2017年もあと数日という時期になりましたが、みなさまにとって今年はどのような1年だったでしょうか。毎年「日経トレンディ」が発表している、ヒット商品ランキングの公開に合わせ、弊社が独断と偏見で、今年も林業・木材業界のトレンドニュースを発表いたします!

=====================

昨年(2016年度)のランキングを思い出したいという方は

以下URLからご覧ください。昨年は、1位は、ポケモンGO⇒隈研吾でしたね。

https://chiikino.jp/blog/?m=201612

=====================

まずは、2017年の「日経トレンディ」が発表したヒット商品はこちら!

 

1位 Nintendo Switch

2位 明治ザ・チョコレート

3位 クラウドファンディング

4位 ミールキット

5位 ビットコイン

6位 クラフトボス

7位 リンクルショット メディカルセラム

8位 でか焼鳥

9位 anello(アネロ)

10位 ハンドスピナー

 

いくつかは購入されたものあるのでしょうか?世間のマーケット情報に詳しく、時流に乗られているみなさんは全てご存知のことと思います。ちなみに、12月17日(日)の経営実践研究会(年末フォーラム)で発表したとき、参加者の中ではこの中で4つ購入したという方が一番多かった購入(体験)者でした。

ちなみに昨年の1位は「ポケモンGO」、今年は「Nintendo Switch」と任天堂様関連の商品が2年連続1位となったことが話題となりました。

 

 

では、お待たせいたしました、

林業・木材業界のヒット商品ランキングの発表です!

 

第10位:ハンドスピナー ⇒ プラントハンター

(画像引用元:http://from-sora.com/)

 

日経ヒット商品のほうで10位となったハンドスピナー。くるくる廻すだけというおもちゃ。しかし、何故か気持ちがいい~!楽しい~!と、人気ユーチューバーの商品紹介動画をきっかけに広がりました。

 

今回、10位のハンドスピナーに対して、林業・木材業界からは、カタカナの類似から、ここ最近のクリスマスツリープロジェクトで注目が急上昇している「プラントハンター」を10位とランクインさせていただきました。

 

林業・木材業に関わる仕事は様々ありますが、プラントハンターという仕事(人物)は知らなかったという方もいるのではないでしょうか。主に17世紀から20世紀の欧州で盛んであった職業であり、食料・香料・薬・繊維等に利用される有用植物や、観賞用植物の新種を求め世界中を探索する人を指します。

 

プラントハンターの活動が注目されることで森林、植物への関わり方の多様性、また自然との直接的な関わりを生業とすることへの奥深さを考えさせられるきっかけとなったのではないでしょうか。

 

なお、話題となったのは、このプロジェクトに対してや、プラントハンターの西畠 清順さんに対しての意見がSNS上に炎上したということです。今年、朝倉市や日田市など九州北部での大豪雨で山林崩壊が広がりました。人工林諸悪の根源説とか、表層崩壊と深層崩壊どっち説とか、専門家以外の情報発信が多数とひろがりました。今回の件でもそうですが、

・SNSは誰もが発言権を獲得できる諸刃の剣であり、必ず賛否両論が生まれるもの。

・二次情報(SNS)を鵜呑みにしない。

・一次情報を自分で見て、自分の意見をきちんと持たれたい。

・専門家というポジションなのが、自由人なのか、発言(権)に責任を持たれたい。

 

弊社の12月経営実践研究会(年末フォーラム)では、ハンドスピナーがyoutubeで広がったことも含め、プラントハンターからの学びについては、SNSとは何か、情報発信とは何か、真実(科学的根拠)は何か、それらをどう考え、自分はどう行動するかという結びを得ました。

(参考)

http://www.soratree.jp/message.html

めざせ!世界一のクリスマスツリー あすなろの木について寄せられるご意見等について ~清順より大切なメッセージ~

 

 

第9位:anello(アネロ)⇒Montbell(モンベル)

(画像引用元:https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1132140)

 

第9位は、女性のターゲットとして、機能性とデザイン性が重視されたガマ型リュックを展開されたanello(アネロ)。これに対しては、ファッション業界繋がりで、ついにあのメーカーが林業へ参入!?ということで、9位を「Montbell(モンベル)」とさせていただきました。モンベルは日本発のアウトドアメーカーとして有名ですが、なんと、ロガーパンツなどの林業ウェアが今年、発売されました。他にも農業、漁業のウェアも発売しており、一次産業をサポートする姿勢を強めています。「日本の第一次産業を元気にしたい。そんな思いから誕生したモンベルのフィールドウェアに新商品が加わりました。」とWEBサイトにあります。

