2017年もあと数日という時期になりましたが、みなさまにとって今年はどのような1年だったでしょうか。毎年「日経トレンディ」が発表している、ヒット商品ランキングの公開に合わせ、弊社が独断と偏見で、今年も林業・木材業界のトレンドニュースを発表いたします!

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昨年(2016年度)のランキングを思い出したいという方は

以下URLからご覧ください。昨年は、1位は、ポケモンGO⇒隈研吾でしたね。

https://chiikino.jp/blog/?m=201612

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まずは、2017年の「日経トレンディ」が発表したヒット商品はこちら!

 

1位 Nintendo Switch

2位 明治ザ・チョコレート

3位 クラウドファンディング

4位 ミールキット

5位 ビットコイン

6位 クラフトボス

7位 リンクルショット メディカルセラム

8位 でか焼鳥

9位 anello(アネロ)

10位 ハンドスピナー

 

いくつかは購入されたものあるのでしょうか?世間のマーケット情報に詳しく、時流に乗られているみなさんは全てご存知のことと思います。ちなみに、12月17日(日)の経営実践研究会(年末フォーラム)で発表したとき、参加者の中ではこの中で4つ購入したという方が一番多かった購入(体験)者でした。

ちなみに昨年の1位は「ポケモンGO」、今年は「Nintendo Switch」と任天堂様関連の商品が2年連続1位となったことが話題となりました。

 

 

では、お待たせいたしました、

林業・木材業界のヒット商品ランキングの発表です!

 

第10位:ハンドスピナー ⇒ プラントハンター

(画像引用元:http://from-sora.com/)

 

日経ヒット商品のほうで10位となったハンドスピナー。くるくる廻すだけというおもちゃ。しかし、何故か気持ちがいい~!楽しい~!と、人気ユーチューバーの商品紹介動画をきっかけに広がりました。

 

今回、10位のハンドスピナーに対して、林業・木材業界からは、カタカナの類似から、ここ最近のクリスマスツリープロジェクトで注目が急上昇している「プラントハンター」を10位とランクインさせていただきました。

 

林業・木材業に関わる仕事は様々ありますが、プラントハンターという仕事(人物)は知らなかったという方もいるのではないでしょうか。主に17世紀から20世紀の欧州で盛んであった職業であり、食料・香料・薬・繊維等に利用される有用植物や、観賞用植物の新種を求め世界中を探索する人を指します。

 

プラントハンターの活動が注目されることで森林、植物への関わり方の多様性、また自然との直接的な関わりを生業とすることへの奥深さを考えさせられるきっかけとなったのではないでしょうか。

 

なお、話題となったのは、このプロジェクトに対してや、プラントハンターの西畠 清順さんに対しての意見がSNS上に炎上したということです。今年、朝倉市や日田市など九州北部での大豪雨で山林崩壊が広がりました。人工林諸悪の根源説とか、表層崩壊と深層崩壊どっち説とか、専門家以外の情報発信が多数とひろがりました。今回の件でもそうですが、

・SNSは誰もが発言権を獲得できる諸刃の剣であり、必ず賛否両論が生まれるもの。

・二次情報(SNS)を鵜呑みにしない。

・一次情報を自分で見て、自分の意見をきちんと持たれたい。

・専門家というポジションなのが、自由人なのか、発言(権)に責任を持たれたい。

 

弊社の12月経営実践研究会(年末フォーラム)では、ハンドスピナーがyoutubeで広がったことも含め、プラントハンターからの学びについては、SNSとは何か、情報発信とは何か、真実(科学的根拠)は何か、それらをどう考え、自分はどう行動するかという結びを得ました。

(参考)

http://www.soratree.jp/message.html

めざせ!世界一のクリスマスツリー あすなろの木について寄せられるご意見等について ~清順より大切なメッセージ~

 

 

第9位:anello(アネロ)⇒Montbell(モンベル)

(画像引用元:https://webshop.montbell.jp/goods/disp.php?product_id=1132140)

 

第9位は、女性のターゲットとして、機能性とデザイン性が重視されたガマ型リュックを展開されたanello(アネロ)。これに対しては、ファッション業界繋がりで、ついにあのメーカーが林業へ参入!?ということで、9位を「Montbell(モンベル)」とさせていただきました。モンベルは日本発のアウトドアメーカーとして有名ですが、なんと、ロガーパンツなどの林業ウェアが今年、発売されました。他にも農業、漁業のウェアも発売しており、一次産業をサポートする姿勢を強めています。「日本の第一次産業を元気にしたい。そんな思いから誕生したモンベルのフィールドウェアに新商品が加わりました。」とWEBサイトにあります。

