本当は自信があるのに、ついつい弱気になってしまう。ビジネスの営業において、何かを人に薦めるのにおいて、何においても相手の気持ちを優先しすぎることで、弱気になってしまう。お客様に逃げてもらいたくないから、ちょっと引いてしまう。自分の伝えたいこと、自分の強引さがないがゆえに、確固たるゴールへと近づけなくなることが大いにあります。恋愛も似ています。ある打合せで感じたことがありました。お客様(お施主様)には、迷っている背中を押して欲しい瞬間が必ずあります。あるいは、ゴールまでの摩擦(阻害要因)を取り除いて欲しい瞬間もあるでしょう。営業では、「背中を押す」と「摩擦を取る」、この2つの作用とバランスが一番難しいのです。

 

例えば、相手に対して慎重になりすぎて自社の「欠点」を必要以上に多く伝えてしまえば、顧客の「夢」は小さくなってしまいます。まずはじっくりとヒアリングを重ねて、お客様の決断を阻害している摩擦が何なのかを知り、相応しい説明をすることで、予算(価格)以外のお客様の摩擦(購買を拒む阻害要因)を取ることです。例えば、決済権限が別の人にある。例えば、合意形成のプロセスに困難がある。例えば、世間の声が怖いとか。それをよくきき、その阻害要因を取ってあげる聞き手になることで、一歩前に進むのです。そしてその後こそ、グっと背中を押して決断を促すタイミングを計るのです。この順序はあらゆる営業本に書いていますが、“いつ”が相応しいタイミングであるか書いていないものです。当然ながら、自分と顧客との「空気」でしか分からないからです。しかし、やはり背中を押すためには、直近の強引さも大切なのです。まずは、ヒアリングを重視し、阻害要因(摩擦)を取る行程を経て、そして、その後”弱気じゃいかんのですよ!”と背中を押すこと。今後の営業支援の内容に盛り込んでいきたいと感じた、営業打合せからの学びでした。次は、背中を押すとはどういうことか、お伝えいたします。

 

ある化粧品売り場での出来事

 

営業について「背中を押す」と「摩擦を取る」の話をしたところ、知人のAさんからメールをいただきました。それは、彼女が顧客として化粧品売り場へ買い物に行った時のエピソードです。

 

―――

 

「ちょうど昨日、弱気の営業を受けました。化粧品を買いに行ったのです。化粧水と乳液の商品サンプルを使って、まぁまぁ好印象だったのですが、“これは買い!”とまでは思わなかったため、売場のビューティーアドバイザーさん(以下、BA)に相談して決めようと化粧品屋さんに行ったんです。

 

知人Aさん「先日のサンプル、良かったです。これにしようかなーと思うのですが、もし他にオススメ商品があったら、そちらも試してみたいんですけれど…」

 

BA「ありがとうございます。他を試していただいても、コチラをご購入いただいてもどちらでもいいですよ。お客さん次第です。」

 

知人Aさん「・・・」

 

 

う~ん、これは相談した甲斐がなかった!サンプルが良かったんだから、購入する背中を押してくれるとか、他にどんな悩みがあって引っ掛かっているのか相談に応じてくれるとか、何等かのアクションが欲しかったです!どうせなら、高額商品のサンプル渡して、「夏のダメージを受けているようですね。こちらの商品は、保湿はもちろんのこと、ダメージを補修して肌のツヤが戻りますよ!」等と言ってくれたら、試してみて「高いけど、こっちのほうが良かった、買います!」と、高い商品を買ったかもしれないのに。結局、買うのをやめようかと思いましたが、その場で一人で冷静に考えて、前回サンプルをもらった化粧品を購入しようと、自分で決断しました。

 

お客様にとっての先々のメリットを考えれば、何等かのアクションが取れるものです。お客様自身よりも、商品に対する知識を持った営業サイドの方が、対お客様へのメリットを把握しやすいですよね。それならば商品を購入することで顧客にメリットがあることを伝え、結果的に顧客が商品を購入し「買ってよかった!」となる関係性こそお互いにハッピーであり、それが営業の目的ではないでしょうか。営業に限らず、人間関係は、何でもそうかもしれません。自分のアクションがきっかけで、相手の未来をハッピーにできたら、自分もハッピー。勉強になりました。ありがとうございました!