 

従前から、八戸森林組合など、先進的な林業服の開発やデザイン展開、ショップ展開をされていますが、これからは異業種の衣料メーカーからも林業ウェアが広がり、より快適な作業が出来る将来に期待もたれます。また、女性にうけるデザイン性、機能性というのはあらゆる業界においても重要なテーマとされています。

 

第8位:でか焼き鳥⇒日本一でかい花脊の三本杉

(画像引用元:http://dobanzy.com/aruku.html)

 

みなさんヒット商品8位の「でか焼き鳥」はコンビニで食べましたか?大きいだけでなく美味しいですよね!さて、その「でかい」といえば、新たに日本一高い木として林野庁より認定された「花脊の三本杉(京都)」でしょう。これまで日本一高い木とされてきた愛知県新城市の「傘杉」(59.57m)を上回る62.3mと判明されました!

 

ちなみに世界一高い木はアメリカカリフォルニア州のセコイアの木で115.55mとのこと。世界を見ると上には上がいることを思い知らされますね。

 

ただ、発見と言っても、普段あたり前に見ているものが、メディア注目を集めて改めて日本一だったということ(価値)に気付くことも少なくない事例では?という投げかけができます。

 

また今年1月に就任したアメリカ大統領。そのドナルド・J・トランプ氏の著書「お金の作り方は億万長者に聞け!」のある部分から代表の古川が記憶に残った部分を引用しますと、「成功が一夜にしてもたらされるものだと、思いがちなのは、それまで無名だった人が突然、有名になるのをテレビや新聞(いまはインターネット)でみるからだ。しかし、数百年育ってきたセコイアの木を考えてみるといい。テレビのクルーがある日、その木を番組で取り上げることにしたからといって、それまでその木が存在していなかったわけではない。」と、このあと、スポーツ選手や音楽家を例に、不断の努力、基礎練習、その大切さをトランプ氏は述べています。トランプ氏が、木の話をしていたというのも驚きですが、やはり経営で大事な視点というのは、お金持ちになるかならぬかということはあくまで結果論だということも大きな学びになります。

 

改めて、「でかい」という事実から、①何かで日本一(地域一番)になること ②発見されるネタはまだあること ③不断の積み重ねが大事。ということを、第8位から学びました。ぜひ、花脊(京都府)の日本一の木に行ってみましょう。

 

第7位:リンクルショットメディカルセラム⇒セルロースナノファイバー

(画像引用元:http://www.nipponpapergroup.com/research/organize/cnf/)

 

苦節15年の開発を経て、日本で初めてのシワを改善する薬用化粧品であるリンクルショットメディカルセラムに対しては、業界からは「セルロースナノファイバー」を上げたいと思います。

 

夢の新素材がここでランクインです。セルロースナノファイバーは木材の主成分であるセルロースをナノレベルまで分解し作られた素材で、現在は製紙会社を中心に商品開発が進められています。おむつ、ボールペンのインク増粘剤、食品添加剤までと用途の可能性は大きく、様々な素材に代替してこれからも市場を伸ばしていくことが予想されます。2017年は新商品の発売も多くありました。世界の潮流である脱炭素社会に向け、様々な産業に変革が必要でありますが、経済産業省は「平成 25 年度製造基盤技術実態等調査(製紙産業の将来展望と課題に関する調査)」において、CNF の市場規模目標を年間 1 兆円としています。各メーカーからの新商品に期待が持てます。

 

第6位:クラフトボス⇒クラフトウッド・メーカーウッド

 

クラフトボス、人気商品でしたね。ヒットポイントは以下3つと考察します。

https://www.suntory.co.jp/softdrink/craftboss/

 

1. 冷めても美味しいというこだわり品質(製造のこだわり)
2. セルフコントラスト(2対比較の販売)と新たなパッケージデザイン
3. ターゲット設定として、働く男イメージからオフィスで働く若い新しい層を作ったこと。

 

そんなクラフトボスに対しては、クラフト繋がりで、ウッディーラー豊田の2つのブランド、「クラフトウッド・メーカーウッド」の創設を6位としてランクイン。木材の流通、産地ブランドは立地・規模に応じて形成されるものでもあります。ウッディーラー豊田は、クラフト系統とメーカーウッド系統で、求める品質、量が異なるので、2つのブランドを発足させました。

http://woodealer.jp/

また、全国で杉と桧のクラフト系の新商品が続々と生まれており、先日に発表されたウッドデザイン賞2017でも多くの杉と桧のオシャレなクラフト系の商品が受賞されています。

