福井県のとある森の中に“それ”は存在します。
—1900年初期、大日本帝国陸軍が残したロシアの脅威から国土を守るために設置された要塞。
現代では想像しえない壮絶な時代を伝えるレガシー(遺産)を森は守り続けています。
皆さんの身の回りの森も、実は何かひっそりと守っているものがあるかもしれませんよ。
福井県のとある森の中に“それ”は存在します。
—1900年初期、大日本帝国陸軍が残したロシアの脅威から国土を守るために設置された要塞。
現代では想像しえない壮絶な時代を伝えるレガシー(遺産)を森は守り続けています。
皆さんの身の回りの森も、実は何かひっそりと守っているものがあるかもしれませんよ。
出雲風土記にも記載があり、全国有数の由緒正しき大社造りの荘厳な本殿を持つ八重垣神社(島根県)。
スサノオノミコトとイナタヒメを祭る形で神代の時代に建立され、夫婦和合と縁結びのご利益があると言われています。
そんな八重垣神社の社務所前に佇むのは、「連理の杉松」と呼ばれる大木。
大きな幹を見上げると、2種類の葉が見え、杉の木に松が挿し木状態で融合していることが分かります。
~立て看板の説明文より~
天佑神助の御神木
昭和の中頃より、その姿は現れいでており、
杉と松が共に成長している様は大変珍しく、
当社御祭神の御神徳の表れであり、夫婦和合、共存共栄の象徴である。
夫婦和合や縁結びのお参りの際には、「連理の杉松」のパワーにも触れてみてはいかがでしょうか?
経営実践研究会×国産材ビジネスセミナーで実施する合同現地研修会。
8回目となる今年は、プレミアム産地を巡る「産地巡礼」として、
より産地の風土を感じられるプログラムでお贈りしました。
===現地研修会過去の開催地域===
=== === ===
11/22-23の二日間、今回は「出雲・石見の旅~神話と地松の風景に出会う~」をテーマに、
島根県の松江市~大田市を巡りました。
■島根県の林業
島根県の素材生産量は、全国18位(H26年・361千㎥)で中位ですが、
「あかまつ・くろまつ」生産量は全国6位(H26年・37千㎥)を誇ります。
西日本は松枯れの被害が大きい中、数少ない貴重な「地松」産地の1つになっています。
参加者は総勢17名。
Clubプレミアム国産材のメンバーである竹下木材有限会社竹下哲史氏のご引率の元、
神話・縁結びの地である出雲、銀山で栄えた石見の地を巡りました。
また、今回は竹下木材様の取材を兼ねており、撮影スタッフも同行する今までにない形での実施となりました。
それでは2日間の様子をご紹介します。
【1日目:22日(火)】
■八重垣神社
まず初めに向かったのは、縁結びのパワースポットとして知られる八重垣神社。
竹下木材様の納材事例でもあります。
まずは立派な鳥居が出迎えてくれます。
鳥居をくぐると正面には本殿が。大社造りで荘厳な雰囲気、大きなしめ縄も目を引きます。
しかし、今回のメインは竹下木材様の納材事例であるこちらの社務所。
梁桁、細部の造作まで全てが美しく、地松ならではの赤身と木目が一層美しさを引き立てています。
境内には、スギの樹幹からマツが生え、共生している珍しい木も。
マツの生命力を感じるとともに、接ぎ木をしたわけではなく自然に起きた現象ということで、縁結びのご利益を感じます。
境内の奥には「鏡の池」と呼ばれる池があり、
おみくじになっている用紙を浮かべ、その上に硬貨を置き、
紙が沈むまでの時間でご縁の早さや遠さを占います。
占い用紙には1枚1枚違う言葉と吉方位が記されています。
参加者のみなさんもチャレンジ。占いの行方を見守ります。
早く沈んだり、なかなか沈まなかったり・・・
良く当たると噂の占いは、旅の楽しみの一つとなりました。
■正林寺
次に訪れたのは、八重垣神社近くの、曹洞宗正林寺。
こちらは本堂に竹下木材様の地松が使われております。
山陰地方では、社寺建築の横架材にふんだんに地松を使う文化があり〼。
八重垣神社の社務所外観の、地松の赤身の色の変化も美しいものでしたが、
