山菜摘みと言えば、春の行楽の一つ。
そんな日の必須アイテムは、腰カゴ。
摘んだ山菜を入れるカゴも、山の名人手作りの逸品です。
可愛らしいタンポポも、この日は食材の一つになりました。
山菜摘みと言えば、春の行楽の一つ。
そんな日の必須アイテムは、腰カゴ。
摘んだ山菜を入れるカゴも、山の名人手作りの逸品です。
可愛らしいタンポポも、この日は食材の一つになりました。
すっかり春の陽気に包まれた4月23日(月)、向かいの山には茶畑が広がる、静岡県は島田市川根文化センターにて、森林組合おおいがわや掛川市森林組合、また地域の製材所の経営者の方など約30名の方々に、弊社代表の古川が「トータル林業のススメ~林業の四則演算~」と題して、講演を務めさせていただきました。
茶業の繁忙期であるこの時期には、普段は70名ほどいる森林組合の作業員は、約30名まで減ってしまうそうです。専業林業家だけでなく、お茶と林業の兼業・副業という暮らし方のお話を聞きながら、新緑輝く春の山を登り会場へ向かいました。
今回の大きなテーマの1つである、素材・販売業から加工やその先のサービスまでをトータル的に見て、産地とモノの繋がりを提供する「トータル林業」。今回は冒頭でも申し上げた通り、森林組合の方と製材業の方など隣接異業種の方もおられましたので、垂直連携をすることでお客様にどのような価値を提供することができるのかということを、この機会に紹介させていただきました。
林業の四則演算とは、林業にとって大事な
足し算、掛け算、割り算、引き算の4つの考え方のことです。
林業経営におけるヒントがこの4つには隠されています。
実は、講演前から「この四則演算ってなんですか?」と楽しみにされていた方もいらっしゃいました。
講演後半では、四則演算をクリアし、
トータル林業を実践されている2つの事例をご紹介いたしました。
まず一つ目の事例は、一般社団法人ソマミチ(信州松本)。
ソマミチは「木を使う社会の仕組みを作る」をミッションに掲げ、地域で林業、製材、木材加工、建築設計、家具木工に関わる人達が集まって任意チームを作るところから始まりました。そして昨年末に一般社団法人となり、活動を継続しています。
森づくりから加工、家づくり、家具や木工小物まで、森林を活かすプレーヤーが集い、サポーター制度を設けることで一般の方々にも”シェアフォレスト”として森と関わる機会を提供し、「森~町の繋がり」を伝えながらトータル林業を実践しているチームとして、ご紹介させていただきました。
そして、二つ目の事例としてご紹介したのは、有限会社平田木材店(福井高浜)。
こちらは昭和21年、製材業から創業された会社ですが、現在では製材部、建設部、建材サッシ部、不動産部、企画営業部と5つの部署が稼働し、さらに地元の林業家とも協力しながらトータル林業を実践されている企業です。
コーポレートメッセージを「京若狭の木と暮らす、森と生きる。」と掲げ、京都北部~福井エリアから目利きした原木を製材加工し、「京若狭材」と付加価値を付けてお施主様に提案しています。
ホームページをご覧いただけば分かる通り、地域の美しい森と海をPRし、自然と繋がるライフスタイル、この地域の面白さをお施主様、Iターン希望の方々に伝え、まちづくりまで取組む工務店と言えるでしょう。
2社の事例からお伝えしたトータル林業のポイントは、この2つです。
■ 森と繋がる機会:シェアフォレストの提供
■ 暮らしに自然素材を取り入れる住まい:ライフスタイル提案
普段、山で林業に携わる方々の仕事こそ、消費者にとって「今まで知らなかったモノづくりの背景」として付加価値を感じるストーリーでもあるのです。今回の講演においても、素材生産から製材加工の方々までお集まりいただきましたが、協業しながらトータル林業を実践するヒントを感じていただけましたでしょうか? 今回も講演にお集まりいただいた皆様へ心より御礼申し上げます。
最後に、弊社では、今回のようなセミナーの他に、地域企業向けのセミナーや社内向け、お取引様向けの講演会、大学講義など、内容もご要望に合わせた講演をさせていただきますので、お気軽にご相談ください。
過去の講演は以下のURLよりご覧ください。
「プロジェクトって何ですか?」と質問を受けました。
質問して下さったのは、某材木流通店~製材~建築の総合会社の30代中堅社員。
質問の主旨は、プロジェクトとは、日常の延長に進めて行くものですか?
