ある時、仕事において「こだわり」のない人のほうが成長しやすいのか、「こだわり」がある人のほうが成長しやすいのか、「こだわり」がある方が儲かるのか、そうでないのか、そんな話題になりました。成長についていえば、若い時代は、色々なものを素直に吸収したほうがいい、成長できるということで、変な「こだわり」は捨てて、多くを経験しなさいとよく言われるものです。とはいえ年齢を重ねるほどに何らかの「こだわり」ができ、例えばコンサルタントからの提案といっても、お客様にとっては聞きたくない自分だけの「こだわり」の存在に衝突する場面もあります。似た言葉に「偏屈(へんくつ)」ってありますよね。飲食店の名前にも付いていて、繁盛店だったりします。であれば「こだわり」と「偏屈(へんくつ)」って何が違うのでしょうか。

 

 

こだわり と へんくつ の違い

 

では、「こだわり と へんくつ」の違いとは、何でしょうか?前職時代、たまたま同期と淀川を渡って歩いているときにそんな話をしてました。

 

 

「こだわり、へんくつ、何が違うんだろうね?」

 

 

「その違いって、利益が上げられているか上げられてないかじゃない?」

 

 

「どういうこと?」

 

 

「こだわりってコアな執着であって、へんくつってレアな自由さがあるよね。」

 

 

「どっちもすなわち大衆かどうかに向いているんじゃなくて、へんくつって、でも、少ないマニアックな顧客には目が向いているかなと。」

 

 

利益が上がる。儲かる=信者のお客さまがいる。すなわち市場が少なくとも規模に見合う客を取れている場合は「へんくつ」。お客がついておらず、自分だけの独りよがりの「へんくつ」を「こだわり」と言うのでしょうか。大事なのは誰に対して頑固でいられるか、信者顧客がいればいい。その時、ある経営者がこう言いました。

 

 

「やりたいこと、夢、それも大事。

 

しかし、お客様(相手)が見えてないのは、無味蒙昧ですよ。」

 

 

「こだわり」と「へんくつ」。コアなお客あってこそのビジネスとなりましょう。徹底的に顧客に「こだわり」、哲学ある「へんくつ」があれば、信者(儲け)も増えるのでしょう。

 

 

さいごに

 

余談ですが、偏屈のことを指す方言も色々とあるようですね。例えば関西エリアを中心に「へんこつ」。また、肥後もっこす(熊本県)、土佐いごっそう(高知県)、豊前げってん(福岡県)など色々。どれも、頑固者を指すようです。あなたの地方にはどんな言葉がありますか?

 

(地域再生・森林再生コンサルタント古川大輔日記  2006.08.09より編集)

 

 

 


 

代表取締役 | 代表コンサルタント 古川 大輔  Daisuke Furukawa

twitter: @daisukefurukawa

blog: 地域再生・森林再生コンサルタント日記

新潟県生れ、東京都町田市育ち。大学院時代、全国の農山村地域を巡り、研究の道を捨て博士課程中退。㈱船井総合研究所主任、㈱アミタ持続可能経済研究所客員主任研究員、㈱トビムシを経て独立し、㈱古川ちいきの総合研究所を設立。船井総研時代に「地域ブランド創造チーム」設立。以後、地域ブランド創造を切り口に、地域再生、森林再生に携わる。㈱トビムシでは、ニシアワー(森の学校)設立前支援、高野山・高野霊木プロデュース、経営実践研究会の実施等を行い、全国の林業木材業・地域づくりに関わる支援実績、講演多数。奈良県川上村観光PRかみせ大使、高野山金剛峯寺境内案内人。

 


 

 

 

 

 

 

 

Posted by wpmaster on 水曜日 9月 13, 2017 Under すべての記事, ちいきのコラム
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