特に、奈良県は吉野の川上村の木工作家、平井健太氏は、吉野杉の特徴を活かし新たな曲げ技術を駆使した和モダンチェアを商品開発し、国際家具デザインフェア旭川2017にて、ブロンズリーフ賞、ウッドデザイン賞でも林野庁長官賞を受賞しました。注目です!

https://www.studiojig.com/

 

第5位:ビットコイン⇒森林環境税

 

通貨の常識を変えつつあり今後も注目のビットコインに対しては、国がかかわるお金の話題ということで「森林環境税」です。税金は、空想のお金かリアルなのか、仮想通貨はどこへ?

既に、都道府県別ごとの税制として導入されている森林環境税(森林整備に係る税の総称とする)ですが、2024年からは国税としても徴収される予定となっています。税金の二重取りになるのではとか、どのような分配をするのか、実際にどう使うのか、友好的に使える地域はあるのかと様々な問題が提示されている中、約600億円の税収がどのように使われていくか、対象となる予定の市町村自体が常にどのようなビジョンを描いているかが肝要であり、また我々のような事業者側(民間企業)からも大きく提案(事業ビジョン⇒地域ビジョン)を挙げていく必要があります。

本件については、12月経営実践研究会(年末フォーラム)にて、4名のコンサルタントが集まり、ディスカッションを深めましたのでまた別途報告いたします。

 

第4位:ミールキット⇒モクタンカン/ツギテプロジェクト

(画像引用元: http://moktankan.com/)

ミールキットはご存知ですか?おいしい料理の完成写真があり、食材はカット済、料理済のものがキット化されていて、すぐ選んでネットで注文できる!というオイシックスさん等が展開されている食材宅配サービスです。我々の業界でも、①完成する建築イメージを訴求し、②部材と素材は加工化が進んでいて、③すぐ選べて買えるかどうかというのは、建築空間(木材利用の促進)でも重要なポイントです。

ということで、この4位のミールキットに対しては、気軽で簡単に利用できるキット化商品という観点から「モクタンカン」と「ツギテプロジェクト」を選ばさせていただきました。モクタンカンはΦ48.6の木単管とクランプのシンプルな組み合わせで家具等を制作することができます。

 

ツギテプロジェクトは、西粟倉村に本拠点を構えるようびのプロジェクトです。1種類の継ぎ手から設計された新しい拠点づくりを進めています。

 

公共木材利用促進法が制定されてから時間がたちますが、最近の中大規模の建築物では、あたらしいトラス構法を導入した木質化等が発展しており、キット化する建築は今後も伸びる見込みです。香川県の六車工務店さんは「森ではたらく!(学芸出版社)」にも、著者として書かれていますが、若杉軸組工法という方法を確立し、大きな梁桁を持ち要らず、戦後植林された小さな木(柱用材の間伐材)から正角のみで住宅を建築できる構法を展開されています。キット化というシンプルさとは若干にズレましたが、今後は、わかりやすく、選べる規格化こそが国産材マーケット開拓のキーとなってくるでしょう。

 

=================

モクタンカンWEBサイト↓

http://moktankan.com/

ツギテプロジェクトWEBサイト↓

http://tsugite.youbi.me/

=================

 

 

第3位:クラウドファンディング⇒(業界内プロジェクト)

3位のクラウドファンディングに対しては、林業・木材業界も同じく「クラウドファンディング」から選びました。業界内でも様々なプロジェクトがクラウドファンディングにより資金を集め実効性を高めてきました。

その中でも、「ばんえい競馬の引退馬を林業で再雇用!」(ソマミチプロジェクト)、「神戸の舟工房を継承した六甲山の木でモノづくり拠点整備」(六甲山プロジェクト)が注目されました。

クラウドファンディングをはじめ資金調達の方法は他にもありますが、幅広く実行手段を知ったうえで、何が適切であるかを選択してプロジェクトを実施するべきという意味も込めて3位にランクインです。

 

第2位:明治ザ・チョコレート⇒木のある暮らし展

明治ザ・チョコレートは買われた方も多いでしょう。とてもオシャレなパッケージですが、会社上層部が、こんなチョコレートっぽくないデザインでは売れない!といったものの、若い社員のオシで大ヒットといった事例でも有名です。これに対しては、産地の魅力を引きだしながら個性を活かした統一感あるPRという点で「木のある暮らし展」です。