内装で白壁と合わせて見るとまた一段と色が際立ち、素材力を十分に引き出した居心地の良い空間でした。
■神魂神社
次なる御縁結びスポットとして、正林寺からほど近い神魂神社へ。神に魂と書いて「かもす」と読みます。
通称“大庭のお宮さん”の名で親しまれている古社です。「大庭」というのは地名であり、神様の祭りごとをする場所のことを指します。
神社建築も見もので、こちらは長さ、幅共に不揃いなこけら板を上手く合わせて屋根が出来ています。
大きな建造物を見る時はどうしても細部を見逃しですが、細部にこそ職人の技と手間を垣間見ることができますね。
■竹下木材有限会社 工場見学
続いて、今回の巡礼のメインである竹下木材有限会社様の工場見学です。
「中国山地から選りすぐりの木を」をメッセージに、地松を中心に地域の木材を製材されています。
納材事例を見た後の、さかのぼっての工場見学。
あの美しい地松材はどのように挽かれているのかと、皆さん興味津々です。
ちょうど、地松の大径木が挽かれている最中でした。
丸太に鋸が入れられ、一枚一枚どのような表面がでてくるのか、
何度見てもどきどきする瞬間です。
工場の中には女性職員の姿も。
構造材を取った後の側板を、さらに内装材等に使えるかどうか、ここで見極め仕分けされます。
この大切な工程は、やはり人の目と手が欠かせないそうです。
大きな板を抱えたり、チェーンソーを慣れた手つきで扱う場面もあり思わず見とれてしまいました。
てきぱきと現場で働くベテラン林業女子、かっこ良いですね!!!
モルダーやエンドマチャーを完備し、希少な地松フローリングも製造されています。
厳しくより分けられた素材から、美しい板目が生み出されます。
白っぽい印象ですが、豊富な樹液が艶となり、経年変化により趣のある色と表情へと変わっていきます。
また、材が取れない樹皮部分や木端は、乾燥機のための木屑焚きボイラー機の燃料として利用しているため、
丸太を余すところなく活用しているのも竹下木材様の1つの特徴といえます。
最後に、工場近くの木材市場を案内していただきました。
竹下木材様の使用する原木の半分以上は、こちらの市場で仕入れているとのこと。
地元の林業会社と連携しながら、地松材の安定的な供給に取り組まれています。
地松に特化した製材所は日本全国見て回っても珍しく、
地松ならではの加工や乾燥の工夫、ご苦労などをお聞きしながら、
大変貴重な現場を見させていただきました。
■石見銀山 宿泊(地松を使った和風旅館「ゆずりは」)
日も落ちたところで、世界遺産・石見銀山の大森町にある宿「ゆずりは」に到着。
こちらも竹下木材様の納材事例となっており、
ホールには迫力ある梁が見えます。
宿到着後、三瓶自然館サヒメルの学芸員・中村唯史氏から、石見銀山の成り立ちや地質について講義をしていただきました。
石見銀山は1500年代から採掘が開始され、安土桃山、戦国時代には銀山を巡る争いがあり、治める大名が幾度も変わってきた歴史を持ちます。
また石見銀山には、当時の技術に適した採掘現場の環境があり、
①掘りやすい②やわらかい③くずれにくい
という3点、そして脈(層)としてではなく、地質内に散りばめられたような形で銀鉱石が含有しているからこそ
採掘技術の進展が浅かった当時では世界一の採掘量を誇ったことなどを教えていただきました。
そして、ゆずりはを施工した山下棟梁からもご挨拶をいただきました。
世界遺産の町・石見銀山では、古民家の再生や街並みに合った建築技術と意匠性が求められ、
昔からの建築文化を継承し、地松を使った建築が多く手掛けられています。
このように、地域の木、技術もまた、世界に誇る景観の一翼を担っていることを肌で感じることができました。
参加者で懇親会のスタート。各地から集まった木材のプロフェッショナル達と、異業種も含めた交流ができるのも、この研修の魅力です。
地元食材をふんだんに使い、1品ごとに丁寧に味付けされた料理は全てが絶品。みなさんおいしいと舌鼓。
