吉野杉も一面に雪を纏う、奈良県川上村の冬。
吉野林業の父と呼ばれる土倉翁の磨崖碑が、
一層白く映える季節でもありました。
厳しい寒さながらも、手前に見える桜の木々は、
着々と春を迎える準備をしていることでしょう。
もう2~3カ月たてば、杉檜の緑の中に、華やかな桜の花が加わります。
吉野杉も一面に雪を纏う、奈良県川上村の冬。
吉野林業の父と呼ばれる土倉翁の磨崖碑が、
一層白く映える季節でもありました。
厳しい寒さながらも、手前に見える桜の木々は、
着々と春を迎える準備をしていることでしょう。
もう2~3カ月たてば、杉檜の緑の中に、華やかな桜の花が加わります。
若狭和田海水浴場が、アジア初となるビーチの国際環境認証「ブルーフラッグ」を取得した、
海のまち福井県大飯郡高浜町。
新年から、役場の木造新庁舎が開庁となりました。
「浜町コンパクトシティ・高浜エコ里の思想」に基づき、素材には、
地元製材メーカーが製材した、福井県産材がふんだんに使用されています。
この地の木材産業は、かつて豊漁となったサバのトロ箱製造から栄えたといいます。
木を活かす文化に、新たな1ページが加わりました。
名古屋にて、これまで非公開で重ねてきた林業経営者によるディスカッション型の研究会。
今後は広く参加者を募集し、開催することとなりました。
本日は、
●人材採用と育成
●所有と管理の在り方
●林業会社の商圏設定とミッション
をテーマに議論いたしました。
特に人材採用については、どの事業体も
今後はWEB等による理念反響型の情報発信と、
学校機関の研修やインターン等を通しての採用にシフトしていく模様です。
「林業をやりたい」
ではなく
「この会社ではたらきたい」
と言われるような魅力的な企業になるためには?
その差別化戦略についても議論しました。
一口に林業会社といっても、スタイルは様々。
参加しているメンバーは、型に捉われ過ぎないフリースタイル林業を実践しています。
・Iターン者による林業サービス業ベンチャー
・製材と林業を持つホールディングス会社
・90年を超える美林を持つ15代続く林業家
・林業から木工まで行う森林組合発ベンチャー
・広葉樹施業と販路開拓に挑戦する林業会社
・都市型林業を実践するアーバンフォレスター
・森林信託から施業、製材で地域材住宅を手掛ける工務店
・独自の伐採手法を開発した現場のプロフェッショナル
・若者が多く集まる老舗の製材林業会社
・役場と連携し百年の森づくりをめざす森林組合
日本一面白い林業経営者が集まる研究会です!
同じようでそれぞれに異なる立ち位置、
また東海や関西などエリアによる事情も異なる中で
みずからを客観視しながらディスカッションができるのが特徴です。
「この研究会に来るとニュートラルになれる」
というお声もありました。
次回の開催が決定し次第、参加者募集のご案内いたします。
ご期待ください。
平成29年1月30日(月)に
高知県立林業学校短期課程の講座の1コマを担当させていただくことになりました。
高知県立林業学校短期課程では、林業機械の運転技能研修や免許資格取得講習、
さらに木材流通や地域おこしまで多岐にわたる講習を実施しています。
===詳細===
【日時】
平成29年1月30日(月) 午後13時~16時予定
【場所】
高知城ホール(高知県高知市丸ノ内二丁目1番10号)
【参加費】
無料
【定員】
50名
【内容】
テーマ:「林業のリ・デザイン~全国の6次産業化事例と各種マーケティング手法から学ぶ~」
講師:古川 大輔((株)古川ちいきの総合研究所代表取締役)
=== === ===
↓取組・イベント詳細は、下のチラシをご覧ください。↓
チラシPDFのダウンロードはこちらから
https://chiikino.jp/data/kochi-chiikisozo.pdf
イベント情報、申込みはこちらから
【高知県林業労働力確保支援センターHP】
http://www.shien-center39.com/document/?group=grp010
受付締め切りはH29年1月16日(月)。
是非、お近くの方はお申込みください。
=== === === === === === === === === === === ===
弊社では、全国各地で、
林業、木材ビジネス、地域づくりをテーマにした講演や研修を実施しております。
イベントやフォーラムの企画・実行、コーディネーターもご用命ください。
今年度最終回となる第4回国産材ビジネスセミナーを開催しました。
テーマは、「利益を生み出すビジネスモデルを作ろう!~千円の柱を10万円で売る方法~」と題し、
地域でビジネスを始めたい、経営のヒントや事例を探しているという方を主な対象にしておりましたが、
今回も行政の方から、異業界の方まで、幅広い層の方々にご参加いただきました。
【第一講座】 株式会社古川ちいきの総合研究所 古川・老籾より
第一講座はまず弊社代表取締役の古川より、
①マーケティングコンセプト・概要
②国産材売上方程式
③事業計画の立て方
の3つのポイントを中心にお話しました。
①マーケティングコンセプト・概要
さて、アメリカ新大統領、トランプ氏の就任演説はご覧になりましたか?