・明治ザチョコレートは、斬新なパッケージデザインだけでなく産地が見え、デザイン性が高いことが売り

・店舗でも、産地の分かるカカオ豆を使う、チョコレートバー等も最近は増えている。

・「Bean to BAR」の情報が充実。

http://www.meiji.co.jp/sweets/chocolate/the-chocolate/bean-to-bar/

 

・旅する日本の森と産地をテーマに開催した「木のある暮らし展」のコンセプト。

 

Clubプレミアム国産材の主催で3月29日に開催した「旅する日本の森と産地」をテーマとしたライフスタイル展示会でしたが、多くの来場者、複数のメディアにも取材いただき多くの出会いある1日となりました。

======================

「木のある暮らし展」開催結果(ショートムービー)はこちらから

https://chiikino.jp/blog/?p=7107

報告ブログはこちら。

======================

 

 

第1位:任天堂Switch.スウィッチ ⇒スギッチ

(画像引用元:http://j-town.net/tokyo/news/localnews/236422.html?p=all)

 

栄えある第1位は、Nintendo Switch.スウィッチ..スイッチ…ス〇ッチということで、「スギッチ」です!弊社メディアパートナー岩井有加が一オシの推薦。毎度、一位は駄洒落しかなくすみません。

今年の引退といえば安室奈美恵さんも寂しいニュースでありますが、この秋田県公式マスコットキャラクターで「TVチャンピオンゆるキャラ日本一決定戦」の優勝経験もあるスギッチの引退が決まり、業界内(秋田県内)は震撼したことは記憶に新しいのではないでしょうか。(詳しくは、スギッチ 引退 で検索くださいませ。)

なお、スギッチは秋田杉をモチーフにされた愛くるしいシルエットが特徴的です。スギッチに限らずゆるキャラの浸透度は大きく都道府県の代表格としての幅の広がりがあれば大きなPR効果が期待できます。みなさまの地域ではどのようなゆるキャラが人気でしょうか。キャラクターを活用して上手く業界をPRすることも戦略の1つですので、是非注目いただきたいところでもあります。

 

 

今年は以上のランキングとなりました!

あくまでも弊社の独断と偏見であることをご承知ください。

みなさまも是非、ご自身のヒット商品ランキングを作り2017年を振り返ってみてはいかがでしょうか。

それでは、また来年の発表をお楽しみに!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Posted by wpmaster on 木曜日 12月 28, 2017 Under pick up, すべての記事

 

 

「この山で一番自由な奴が林業王だ!!」

 

こ、このキャッチフレーズは・・・??
有名な漫画のセリフが林業版にアレンジされています。
このようなユニークなオリジナルポスターを作って、現在も求人募集を継続中の株式会社山共

現在、14名の社員が働いておられます。(うち2名はアルバイト期間中)
さらに、林業部門を運営する山共フォレストには5名が所属。
株式会社山共と株式会社山共フォレストを合わせて、19名の社員が所属し、
平均年齢38歳と、若いパワーが活躍される企業様です。

 

今回の産地巡礼では、田口社長による講演コーナーを通じて、
人材募集とキャリア育成について、教えていただきました。

 

 

変えていないのは、「木を扱う仕事」ということ。

現在、代表取締役を務める田口房国さんが
地元・東白川村に戻り、家業に入ったのは、
東京での大学生生活を終えた1999年でした。

 

現在、「山共=東濃スギ」と国産材を主に販売する山共ですが、
1999年当時の主力製品は、構造用ベイマツ。
近隣では、「ベイマツの山共」と呼ばれる会社でした。

 

家業経営者が集まる場で、
度々話題に出されるのが、先代からの守破離。
父親世代の経営から、守るところ、変えるべきところは何か、
今回の産地巡礼においても、同じような質問が交わされました。

 

そこで田口社長からの回答は、
「(経営では)変えられるところは、全て変えて来た!」
と。ただし、唯一変えていないところは何かと、改めてお聞きすると、

「木材を取扱って事業すること。
それだけが、先代の頃から、変えていない。」というものでした。

その答えの中には、
品質・納期・価格や人事考課制度の見える化、
経営方針そのものの転換など、変革を重ねてこられた田口社長のキャリアがうかがえます。

 

 

2011年~ 会社の旗を掲げる「理念」づくり

 