 

従前から、八戸森林組合など、先進的な林業服の開発やデザイン展開、ショップ展開をされていますが、これからは異業種の衣料メーカーからも林業ウェアが広がり、より快適な作業が出来る将来に期待もたれます。また、女性にうけるデザイン性、機能性というのはあらゆる業界においても重要なテーマとされています。

 

第8位:でか焼き鳥⇒日本一でかい花脊の三本杉

(画像引用元:http://dobanzy.com/aruku.html)

 

みなさんヒット商品8位の「でか焼き鳥」はコンビニで食べましたか?大きいだけでなく美味しいですよね!さて、その「でかい」といえば、新たに日本一高い木として林野庁より認定された「花脊の三本杉(京都)」でしょう。これまで日本一高い木とされてきた愛知県新城市の「傘杉」(59.57m)を上回る62.3mと判明されました!

 

ちなみに世界一高い木はアメリカカリフォルニア州のセコイアの木で115.55mとのこと。世界を見ると上には上がいることを思い知らされますね。

 

ただ、発見と言っても、普段あたり前に見ているものが、メディア注目を集めて改めて日本一だったということ(価値)に気付くことも少なくない事例では?という投げかけができます。

 

また今年1月に就任したアメリカ大統領。そのドナルド・J・トランプ氏の著書「お金の作り方は億万長者に聞け!」のある部分から代表の古川が記憶に残った部分を引用しますと、「成功が一夜にしてもたらされるものだと、思いがちなのは、それまで無名だった人が突然、有名になるのをテレビや新聞(いまはインターネット)でみるからだ。しかし、数百年育ってきたセコイアの木を考えてみるといい。テレビのクルーがある日、その木を番組で取り上げることにしたからといって、それまでその木が存在していなかったわけではない。」と、このあと、スポーツ選手や音楽家を例に、不断の努力、基礎練習、その大切さをトランプ氏は述べています。トランプ氏が、木の話をしていたというのも驚きですが、やはり経営で大事な視点というのは、お金持ちになるかならぬかということはあくまで結果論だということも大きな学びになります。

 

改めて、「でかい」という事実から、①何かで日本一(地域一番)になること ②発見されるネタはまだあること ③不断の積み重ねが大事。ということを、第8位から学びました。ぜひ、花脊(京都府)の日本一の木に行ってみましょう。

 

第7位:リンクルショットメディカルセラム⇒セルロースナノファイバー

(画像引用元:http://www.nipponpapergroup.com/research/organize/cnf/)

 

苦節15年の開発を経て、日本で初めてのシワを改善する薬用化粧品であるリンクルショットメディカルセラムに対しては、業界からは「セルロースナノファイバー」を上げたいと思います。

 

夢の新素材がここでランクインです。セルロースナノファイバーは木材の主成分であるセルロースをナノレベルまで分解し作られた素材で、現在は製紙会社を中心に商品開発が進められています。おむつ、ボールペンのインク増粘剤、食品添加剤までと用途の可能性は大きく、様々な素材に代替してこれからも市場を伸ばしていくことが予想されます。2017年は新商品の発売も多くありました。世界の潮流である脱炭素社会に向け、様々な産業に変革が必要でありますが、経済産業省は「平成 25 年度製造基盤技術実態等調査(製紙産業の将来展望と課題に関する調査)」において、CNF の市場規模目標を年間 1 兆円としています。各メーカーからの新商品に期待が持てます。

 

第6位:クラフトボス⇒クラフトウッド・メーカーウッド

 

クラフトボス、人気商品でしたね。ヒットポイントは以下3つと考察します。

https://www.suntory.co.jp/softdrink/craftboss/

 

1. 冷めても美味しいというこだわり品質(製造のこだわり)
2. セルフコントラスト(2対比較の販売)と新たなパッケージデザイン
3. ターゲット設定として、働く男イメージからオフィスで働く若い新しい層を作ったこと。

 

そんなクラフトボスに対しては、クラフト繋がりで、ウッディーラー豊田の2つのブランド、「クラフトウッド・メーカーウッド」の創設を6位としてランクイン。木材の流通、産地ブランドは立地・規模に応じて形成されるものでもあります。ウッディーラー豊田は、クラフト系統とメーカーウッド系統で、求める品質、量が異なるので、2つのブランドを発足させました。

http://woodealer.jp/

また、全国で杉と桧のクラフト系の新商品が続々と生まれており、先日に発表されたウッドデザイン賞2017でも多くの杉と桧のオシャレなクラフト系の商品が受賞されています。

