四国の真ん中、高知県本山町にて、
森林・林業ビジョン「土佐本山コンパクトフォレスト構想」を策定しました。
弊社は、策定に関する業務全般をご支援させていただき、1年の検討期間という短い時間ではありましたが、森林・林業に関わる事業体の皆様、観光協会に商工会、高校生までを加えた14名の策定委員と役場の担当職員の方々と共に、真剣かつ楽しく議論を交わし、時には会議室から飛び出して林業現場の空気感を共有しながら、計7回の委員会を経て、密度の濃いビジョンを作り上げることができました。
本山町には、四国一の大きさを誇る吉野川が、南北に伸びる町の中央を東西に流れ、上流には四国の水がめとも呼ばれる早明浦ダムがそびえ、町内には透明度が高く鮮やかなブルーが美しい支流も存在します。
また、吉野川沿いに施設や行政機能等が集約されておりとてもコンパクトで、国道や高速道路も充実し交通の便も良いのが1つの特徴です。
マチの周辺に目を向けると、吉野川北岸には全国でもここでしか見ることのできない貴重な天然のヒノキ群落が残っており、木材生産に適した人工林が多く育っています。
南岸には日本の原風景を感じさせる美しい棚田が広がり、その周囲にも豊富な森林資源が存在します。
このような個性的な特徴を洗い出し、さらに委員の皆様がそれぞれ抱く想いや課題を掘り出し、こうなっていたいという50年後の未来の山や町の姿、今自分たちが達成したいこと、やらなくてはいけないことを拾い上げ濃縮したのがこのビジョンになります。
ビジョンの冊子で表紙に描かれているシンボルマークも、前職ではデザイン業をし、退職後に本山町に移住をして林業をされている方に作っていただきました。
町の特徴と森林の多様なあり方(ビジョンで定めた7つの森)がぎゅっと一つにまとまったマークが出来たことで、委員の中の一体感が一層高まりました。
また、ビジョンを策定する前までの最近数年間の本山町の様子を振り返ってみても、美しい棚田を活かしたブランド構築を着々と進めていたり、機能が整ったアウトドア活動拠点ができたり、バイオマス発電と発電時に発生する熱を活用したハウス栽培施設が稼働したりと既に多くの情報、人、物が動いていました。
その上で、今回ビジョンを策定したことで関係者の役割が明確になり、各々が主体的に進める事の選択と集中がしやすい土台が出来たことで、より一層、目標達成に向けた動きが加速化することが見込めます。
コンパクトなマチと7つに色分けされた森を拓き、理念に共感する仲間を増やしながら、多様性と可能性が広がっていく今後のチーム本山に、是非注目ください。
(以下、本山町ホームページリンクより本文をご覧いただけます)
https://www.town.motoyama.kochi.jp/soshikikarasagasu/machizukurisuishinka/5/1063.html
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なお、
追記となりますが、
森林環境税が、2024年度から国民1人ひとりが年額1,000円徴収されていきます。以降はこれまでにも増して、市町村ごとに住民や企業に対する森林・林業に関する事業の明瞭な説明と、期限と具体的なゴールを定めたビジョンの必要性が高まります。
「森林環境税の使い方がわからない」の前に、どうありたいか、どうなりたいか。地域の方々と行政とが一緒になって討論していく。
またビジョンも策定をして終わりではなく、関係者が主体性を持って動かしていけるビジョンにしていかねばなりません。
私たちは、調査ヒアリング→委員会運営→仮説設計→ビジョン策定をするのみではなく、その後の活動まで伴走させていただき、その土地ならではの地域づくりを増やせるスタイルで業務を遂行するポリシーがあります。
ビジョンを策定したいが具体的にどう作ったらよいのか、また作った後の実行にどう移せばよいのかが分からない、森林環境譲与税(森林環境税)の運用や地域住民への浸透、啓蒙を合わせた計画を立てたいが、
マンパワーが足りないという地域の皆様は、是非一度弊社までご相談ください。