 

山共には、理念に共感し「この会社に入りたい」と
熱意を持った優秀な社員の方々が集まっていますが、
いずれも、ファーストコンタクトは会社のホームページから。

きっかけは対顧客のために刷新されたホームページですが、
そのターゲットはお客様に限りません。

 

 

マーケティングには、
・お客様
・投資家
・優秀な人材
と「3つの顧客」がいると言われますが、
ホームページに掲載されている企業理念や代表の想いが共感を得て、
その人柄と社風の下に、村内に限らず、地域外からも人材が集まっています。

 

例えば、人口約2000人の東白川村で、山共が20人雇用の企業とすれば、
村民のうち100人に一人は、山共の社員という計算になります。
つまり、企業の発展 ≒ 地域の発展。

単に事業の継続のみならず、地域雇用の中核を担う中小企業こそ、
「この地域で暮らしながら働きたい。」と理念の旗を掲げる必要性と
その影響力を感じるエピソードでした。

 

 

2017年~ 人材評価制度の体系化

 

今回、産地巡礼での視察の機会にご紹介いただいたのは、
最近、体系化されたばかりという、人材評価制度について。

田口社長が行ったのは、
・評価項目を社内公開すること
・定期的な個別面談を行うこと
・社員の給与を底上げすること   の3つでした。

 

賞与ではなく、給与の底上げを図った理由を聞くと、
「近年の経営状況をみると、ここで底上げできると判断したため。」

 

「会社として次のフェーズに進むために、
社員一人一人へ求めるレベルを上げたいと思っている。
そのためにはまず、会社として給料を上げることで、経営者の姿勢を示したかった。」
という2つの理由をお聞かせいただきました。

 

 

吉野林業全書を監修し、全国各地に植林指導、
林業普及を行った林業家の土倉庄三郎(1840年~1917年)は、
「利益は3等分し、国、教育、事業の為に1/3ずつ還元する」
といったポリシーを残しています。

彼のお金の使い方によって守られたものは、森林資源に留まらず、
近代日本の教育など、無形資産としても継承されています。

 

たまには皆でカレーを食べたり、子供を皆で見守ったり、
「家業」時代から培われた人間関係の風土を残しつつ、
「企業」としての成長を遂げる理由は、人材の評価制度と共に、
その根底を支える“会社のお金の使い方”にも秘訣があるのではないでしょうか。

 

 

田口社長の経営者マインドとは?

 

 

大学卒業後、すぐに家業へ戻り、
代替わりを機に、都市圏への新たな販路を次々に獲得し、
地域雇用を支えるトップランナーの一人として走り続けると共に、
地歌舞伎や消防団など、地域で暮らす一員としての役割も果たす、田口社長。

 

常に経営への変化を取り入れておられ、
林業木材業界では稀有な存在として語られる場面もあります。
しかしながらご本人に対して、経営者のマインドを尋ねると、
「自分にできることは、誰にでもできると思っています。」といった
意外な回答が返ってきました。

 

 

同時に、
「フロンティアとして、常に新しきを切り拓く役割に責任を持っている。
だからこそ、作った道に続く部分に関しては、信頼する社員に任せられるし、
それが、社員が働くやりがいになってくれると嬉しい。」

 

 

「景気が悪い、外材が悪いと文句ばかり言う人が多すぎる点に憤りを抱き続けていた。
その憤りを否定せず突き通すためには、全て自己責任でやっていくこと。
頼まれごとは、試されごとと思って、
“ここで躊躇って満足だろうか?”と自問自答しながら、
頼まれた立場を引き受けるようにしています。」
と、その心境をお聞かせいただきました。

 

 

また、田口社長はこのような視察を受け入れ、人前で講演を務めることに対し、
「人から見られている意識を持つことで、
常に変化・成長する覚悟を持てている。」と話して下さいます。

 

これまで10つの産地を訪れてきた、産地巡礼(旧 現地研修会)。
その地域ごとに、田口社長のような、
中小企業と地域の発展を担うキーパーソンに出会いながら、
学びをいただき、続けてくることが出来ました。

 

一つの節目となる開催10回目を経て、
弊社としても、その学びを体系化して、新たなサービスとして、
地域で事業を展開する経営者の方々と共に、地域の価値創造を図って参ります。

まずは、今回視察を受け入れて下さった先々の皆さまと共に、
参加者の方々にも、心より御礼申し上げます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Posted by wpmaster on 木曜日 12月 28, 2017 Under pick up, すべての記事, 講演&研修 報告