それとも日常とは異なり、ドラスティックに変化していくものですか? というものでした。
例えばインターネットで検索するとプロジェクトとは、
「一つの目的を達成するための計画の策定とその遂行。特に、期限が定まっていたり、
具体的な目標を達成したら終了するような限定性を持った計画またはその遂行のことを意味する。」とあります。(WEB- IT用語辞典 e-Wordsより)
すなわち、あくまでもプロジェクトとは、
日常業務とは別の非日常的な業務であり、特定目的のための期間限定業務であることを示しています。
よってプロジェクトとはその目標が達成されると終了し、
1)そのテーマが日常業務となって終了となる場合
2)期間限定的のため、継続が無く終了となる場合
とに分類されることでしょう。
どちらの終わり方でもよいのですが、
すなわちプロジェクトにおいては、
①目的の設定
②期限の設定
この2つの設定が肝要です。
そして、その他にとても大事となるのは「メンバー選定」であります。
私の場合はプロ集団だけで作らないチーム編成が大事だとしており、必ず
1)その分野の専門(プロフェショナル)
2)その分野の新人、素人
3)管理マネージャー
といった3タイプを入れるようにとして、進めるようにしています。
これは誰が偉いとかでなく、得意かどうかということですね。
今まで光が当たらなかった人をプロとしてチームリーダーにする。特に、素人や新人を入れて、染まらない発想を出していくような工夫をしたりするメンバー選定が大事です。
企業の営利活動をより改革(改善)していく場合でも、
行政の福祉事業をより改革(改善)していく場合でも、
プロジェクトを作るというのは、本来的な内発的発展を持続させるためのモノであり、確かに、日常業務の延長上に発展がない場合も出てきます。
ただし、そのプロジェクトを急激でドラスティックにやるかどうかというのは気持ちの問題であって、小さなプロジェクト(委員会、クラブ活動)といったものをつくり、可愛らしいわかりやすいネーミングで、変化を愉しむことも目的に適いやすくなります。そこでの成功体験を共有し、大きなチャレンジへと変化していく力相応一番主義、時流適応、長所伸展で、実行していく。常に原点回帰で改革志向を持つことです。
まとめますとポイントは、
■目的の明確化
■期限の限定性
■メンバーの適正配置 これがプロジェクトです。
さぁ、今日も通常業務とプロジェクト業務と共に頑張りましょう!
(地域再生・森林再生コンサルタント古川大輔日記 2016.01.28より編集)
代表取締役 | 代表コンサルタント 古川 大輔 Daisuke Furukawa
twitter: @daisukefurukawa
blog: 地域再生・森林再生コンサルタント日記
地域と森林林業専門コンサルタントとして全国の産地を飛び回ること十数年。会社のミッションは、森林や林業、山村の問題解決ではなく「価値創造」です。そんな志を共有できるお客様・そして未来のビジネスパートナーとの更なる出会いを目指して、古川の考えや、先輩方から教わった学びを言葉にお届けします。
経済活動には、ライフサイクル理論というのがあります。
導入期から始まり、成長期になり、安定期(成熟期)になり、衰退期となる。
それは、
栄枯盛衰という言葉とは若干に異なりますが、主体的行動な努力の結果から生まれるものでなく、
顧客の消費行動が総体として現れるいわゆる、世間の流行り廃れ、といってもよいでしょう。
これを諸行無常という大きな流れのせいにするのでもなく、その動きやスピードを感じて、先を読むことをすれば、常に勝者になることは難しいけれども、負けない力をつけることはできるものです。世の中は、弱肉強食ではなく、適者生存です。適者というのは、強い、弱いというのは、その時代、その時流により変わるものであり、変化に対応するものです。
昨日は、
3つの経験がありました。
1)「明らかに俺新しいことやりたいんだ、これやりたいんだ!」と
ご自身は導入期だと思っている方でしたが、
私からすれば、
「すみません、もうそれ、ある地域でやってますよ」というシーン。やはり全て、客観的に見て今どの立ち位置にいるかを理解せねば、戦略を間違え、その努力はすべて無駄(死)に向かうことがあります。
2)あるベンチャー起業家の話
「おれ、すげぇだろ」と自慢していました。それは確かにすごいこと。
しかしそれは単にそのビジネスが成長期だっただけで、誰でも経営者になれる、問題は次の持続性を生み出すかが起業家から企業家と、言われるようなシーンでもありました。
3)もうひとつは、
自分自身の会社の変化への対応です。
新しい提案をどう社内に取り入れていくか、最近どうも、林業関係の話題が増えてきました。
色々な方が参入しています。ある意味、新しい成長期になっているかもしれません。
企業体としての変革を、社員提案や外部の知恵からも実現するようにならねば、成長期に乗れません。また、補助金に慣れて弱体化している経営体、市場を撤退せずに林業を行っていると指摘される方もいらっしゃいます。
さて、ある日、
都知事候補の小池百合子氏が選挙PRのために、
奥多摩に行って、東京チェンソーズの青木君ところへ行って
林業体験し、東京の多摩地区のPRをしていましたが、時代も変わったなと思いました。
票が少ないところも応援しているという姿勢は、票の大きいところにも間接的に波及しますし。それが林業というものなのかもしれませn。
農林族とか族ではない「属」ではない、俗な流れにはなってはいけないが、時流に適応していかねばならない経営の持続可能性とは何か。
林業の持続可能性と経営の持続可能性を、視野広く、ライフサイクルで見ながら、今を勝ちにいくのではなく、負けないように動いていく。
また、今日も毎日、アリとキリギリス。
自分に負けないように。
(追伸:古川は都民ではなくなりましたが、小池氏、当選おめでとうございます。東京の緑(山)も、変わるかな?)