 

―――

 

化粧品売り場で顧客体験した、知人Aさんからは、こんな返信をいただいたのでした。

 

営業は、「○○を押す、××を取る」のタイミングが大事

 

 

購入への背中を押すのは、誰のため? 自分の営業実績を上げることも、もちろん大切です。しかし、顧客のニーズに応じて、相応しい強みを持つ商品を紹介していけば、お客様も営業サイドも双方が幸せになれるということ。せっかく持っている商品知識を活かせば、営業とは、自分のアドバイスを通じてお客様に喜びを届けられる、楽しい仕事なのです。

 

(地域再生・森林再生コンサルタント古川大輔日記  2007.10.16より編集)

 

 

 


 

代表取締役 | 代表コンサルタント 古川 大輔  Daisuke Furukawa

twitter: @daisukefurukawa

blog: 地域再生・森林再生コンサルタント日記

新潟県生れ、東京都町田市育ち。大学院時代、全国の農山村地域を巡り、研究の道を捨て博士課程中退。㈱船井総合研究所主任、㈱アミタ持続可能経済研究所客員主任研究員、㈱トビムシを経て独立し、㈱古川ちいきの総合研究所を設立。船井総研時代に「地域ブランド創造チーム」設立。以後、地域ブランド創造を切り口に、地域再生、森林再生に携わる。㈱トビムシでは、ニシアワー(森の学校)設立前支援、高野山・高野霊木プロデュース、経営実践研究会の実施等を行い、全国の林業木材業・地域づくりに関わる支援実績、講演多数。奈良県川上村観光PRかみせ大使、高野山金剛峯寺境内案内人。

 


 

 

 

 

 

Posted by wpmaster on 金曜日 9月 29, 2017 Under ちいきのコラム, 未分類

 

やりたいことってなんだろう。中学校にいったら何かあるだろうと思っていた小学生。中学生になったら何もなくて、高校生になったら何かあるだろうと思っていたが何もないということに気付いた。だから、大学生になったら何かあるだろうと思っていたがこれもまたなかった。今度こそ。社会人になったらそこには何かあるだろうと思ったが、やっぱり何もなかった。そんな人たちから相談を受けることが、しばしばあります。そこで今回は、私の経験談や諸先輩から教わった言葉から、メッセージをお伝えできればと思います。

 

人生いつも、仮説モード

 

『1年生の時は小田急の切符切り、2年生の時はロマンスカーの運転手、3年生の時はパイロット、4年生の時は船乗り、5年生のときは陸上選手かサッカー選手。6年生の今のボクは、小さい時から今までいつも「夢」が変わってきた。だから、今ここで何になりたいとかいっても、どうせまた変わると思う。だから、20歳ぐらいになったら考えることにして、社会人として真面目な大人になれたらよく、今は好きなことだけやろうと思う。」小学校の卒業文集を読み返すと、小学6年生の私は、こう書き記していました。小学6年生と言えば、プロ野球のイチロー選手が「ぼくの夢は、一流のプロ野球選手になることです。」とその時の年収、所属球団、自分の強みの伸ばし方まで目標設定し、伝説の卒業文集を書き記した年齢。片や自分は、20歳超えても決まっていなくて(笑)、小学生から大学院までずっとモラトリアムの生活を送っていました。せめて、20歳を超えれば、ある程度の目標設定は必要でしょう。例えば、数年後、あるいは1年後という時点で「なりたい自分」の目標を定めて走る。そして、その目標に向かっていたら「案外面白い違うコト」に出会って、針路変更をする。それで良いのです。なぜなら、針路変更は元々の目標設定があったからこそ出会った「偶然のコト」によって成り立つということ。故に、そこでまた新たに目標を設定し、仮説を立てて走る。その繰り返しをしていて、「これだ!」と思うひとつに出会えればいいと思いませんか?

