今年最初のビジネスセミナー、東京は港区エコプラザにて開催しました。
写真は、午前中に都庁の展望台から眺めた東京の街です。
緑色に見えるのは、皇居、ではなく、人が植えた人工林である明治神宮の森です。
神宮の森については、こんなエピソードが伝えられています。
・・・・・・・(明治神宮HPより一部抜粋)・・・・・・・
「永遠の森」を目指した壮大な計画のもと、大正4年から造営工事が始まりましたが、
全国から植樹する木を奉納したいと献木が集まり、北は樺太(サハリン)から南は台湾まで、
日本だけではなく満州(中国東北部)朝鮮からも届き、全部で約10万本の木が奉献され
11万人に及ぶ青年団の勤労奉仕により植林することによって、代々木の杜が誕生しました。
(略)
御鎮座50年を機に境内の樹木の調査を行ったところ、
わずか半世紀で自然の状態になっていることが解り世界的に注目を浴びました。
創建当初明治神宮に何を植えたら立派に育つか、また100年後自然の状態になっていくのか、
当時の学者たちが考えました。そして椎・樫などの照葉樹を植えることに決定したのです。
理由は大正時代、すでに東京では公害が進んでいて、都内の大木・老木が次々と枯れていったのでした。
そこで百年先を見越して神宮には照葉樹でなければ育たないと結論づけたのでした。
ところが当時の内閣総理大臣であった大隈重信首相が
「神宮の森を薮にするのか、薮はよろしくない、当然杉林にするべきだ」として
伊勢の神宮や日光東照宮の杉並木のような雄大で荘厳なものを望んでいました。
しかし当時の林苑関係者は断固として大隈重信の意見に反対し、
谷間の水気が多いところでこそ杉は育つが、関東ローム層の代々木では不向き、
杉が都会に適さないことを説明してようやく納得させたそうです。
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人の手で植えた「人工林」ともいえますが、
いかに自然の状態に近づけ、「100年後」を見据えて持続可能な森をつくるか、
しっかりと設計がされたことで、ほぼ「天然林」といえる状態に育ったことがわかります。
人工林と自然林との境界は実際はあいまいなもので、優劣もつけがたいものですが、
どちらも自然の摂理にしたがって変化し、続いていくものだと感じます。
展望台のフロアにも、実は林業が隠れていました。
観光客の方々が何気なく座っているのは・・・
東京都産材である「多摩産材」。都が搬出と販路拡大に助成をしている取組です。
もともとは、石原前都知事が花粉症だったため、その原因であるスギを減らして無花粉スギに転換するために始まったのだとか・・・
東京では、こんな形で林業が注目されているのでしょうか。
さてセミナー本番、今回も4名の新しい方にご参加いただきました。
森林政策を学ぶ学生、行政職員、国産材の製材メーカー、大手ハウスメーカー、旅行代理店、ITコンサルタント、造園外構会社、林業素材業者・・・
毎度のごとく、多種多様な顔ぶれでスタートしました。
まずは、トビムシ西原から、木材の乾燥技術に関するいろは。
慣れてしまうと忘れがちな、「含水率って何?」「木材が乾燥するってどういうこと?
という基礎から、問題を解きながら復習します。
折しもセンター試験だったこの日、ひさしぶりに、理科の授業を受けている気分です。
そのうえで、乾燥方式にはどのようなものがあるのかを知り、それぞれメリットデメリットについてご紹介。
参加者からの情報提供もあり、いまだに「答えがない」乾燥技術について、熱くディスカッションとなりました。
続いて、弊社の岩井から、「一枚のハガキ、チラシから学ぶマーケティングミニ講座」
実際に制作して反響のあったチラシやDMから、なぜそれが当たったのか、反響率を高めるコツを学びました。
毎日、大量に織り込まれてくるチラシも、よく見てみるとマーケティングのヒントがあふれています。
日常から、そんな視点を持っていただければと思います。
最後に、古川からマーケティング講座として、WEB制作を考えるうえでの基本的な3つの切り口、
具体的な制作時の5つのポイントをご紹介したうえで、改めて、何のために情報発信をするのか。
WEBだけでなく、情報発信全体の戦略をどう考え、日々実践していくかを、図式化してお伝えしました。
また、最近の動向として、林野庁の補正予算とその意義について、議論がありました。
2013年も動きの激しい業界となりそうですが、このセミナーが、みなさまの経営・勉学の参考となるように、
今年も張り切って参ります!
最後に、こちらは東京都内の電車内。
ん、あのポスターは・・・
「集まれ!森林男子 森林女子」
今年の森林(もり)の仕事ガイダンス のポスターでした。
東京にも、林業にあこがれる人が増えている。
その仕事がよりカッコイイ仕事になるように、弊社もひとりの林業男子、ひとりの林業女子として、邁進して参ります。
以下、今回のセミナー参加者様からいただいた感想をご紹介します。
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印象に残ったのは、「○○業界」という言葉に縛られないほうがいいということです。僕が今ボランティアで関わっているNPOでも、林業以外にも違った軸で今後展開して行く予定で、あまり「林業」という言葉に縛られすぎると返って視野が狭まり可能性を潰してしまうのではないかと感じました。
(IT関連 A様)
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製材工場や工務店に必要なことがなんなのか、その一角を見ることができた気がしているので、とても勉強になりました。
来月のセミナーにも参加したいと思います。
(大学生 B様)
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がちがちマーケティングの話を期待してたので楽しめました。
加えて、最近の林業トピックスをひととおりキャッチアップできて、他にはないセミナーだなとつくづく実感した。
(ハウスメーカー C様)
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ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。
次回は2月16日(土)13:30~17:30 @港区エコプラザ
です。
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2月以降も、開催します!
※場所はすべて港区エコプラザ、
時間は13:30~17:30となります。
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◆第8回 2月度 ◆
2013年2月16日(土)13:30~17:30
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★古川大輔
住宅10ニーズ:消費者はどうやって家を選ぶのか、ホンネを知っていますか!?
木材流通の類型化:3つの木材流通類型、成功のヒントを知る
その他、木材乾燥・二次加工の工夫、新商品開発について、全国各地の最新事例満載!
★西原啓史
バイオマスの理想と現実
近年、エネルギー注目を集める木質バイオマス、その最新動向と現場のリアルをご紹介。
★小林洋光
旬の事例を踏まえた林業・住宅に関する生きた法務情報を提供します!
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◆第9回(年度末の最終回!◆
2013年3月16日(土)13:30~17:30
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~最新事例30連発、総まとめ と 実践テスト~
★古川大輔 (㈱古川ちいきの総合研究所)
★岩井有加 (㈱古川ちいきの総合研究所)
★西原啓史 (㈱トビムシ)
★小林洋光 (㈱トビムシ) 他