(地域再生・森林再生コンサルタント古川大輔日記 2016.07.28より編集)
代表取締役 | 代表コンサルタント 古川 大輔 Daisuke Furukawa
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「うちの会社は、新人を入れられない」
「うちは即戦力(中途採用)しか入れられない」
「人を育てるには手を止めねばならないし、教えることで経費がかさむ。」
中小企業の経営者から、このような言葉(ご相談)を受けることがあります。
しかし、「それゆえに儲けられない組織になっているのではないでしょうか?」とお答えしております。
儲かってから人を雇うのではなく
この人を雇いたいから儲けていく。
(こんな人と一緒に仕事をしたいから、儲けていかざるをえない)
という感覚でしょうか。
例えば、プロジェクトチームを作るとき
以下4つのタイプの人材を入れるべきといわれています。
・大局でマネジメントできる人(リーダー)
・時間をマネジメントできる人(タイムキーパー)
・知識(技術)のプロフェショナル(実行玄人)
・発想(着眼)のプロフェショナル(発想素人)
もちろん零細企業であると、
これら全てができるリーダーがいることが理想などいわれますが、一人でバランスをとるのは難しいですし、起業当初はよいですが、経営が継続していくと、やはり閉塞感がでてしまいます。
少ない社員数であっても、如何に(近しい)外部のパートナーをいれるかは、重要です。
学生でもいい、主婦でもいい、お客さんでもいい。
だから、特に4番目のいわゆる“アホ”と呼ばれる新人が入ることで、
発想素人からの気付きが多く得られ、教えていく中で
玄人ばかりで停滞しがちな組織が“実行玄人”になる。
経営の根本は、「人」です。
即戦力も良いですが、
色々な人が出入りする組織を受け入れること。
業界が停滞しているのも問題の根源には、
発想素人を受け入れる勇気がないところにあるのかもしれません。
業界って言っている時点で
自らドメインを定義してしまうから、停滞してしまうのですよね。
とある人(ワカモノ、バカモノ、ソトモノ)が
「○○というプロばかりの前で、
講演の依頼があったんですがどうしましょう」
と、相談を受けましたが、
「私は素人です。素人発想しかしていません。
この素人の話が皆様プロの息抜きと何かに一部でもお役に立てればと
幸甚ですと、いい切ればいい」とお答えしました。
素人、玄人。
共通ビジョンが軸にあれば、どちらも欠かせないのではないでしょうか。
ちなみに、発想素人、実行玄人というのは、
船井総研時代、船井幸雄氏からの学びです。
(地域再生・森林再生コンサルタント古川大輔日記 2015.06.15より編集)
代表取締役 | 代表コンサルタント 古川 大輔 Daisuke Furukawa
twitter: @daisukefurukawa
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地域と森林林業専門コンサルタントとして全国の産地を飛び回ること十数年。会社のミッションは、森林や林業、山村の問題解決ではなく「価値創造」です。そんな志を共有できるお客様・そして未来のビジネスパートナーとの更なる出会いを目指して、古川の考えや、先輩方から教わった学びを言葉にお届けします。
奈良県川上村のダム湖に現れた虹。強風吹き荒れた後の風
龍がひょこっと顔を出しています。春の陽気が