 

「好き」を追求して「憤り」に出会う

 

これだ!と思う好きなことを追求した先に「憤り(コンプレックスや危機感)」と出会えれば、必然的にやりたいことは奥から決まってしまうのです。例えば、英語が大好きで海外留学をしたAさんは「日本を紹介して」と言われ英語で話したところ、ドイツ人に「日本のことなんも知らないんだねっ!」とバカにされた。英語を喋れたら良いと思っていたが、甘かった。その時、なぜ英語を話したいと思ったか、深く考えていない自分に気付き、好きを深堀りし、自分づくりの仮説を立てて英語を活かす道を完成させていったと言います。船井総研のコンサルタント大先輩は、「①人と出会う」「②本を読む」「③旅をする」この3つを続けなさいと仰っていますが、常に自分自身の原体験を持ちなさいというメッセージであると、私は解釈しています。

 

 

収集から破棄へ 決める勇気

 

「好き×憤り」に出会った先で、やりたいことが多すぎて分からないという場合もあるでしょうが、そこは決める勇気・決定する勇気を持たなければならないのです。思い返せば大学の研究室時代は、自由という不自由に苦しみました。“何でも自分で決めて自由にできる”という、何の制限も指示もない環境でした。どのように選択すれば良いか分からず、全て中途半端に終わった苦い記憶が思い出されます。最後は「絞る勇気」「決める勇気」を持つことも、その先の“やりたいこと”に出会うための方法です。

 

 

1)まず1年後に向かう仮説を立てる(人生いつも仮説モード)

2)好きを基軸に方向を絞る(好きから始め、憤りや悔しさに出逢う)

3)期限を決めて断行する(「決める」という勇気)

 

やりたいことが見つからない人へ

やりたいことはあるが、実行に移せない人へ

やりたいことをしているが、このままで良いか何となく不安な人へ

 

マイビジョンを作るきっかけに、3つのルールを参考にしていただければ幸いです。

 

(地域再生・森林再生コンサルタント古川大輔日記  2005.09.04より編集)

 

 

 

 


 

代表取締役 | 代表コンサルタント 古川 大輔  Daisuke Furukawa

twitter: @daisukefurukawa

blog: 地域再生・森林再生コンサルタント日記

新潟県生れ、東京都町田市育ち。大学院時代、全国の農山村地域を巡り、研究の道を捨て博士課程中退。㈱船井総合研究所主任、㈱アミタ持続可能経済研究所客員主任研究員、㈱トビムシを経て独立し、㈱古川ちいきの総合研究所を設立。船井総研時代に「地域ブランド創造チーム」設立。以後、地域ブランド創造を切り口に、地域再生、森林再生に携わる。㈱トビムシでは、ニシアワー(森の学校)設立前支援、高野山・高野霊木プロデュース、経営実践研究会の実施等を行い、全国の林業木材業・地域づくりに関わる支援実績、講演多数。奈良県川上村観光PRかみせ大使、高野山金剛峯寺境内案内人。


 

 

 

 

 

 

Posted by wpmaster on 月曜日 9月 25, 2017 Under すべての記事, ちいきのコラム, 未分類

 

10月23日(月)、一般社団法人神奈川建築士会が主催する講演会に弊社代表古川が登壇します。

日本林業の現状や森での働き方の多様性を全国の事例と合わせてご紹介していきます。

 

・施主に森の魅力を伝えたいけどどのようなことをすればよいのだろう?

・施主に無垢材、国産材を使い建築してほしいと言われたが何から始めればよいのだろう?

・全国各地にはどのようなプレーヤーがいて、各々どのようなこだわりを持ち森と向き合っているのだろう?

 

建築関係者の皆様の様々な疑問、抱えている問題解決のヒントとなるお話をさせていただきます。

また、例えるなら寿司屋の大将は、ネタ(素材)について、良く知らないという方はまずいないでしょう。その上こだわりを持ち、自身のあるネタを握り、お客様にご提供していますよね。

建築関係者の皆様はどうでしょう。使用している木材製品について、その素材について、どのくらい語ることができますか。この製品は○○だから間違いないと自信をもって建築に使用できていますか。

今回の講演では、自社で今使用している木材製品について、今一度考え直す良いきっかけにもなるでしょう。

 

 

講演時間は18時〜20時と、

お仕事終わりに寄れる時間帯となっておりますので、

是非お気軽にお申込みください。

 

=======

お申込み方法

=======

①講演名称

②氏名(フリガナ)