地の料理とお酒で大満足でした。
夕飯の後は、伝統芸能「石見神楽」を鑑賞。
地元の神楽チームにより、この日のために特別公演していただきました。
30以上の演目の中から2つを演じていただきました。
おめでたい席で舞われる「恵比寿」のコミカルな演舞が笑いを誘い、
スサノオノミコトがヤマタノオロチを退治する「大蛇」の演目では予想以上の迫力に一同大興奮。
演者は若い世代が多く、中には3歳から練習している人もいるそうで、演目も時代ごとに大衆が親しみやすいようにアレンジを加えているとのこと。
世代を超えて長く愛される伝統芸能に心打たれるひと時を過ごし、1日目は終了です。
【2日目:23日(水祝)】
■石見銀山世界遺産センター
2日目のスタートは、石見銀山世界遺産センター。
こちらも、地松がふんだんに使われた木造建築です。
石見銀山は2007年に、銀山に関わる景勝を合わせて世界遺産登録されました。日本での取得は14番目となります。
こちらのセンターでは時代ごとの精錬方法や商流の変遷を解説していただき、
実物の銀小判を見たりと、石見銀山の歴史を深く学ぶ機会となりました。
■石見銀山街並み散策
午前中いっぱいをかけて、石見銀山の街並み散策。
昨晩は暗闇の中でしたが、一夜明けてみると歴史ある街並み。赤い石州瓦に染まる町が印象的でした。
石見銀山の最盛期に最も有力な商家であった熊谷家住宅を見学。こちらも竹下木材様の納材事例です。
450坪という広大な敷地に建てられた住宅は、迷子になるふど大きく、応接間等の各部屋が復元されています。
家も大きければ、台所も大きい。地松の梁が際立つ台所で集合写真を撮影。
まるで大家族の食卓風景の一部を切り抜いたかのよう。
せっせとこの場で働く女中がいて、かまどからご飯が炊きあがり湯気が上がる風景が今にも見えてきそうな空間でした。
その他、美しく復元・新築された、数々の建築を見学しました。
そのどれもが、地松をふんだんに使う山陰の建築文化を継承したものでした。
■三瓶山小豆原埋没林
最後に訪れたのは、石見銀山から車で40分ほどの三瓶山小豆原埋没林。
この埋没林は、約4,000年前の三瓶山の噴火により地中に埋もれたまま保存された太古の森で、
田畑の開発の際にひょっこりと幹の上部が出て来たことから調査が行われ、
地中を掘る特殊な形での展示・保存がなされるに至りました。
上の写真だけだとそれほど大きな木には見えず、ジオラマのように見えますが、近づいてみるとご覧の通り。
人が写ると一目瞭然ですね。まるで自分が小人になったかのような感覚になります。
直径が2メートル、樹高が推定30メートルに及ぶスギの大木、これが4,000年前には周辺一帯に生えていたと予想されています。
埋没林が立木の状態でここまで綺麗に保存されているのは、世界で唯一だそうで、大変貴重な資料となっています。
林業はは3世代かかる長い時間が必要な生業と言われますが、
人の営みをはるかに超える大きな時間軸とロマンに圧倒されました。
「神有月」に神々の集まる島根県、縁結びの土地での素晴らしい出会い、
そして山陰の歴史と地松に触れる貴重な旅となりました。
===次回予告===
今年度は、産地巡礼は第2回を予定しています。
次回は奈良県吉野郡川上村を中心とした吉野林業を巡る旅。
日程等の詳細は後日公開。今回来られなかったという方も是非、ご参加ください。
こうご期待に!
==========
今年度第3回の国産材ビジネスセミナーを開催しました。
テーマは 「林業ガールズトーク!~女性目線をいかしたマーケティング&女性活躍のリアル~」 と題し、
女性社員・学生、女性を雇用する経営者の方を主な対象としましたが、
行政や地域のコーディネーターの立場から、 女性の活躍をサポートされている男性の皆様にも広くご参加いただきました。
【第一講座】林業女子白&林業女子マーケティング 株式会社古川ちいきの総合研究所 岩井より
「林業女子」と聞いて、みなさんはどんな女性、あるいはどんな仕事を思い浮かべますか?
