朝と夜には涼しい風が吹き、秋の訪れを感じる9月10日(金)。

 

三重県林業研究所様からのご依頼により、3年連続で弊社代表の古川が講義をさせていただきました。

 

今回もみえ森林・林業アカデミー(三重・林業大学校)の「ディレクター育成コース」「マネージャー育成コース」の両コース受講生(約20名程)を対象に「林業マーケティング 概要と実践」というテーマでの講義。近年、全国各地で開校されている林業大学校のうち、「みえ森林・林業アカデミー」は3年前(2019年)に開校された社会人(現場経験者や異業種の方)向けの大学校です。

 

日本林業屈指の歴史在る三重県の林業界を強化すべく、法律、技術、マネジメント、マーケティングにおいて林業界で著名な講師陣が多数登壇し、仕事に即生かせる実践的なカリキュラムが組まれています。

 

そのような攻めの姿勢と高いプロ意識が感じられる大学校での講義。

 

当日は、森林組合職員、林業・木材事業関係者をはじめ、観光や福祉関係の経営者や個人事業主など、森林を生かしたビジネスを展開したい異業種の方までを含めた16名が受講されました。

新型コロナウイルス感染拡大の状況を踏まえ、Zoomを使ったオンライン開催でしたが、画面越しにも受講者の方々の熱意が伝わってきました。

 

 

講座の概要、全体図

 

今回の講義は、単にマーケティングの知識や技術をお伝えするのではなく、林業に足りないのは「ビジョン(展望)」と「マーケット(顧客)」の2つであるとお伝えし、そこから各項目へと紐解いていきました。弊社メソッドの根幹である「5つの価値観」「情熱方程式」といったマインド面と、林業における理念と利益のリアルな数字面(市場規模や多面的機能の数値化)をお伝えしつつ、マーケティングの基本をクイズ形式で抑えながら、全国の事例を展開し、ワークセッション(Zoomのブレイクアウトルーム)を交えて自分事化することを重要視した内容にしました。

最後に、自分事化したことに取り組んでいくための「目標設計」と「明日からできること」によって講座をまとめさせていただきました。

 

なお今回は、Googleフォームによるアンケートを行いました。

マーケティングの認知度、重要度、期待感、現在の業績状況等について、その場で回答(グラフ)をお示しし、参加者がご自身の「位置」を確認しながら学ぶことができるような構成にしました。

 

 

最初の2つの質問項目では、講義前に確認しておきたい参加者のマーケティングへの意識について質問。

問1ではマーケティングの知識について50%の方が「何となくしか知らない」18.8%の方が「全くわからない」と回答。

しかし問2ではマーケティングの重要性について87.5%の方が「重要だと思っている」と回答。この2つの質問の回答から、受講者の方々のマーケティングを学ぶ意欲がいかに高いか、ということが伺えます。

 

 

次の質問項目2つでは事業の状況や今後について。

問3では最近の事業の近況について31.8%の方が回答した「増収増益」に注目。ウッドショックをチャンスに変えられているのでしょう。

そして問4の今後の方向性について「縮小計画」の回答がゼロでまたも驚き。計画的な撤退やM&A、事業承継、分割統合など、今後、当業界の課題テーマは多数ありますが、積極的な姿勢の方々が多いことは、業界を盛り上げていく上でとても心強いことです。

 

 

5つの価値観

講義内でご紹介の弊社メソッド「5つの価値観」とは、古川が自身の原体験から感じた、考えたことを軸にできた弊社メソッドの根幹と言えるものです。「5つの価値観」は「源」「時間観」「土地観」「経済観」「仲間観」から構成されます。具体的には例えば、源≒原体験、時間観は長期軸と短期軸、土地観は都市か農村(地方)か、経済観は理念と利益、仲間観は地元組か進学組かというように、それぞれ類似・対比・因果の関係で自己や企業を整理する際に有効です。