③会員番号

④メールアドレス

⑤連絡先電話番号

を明記の上、チラシ画像下部のアドレスまでメールをお送りください。

(チラシ画像をクリック頂くと、PDFデータを開くことができます。)

 

 

 

 

 

 

Posted by wpmaster on 水曜日 9月 20, 2017 Under — セミナー、研修、講演のお知らせ, お知らせ, 未分類

 

 

この日の出張は、本州の中で、東京からもっと遠い場所ともいわれる島根県西部。時間距離が遠いという意味ですが、私は広島経由でバスに揺られて3時間、ようやく益田に到着しました。目の前には本流にダムがひとつもない美しい川、高津川が流れる風景が広がっていました。この地域には、西日本で5番以内に入るような大規模の林業素材生産会社もあります。出張の目的は、高津川流域林業活性化センター主催で開かれた講演会に呼ばれたためで、マーケティングの話を中心に、森林資源の活かし方、地域連携のビジネス論などをお話させていただきました。

 

また、この日の懇親会ではとても嬉しい収穫がありました。今日初めて出会ったとは思えないような林業会社、製材会社の若(セガレ)さんたち。私と年齢も近い。ビジネスでも色々と面白い繋がりが見えてきた。そんな時、懇親会で出会った彼がこう言いました。

 

「古川さんの言う、地元の林業を3Cで考える競合ライバル視点ってなるほどって色々思いました。そういう視点でいえば、うちらのライバルはパチンコなんですよ!」

 

「え!?」

 

「確かに、最近、林業は注目されている。うちは広葉樹が多いので、チップも含め仕事量も多いし、色々な販路がある。忙しく、面白い仕事の一方で、今はとにかく人が足りない。それでもね、地元に大きなパチンコ屋ができて、そっちに行ってしまうんです。」

 

「なぜですか?」

 

「簡単ですよ、バイトは時給がいいし、正社員になれるって言って、そっちに行く。パチンコで正社員ですよ!

僕らは、パチンコに負けるんかと思うと悔しくて。」

 

 

 

地域企業の人材獲得競争

 

そう、地域雇用において若い人、優秀な人材は常に奪い合いなのです。林業4000億円、パチンコ30兆円という市場規模の差。講演では、市場規模とは?と解説するために、パチンコなどの大きな市場を持つ異業種についても紹介しました。「利益なき理念は寝言・理念なき利益は犯罪」と言いつつも、個人の目指す理念と利益の方向性(ベクトル)やその嗜好にあれこれ批評することは出来ません。

 

時給の開きがどれだけあるか、契約社員か正社員か。

 

その現実の差は、大きいのです。

 

 

 

もう一度、企業のライバルを定義する

 

ライバルについての考え方。

「お寺」の競合は、隣のお寺ではなく、他の宗派だったり、他の宗教だったり、いやいや、心の相談をマスコミや芸能人に求めるという意味では、細木数子やマツコデラックスもライバルであるということ。その問題に近いことでしょう。同じ業種という狭い視野でなく、広く考えていきたいところです。但し、競合というよりだからこそ自社。自分の力を高めること。林業・木材業で「必要性、欲求性、物語性」を生み出すことが大切であり、会社としてマーケティング発想をしっかり取り入れられるかがポイントです。安定した仕事(顧客)を創ること、よき会社(社員)を作ること、それが何よりも第一です。

 

誇りに思えるビジョンがあり、収益源があり、理想のキャリアプラン(会社の成長、自分の成長、年収アップが見える)といった、カッコイイ会社を林業・木材業界でサポート&プロデュースする。そんな仕事をしていかねばならないと思えたエピソードでした。

 

そのためにも、例えば、林業(素材生産)以外の副収入の比率ビジョンを(増やすも減らすも含め)つくり、トータルでの収益力を高め、社員たちにはキャリアアップを具体的に設計し、年収の将来ビジョンを策定していく必要があります。年収の目標と収入比率を社内に公開していくことで、①未来の社員から信頼を得られる ②他の企業からの信頼が高まる とし・年収の目標、将来の収入比率を明確にし、企業を成長させる戦略を練っていくことが肝要です。

 

(地域再生・森林再生コンサルタント古川大輔日記  2013.11.27より編集)

 


 