世界から注目される中、「理念よりも自国優先主義を貫く」という強いメッセージが込められた演説内容でした。
ビジネスの世界においても「やりたい理念」と「とりたい利益」のバランス、考え方は様々ですが、
そんな切り口でご覧になった方はいらっしゃるでしょうか。
そして利益とは、価値観の「差」から生まれるものです。
それでは価値観とは何でしょうか。
戦後の高度成長期と平成の時代との違いを背景に、
大量生産大量消費から、マーケティングがどう変遷してきたかを価値観の相違、暮らし方、生き方まで掘り下げて説明をいたしました。
そして利益を生み出すマーケティングの講座に入る前に、まずは頭を柔らかくしていただくためにクイズを出題!
「100円のコーラを1,000円で売るには?」
という、ビジネス書のタイトルにもなっている有名な問ですが、
会場の皆さんからは、
・砂漠の真ん中で売る
・高級グラスにおいしい氷を入れ、美しい女性がサーブする
・工場で最初にできた缶をプレミアを付けて売る
といった回答がありました。
ビジネスに完璧な答えはありませんが、必要性、欲求性、物語性の消費の3要素を切り口とすると、ヒントが得られます。消費の3要素については、市場規模とは何か、ライフサイクルとは何かということまでの経営のフレームワークをお伝えし、林業界の6次産業化のヒントも提供しました。
その他、3C、4P、5フォース、AIDMAといったマーケティングの基本を解説し、
顧客中心に見たビジネスについて、みなさまと共に考え、知っているだけでは意味が無い、自社にどう落とし込むかという術を提供しました。具体的な事例を、どう各社の営業(販促)計画に当てはめていくかが肝要です。
②国産材売上方程式
国産材の売上をアップするには、いったいどうすればよいでしょうか。
漠然としがちな売上計画を、分解することで筋道を立てることができます。
ここでは売上を導く、5つの方程式をご紹介。
ビジネス形態、ランチェスターの法則等を踏まえ、木材業界に当てはめた方程式であり、
①のマーケティングコンセプトに加え、事業計画を数字に落とし込む際に使える式をお伝えしました。
③事業計画の立て方
むずかしく考えがちな事業計画や数値計画ですが、
たまたまで売上や粗利の高い低いを判断するのではなく、目標に対しての評価(改善)を徹底することが経営というものであると説明した後、
重要なポイントは大きく2つ
1)売上ではなく、「粗利」管理に集中する。
2)販管費を3つに分け、その戦略的な使い方こそ、経営の面白みである。
そのために売上目標は、自身の得たい給与から、マーケットシェアから、競合比較から、といったいくつかの視点から決めることや、損益分岐点とは何かを、ラーメン屋に例えつつ、林業木材産業であれば、地域における林業バリューチェーンを整理したうえで、木材の歩留りから目標と評価の設定を行うことが重要であるとお伝えしました。
続いて老籾より、マーケティングについてよりわかりやすく理解いただくための、具体例をいくつかご紹介。
たとえば、「歯磨き」に関わる必要性・欲求性・物語性を訴求した製品をピックアップ。
シンプルな歯間ブラシからフレーバー付の「歯の香水」まで、マーケット(消費の3要素)の展開事例としてご紹介。
街中で新商品や売れている商品を見つけたとき、
それがなぜかを整理するためのビジネスフレーム(ルール化・一般化)を持っていると、
誰に、どのようのな要素を満たすために作られ売られているモノなのかが分かり
日々自身が消費するモノと照らし合わせながら、自社の製品を顧みることもできるようになります。
林業界の事例だけでなく、異業界からのヒントを取り入れて、自社に応用していくということは、弊社の常なるメッセージとして、セミナーのみでなく、様々な現場で具体的なレクチャーをしております。
【第二講座】カントリージェントルマンたれ!地域と生きる木材ビジネスはこんなに面白い
株式会社山共 代表取締役 田口 房国 氏 より
第二講座ではゲスト講座として、(株)山共 代表取締役 田口房国氏をお招きしました。
田口氏は弊社が大阪で主催している経営者向けの勉強会「経営実践研究会」の第一回からのメンバーでもあり、
産地連携により、国産材に新たな価値を与え、国産材を愛する顧客と産地とが出会う、新たなマーケットを作り出すための共通ブランド、
Club プレミアム 国産材のメンバーでもあります。