林業界では、さまざまなスタイルで笑顔ではたらく女性が近年注目されていますが、
男女の得意をそれぞれ活かした仕事や経営ができれば、
もっと日本の林業が面白くなるのではないでしょうか。
今回は大きく2つ、
①女子目線のマーケティング
②林業女子のハッピーキャリア
をテーマに、弊社岩井がメイン講師を務めさせていただきました。
まずは、「林業女子白書~林業女子のこれまでと現状~」と題し、統計データを基に、林業に従事する女性の数や職種の推移を整理。
さらに、林研グループから林業女子までの、林業界や山村における女性のネットワークの変遷を追うことで、
林業や地域を支える女性の役割の変化について、ご紹介させていただきました。
大きく分けると、「林業女子」の役割や立場は、以下のように変化してきたのではないでしょうか。
第1世代:家族としての女性
山村の暮らしの中で林業が当たり前にあり、家族や夫婦で仕事してきた。女性の地位向上などを目指して女性林研に代表されるグループを結成。地域の輪を大切に、女同士でわいわいと活動するのが好き。
第2世代:職業人としての女性
職業人として男性社会に飛び込んでいった。Iターン者、女性公務員。職人気質で、発信とか表に出るのは苦手、というタイプも。
第3世代:翻訳者としての女性
女性を受け入れる土台ができた林業界へ自然体で入っていく。理念を持ちながら女性の楽しみ、都会の感覚もバランスよく大事にしながら山と都市を結ぶような、ソフトの仕事、異業種に従事することも多い。
このように、林業女子会の発起人でもあり、
これまで様々なネットワークの女性とお会いしてきた岩井の視点から、まとめさせていただきました。
さらに、一口に林業女子といっても、現場作業に限らず多様な関わり方があるものでしょう。
弊社ではこれについて、男女関わらず「経営を支える3種類の人材」としてご紹介しています。
あなたは会社の中で、あるいは業界の中で、どの役割を担っておられますjか?
また、これからどんなバランスで3つの仕事をしていきたいですか?
弊社のクライアントやさまざまな場所で活躍する
林業女子のキャリア事例をご紹介し、キャリアを考えるヒントを紐解きました。
ある林業会社では、数年前に新しく女性を採用されましたが、
「例え、男性社員と比べて体力的に劣るため現場作業が60点だとしても、
プラス40点を事務や総務力で活躍してもらえれば、100点満点」
という考え方で採用されています。
このように、弊社がお付き合いさせていただいている林業木材業では、
作る人、売る人、支える人の役割を固定せず、その人の個性に応じてバランスをとるなど、
さまざまなキャリアプランを描いている企業があります。
この3つの視点と「キャリアプラン」について、
雇用する側もされる側も意識することで、性別を含む個人差や個性に合ったチームワークが
林業界でも発揮できると考えています。
さらに第一講座の後半では、
「売る人」や「支える人」としての林業女子の活躍に生かしていただければと、
情報発信や顧客づくりに係るマーケティングフレーム、事例をご紹介させていただきました。
【ゲスト講座】林業女子のハッピーキャリア
株式会社はぴきゃり 代表取締役 金澤 悦子 氏より
平成27年8月28日、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律「女性活躍推進法」が国会で成立したことはご存知でしょうか?
女性の活躍推進に向けた数値目標を盛り込んだ行動計画の策定・公表や、女性の職業選択に資する情報の公表が事業主に義務付けられ、
女性が個性と能力を発揮し働ける社会の実現に向けた法整備が進められていることは確かです。
このように、女性が活躍できる社会の実現という理念は理解しつつも、
出産、育児といったライフステージによる働き方が変化することや、そもそも体力が求められる林業界の特徴もあり、
経営者にとって悩みごとの多いテーマでもある、女性の雇用問題ではありますが、
働く女性1万人以上に取材を続け、人気雑誌へ女性のキャリアに関するコラムを投稿し、
また、林野庁においての女性活躍をテーマにした講演実績も持つ、
(株)はぴきゃり 代表取締役の金澤悦子氏をゲストにお招きし、
「林業女子のハッピーキャリア」をお話しいただきました。
冒頭から、上記のような法整備が進み、女性活躍に向けた機運が高まっている一方で、
経営者が何よりも知りたいのは、「女を採用すると、儲かるのか?」ということ。
この挑戦的な問いかけから、講座が始まりました。
金澤氏の答えは、「儲かります!!」。
その理由を5つの切り口から、企業にとって女性を雇用する強みとしてご紹介されました。
話の全容は、オリジナルメソッドにより年間300人以上のキャリア相談に応じておられる金澤氏の著書などから、
豊富な事例を交えてお聞きいただければと思いますが、ブログでは一部をご紹介します。
回答①:女性を採用すると、ビジネス開拓に効く!
