1月13日は、滋賀県高島市にて、
講演「日本の森を活かす挑戦~国産材から新商品&シゴトをつくろう!~」の講師を務めさせていただきました。
当講座は、平成28年度厚生労働省委託事業「林産加工新商品開発セミナー」の一環で開催されました。

 

講座のテーマは、
「林業/製材業は儲からないんじゃないんです。経営のやり方が、わからないだけなんです!
~ビジネスが大っ嫌いな方が、経営が好きになるセミナ~」と題し、
林業、製材業、建設業、木材流通業、商社、まちづくり関係、デザイン関係の方々まで幅広く
約20名の方々にお集まりいただきました。
★高島地域雇用創造協議会さまのWEBはこちら↓↓
http://www.takashima-shigoto.jp/h28_forest05/

 

講座では、
① 3割の事業者が知っているギョーカイの基本講座
② 2割の事業者が知っているマーケティングの3要素
③ 1割の事業者が知っている最新国産材ビジネス 10 事例

とテーマを作り、弊社の事例を交えて、林業とマーケティングについてお話させていただきました。

 

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今回の講座には、森林組合で林業に携わる方もあれば、異業種のため林業への接点は少ないものの、

地域資源を活かしたシゴトに関心があり参加して下さった方もあり、
林業に対するイメージについては多様で、林業・木材業の知識についてもバラつきがありました。

 

そのため、まずは「統計で見る、日本林業のウソとホント」と題し、マクロの視点から紹介した上で、
ご自身の事業領域の事として、自分事化するために、

 

●あなたの知っている「〇〇杉」を産地が思いつく限り書き出してみてください

●国産材の良さのPRポイントを思いつく限り発表してください

と2つのクイズを出題しました。

 

このようなPRポイントは、

・異素材と木材

・外国産材と国産材

・他産地と地域産材

・近くのメーカーと自社の木材

・隣の山とこの山の木材 等々・・・
比較することで、PRポイントすなわち「強み」が明らかになるものです。

 

本ブログをご覧いただいている皆様は、「国産材のPRポイント」をいくつ書き出すことができましたか?

なお、営業トークで”比較”を使われる際には、隣のA社を批判しないことも大切ですね。

 

一方では、
「隣のA社はこのような点が欠点ですが、当社の場合は~」と紹介する会社。

 

もう一方では、
「隣のA社もこのような点を使っておられ人気ですね!
但し当社では、××の点にこだわっているため、このような方法を用いています」と紹介する会社。

 

あなたは、どちらの営業マンの話を詳しく聞きたいと思いますか?
どちらの方が、信頼を置けると感じられるでしょうか。

 

人間関係と同じく、他人の悪口よりも、良いところを見つけつつ、
しっかりと自社をPRできる営業トークを目指したいですね。

 

講演の途中では、弊社の老籾より、住宅関係者に向けた情報誌からピックアップし、
人材募集と顧客獲得で伸びている工務店における取組みをご紹介しました。

 

 

1)まず社員自身が地域での暮らしを楽しむ
⇒自宅をDIYしたり、地域行事に参加し、理想的な暮らし方で社員の定着化に繋がる
⇒社員の周りに地域コミュニティが育まれる

 

2)実践に基づいた暮らしのアドバイスが信頼を結ぶ
⇒地域内で顔を合わせるため、ニーズがある人から相談を受けやすくなる

 

3)将来的に社員と顧客の獲得に繋がる
⇒「××さんのようなはたらき方をしたい」という社員候補、
「せっかく家を建てるなら、リフォームするなら、顔見知りの××さんに頼もう」という顧客の獲得に繋がる。

 

 

新規での顧客獲得にのみならず、企業間における人材の獲得競争は、今後さらに加速すると言われる中、
私生活においても家づくりが好きで、実践して楽しむ社員の働き方は、
人材の募集や定着化、さらには将来的な顧客獲得にも繋がるということ。このテーマについて、事例を交えてご紹介しました。

 

このような内容は、工務店に限らず他の職業においても共通するポイントですね。
林業であれば、チェンソーで木材生産に従事することに限らず、
狩猟をしたり、キノコや山菜を採って旬を味わうなど、その地域での仕事ならではのライフスタイルに憧れて、
森ではたらくIターン者が集う地域が生まれています。

 

なぜ森ではたらくライフスタイルを選んだのか?
森ではたらく27人の27通りの仕事を紹介した書籍も合わせてご覧いただければ幸いです。

★書籍「森ではたらく!27人の27の仕事」の販売ページへ↓↓
https://www.amazon.co.jp/%E6%A3%AE%E3%81%A7%E3%81%AF%E3%81%9F%E3%82%89%E3%81%8F-27%E4%BA%BA%E3%81%AE27%E3%81%AE%E4%BB%95%E4%BA%8B-%E5%8F%A4%E5%B7%9D-%E5%A4%A7%E8%BC%94/dp/476151339X

 

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その後も講演では、
全国の林業(木材)がいかに多様であるか、
例えば品種、環境、育て方によって、老舗の林業地域がなぜ有名になったのかを解き、
これからの国産材は、トータル林業、フリースタイル林業へと移行していきましょうと、
事例を交えて多数お伝えしました。

 

やはり、
林業者が丸太しかみていない、
製材所が木取りしかみていない、
工務店が部材としてしかみていない、ということは時代錯誤であり、
木材を持続可能な資源として、山をどう見て、木をどう活かすかを考えること。

 

 

そのために、山林に入り、立ち木を見て、葉や木の皮に触れる原体験を持つこと。
そして、原木、製品、設計から空間づくりという一連の流れを知ることで、新しく面白い世界が開かれるということ。
ほんの少し、隣の人がやっている仕事を知ることで、
地域で面白いトータル林業のチームが作られていくということを全国での事例を交えてご紹介しました。

 

高島市では、安曇川流域と共に育まれた林業の歴史を聞きました。
この講演をきっかけに、チームで連携し、地域の歴史を紐解くところから始まり、
古くて新しい木材産地として、高島ならではのトータル林業、フリースタイル林業が発展されることを願っております。

 

 

最後に、講演へお越しいただいた皆さまへ心より御礼申し上げます。

 

 

Posted by wpmaster on 金曜日 1月 20, 2017 Under pick up, すべての記事, 講演・研修、コーディネーター, 講演&研修 報告

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