そして、今回の講演テーマは「カントリージェントルマンたれ!地域と生きる木材ビジネスはこんなに面白い」。
岐阜県東白川村で林業・製材業を営む田口氏が、
新しい木材のブランド化を実現し、世界にも日本の木材を広げようと活動するに至ったその志、地域での経営の面白さについて
テレビ番組「しくじり先生 俺みたいになるな!!」風の進行でユニークにお話していただきました。
田口氏の高いプレゼン力、面白さはその場にいた方にしか味わえない魅力ですが、
ブログをご覧の皆さんにも一部ですが、ご紹介していきます。
■差別化戦略
現在ほとんどの業界で企業のWEBページを整備することは当たり前に思うかもしれませんが、まだまだ林業・木材業界はWEBページが無い企業が多く、10年前はさらに少ない時代。その時から先んじてWEBページによる情報発信をおこない、さらに「単価表」を整備。
また、割れがあり、乾燥に時間がかかるといったデメリットから大手ハウスメーカーには使いにくい天然乾燥材。しかし、ねばり、つや、香りが残る木材になるメリットをニッチなニーズととらえ、生産・販売。他の製材所がやらないことをすることで、差別化を実現しました。
しかし、広報活動を情報誌、展示会、体験ツアーと展開していったところ、普段の業務に加えて一人でこなしていたこともあり、疲弊する結果に・・・。
これが田口氏の「しくじり」の1つでした。
■東京の商社との出会い:「念願の東京進出」
みなとモデル二酸化炭素固定認証制度をきっかけに、東京への納材が増加。
制度開始から初の港区立の建物へ納材の案件で求められたのは経験したことがないスピード、高い品質、ボリュームへの対応・・・。
そこで、周囲の製材所との連携に踏み切り無事乗り越えることができました。
また東白川の木で家具づくりに取り組む「コダマプロジェクト」では、デザイナーや観光など、それぞれの得意分野を持つ人材と連携するようになりました。
クリエーター業界で良く使われる言葉「ポートフォリオワーク」。目的に合わせて様々な商品を組み合わせて最適なものをつくることを指しますが、連携を通して実現している事は、まさに「ポートフォリオワーク」と言えます。
メインである製材業に加えて、サイドプロジェクトで、それぞれに得意な人を取り込み、「チーム東白川」として連携することでどんな仕事も可能にしているのが1つの売りとなりました。
最初に壁にぶつかった情報誌やツアーも、いつの間にか出来てしまっており、楽しめています。
■カントリージェントルマンたれ!
自分が主役になるのではなく、まず脇役になり自分の専門に徹し、まずはメインビジネスに信頼を持ってもらうこと。
そして、面白い、一緒に仕事したいと思ってもらえる人材になること。田舎で信頼関係を構築することも重要。そのために、残業をせずに地域活動に参加すること。それはある意味で田舎の残業であり、都会とは違った形での残業を通じて信頼性を結んでいく。
単なる田舎者ではビジネスでうまく付き合えません。もう一歩先に進むために思い描くのは気品、礼節、礼儀のあるカントリージェントルマン。
都会の経営者から「行きつけのバーに連れて行きたい」と思われるような人材になるためにもカントリージェントルマンになるべきです。
===
以上のように、「しくじり」を経験し、乗り越てきた田口氏。
「個」の成長があり、「チーム」の力を知り、地域で大きな仕事を動かしてきた10年間の物語に、参加者は感銘を受けていました。
経験した人しか語ることの出来ない、地域で働く面白さ、貴重なお話を聞かせていただきました。
ありがとうございました。
【まとめ講座】株式会社古川ちいきの総合研究所 古川
最後に弊社代表古川からまとめ講座。
第一講座、第二講座を踏まえ、
「好き」と「憤り」から起こる情熱を、まずやってみる行動に。
答えを待っているのではなく、自分で動いて失敗して学び、
顧客視点と粗利管理を徹底し、この力を高めていく。そして唯一無二の存在に。
また、個の基本ができて初めて、ポートフォリオワークができ、チームになれる。
地域での仕事は“Think global, drink local.”が大事!というメッセージを送り、今年度の国産材ビジネスセミナーを締めくくりました。
7年目を終えた国産材ビジネスセミナー、
来年度も一味違った国産材×ビジネスの世界を皆様にお届けするべく企画中です。
お楽しみに!!!