太古の昔から、集落の中で共同作業を行ってきた女性は、男性よりも比較的に「共感力」が豊かであると言われています。
某大手旅行会社において、トップ営業の成績を持つ女性は、その営業スタイルを「憑依型」と評されるそうです。
お客様との会話を通じて、「あなたには絶対、この場所がオススメです!この場所で、〇〇のお店にいって、××でお茶をして~・・・
きっとあなたのイメージ通りの旅をお楽しみいただけます!!」と提案すると、
「どうしてそんなに私の気持ちが分かるんですか!?」と驚かれ、まるで憑依したかのように、
顧客の潜在的なニーズに共感し、最適な提案によって実績を残しているというエピソードをご紹介されました。
すなわち、消費者は必ずしも、自身のニーズに気付き具体的な言葉で表現できるものではない中で、
女性の共感力は、「ビジネスのチャンス=ニーズへ気付く力」として、企業にとっての強みとなるエピソードの一つでした。
回答②:女性を採用すると、人材育成に効く!
女性を雇用するときに直面する、ハード面の課題。
特に林業界では、トイレや更衣室の整備といった課題に面することが多いかもしれません。
ここで、「ブロークンウィンドウズ現象(割れ窓理論)」というものをご存知でしょうか?
これは、アメリカの犯罪学者ジェームズ・ウィルソンとジョージ・ケリングが発案した理論で、
建物の窓が壊れているのを放置すると、誰も注意を払っていないという象徴になり、
やがて他の窓もまもなく全て壊されるという考えに基づくものです。
かつて非常に治安の悪かったニューヨークの街で、知事の政策の下で地下鉄の落書きを徹底的に消すことで、
地下鉄内での犯罪率が減少した実験結果が出ています。
職場においても同様に、皆にとって快適な環境が整備されキープされているということは、
会社の士気やマナーを高めるということ。女性が働きやすい職場環境は、働く皆にとっても快適ということです。
続けて、ソフト面の課題について。
女性は男性と比べても、結婚、出産、育児といったライフステージによる働き方の変化が大きい点は、
経営者にとって女性雇用の一つのリスクであるという考え方もあります。
しかしながら、長時間労働に対応しにくいといったリスクは、女性だけの問題でしょうか?
超高齢化社会に向かう日本ですが、一方で成年男性の未婚率の上昇も同時に問題視されています。
すなわち、介護問題とは、もはや女性のみの問題ではなくなるのです。
長時間労働の一択のみではない、ライフステージに応じた多様な働き方を提供できる組織。
そんな女性にとって働きやすい環境は、男性にとっても、さらに働きやすい企業であり、
このような組織体制を作ることが、長期的な視点から、人材育成に効くと解説いただきました。
これは林業界にも同じく当てはまることです。
さらに、「『5つの謎』を理解すれば、女性のマネジメントはうまくいく」として、
女性ならではの考え方の特徴を分析し、経営者としてどのように接することで、
組織の中でのコミュニケーションがスムーズにできるのか、エピソードを交えてお話いただきました。
会場からは、思わず笑い声が上がるほど、共感の声で溢れる内容となりました。
講座の後半には、「統計心理学i-color」を使ったオリジナルメソッドにより、
その人のタイプに応じた価値観を生かしたキャリア形成について、ご提言いただきました。
講師の金澤氏がキュレーターを務めるWEBサイト「はぴきゃりアカデミー」もご参考ください。
http://happycareer.jp
【まとめ講座】 株式会社古川ちいきの総合研究所 代表取締役 古川 より
ゲストの金澤様のお話を受けて、弊社代表 古川より、
「林業界の経営者として何をすべきか」とお話させていただきました。
林業界において、女性を雇用する時に直面する代表例として、例えば現場の安全性やトイレの快適性といった問題がありますが、
この場合、効率的な重機を導入したり、トイレを整備するなど、ハード面の充実によって、「問題対処」が可能となります。