代表取締役 | 代表コンサルタント 古川 大輔  Daisuke Furukawa

twitter: @daisukefurukawa

blog: 地域再生・森林再生コンサルタント日記

新潟県生れ、東京都町田市育ち。大学院時代、全国の農山村地域を巡り、研究の道を捨て博士課程中退。㈱船井総合研究所主任、㈱アミタ持続可能経済研究所客員主任研究員、㈱トビムシを経て独立し、㈱古川ちいきの総合研究所を設立。船井総研時代に「地域ブランド創造チーム」設立。以後、地域ブランド創造を切り口に、地域再生、森林再生に携わる。㈱トビムシでは、ニシアワー(森の学校)設立前支援、高野山・高野霊木プロデュース、経営実践研究会の実施等を行い、全国の林業木材業・地域づくりに関わる支援実績、講演多数。奈良県川上村観光PRかみせ大使、高野山金剛峯寺境内案内人。

 


 

 

 

 

 

 

 

Posted by wpmaster on 火曜日 9月 19, 2017 Under すべての記事, ちいきのコラム

 

 

ある時、仕事において「こだわり」のない人のほうが成長しやすいのか、「こだわり」がある人のほうが成長しやすいのか、「こだわり」がある方が儲かるのか、そうでないのか、そんな話題になりました。成長についていえば、若い時代は、色々なものを素直に吸収したほうがいい、成長できるということで、変な「こだわり」は捨てて、多くを経験しなさいとよく言われるものです。とはいえ年齢を重ねるほどに何らかの「こだわり」ができ、例えばコンサルタントからの提案といっても、お客様にとっては聞きたくない自分だけの「こだわり」の存在に衝突する場面もあります。似た言葉に「偏屈(へんくつ)」ってありますよね。飲食店の名前にも付いていて、繁盛店だったりします。であれば「こだわり」と「偏屈(へんくつ)」って何が違うのでしょうか。

 

 

こだわり と へんくつ の違い

 

では、「こだわり と へんくつ」の違いとは、何でしょうか?前職時代、たまたま同期と淀川を渡って歩いているときにそんな話をしてました。

 

 

「こだわり、へんくつ、何が違うんだろうね?」

 

 

「その違いって、利益が上げられているか上げられてないかじゃない?」

 

 

「どういうこと?」

 

 

「こだわりってコアな執着であって、へんくつってレアな自由さがあるよね。」

 

 

「どっちもすなわち大衆かどうかに向いているんじゃなくて、へんくつって、でも、少ないマニアックな顧客には目が向いているかなと。」

 

 

利益が上がる。儲かる=信者のお客さまがいる。すなわち市場が少なくとも規模に見合う客を取れている場合は「へんくつ」。お客がついておらず、自分だけの独りよがりの「へんくつ」を「こだわり」と言うのでしょうか。大事なのは誰に対して頑固でいられるか、信者顧客がいればいい。その時、ある経営者がこう言いました。

 

 

「やりたいこと、夢、それも大事。

 

しかし、お客様(相手)が見えてないのは、無味蒙昧ですよ。」

 

 

「こだわり」と「へんくつ」。コアなお客あってこそのビジネスとなりましょう。徹底的に顧客に「こだわり」、哲学ある「へんくつ」があれば、信者(儲け)も増えるのでしょう。

 

 

さいごに

 

余談ですが、偏屈のことを指す方言も色々とあるようですね。例えば関西エリアを中心に「へんこつ」。また、肥後もっこす(熊本県)、土佐いごっそう(高知県)、豊前げってん(福岡県)など色々。どれも、頑固者を指すようです。あなたの地方にはどんな言葉がありますか?