価値観が理念を規定する。その理念が経営を規定し、そして組織を動かすのです。この「5つの価値観」は、会社のビジョン(展望)を整理するための「理念設計」の際にも有効なフレームですので、自社(自身)の理念の言語化の為にも、受講者の皆様には活用いただきたいところです。

 

 

マーケティング

マーケティング編では、前半に「マーケティングの概論」「林業とマーケティング」と概念的なテーマを、後半には実践的なテーマで講義を展開していきました。後半はクイズやディスカッション交えた古川と受講者が共に考えていくスタイル。弊社のマーケティングフレーム「3C」「消費の3要素」「地と図」をご紹介しました。

 

「3C」では自社と競合、顧客の3者の関係性から見出す戦い方について、「消費の3要素」では商品消費の3つの段階(レベル)とそれぞれの違いについて、「地と図」では繰り返す流行と廃りの中で効果的に目立つ重要性についてお伝えしました。

 

また、これらは主に、B2C(一般消費者を顧客にするビジネス)で必要な考え方です。

 

もう一つ、B2B(法人を顧客にするビジネス)では、法人営業方程式というフレームをレクチャー。こちらもクイズ形式で、“なぜ自分の会社が選ばれるのか?“という視点を5つに分けて整理することで、自社の強みが浮き彫りになります。

 

シンプルですが、どれも、物事や状況について整理して考えるのにとても役立つフレームです。なお、Zoomのブレイクアウトルームセッションでは、2~3名が一部屋となり、これらのマーケティングレッスンをヒントに、自社の強み(特徴)をPRし、ディスカションする時間を設けました。是非受講者の皆様にはフレームでご自身のお仕事を分析し、事業に活かしていただきたいところです。

 

 

全国の事例

過去に当社がコンサルティング支援で携わった、現在地域で躍動するいくつかの企業、組織をご紹介させていただきました。斜陽産業と呼ばれ、課題も少なくない林業業界ですが、実は全国各地で輝く林業事業体はあります。

苦しい時期が続きますが、先人から受け継いだ豊かな恵みを活かし、将来に繋いでいくために、今私たちにできることはなにか。強い理念と実行力で、全国の仲間たちと共にこの業界を盛り上げていきたいところです。

 

 

参加者の声

【A様】

さすがは古川さん!とっても参考になりました。今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

 

【B様】

幅広いお話でとても勉強になりました。これをご縁にまたお付き合いさせていただければ幸いです。ありがとうございました。

 

【C様】

アフターコロナで社会の考えが変わっていている中、山を使ってできることは沢山あるのではないかと思いますが、具体的にことを進めることが出来ていません。今がチャンスだと思っているのですが自分になにができるのか、仲間とともに計画を立て、実行していきたいと思います。

 

【D様】

「マーケティング」×「林業」、様々な視点や思考で、大変勉強になりました。自分のやりたい!のヒントがたくさんありました。リアルでなかったことが、本当に本当に悔やまれますが・・・古川さんの引き込まれる話術で、楽しく受講させていただきました。ありがとうございました。”

 

【E様】

本日は、長時間の講義ありがとうございました。川上から川下までWin-Winな関係を作っていけるように頑張っていきます!

 

【F様】

林業の枠を超え、地域振興の可能性を感じました。モチベーションが上がりました。本当にありがとうございました。

 

 

最後に

皆さまがこの講義内容を自分事化し、日々のお仕事に活かしていただけたら、これほど嬉しいことはありません。講義終盤にご紹介した目標の期限と条件を明確する「目標設計」や、「明日から実践できること」の4つを実践されることで、より良い仕事をされていくことを願っています。

 

ブログでは抜粋してまとめましたが、上記以外にもたくさんのことをお話しさせていただきました。

 

全国47都道府県を仕事で訪問したことのある古川ですが、まだまだお会いできていない方々がたくさんいます。

コロナの状況に気を付けながらにはなりますが、皆様の地域にもお邪魔して交流し、共に明日の日本の未来を考えていけたら幸いです。

 

 

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Posted by wpmaster on 水曜日 9月 15, 2021 Under pick up, すべての記事, 講演&研修 報告
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