 

公益財団法人森林文化協会から月刊で発行される、
森と人の文化誌「グリーン・パワー」。

 

2018年1月号では、
2017年10月21日、東京都内で開催された、
東京第42回育樹祭プレイベント「国民参加の森林(もり)づくり」シンポジウムの
開催報告が掲載されています。

 

 

※画像をクリックするとPDFが表示されます。

 

当日行われたパネルディスカッションの内容が
抜粋版として掲載されていますので、
ご購読されている方は、6-7ページをご覧ください。

下記のリンク先からご購入いただくことも可能です。
https://www.shinrinbunka.com/publish/greenpower/
(森林文化協会公式ホームページ内)

 

また、弊社が更新した開催ブログは、こちらへ!

「国民参加の森林づくり」シンポジウム開催報告(10/21)

Posted by wpmaster on 月曜日 12月 25, 2017 Under — メディア掲載, すべての記事

 

 

人間、は興味を持ったことに対しては、自ら動きますよね。
しかし、興味を持てないことに対しては、なかなか動きません。

 

そして、興味を持たないというのはどういうことかと分析すると、
ある情報を得た後に、興味がないと判断するわけですが、
実は、大抵の場合その情報は、二次情報であり、
人の加工した情報に対して「興味がない」と判断していることが分かります。
そして、何かの情報を遮断してしまうのです。

 

過去にこう教わりました。

 

・自分で見たこと、やったこと

・信頼出来る人が、言ったこと

 

この2つしか信じてはならない。

 

この日、ある事柄に関して、
ある人が、懐疑的な意見を述べておられました。

 

私は、「そうなんだ~」と聞き流してしまったことから、
深く自ら調べることはしていませんでした。
そして、興味の目を閉じてしまいました。

 

しかし、私が発信した情報を読んだ方からメールが来て、
私は聞き流していた情報に対して具体的に調べて、私に教えて下さいました。

 

それも「こういう視点でみたら、こうプラスだね。」という内容でした。
ハっとしました。

 

なんとなく人の話を
なんとなく自分の意見のようにしてしゃべってしまっていて、
興味を閉ざした自分に気づきました。

 

人の意見を疑いなさいということでなく、

もしかしたら、
違う見え方ができるかも?
違うプラスの価値があるのでは?

 

そう思って、

「自分で見ていく、やっていく。」

 

その情報を、興味あるものにするか、聞き流してしまうか。
すなわち宝にするか、ゴミにするかは、
自分次第なのですよね。

 

そういえば、若干話がずれるかもしれませんが、
大学院時代、既往の研究を鵜呑みにするなとはよく言われましたが、
今考えれば、ご健在の人ならば、その研究者に会いに行けばいいんですよね。

 

批判的合理主義として、
自ら情報にバリアを張るような思考回路をしないこと。

 

いいとこ見つけて、動いてみる。
そういう癖付けが大事ということかもしれません。
教えてくださる人が私の周りにいます。ありがとうございます。

 

自分と違う考えがある人を、本当に信頼できる仲間として、どれだけ作れるか、
それがきっと興味の幅、行動の幅、結果の幅になるんでしょうね。

 

1)二次情報の中から、プラスを見つける癖付けをすること。

2)見つけたら動くだけじゃなく、不安でも自ら動くこと。

3)自分とは違う気づきが得られる、信頼ある仲間をつくること。

 

ということですね。
そのために(人のためになる)情報発信に余念なく。
Give&Giveの精神で。

 

「常識とは18歳までに得られた偏見のコレクションである」
というアインシュタインの言葉も思い出しつつ・・・。

 

(地域再生・森林再生コンサルタント古川大輔日記  2017.02.22より編集)

 

 


 

代表取締役 | 代表コンサルタント 古川 大輔  Daisuke Furukawa

twitter: @daisukefurukawa

blog: 地域再生・森林再生コンサルタント日記

 

地域と森林林業専門コンサルタントとして全国の産地を飛び回ること十数年。会社のミッションは、森林や林業、山村の問題解決ではなく「価値創造」です。そんな志を共有できるお客様・そして未来のビジネスパートナーとの更なる出会いを目指して、古川の考えや、先輩方から教わった学びを言葉にお届けします。

 

 

 


 

 

Posted by wpmaster on 金曜日 12月 22, 2017 Under ちいきのコラム

 

 