 

(地域再生・森林再生コンサルタント古川大輔日記  2006.08.09より編集)

 

 

 


 

代表取締役 | 代表コンサルタント 古川 大輔  Daisuke Furukawa

twitter: @daisukefurukawa

blog: 地域再生・森林再生コンサルタント日記

新潟県生れ、東京都町田市育ち。大学院時代、全国の農山村地域を巡り、研究の道を捨て博士課程中退。㈱船井総合研究所主任、㈱アミタ持続可能経済研究所客員主任研究員、㈱トビムシを経て独立し、㈱古川ちいきの総合研究所を設立。船井総研時代に「地域ブランド創造チーム」設立。以後、地域ブランド創造を切り口に、地域再生、森林再生に携わる。㈱トビムシでは、ニシアワー(森の学校)設立前支援、高野山・高野霊木プロデュース、経営実践研究会の実施等を行い、全国の林業木材業・地域づくりに関わる支援実績、講演多数。奈良県川上村観光PRかみせ大使、高野山金剛峯寺境内案内人。

 


 

 

 

 

 

 

 

Posted by wpmaster on 水曜日 9月 13, 2017 Under すべての記事, ちいきのコラム

 

季節はもう秋。しかし紅葉の風景には少し早い頃。
ピンク、白、濃紅、紫・・・と山を彩っているのは、サルスベリの木々。
こちらは、川上村大滝地区で見つけた一本です。

園芸種としても愛されるサルスベリの木ですが、
きっと剪定方法が素晴らしいのでしょう・・・
それぞれの枝から、まるで溢れ出るかのように花が咲き誇っています。

まるで大きな1本のブーケの様ですね。

 

いつも通る土倉翁(吉野林業忠興の祖)の銅像も、
また少し違う表情に見えてきませんか?

 

 

 

 

 

 

Posted by wpmaster on 火曜日 9月 12, 2017 Under pick up, すべての記事, ちいきのgraffiti~写真集~

 

 

9月10日(日)、豊田市中央図書館で開催された「ウッディーラー豊田 地域材利用セミナー(都市木出張セミナー)」にてウッディーラー豊田会長樋口氏と共に弊社代表古川が講演、ワークショップの全体総括をさせていただきました。当日は、当初の予想を超える約50名の方にご参加いただきました。(ウッディーラー豊田については、WEBサイトをご覧ください。http://woodealer.jp/

 

 

「全国の地域材ブランド化事例」ご紹介

 

愛知県と豊田市の共催により開催された本セミナーでは、愛知県林務課から県産材利用の取組、豊田市森林課からは地域材利用の取組の説明があり、樋口氏からは今年5月に誕生した、新団体「ウッディーラー豊田」の紹介と今後の方針を説明いただきました。弊社からは「全国の地域材ブランド化事例」をご紹介させていただきました。

(ウッディーラー豊田の誕生については、弊社の過去のブログでもご紹介しております。https://chiikino.jp/blog/?p=7390

 

今回は、まず「ブランドとは何か」ということでブランドの語源や成り立ち、そして「見た目」だけではなく、圧倒的な商品力(サービス)があってこそブランドと言えることをお伝えしました。事例としては、弊社のブランディング事例でもある信州カラマツ、高野霊木の紹介、岩泉の取組をご紹介しました。

素材力は気候風土、樹種や品種、施業方法などにより高まっていきますが、ブランドは素材力に加え、加工力、営業力の総和であること、また資源量を把握したうえで出口(マーケット)とリンクさせるコーディネーターが必要であり、豊田でそのコーディネートを担うのがウッディーラー豊田であることを、事例を交えながらお話させていただきました。

 

 

「ウッディーラー豊田への関わり方」ワークショップ

 

セミナー後半には、「ウッディーラー豊田への関わり方」として、参加者の皆様と一緒にワークショップを実施しました。ウッディーラー豊田の2つのブランドである「CRAFT WOOD」、「MAKER WOOD」の視点のもと、多くのアイデア、要望、期待の言葉を頂きました。

・ウッディーラー豊田と製品開発を進めたい。

・施主と森をつなぐツアーを実施したい。

・住宅のウッドデッキや公共建築では特に学校に地域材利用が出来るのでは。

と具体的なアイデアやウッディーラー豊田との関わり方を示す参加者も多く、今後の活動のヒントを得られた有意義なワークショップとなりました。

 

 

おわりに

現在、森林所有者、森林組合、木材加工会社、商社、工務店・設計、行政職員、デザイナー、他にも、カメラマンやデザイナーといった異業種の方や一般の方まで広い分野から会員が集まっているウッディーラー豊田ですが、今後も会員の募集を続け、今回のようなセミナーや会員限定の勉強会なども企画していくということですので、ご興味のある方は、ウッディーラー豊田のWEBサイトをご覧いただき、お問合せや入会申込の検討をご検討いただければ幸いです。