しかしながら、これらの事象に対してハード面の整備に留まらず、ソフト面までサポートし根本的な「問題解決」を図ることで、
女性の働きやすい会社から⇒男性にとっても働きやすい会社へ。
この問題解決は、結果的に、
会社の経営ビジョンと顧客創造における、マーケティング戦略の実行性に繋がるべきテーマでもあるということ。
このようなメッセージをお伝えし、今回のまとめとさせていただきました。
女性が活躍する組織を考えることは、女性の為だけではなく、それは男性の為にもなる。
そして社員の為だけではない。強いては、会社のため、お客様のためになるということです。
これからも女性に限らず、林業木材業界のキャリア育成のテーマを扱うセミナーも継続していきたいと思います。
【お客様の声】
~アンケートにご協力いただいた皆様、ありがとうございました。~
・組織の中で、女性としての役割を理解、整理できました。女性だから・・・といわれるのが少々苦痛でしたが、強みがたくさんあると分かり、笑顔で頑張れるよう参考にしていきたいです!(林業関係A様)
・面白い内容で、さらに男性の立場からも聞いてみたい内容でした。参加者も色々な経歴で林業界に入っている人が多く、もっと多くの人の経験談を聞いてみたいと思いました。(コンサルタントB様)
・「女性の5つの謎」と題して、女性の考え方を紹介された話が参考になりました。また、男性女性と区別なく、共感できる点も多々ありました。職場や家庭でのコミュニケーションに役立ちます。(行政関係C様)
・とても参考になる話で、女性のみならず、男性にも聞いてほしい内容でした。仕事におけるチームプレイや人材育成について、さらに詳しく聞きたいと思います。(林業会社D様)
・林業は総合産業だと思っています。山をトータルで生かすことができたら、もっと多くの人がハッピーなキャリアを持てると思っています。そんな展開にこそ、女性の力を生かしたいですね。(林業会社E様)
・とても楽しく講義を受けることができました。仕事で「女性や若者の視点を生かして」と度々言われますが、それが何なのか分からず悩んでいたので、ヒントをいただけた気がします。ありがとうございました。これからの仕事にも役立てていきたいと思います。(製材メーカーF様)
・女性という切り口のみならず、その中でも役割の変遷を示していかれた点が参考になりました。世代間の連携が取れるとさらに良いですね。次は、女性上司とのコミュニケーションについても、話をうかがいたいです。林業と女性をテーマにしたセミナーを今後も続けてほしいです。(シンクタンク関係 G様)
・i-color診断は、目からウロコでした。また、印象的なキャッチフレーズにも共感しました。林業女子をテーマに様々なお話を聞き、自分自身の役割を再確認することができました。女性の特質を知ることもでき、楽しい話をありがとうございました。また参加させていただきます。(行政関係H様)
・女性の視点を知ることができ、今後のコミュニケーションの参考となりました。また、マーケティングフレームの紹介では、自分が所属する地域の立ち位置を客観的にみることができ、ハッとさせられました。(行政関係I様)
★次回予告★
第4回 2017年1月21日(土)14:00~18:00
「利益を生み出すビジネスモデルを作ろう!~千円の柱を10万円で売る方法~」
【ゲスト講演】
㈱山共 代表取締役 田口 房国 氏
「カントリージェントルマンたれ!地域と生きる木材ビジネスはこんなに面白い」
https://chiikino.jp/blog/?page_id=190
★詳細・お申込は、後日ホームページからご案内申し上げます。
みなさまのご参加をお待ちしています!
広葉樹の山が、彩り鮮やかになる季節。
紅葉する山肌を眺めていると、植林された杉桧の姿が特に際立ちます。
ここも、人の手で植林された杉林。
あれ・・・?よくみると、ハート型に見えてきませんか?