特に、奈良県は吉野の川上村の木工作家、平井健太氏は、吉野杉の特徴を活かし新たな曲げ技術を駆使した和モダンチェアを商品開発し、国際家具デザインフェア旭川2017にて、ブロンズリーフ賞、ウッドデザイン賞でも林野庁長官賞を受賞しました。注目です!

https://www.studiojig.com/

 

第5位:ビットコイン⇒森林環境税

 

通貨の常識を変えつつあり今後も注目のビットコインに対しては、国がかかわるお金の話題ということで「森林環境税」です。税金は、空想のお金かリアルなのか、仮想通貨はどこへ?

既に、都道府県別ごとの税制として導入されている森林環境税(森林整備に係る税の総称とする)ですが、2024年からは国税としても徴収される予定となっています。税金の二重取りになるのではとか、どのような分配をするのか、実際にどう使うのか、友好的に使える地域はあるのかと様々な問題が提示されている中、約600億円の税収がどのように使われていくか、対象となる予定の市町村自体が常にどのようなビジョンを描いているかが肝要であり、また我々のような事業者側(民間企業)からも大きく提案(事業ビジョン⇒地域ビジョン)を挙げていく必要があります。

本件については、12月経営実践研究会(年末フォーラム)にて、4名のコンサルタントが集まり、ディスカッションを深めましたのでまた別途報告いたします。

 

第4位:ミールキット⇒モクタンカン/ツギテプロジェクト

(画像引用元: http://moktankan.com/)

ミールキットはご存知ですか?おいしい料理の完成写真があり、食材はカット済、料理済のものがキット化されていて、すぐ選んでネットで注文できる!というオイシックスさん等が展開されている食材宅配サービスです。我々の業界でも、①完成する建築イメージを訴求し、②部材と素材は加工化が進んでいて、③すぐ選べて買えるかどうかというのは、建築空間(木材利用の促進)でも重要なポイントです。

ということで、この4位のミールキットに対しては、気軽で簡単に利用できるキット化商品という観点から「モクタンカン」と「ツギテプロジェクト」を選ばさせていただきました。モクタンカンはΦ48.6の木単管とクランプのシンプルな組み合わせで家具等を制作することができます。

 

ツギテプロジェクトは、西粟倉村に本拠点を構えるようびのプロジェクトです。1種類の継ぎ手から設計された新しい拠点づくりを進めています。

 

公共木材利用促進法が制定されてから時間がたちますが、最近の中大規模の建築物では、あたらしいトラス構法を導入した木質化等が発展しており、キット化する建築は今後も伸びる見込みです。香川県の六車工務店さんは「森ではたらく!(学芸出版社)」にも、著者として書かれていますが、若杉軸組工法という方法を確立し、大きな梁桁を持ち要らず、戦後植林された小さな木(柱用材の間伐材)から正角のみで住宅を建築できる構法を展開されています。キット化というシンプルさとは若干にズレましたが、今後は、わかりやすく、選べる規格化こそが国産材マーケット開拓のキーとなってくるでしょう。

 

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モクタンカンWEBサイト↓

http://moktankan.com/

ツギテプロジェクトWEBサイト↓

http://tsugite.youbi.me/

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第3位:クラウドファンディング⇒(業界内プロジェクト)

3位のクラウドファンディングに対しては、林業・木材業界も同じく「クラウドファンディング」から選びました。業界内でも様々なプロジェクトがクラウドファンディングにより資金を集め実効性を高めてきました。

その中でも、「ばんえい競馬の引退馬を林業で再雇用!」(ソマミチプロジェクト)、「神戸の舟工房を継承した六甲山の木でモノづくり拠点整備」(六甲山プロジェクト)が注目されました。

クラウドファンディングをはじめ資金調達の方法は他にもありますが、幅広く実行手段を知ったうえで、何が適切であるかを選択してプロジェクトを実施するべきという意味も込めて3位にランクインです。

 

第2位:明治ザ・チョコレート⇒木のある暮らし展

明治ザ・チョコレートは買われた方も多いでしょう。とてもオシャレなパッケージですが、会社上層部が、こんなチョコレートっぽくないデザインでは売れない!といったものの、若い社員のオシで大ヒットといった事例でも有名です。これに対しては、産地の魅力を引きだしながら個性を活かした統一感あるPRという点で「木のある暮らし展」です。