(詳しくはウッディーラー豊田WEBサイトをご覧ください。:http://woodealer.jp/

 

 

 

 

 

Posted by wpmaster on 日曜日 9月 10, 2017 Under セミナー報告, 講演&研修 報告

 

 

「古川さん、この業界のコンサルやって儲かるの?」。業界の方から、度々このような質問を受けます。私は、“儲かる”という直接的な言葉はあまり好きではないので、このように聞かれると色々と思うところがありますが、この度ここに想いを書いてみようと思います。

 

よく「他の業界ならばもっと仕事があるだろうに、なぜこの業界なんですか?」という質問を受けます。それは、「木と森が好きで、そこに暮らす人たちが好きだからです。」の一言に尽きます。私は20代の中盤、地域づくりインターンに参加し、そのつながりで全国各地の農山村地域に行き、農作業、林業作業のお手伝いをしてきました。そこで出会った地域を愛する熱き行政職員、人生の先輩の山行さんの知恵や高いチェーンソー技術をもったプロたち、彼らの生き様がかっこよかった。しかし「儲からない」という声をきき、自分に何ができるか。私は、彼らが儲かるために何ができるか、それは間接的に支援すること、経営力(マーケティング、営業支援、財務会計、事務機能支援)を高めていきたいとなり、28歳にして初めて社会人となり、船井総研にまず就職したわけです。

 

そこで、「林業や木材業のコンサルがなぜ成り立つのですか?」という質問について戻りますが、それは実は以下のようなことであって「お客さんはいるんですか?」「どんなお客さんがいるんですか?」「いくらもらっているんですか?」「どんな結果を出していますか?」という具体的な質問に言い換えることが出来るでしょう。それをこれから書いていきます。

 

さて、それは、大分県へ講演に行った時のことでした。以前、弊社の「経営実践研究会」にもご参加された福岡県の製材業経営者であるXさんが、大分県での講演にも駆けつけて下さいました。そして懇親会で、若手の参加者の兄貴として、こうお話されました。

 

「5000円、1万円ってすぐ飲み会でお金を使うくせに、勉強会に5,000円出してくださいというと、君らはなかなか出さないだろ!?古川さんを呼ぶのに、ここにいる人たちが一人1万円払えば、毎月来てくれるんだから。そうゆう風にお金を使おうよ!古川さんのようなコンサルの情報は、たくさんの交通費と人脈の積み重ねとで得て来たもの。みんな自分でお金出して、勉強して、実践してこうよ!」(と言いながら、この日は3次会まで盛り上がりましたが・・・)

 

そうなんですよね。山村ビジネス、林業木材業、この業界では、自ら「知識(ソフト事業)」に対してお金を払う人は少ないんですね。理由は2つあって、そもそもソフトに価値がないと思われているのと、補助金で受講できてしまうという2点です。実際に、地域づくりや林業関係のセミナー・講演には、質の高い講演が沢山開催されている一方で、補助金、補助金と予算が投じられて、受講が無料になっている場合が多いのです。

 

だから、勉強する内容も、右から左。自らに投資してないから、学びを実践されていない。ならば、意思あるお金を出してもらいたくなるのです。すると我々は、講演でいただくお金以上の価値(事例、経営手法、ネットワーク紹介)を出します!と双方が本気になる、ということですよね。

 

例えば、年商1億円とか3億円の事業者から100万、300万円のコンサルフィーをお支払いただいて、コンサルティングの仕事を請ける時があります。それは、経営者として非常に勇気ある投資と思います。素直、勉強好き、プラス発想であれば、我々はそれ以上の営業利益(償却前経常利益など)や「キャッシュフロー」を増やしていくよう尽力します。クライアントと共に営業や交渉へ出向き、実践をサポートする場合もあります。あるいは、直近の利益だけがゴールでなくても、数年後そうなるための土台(理念、ビジョン)を必ず作り、社内に浸透させていく。お客様によって成功の定義、ゴールの定義はことなりますから、スタート時でどこを目指すかを決め、スタートする。その中で、

 

