を行い、全国の林業木材業・地域づくりに関わる支援実績、講演多数。奈良県川上村観光PRかみせ大使、高野山金剛峯寺境内案内人。

 


 

 

Posted by wpmaster on 水曜日 10月 11, 2017 Under ちいきのコラム, 未分類