この度、福井県に初めて、
高野山で育まれた木でできた「高野霊木の机」が届きました。
お施主様の「住まいの夢」をカタチにする応接スペースが、
さらに木の温もりに包まれた空間となりました。

地域産材である京若狭材を基軸に、
全国のプレミアム産地材も上手くブレンドしながら、
木のある暮らしを提案する、福井高浜の平田木材店さま。

事務所の扉を開けると、
高野杉(机)と京若狭材(壁のサンプル)から、
木の心地よい香りが迎えてくれました。
きっと、お客様との会話の始まりになりますね。

 

Posted by wpmaster on 金曜日 12月 22, 2017 Under pick up, すべての記事, ちいきのgraffiti~写真集~

 

本日は愛知県豊田市から。
イルミネーション煌く市街地に木質のくつろぎ空間。

良く見ると「MAKER WOOD」と「CRAFT WOOD」のロゴがしっかりと押されています。
豊田市産材コーディネート組織であるウッディーラー豊田が手掛けるプロジェクトの一例です。

==============
ウッディーラー豊田WEBサイト
http://woodealer.jp/
==============

 

Posted by wpmaster on 火曜日 12月 19, 2017 Under すべての記事, ちいきのgraffiti~写真集~

 

本日は夕ご飯を食べながらの打ち合わせにて、最近気になる地域の取組は無いかという話題になり神戸市に拠点を構える、新鋭のリノベーションチームを紹介しました。

 

こちらのチーム、ホームページは現在開設準備中とのことで、Facebookとインスタグラムを主な情報発信媒体としているのですが、ここ数年でぐっと注目度が高まっているリノベーションチームだと認識しています。

 

最近の事例だと、

・八百屋店舗の建設(尼崎市):元社員アパートを解体、廃材を活用しながら改装を実施

・ゲストハウスの建築(神戸市灘区):旧形成外科の診療所を改装、入口看板にはレントゲン投影用の機材を活用するなどこちらも廃材を活用。

・ブルワリーの建築(丸亀市)

など店舗の設計、施工を主に行っています。

 

どの物件も個性的で、廃材をうまく活用しているところ、手作り感ある部分と職人の技が光る部分のギャップがあるところに特徴があります。

 

現在ホームページが無いものの、

・毎日の作業をSNSで投稿している。

・有名リノベーション会社との繋がりがあり、その会社のWEBページで紹介されている。

・業界内で有名なリノベーションスクールの講師を担当した経験あり。

・各物件を仕上げるために数百人のボランティアを集めている。

ということがPRの要素となっています。

 

大勢のボランティアを集めることで竣工後の店舗に訪れる顧客を生み出し、

施主もこのリノベーションチームと創り上げたストーリーを語り、そこから口コミが広がり、また違う案件が発生する。といったサイクルも生まれていきます。

リノベーションにDIYを取り込み、「空間づくり=コミュニケーションづくり」ととらえた活動が1つの魅力として広がっているのです。

 

DIYに関しては一般住宅でも注目を集めています。住宅業界のメイン顧客としてマークされているミレニアム世代は倹約をクールとみなし、合理主義な一方で「少しだけ自分流」にしたいと思い欲求を持っているといわれます。また住宅・工務店業界の最新ニュースを紹介している情報誌にはミレニアム世代の31.6%が住居のDIYをしたい、36.8%が少ししたいという結果もあり、「自身が体験する」ということに対するニーズが高い時代にあることが読み取れます。今回ご紹介したような新鋭の数人規模で地域に根差すリノベーションチームが全国に増えていき、木材業界も仲間に入り共に盛り上がる。そのような新しい絵が描けたら森林林業、木材業、建築業でまた新しい活動が生まれていくのではないかと想像しています。

 

 

(高田 日報 2017.09.29より編集)

 

 


 

【アシスタント/アナリスト  |  高田敦紀 】

古川ちいきの総合研究所、入社二年目。林業・木材業に関する弊社オリジナルの調査分析業務を中心に、行政から民間企業まで幅広く、様々な地域の支援業務に関わる。林業・木材業の新たなマーケット創造に向けて、身近な異業種からも学びを!身近な暮らしの中に潜むマーケティングのポイントを中心にお届けします。

 


 

 

 

Posted by wpmaster on 金曜日 12月 15, 2017 Under ちいきのコラム

 

寒波が寄し押せて寒さ染みる12月12日(火)、兵庫県土地改良会館にて開催された「ひょうご木の匠の会・県産木材供給促進協議会合同セミナー」にて弊社代表古川が講師を務めました。