【お客様の声】
~アンケートにご協力いただいた皆様、ありがとうございました。~
===
第一講座・まとめ講座について
===
・5フォースに加えた6つ目の脅威「補助金」の話ではハッとした。つい日頃忘れがちだが、あくまで「補助」の「お金」であることを考えねばならないと思った。このセミナーに来ると普段触れない考え方、感性に触れられるので、とてもありがたいです。(行政関係A様)
・自社の粗利や経営の考え方を振り返る講座となりました。ありがとうございました。(バイオマス関係B様)
・カントリージェントルマン、とてもカッコいいと思うし、なりたい。今の自分の環境でどう仕事力を付けるか。そのためには、まずやってみる(素直)こと。今まで他人事のように聞いてしまっていたお話を、自分事に落とせそうな感覚が出てきた。これを機に行動に移したい。(林業関係C様)
===
ゲスト講座について
===
・プレゼンテーションも含めて楽しませて頂きました。ビジネスのグローバル化が進んでいる中で、自在だけで仕事するのではなく、チーム力が改めて大切な時代がやってきていると感じました。(バイオマス関係D様)
・多くの林業事業体や地域に欠けている視点が多く、マーケティングについて考えていない、意識していないところは多い。そういった考え方を変えるのに、「やりたい理念」と「とりたい利益」は大切だと感じた。自分が関わる地域で以下にストーリー性をつくるかが課題。(バイオマス関係E様)
・ご自身の経験、成功事例を分かりやすく紹介していただきとても参考になりました。しくじり先生の手法は良かったです!(飲料メーカーF様)
・製材業として、どう生き残っていくか、どう楽しく仕事をしていくのか聞けて良かったです。製材業・林業は単に一か所にまとめるだけではなく、連携も重要ということは参考になりました。楽しく仕事をされている感じも伝わってきて、それも良かったです。(行政関係G様)
無事、7年目を終えた国産材ビジネスセミナー、各回豪華なゲスト講師をお迎えし全4回のメニューをお届けしました。ご参加いただ皆様、誠にありがとうございました。
まだ出会えていない皆様も、今後の他セミナーで、どこかの地域で、お会いできることを楽しみにしております。
今後ともよろしくお願い致します。
★過去の開催ブログは、こちらから↓↓
【第1回】https://chiikino.jp/blog/?p=6031
【第2回】https://chiikino.jp/blog/?p=6205
【第3回】https://chiikino.jp/blog/?p=6505
1月13日は、滋賀県高島市にて、
講演「日本の森を活かす挑戦~国産材から新商品&シゴトをつくろう!~」の講師を務めさせていただきました。
当講座は、平成28年度厚生労働省委託事業「林産加工新商品開発セミナー」の一環で開催されました。
講座のテーマは、
「林業/製材業は儲からないんじゃないんです。経営のやり方が、わからないだけなんです!
~ビジネスが大っ嫌いな方が、経営が好きになるセミナ~」と題し、
林業、製材業、建設業、木材流通業、商社、まちづくり関係、デザイン関係の方々まで幅広く
約20名の方々にお集まりいただきました。
★高島地域雇用創造協議会さまのWEBはこちら↓↓
http://www.takashima-shigoto.jp/h28_forest05/
講座では、
① 3割の事業者が知っているギョーカイの基本講座
② 2割の事業者が知っているマーケティングの3要素
③ 1割の事業者が知っている最新国産材ビジネス 10 事例
とテーマを作り、弊社の事例を交えて、林業とマーケティングについてお話させていただきました。
=======================================================
今回の講座には、森林組合で林業に携わる方もあれば、異業種のため林業への接点は少ないものの、
地域資源を活かしたシゴトに関心があり参加して下さった方もあり、
林業に対するイメージについては多様で、林業・木材業の知識についてもバラつきがありました。
そのため、まずは「統計で見る、日本林業のウソとホント」と題し、マクロの視点から紹介した上で、
ご自身の事業領域の事として、自分事化するために、
●あなたの知っている「〇〇杉」を産地が思いつく限り書き出してみてください
●国産材の良さのPRポイントを思いつく限り発表してください
と2つのクイズを出題しました。
このようなPRポイントは、
・異素材と木材
・外国産材と国産材
・他産地と地域産材
・近くのメーカーと自社の木材
・隣の山とこの山の木材 等々・・・
比較することで、PRポイントすなわち「強み」が明らかになるものです。
本ブログをご覧いただいている皆様は、「国産材のPRポイント」をいくつ書き出すことができましたか?
なお、営業トークで”比較”を使われる際には、隣のA社を批判しないことも大切ですね。
一方では、
「隣のA社はこのような点が欠点ですが、当社の場合は~」と紹介する会社。
もう一方では、
「隣のA社もこのような点を使っておられ人気ですね!
但し当社では、××の点にこだわっているため、このような方法を用いています」と紹介する会社。
あなたは、どちらの営業マンの話を詳しく聞きたいと思いますか?
どちらの方が、信頼を置けると感じられるでしょうか。
人間関係と同じく、他人の悪口よりも、良いところを見つけつつ、
しっかりと自社をPRできる営業トークを目指したいですね。
講演の途中では、弊社の老籾より、住宅関係者に向けた情報誌からピックアップし、
人材募集と顧客獲得で伸びている工務店における取組みをご紹介しました。
1)まず社員自身が地域での暮らしを楽しむ
⇒自宅をDIYしたり、地域行事に参加し、理想的な暮らし方で社員の定着化に繋がる
⇒社員の周りに地域コミュニティが育まれる
2)実践に基づいた暮らしのアドバイスが信頼を結ぶ
⇒地域内で顔を合わせるため、ニーズがある人から相談を受けやすくなる
3)将来的に社員と顧客の獲得に繋がる
⇒「××さんのようなはたらき方をしたい」という社員候補、
「せっかく家を建てるなら、リフォームするなら、顔見知りの××さんに頼もう」という顧客の獲得に繋がる。
新規での顧客獲得にのみならず、企業間における人材の獲得競争は、今後さらに加速すると言われる中、
私生活においても家づくりが好きで、実践して楽しむ社員の働き方は、
人材の募集や定着化、さらには将来的な顧客獲得にも繋がるということ。このテーマについて、事例を交えてご紹介しました。
このような内容は、工務店に限らず他の職業においても共通するポイントですね。
林業であれば、チェンソーで木材生産に従事することに限らず、
狩猟をしたり、キノコや山菜を採って旬を味わうなど、その地域での仕事ならではのライフスタイルに憧れて、
森ではたらくIターン者が集う地域が生まれています。
なぜ森ではたらくライフスタイルを選んだのか?