・明治ザチョコレートは、斬新なパッケージデザインだけでなく産地が見え、デザイン性が高いことが売り

・店舗でも、産地の分かるカカオ豆を使う、チョコレートバー等も最近は増えている。

・「Bean to BAR」の情報が充実。

http://www.meiji.co.jp/sweets/chocolate/the-chocolate/bean-to-bar/

 

・旅する日本の森と産地をテーマに開催した「木のある暮らし展」のコンセプト。

 

Clubプレミアム国産材の主催で3月29日に開催した「旅する日本の森と産地」をテーマとしたライフスタイル展示会でしたが、多くの来場者、複数のメディアにも取材いただき多くの出会いある1日となりました。

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「木のある暮らし展」開催結果(ショートムービー)はこちらから

https://chiikino.jp/blog/?p=7107

報告ブログはこちら。

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第1位:任天堂Switch.スウィッチ ⇒スギッチ

(画像引用元:http://j-town.net/tokyo/news/localnews/236422.html?p=all)

 

栄えある第1位は、Nintendo Switch.スウィッチ..スイッチ…ス〇ッチということで、「スギッチ」です!弊社メディアパートナー岩井有加が一オシの推薦。毎度、一位は駄洒落しかなくすみません。

今年の引退といえば安室奈美恵さんも寂しいニュースでありますが、この秋田県公式マスコットキャラクターで「TVチャンピオンゆるキャラ日本一決定戦」の優勝経験もあるスギッチの引退が決まり、業界内(秋田県内)は震撼したことは記憶に新しいのではないでしょうか。(詳しくは、スギッチ 引退 で検索くださいませ。)

なお、スギッチは秋田杉をモチーフにされた愛くるしいシルエットが特徴的です。スギッチに限らずゆるキャラの浸透度は大きく都道府県の代表格としての幅の広がりがあれば大きなPR効果が期待できます。みなさまの地域ではどのようなゆるキャラが人気でしょうか。キャラクターを活用して上手く業界をPRすることも戦略の1つですので、是非注目いただきたいところでもあります。

 

 

今年は以上のランキングとなりました!

あくまでも弊社の独断と偏見であることをご承知ください。

みなさまも是非、ご自身のヒット商品ランキングを作り2017年を振り返ってみてはいかがでしょうか。

それでは、また来年の発表をお楽しみに!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Posted by wpmaster on 木曜日 12月 28, 2017 Under pick up, すべての記事

 

 

「この山で一番自由な奴が林業王だ!!」

 

こ、このキャッチフレーズは・・・??
有名な漫画のセリフが林業版にアレンジされています。
このようなユニークなオリジナルポスターを作って、現在も求人募集を継続中の株式会社山共

現在、14名の社員が働いておられます。(うち2名はアルバイト期間中)
さらに、林業部門を運営する山共フォレストには5名が所属。
株式会社山共と株式会社山共フォレストを合わせて、19名の社員が所属し、
平均年齢38歳と、若いパワーが活躍される企業様です。

 

今回の産地巡礼では、田口社長による講演コーナーを通じて、
人材募集とキャリア育成について、教えていただきました。

 

 

変えていないのは、「木を扱う仕事」ということ。

現在、代表取締役を務める田口房国さんが
地元・東白川村に戻り、家業に入ったのは、
東京での大学生生活を終えた1999年でした。

 

現在、「山共=東濃スギ」と国産材を主に販売する山共ですが、
1999年当時の主力製品は、構造用ベイマツ。
近隣では、「ベイマツの山共」と呼ばれる会社でした。

 

家業経営者が集まる場で、
度々話題に出されるのが、先代からの守破離。
父親世代の経営から、守るところ、変えるべきところは何か、
今回の産地巡礼においても、同じような質問が交わされました。

 

そこで田口社長からの回答は、
「(経営では)変えられるところは、全て変えて来た!」
と。ただし、唯一変えていないところは何かと、改めてお聞きすると、

「木材を取扱って事業すること。
それだけが、先代の頃から、変えていない。」というものでした。

その答えの中には、
品質・納期・価格や人事考課制度の見える化、
経営方針そのものの転換など、変革を重ねてこられた田口社長のキャリアがうかがえます。

 

 