師走のお忙しい時期の中、会場には兵庫県内の工務店、林業大学校の学生、行政の方、約60名にご参加いただきました。

 

 

 

ライフスタイル(時間)を売る

今回は、県産材利用を推進する工務店様のご参加が多かったため、マーケティング寄りの内容をメインにお話させていただきました。

その前談として、施主はどういったポイントを重視して住宅を購入するのか、「住宅10ニーズ」をご説明しました。他の講演でも取り上げる内容ですが、まず会場の皆さんにクイズとして聞いてみるといつもユニークな回答を頂きます。弊社の講演、セミナーでは必ず要所にクイズを盛り込んだ参加型としています。

 

住宅のニーズを押さえたうえで、家を家(モノ)として売るのではなく、誰とどういった時間、ライフスタイルを作れるかが需要であること、具体的には様々なファンづくり(顧客接点の創造)こと、ファンづくりのためのツアーの4つのテーマをご紹介しました。マーケットシェアだけをみるのではなく、顧客の時間シェアをいかに増やすかが重要なポイントであることをお伝えいたしました。

 

 

マーケティングレクチャー

工務店の皆様にも知ってもらいたい最近の業界ニュースとして、森林環境税の現状と、新たな制度の導入について、木にこだわりを持つ工務店だからこそ、林業界の最新情報を知り、上手な制度活用をしていただければとのことでご紹介しました。

マーケティングについて講演では、基本的なフレームの「3C」、「消費の3要素」、「ライフサイクル(地と図の関係)」3つをレクチャーしています。3Cのフレームについては、ちいきのコラムでも紹介しておりますのでお時間がある方は以下URLより、ご覧ください。

https://chiikino.jp/blog/?p=7763

 

そもそも、「地域材ブランド化」とは何かという点では、単に県産材にロゴマークを付けるのではないこと、工務店側から自社が使用する木材の特徴を定義を明確にし施主に伝えることも立派な地域材ブランド化です。弊社が関わる具体的な事例としては高野山の高野霊木、信州落葉松のプロジェクトや、京都北山杉の空間提案、Clubプレミアム国産材の活動をご紹介しました。

その他にも重要なこととして社員の皆様のライフスタイルや、社内空間(モデルルーム)の設置について、さらに重要なこととしては、工務店は工務店としてだけではなく、林業、製材(木材加工)、家具・インテリアとの連携し、規格と企画を定めることをお伝えしました。

 

プレミアム工務店10の条件

最後に、プレミアム工務店10の条件を特別公開いたしました。1つだけ紹介しますと、講演の冒頭にお話しした「住宅10ニーズ」を知り、その中で自社の強みを3つ言えること。

プレミアム工務店10の条件とは、長年全国の経営者様と出会い、成功している工務店様の共通点をまとめた10項目になります。

昨年の5月に開催した国産材2.0のセミナーのDVDにはその他の項目も全て収録されています。

弊社WEBページで販売中ですのでご興味ある方は下のリンクより、ご覧ください。

https://chiikino.jp/?page_id=5945

 

お客様の声

・大変興味深くタメになる講演でした。弊社の経営を考えながら拝聴しておりましたが、しっかりと考えなければと思う内容ばかりでした。また、会社のことのみならず、自身の生き方についても考える良い機会となりました。(工務店A様)

 

・「住宅10ニーズ」に何が入るか、参加者に質問した回答の中に「兵庫県産材」が出てこなかったことに気がつき、ハッとさせられました。顧客へのアプローチの方法にヒントになる講演でもあり、今後は自社のブランディング、特にHPのリニューアルを進めていきたいと考えています。(工務店B様)

 

・情熱=好き×憤り、まず、何か一つでも好きなものを見つけようと思います。他にも胸に刺さる言葉がありました。林業をもっと好きになれたら、勉強にも身が入りそうです。(学生A様)

 

 

最後に、弊社では、今回のようなセミナーの他に、地域企業向けのセミナーや社内向け、お取引様向けの講演会、大学講義など、内容もご要望に合わせた講演をさせていただきますので、お気軽にご相談ください。

過去の講演は以下のURLよりご覧ください。

https://chiikino.jp/blog/?page_id=193

 

 

 

 

 

Posted by wpmaster on 水曜日 12月 13, 2017 Under すべての記事, セミナー報告, 講演・研修、コーディネーター, 講演&研修 報告