森ではたらく27人の27通りの仕事を紹介した書籍も合わせてご覧いただければ幸いです。
★書籍「森ではたらく!27人の27の仕事」の販売ページへ↓↓
https://www.amazon.co.jp/%E6%A3%AE%E3%81%A7%E3%81%AF%E3%81%9F%E3%82%89%E3%81%8F-27%E4%BA%BA%E3%81%AE27%E3%81%AE%E4%BB%95%E4%BA%8B-%E5%8F%A4%E5%B7%9D-%E5%A4%A7%E8%BC%94/dp/476151339X
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その後も講演では、
全国の林業(木材)がいかに多様であるか、
例えば品種、環境、育て方によって、老舗の林業地域がなぜ有名になったのかを解き、
これからの国産材は、トータル林業、フリースタイル林業へと移行していきましょうと、
事例を交えて多数お伝えしました。
やはり、
林業者が丸太しかみていない、
製材所が木取りしかみていない、
工務店が部材としてしかみていない、ということは時代錯誤であり、
木材を持続可能な資源として、山をどう見て、木をどう活かすかを考えること。
そのために、山林に入り、立ち木を見て、葉や木の皮に触れる原体験を持つこと。
そして、原木、製品、設計から空間づくりという一連の流れを知ることで、新しく面白い世界が開かれるということ。
ほんの少し、隣の人がやっている仕事を知ることで、
地域で面白いトータル林業のチームが作られていくということを全国での事例を交えてご紹介しました。
高島市では、安曇川流域と共に育まれた林業の歴史を聞きました。
この講演をきっかけに、チームで連携し、地域の歴史を紐解くところから始まり、
古くて新しい木材産地として、高島ならではのトータル林業、フリースタイル林業が発展されることを願っております。
最後に、講演へお越しいただいた皆さまへ心より御礼申し上げます。
滋賀県高島市内、安曇川(あどがわ)のほとり。
雨空の合間に、大きな虹が見えました。
この辺りは安曇川の下流に位置するため、
川上から筏(いかだ)で流されてきた木材を
川のほとりで製材をして、家々の材料を作ってきた場所でした。
木を活かす文化は、
川、鉄道、道路など物流の歴史と共に育まれてきたことが分かります。
虹を眺めながら、上流の森まで訪ねたくなる風景でした。
1月7日(土)、キャンパスプラザ京都にて第6回シンポジウム「ライフ・アンド・フォレスト」が開催されました。
主催NPOの理事も務める弊社の岩井が、企画から、広報、当日コーディネーターとして参加いたしました。
2014年の第3回から数えて4年連続のコーディネートとなります。
★当日の様子はfacebookライブ配信から動画でご覧になれます。
前編 https://www.facebook.com/292740190784275/videos/1333819246676359/
後編 https://www.facebook.com/292740190784275/videos/1333916133333337/
===
◆第6回「ライフ・アンド・フォレスト」◆
テーマ:広葉樹のある暮らし~森のデザイン、木のデザイン~
講演
・「広葉樹のものづくり」有賀建具店 有賀 恵一 氏
・「広葉樹の森づくり」 有限会社根尾開発 小澤 建司 氏
・「広葉樹のエネルギー」株式会社Hibana 松田 直子 氏
【日時】2017年1月7日(土)13:30~17:00
【場所】キャンパスプラザ京都4階 第3講義室
【主催】NPO法人才の木、NPO法人京都・森と住まい百年の会
===
会場はほぼ満員。年始にもかかわらず100名以上の方が来場し、関心の高さをうかがわせました。
日本の林業と言えば針葉樹造林が主体であり、国内での広葉樹需要は輸入材に頼っているのが現状ですが、
今回は「広葉樹」にスポットを当て、広葉樹の面白さと課題、「森のデザイン」と「木のデザイン」のあり方について議論を深め、これからの日本の林業の新たな可能性を探りました。
まず最初に、三名のゲストの講演についてお伝えしていきます。
【1】「広葉樹のものづくり」 有賀建具店 有賀恵一氏
まずは、広葉樹のものづくりとして有賀建具店の有賀恵一氏がご登壇。
長野県伊那市から朝一番で車を出して京都入りしていただき、会場のあちこちに素敵な家具、サンプル木材を展示していただきました。
60種類以上の針葉樹や広葉樹を扱い、建具、キッチン、家具等を製作している有賀氏。
完全受注で作られる家具は唯一無二です。
端材を燃料とする、ペチカのある工房で。若手を含めた5名の職人から1つひとつの作品は作られています。
父代から続く建具職人の道を継いだ有賀氏は、初めは単一樹種で建具を仕上げるよう教え込まれましたが、1人のお客さまの