2011年~ 会社の旗を掲げる「理念」づくり

 

 

山共には、理念に共感し「この会社に入りたい」と
熱意を持った優秀な社員の方々が集まっていますが、
いずれも、ファーストコンタクトは会社のホームページから。

きっかけは対顧客のために刷新されたホームページですが、
そのターゲットはお客様に限りません。

 

 

マーケティングには、
・お客様
・投資家
・優秀な人材
と「3つの顧客」がいると言われますが、
ホームページに掲載されている企業理念や代表の想いが共感を得て、
その人柄と社風の下に、村内に限らず、地域外からも人材が集まっています。

 

例えば、人口約2000人の東白川村で、山共が20人雇用の企業とすれば、
村民のうち100人に一人は、山共の社員という計算になります。
つまり、企業の発展 ≒ 地域の発展。

単に事業の継続のみならず、地域雇用の中核を担う中小企業こそ、
「この地域で暮らしながら働きたい。」と理念の旗を掲げる必要性と
その影響力を感じるエピソードでした。

 

 

2017年~ 人材評価制度の体系化

 

今回、産地巡礼での視察の機会にご紹介いただいたのは、
最近、体系化されたばかりという、人材評価制度について。

田口社長が行ったのは、
・評価項目を社内公開すること
・定期的な個別面談を行うこと
・社員の給与を底上げすること   の3つでした。

 

賞与ではなく、給与の底上げを図った理由を聞くと、
「近年の経営状況をみると、ここで底上げできると判断したため。」

 

「会社として次のフェーズに進むために、
社員一人一人へ求めるレベルを上げたいと思っている。
そのためにはまず、会社として給料を上げることで、経営者の姿勢を示したかった。」
という2つの理由をお聞かせいただきました。

 

 

吉野林業全書を監修し、全国各地に植林指導、
林業普及を行った林業家の土倉庄三郎(1840年~1917年)は、
「利益は3等分し、国、教育、事業の為に1/3ずつ還元する」
といったポリシーを残しています。

彼のお金の使い方によって守られたものは、森林資源に留まらず、
近代日本の教育など、無形資産としても継承されています。

 

たまには皆でカレーを食べたり、子供を皆で見守ったり、
「家業」時代から培われた人間関係の風土を残しつつ、
「企業」としての成長を遂げる理由は、人材の評価制度と共に、
その根底を支える“会社のお金の使い方”にも秘訣があるのではないでしょうか。

 

 

田口社長の経営者マインドとは?

 

 

大学卒業後、すぐに家業へ戻り、
代替わりを機に、都市圏への新たな販路を次々に獲得し、
地域雇用を支えるトップランナーの一人として走り続けると共に、
地歌舞伎や消防団など、地域で暮らす一員としての役割も果たす、田口社長。

 

常に経営への変化を取り入れておられ、
林業木材業界では稀有な存在として語られる場面もあります。
しかしながらご本人に対して、経営者のマインドを尋ねると、
「自分にできることは、誰にでもできると思っています。」といった
意外な回答が返ってきました。

 

 

同時に、
「フロンティアとして、常に新しきを切り拓く役割に責任を持っている。
だからこそ、作った道に続く部分に関しては、信頼する社員に任せられるし、
それが、社員が働くやりがいになってくれると嬉しい。」

 

 

「景気が悪い、外材が悪いと文句ばかり言う人が多すぎる点に憤りを抱き続けていた。
その憤りを否定せず突き通すためには、全て自己責任でやっていくこと。
頼まれごとは、試されごとと思って、
“ここで躊躇って満足だろうか?”と自問自答しながら、
頼まれた立場を引き受けるようにしています。」
と、その心境をお聞かせいただきました。

 

 

また、田口社長はこのような視察を受け入れ、人前で講演を務めることに対し、
「人から見られている意識を持つことで、
常に変化・成長する覚悟を持てている。」と話して下さいます。

 

これまで10つの産地を訪れてきた、産地巡礼(旧 現地研修会)。
その地域ごとに、田口社長のような、
中小企業と地域の発展を担うキーパーソンに出会いながら、
学びをいただき、続けてくることが出来ました。

 

一つの節目となる開催10回目を経て、
弊社としても、その学びを体系化して、新たなサービスとして、
地域で事業を展開する経営者の方々と共に、地域の価値創造を図って参ります。

まずは、今回視察を受け入れて下さった先々の皆さまと共に、
参加者の方々にも、心より御礼申し上げます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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