  • 投資として、コンサル費用を自ら出す。
  • それに応えるために結果を出す(一緒に出す)。
  • だから、仕事がある(あり続けられる)。

 

ゆえに、儲かる、お互いが儲かる、ということではないでしょうか。

 

厳しいですし、楽ではありません。現実は、自転車操業的です。私たちのような仕事は顧客づくりが非常に難しい。だから私たちは事例(結果)を増やすしかありません。行政型の支援については割愛しますが、民間事業体の場合、とあるご支援先の某木材流通業では、支援前の売上が4億円のところ→(1年後)5億円→(2年後)6億円と増加しました。また、とある林業製材会社では、新たなビジネスカテゴリーを生み出し、コンサルティング前と比べた毎年の最終利益が1,000万増近く増加するまでに成長しました。また、某製材メーカーでは、支援前は、マイナス1,000万の営業利益だったところが、1年後マイナス200万→2年後、プラス200万へと黒字化しています。ある地域工務店では、年間受注5棟くらいだったところが、3年間の支援を通じて現在では年間約20棟を受注するブランド工務店になっています。ある製材加工メーカーは、2回の顧客獲得型のプレゼンテーション支援で、その見込み顧客から3年で結果1億円の売上を上げられました。また、ある林業・製材業の会社は、5か年連続業績向上で、ブランド国産ハイブリッド車を社用車にされています。

 

しかし、これも巨視的にみると間違った売上・利益増と解釈される場合もあります。あくまで利益を上げるのは、会社が社会の公器として、社会的、教育的に何かを興すための手段であるべきだからです。ただの私腹を肥やす利益創造だけの企業に社会的価値はなく、やりたい理念を、とりたい利益から実現してくビジョン設計もおこない、持続的な発展をしていくことが「儲かる」ということで一番肝要なことです。

 

経営における成功の定義は、スポーツのように分かりやすいものではいのですが、共通しているのは、経営者が素直、勉強好き、プラス発想であって、実践を繰り返しているということ。コンサルティングが100点ということはありません。経営者にとって、成功の確度を高めるためのセカンドオピニオンとして私たちを使って、一定の期間、経営の掛け算をしていくことで、お互いが儲かっていくのです。

私は、運が良いのはそういう経営者(クライアント)と出逢えていることだけなのかもしれません。そのために、経営実践研究会というものを定期的に大阪で開催しています。不安があるかたは、まずこちらを覗きに来てください。参加当初はあまりプラス発想ではなかった方でも、リーダーシップ力を増して、明るくなり、前向きな性格へと変わられた経営者もおられます。

 

いま、大きく時代の流れが変わり、地球規模のエネルギー革命が始まっている、時代の境目に来ています。その中で、先見性を持って、理念やビジョンを高らかに持ち、現実着々とビジネスをすることがいかに大事か。そして経営に携わる人たちが、変革していくこと。強き、よき、未来の見える人材が増えていくこと。戦略提案、実行支援、体質改善。そして、自立経営。そのためには私の自分改善、サービス改善が一番で、自分が変り続けていかないとなりませんので、忌憚なきご意見ご指導ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

 

(地域再生・森林再生コンサルタント古川大輔日記  2014.03.19より編集)

 

 


 

代表取締役 | 代表コンサルタント 古川 大輔  Daisuke Furukawa

twitter: @daisukefurukawa

blog: 地域再生・森林再生コンサルタント日記

新潟県生れ、東京都町田市育ち。大学院時代、全国の農山村地域を巡り、研究の道を捨て博士課程中退。㈱船井総合研究所主任、㈱アミタ持続可能経済研究所客員主任研究員、㈱トビムシを経て独立し、㈱古川ちいきの総合研究所を設立。船井総研時代に「地域ブランド創造チーム」設立。以後、地域ブランド創造を切り口に、地域再生、森林再生に携わる。㈱トビムシでは、ニシアワー(森の学校)設立前支援、高野山・高野霊木プロデュース、経営実践研究会の実施等を行い、全国の林業木材業・地域づくりに関わる支援実績、講演多数。奈良県川上村観光PRかみせ大使、高野山金剛峯寺境内案内人。

 


 

 

 

 

 

Posted by wpmaster on 土曜日 9月 9, 2017 Under pick up, すべての記事, ちいきのコラム