「失敗しても良いから様々な樹種でドアを作ってほしい!」という言葉から、多樹種の広葉樹を使った作品を手掛けるようになりました。
素材の調達は、チップ工場の丸太をはじめ、埋もれ木や工事現場の除伐材、素材生産者から直接購入、原木市場と
多様な調達先から「職人に見放された木」を集めておられます。
木材の乾燥は天然乾燥にこだわり、雨ざらしにして、木材内部の”アク”を抜くことで製材した時に美しい色が出るということも教えていただきました。
お客さまの要望を伺った上で、最終的な製品の樹種の並べ方は職人に任されており、職人によって風合いが異なる製品が生まれます。
しかしながら、塗装なしで自然の木の色をそのまま使用した製品は、どのような並びでも違和感なく仕上がるそうです。
お話の最後には日本の木の楽しみ方を教えていただきました。
「色、重さ、手触り、香り、味」が有賀氏の考える木の見分け方であり楽しみ方。
例えば、サクラなどのバラ科の樹種は良い香りがするいっぽう、ニセアカシヤやキハダはあまり良い香りがしない、
製材時に口に入るおが粉の味も、樹種によって違うなど、
五感を使った仕事の様子を語っていただきました。
多様な木を使ったドア。着色は一切しておらず、自然の色を活かした、落ち着きがありながら個性的なドアです。
椅子の素材はなんとキリ。タンスに使われる場面はあれど、椅子に使った事例はほとんど見かけません。
非常に軽くて丈夫なので、力の弱い方でも扱いやすい家具になるとのことです。
様々な樹種を組みわ合せた、カラフルな「いろいろタンス」。樹種の組み合わせは様々。
(弊社も当日1つ購入させていただき、オフィスに新しい木材のお仲間が加わりました。)
「トチの引き出しに○○入ってるから~」といった会話が想像できますね。樹種判別能力も高まる効果も期待できます。
【2】「広葉樹の森づくり」 (有)根尾開発 小澤建司氏
続いて岐阜県本巣市から、広葉樹の森づくりについて(有)根尾開発の小澤建司氏からのご講演です。
(小澤氏は、弊社主催の「林業経営実践研究会」in名古屋 のメンバーでもあります)
まず冒頭に、林業をやっていくには”歴史”が重要であり、次世代に繋げられるように魅力ある山づくりを目指しているというお話がありました。
そのために小澤氏の後継者として男の子2人は必要だと思っていたところ、いつのまにか5人のお子さんに恵まれたという自己紹介が、参加者の笑いを誘い会場はなごやかムードに。
ご長男は、なんと5歳からユンボ運転の練習中で、課題を与えて見守り、
「自分で考えて成長する」機会を大事にしているとのことでした。
そんな小澤氏の会社での人材育成指針もユニークです。
①完全出来高制の造林
造林部は、地拵えから伐採までを、植栽した人が担当となり管理、その出来高によって給与が決まるというものです。
枝打ち作業等も、各々がより効率的に現場を管理できるよう工夫するとのことでした。
②架線集材の復活
会社設立以来行っていなかった架線集材に平成25年から挑戦。
65歳のベテラン親方から39歳の若手社員が技術を後継し、その後は毎年架線集材を行う現場を計画し、素材生産を行っています。
先人の技術を途絶えさせてはいけないという小澤氏の考えもうかがわれます。
事務部、素材生産部、造林部、造園部、土木部がある(有)根尾開発では、
地域に貢献するさまざまな事業への「チャレンジ」の精神も大事にしています。
(Neo Woodsの積み木)
その1つの活動に「Neo Woods」プロジェクトがあります。
木材生産を(有)根尾開発、製材・乾燥を(株)カネモク、製造・販売・普及をオークヴィレッジ(株)が行う三者協定の広葉樹活用連携プロジェクトです。
これまで使われていなかった「規格外広葉樹」を活用し、根尾のブランドで木製品を送り出しています。
素材生産をする者が、自分達で育て伐採した木がどのような形に生まれ変わったかを、最後まで見届けることが何よりも重要であるとおっしゃっていました。
(有)根尾開発の広葉樹施業は択伐と皆伐の2種類。
3,000haの社有林の内、2,000haを占める広葉樹林を現場の状況や、需要先ニーズに合わせて施業を使い分けています。
また、一度手を加えた森は、どれくらいの大きさ、樹種の木がどれだけあるか、というデータを蓄積し、注文があった場合にすぐに伐り出せる「在庫化」を進めています。
最後に、今後は人材育成、販路開拓、地域連携により力を入れ、丁寧な仕事をして、次世代に繋がる山を作るとのビジョンを示し、
「お話だけでは伝わりにくい事も多いので、是非根尾の森を見に来てください、案内します!」という言葉で締められました。
【3】「広葉樹のエネルギー」 (株)Hibana 松田直子氏
最後に、(株)Hibanaの松田直子氏。
木質バイオマスに関する調査、普及啓発、薪炭や木製品の販売、ペレットストーブやボイラー等の導入支援、商品開発など、多岐にわたる事業を手掛けています。
京都市の寺町二条にある「京都ペレット町家ヒノコ」を拠点に、木と火のあるくらしを発信しています。
松田氏は、大学時代にアジア各国を訪問した際に、自分が日本の森のことを知らないこと気が付き、修士論文では木質バイオマスの地域利用をテーマとしたことが現在の事業に繋がっています。
講演の冒頭には、まず会場の皆さんに質問を。
「木の物を持ち歩いていますか?」
「木の家具を使っていますか?」
「では、薪などの木質燃料を使っていますか?」
木の物を持ち歩いている人はさすが、ライフ・アンド・フォレストということもあり参加者の大多数を占めていましたが、
薪などのエネルギー利用を日常的にしている人は意外にも少ないことに気が付かされます。
そして、針葉樹人工林の間伐遅れという問題に対して、
広葉樹はガスや石油へのエネルギー転換により里山が手入れされない課題を抱えていることに触れ、
火のある暮らしや小さな脱プラスチック運動をすすめるHibanaの活動をご紹介いただきました。
①薪、②ペレット、③炭、④チップ、という4大木質エネルギーの中から、特に身近に使いやすい①~③の燃料について、
ストーブの仕組みや燃料の特性について、わかりやすくご解説いただき、
さらに、「火」には単に照明や暖房の機能だけではなく、
人が集まる場を創造し、火を囲み考え議論する環境が新しい発見を生み出すという効果についても解説いただきました。
2000年以降、ペレットストーブやペレット製造の国産化が進み、各地域ごとに事業者が「ご当地型エネルギー」の商品展開しているお話は興味深く、
「街中でもこれだけ木質の燃料は使えるのだ、ということを感じてほしい」という松田氏の言葉には、
京都の街で事業を展開し、自身も火や木のある暮らしを実践し、ライフワークとしているからこそ伝わる熱がありました。
【4】パネルディスカッション
第二部は、まず初めに針葉樹と広葉樹の違いについて、樹木細胞学の視点から、
京都大学大学院の高部圭司教授からご解説いただき、その後にパネルディスカッションに移りました。
参加者から集めた質問票と、コーディネーターからの質問にパネラーが答える形式でパネルディスカッションは進行しました。
一部をご紹介します。
質問①:「一番好きな木は?」
有賀氏:みんな好きだが、色の濃い木「ホンウルシ」、「チャンチン」、「オニグルミ」などが好き。また、針葉樹よりも手がかかるからこそ、広葉樹が好き。
小澤氏:紅葉の色が美しい「カエデ」が好きです。長男の名前も「楓」にしました。ちなみにスラムダンク世代には馴染みがあると思います。
松田氏:「どんぐり」がなる木と、私の名字にもある「マツ」が好きです。どんぐりと松ぼっくりはシルエットが可愛いく、またエネルギーの視点から見て松ぼっくりは着火剤としても使えます。
質問②:「皆さんが思う、針葉樹と広葉樹の違いは?」
松田氏:広葉樹は多様性がある。国内でも、海外でも種類が多く、色も多様。エネルギーの視点では、針葉樹は火の着きが良いがすぐ燃え尽きる。広葉樹は火の持ちが良い特徴があります。
小澤氏:(森づくりの視点から見ると)針葉樹は人工林が多く、最後に伐採するまでずっと手をかけなくてはいけない。広葉樹(天然林)はある程度人の手を加えることも必要であるが、自然に成長する力が強い。また、広葉樹は樹種による値段の違いが大きく、変動もあり、博打的なところがあり、伐採の方法も多様で施業が確立していないという難しさがありますね。
有賀氏:まず一番に重さが違います。そして、広葉樹は狂いが大きく手がかかり、針葉樹はあまり狂わない。広葉樹は手がかかるがやはり好きです。
質問③「有賀氏に質問。山まで原木仕入に行くことは多いのか?」
有賀氏:山を見て買うことはほとんどしないが、山を見に行くこと自体はあります。行くとしたら近くの山です。銘木等にこだわらないので、とにかく山から木を出しましょう、なるべく多く使いましょう、という視点で原木は選んで購入しています。
質問④「小澤氏に質問。広葉樹の育成について、どのような樹種をどれくらいまで育てるのか?」
小澤氏:まず広葉樹の施業は、今のところ確立したものは一つもありません。行政や研究所に聞いても分からないので手探りです。作業班には針葉樹も広葉樹も、最初は悪いものから順番に伐るように伝えています。しかし、中には良い材も伐り出して、バランスを合わせています。また、できるだけ真っ直ぐに育つように択伐しています。木と木の間の距離を年ごとに変えながら成長の様子を見て、データを蓄積している状態。H25年に整備した場所は、注文があった際にすぐ伐採できるように、樹種と胸高直径、材積量を把握しています。
質問⑤「小澤氏に質問。現在日本は海外旅行者が増えているが、森林に招待して日本の林業を知ってもらい、海外に販路を広げるようなビジネスプランを考えていたりするか?」
小澤氏:今のところは考えていません。地元のことを優先して考えています。風土的に根尾と海外が合うかが分からないので、海外への販路よりも地元に素材は販売するようにしています。虫やカビの対策をするためにも、伐採したらすぐ加工が出来るよう、岐阜県内で何とかしたいと考えています。
質問⑥「木のある暮らしとして、どのような状態が理想的で心地よいと考えるか?」
有賀氏:意識しないである事が最も良い事、手で触れることが大事だと考えます。
小澤氏:有賀さんと似ていますが、身近にある事が最も良い。青山スパイラルでNeo Woodsの展示を行った際に見学に行きましたが、東京では土に触る機会はありません。現在、実は東京おもちゃ美術館との企画を進めていますが、おもちゃ美術館では生きている木に触ることはできません。自然の中で自分で工夫して遊ぶということが大事だと考えます。
松田氏:お二方と同じで身近で使うという状態がもっとも理想的だと思います。しかし、周りでペレットストーブ等を使用している方は少ないので、木のある暮らしは運動だと思っています。脱プラ、脱石油製品の運動であり、石油系由来のものを木に変えていくことが重要だと考えます。
質問⑦「松田氏に質問。エンドユーザーにエネルギーについて伝える際に気をつけている点は?」
松田氏:まずは、見えるということが一番大事です。実物に加えて、紙媒体、インターネットを使って情報発信します。また、小遣い稼ぎができるという切り口で関わる人を増やしていくことが重要で、そうすれば広がっていきます。ペレットの場合、流通が課題になります。使い続ける、消費するものなので、流通コストをどう下げるかが課題の1つとなっています。
質問⑧「有賀氏と小澤氏に質問。若い後継者がいるとのことでしたが、職人やその道のプロになるために必要なセンスやスキルはありますか?」
有賀氏:必要なセンスはありません。大体どういった人でも出来ます。しかし、作り手が「この木は狂うからだめだ」と決めつけて使わない材を選ぶ職人が多い中、使い手に多少の伸び縮みがある事を承知していただいくと充分使える木材がある事を理解し、考える職人を増やさなくてはいけません。現在5人の職人がいて、今まで独立したのは8人、そのうち女性は2人です。独立したみなさんは仕事があるようでお手伝いを依頼すると断られることもあります(笑)。
小澤氏:基本的に、山に興味がある人ではないといけないと思います。自社の魅力を発信し、興味がある人に来てもらわなければ技術力が付くまでに時間がかかります。最後は楽しく仕事が出来るような仕組みが出来れば活性化になります。素直な子が良いですね、現在社員募集中です。
質問⑨「素材生産側、木材加工側にそれぞれ期待することは?」
松田氏:「森のデザイン」である山側に期待することは、人材をどう育てるかに尽きると思います。みんなで参加できる企画を増やして、山に興味を持ってもらう人を増やすことが我々の仕事ですね。
有賀氏:小澤氏にやってもらいたいことは、真っ直ぐな木を育てていただきたい。曲がっている木はやはり使いづらい。山の状況もあり、難しい事ではあるが、是非頑張っていただきたいです。
小澤氏:急峻で雪が多い地域は真っ直ぐ広葉樹を育てることは難しいが、早めに手をかけて育てていくので、有賀氏にも、広葉樹に期待していただきたい。加工側の人には、山に来てもらって、立木の状況から見ていただき、この1本をどうしたいかというような愛着を大事にしてもらいたいです。市場ではなく、山から搬出される場を見ていただき、木そのものだけではない、雰囲気も大事にしてもらいたいですね。
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会場からの質問も多く、熱気のあるシンポジウムとなりました。
今回はメインテーマを「広葉樹のある暮らし」としながら、
サブタイトルである森のデザイン(施業、森林経営)、そして木のデザイン(利用、加工)について議論を深めました。
気候に恵まれ、多種多様な樹木が生育する日本の森林のポテンシャルを感じるとともに、
その価値を享受し大いに活かすためには、
●素材からエネルギーまでのカスケード利用
●適材適所での活用
をポイントにしながら、暮らしをつくること、
それが当たり前の存在になることが、地域文化ひいては日本の木材文化を作って行くことだと感じられました。
これまで未知であった広葉樹利用にも果敢に「チャレンジ」すること、
そして日本の森林のグランドデザインを、川上~川下が共に描いていくことに、大きな可能性を感じます。
そのために今後も、人が集い、お互いに理解を深めて議論する場を創出して参りたいと思います。
今回のシンポジウム開催に当たっては、ご登壇いただいた皆様、関係者・運営スタッフの皆様、そしてご来場者の皆様に心より感謝申し上げます。
今後もご期待ください。