高速道路を使って、移動中に見えた景色でした。
森づくりは、すなわち景色をデザインする仕事。
手入れされた森林には、ハート(心)がこもっているのです。
今月11月21日(月)に開催される
「全国森林ノミクスサミットin山形」にて弊社代表古川が講演させていただきます。
主催する山形県では、平成25年に『やまがた森林(モリ)ノミクス』を宣言し、
林業の振興を図りながら、雇用創出、地域活性化に繋ぐ取組みを推進しています。今回はその一環のサミットです。
===詳細===
【日時】
平成28年11月21日(月) 午後1時から
【場所】
パレスグランデール(山形県山形市荒楯町一丁目17-40 電話:023-633-3313 交通アクセス)
【内容】
開会 13:00
第1部 講演(13:15~14:30)
テーマ:「森林資源の活用による地域再生 ~森ではたらく!新たな事例~」
[講師]古川 大輔((株)古川ちいきの総合研究所代表取締役)
○「森ではたらく!」新たなカタチ。~あなたの代で産地の名を終わらせますか?森の資源を新たなビジネスにした27人~
○ 異業種マーケティングから学ぶ木材の売り方。~木のブランド化とは何か?いつまでも木だけを売っていては、いけないんです。~
○ ライフスタイル提案型の「企画」と目標林型をつくる「規格」
○ 事例(吉野林業、カラマツ林業、Iターン林業、clubプレミアム国産材) など(変更される場合があります)
第2部 パネルディスカッション(14:45~16:30)
テーマ:「豊かな森林資源を活用した地域の活性化」
[コーディネーター]
三浦秀一氏(東北芸術工科大学建築・環境デザイン学科教授)
[アドバイザー]
古川大輔
[パネリスト]
ルイジ・フィノキアーロ氏(オーストリア大使館商務部上席商務官)
瀬野和広氏(瀬野和広+設計アトリエ代表)
西塚直臣氏((株)天童木工常務取締役製造本部長)
阿部多喜子氏(金山町森林組合職員・やまがた緑県民会議委員)
宮澤俊輔氏(林野庁林政部木材産業課長)
第3部 情報交換会(17:00~)
=== === ===
↓取組・イベント詳細は、下のチラシをご覧ください。↓
チラシPDFのダウンロードはこちらから
https://chiikino.jp/data/morimiku2016.pdf
イベント情報、申込みはこちらから
【山形県HP】
http://www.pref.yamagata.jp/ou/norinsuisan/140023/morinomics/summit/2nd_summit.html
受付締め切りは今月17日。
是非、お近くの方はお申込みください。
=== === === === === === === === === === === ===
弊社では、全国各地で、
林業、木材ビジネス、地域づくりをテーマにした講演や研修を実施しております。
イベントやフォーラムの企画・実行、コーディネーターもご用命ください。
かつて日本の里山の風景となり、建築に欠かせない木であった「地松」。
国産のアカマツをこう呼びます。
今では希少となったこの素材にこだわり挽き続けるプレミアムな製材メーカーと、地松の重厚感ある美しい建築、
そして石見銀山・出雲の神話の世界を訪れます。
そう、それはワインのように。日本の森を味わう旅へ。
11月11日に募集を締め切りました。お申込みありがとうございました。
~こんな方に~
★国産材ブランド化のヒントを探りたい林業・木材業経営者の方
★プレミアム国産材を知りたい、使いたい建築・設計者の方
★プレミアム国産材を仕入れたい木材流通店の方
毎年恒例の現地研修会は、プレミアム産地を訪れる「産地巡礼」としてリニューアル!
プレミアム産地と出会い、知り、学ぶ旅。
第一回は11月に島根県で開催!
「Clubプレミアム国産材」のメンバーでもある、希少な「地松」専門メーカー様と
地松を使った建築を数多く訪ねながら、
商品開発秘話や「地松」という木の特性、製品に込めた想いを伺います。
石見銀山、出雲の神話と地松の風景を訪れ、産地を味わう現地視察会。ぜひご参加ください!
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
プレミアム産地を巡る[産地巡礼]
出雲・石見の旅~神話と地松の風景に出会う~
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■日程
2016年11月22日(火)~23日(水・祝) 一泊二日
■行程(予定)
◎一日目 11月22日(火)
12:20 松江駅 集合
・八重垣神社(地松施工事例)
・地松専門製材メーカー「竹下木材有限会社」工場見学
・石見銀山 宿泊(地松を使った和風旅館「ゆずりは」)
★懇親会+ミニ勉強会:旅館を施工された地元大工にお話を伺います
★伝統芸能「石見神楽」観賞
◎二日目 11月23日(水・祝)
・石見銀山の街並み散策
・「地松」納材事例見学(熊谷家住宅、石見銀山資料館、オペラハウスなど)
★現地ガイドによるご案内あり:石見銀山の成り立ちなど
・三瓶山小豆原埋没林:太古の杉の森に出会う
解散:以下よりお選びください。
14:00 大田市駅 解散
14:50 出雲大社 解散
15:30 出雲空港 解散
■参加費
お一人様 57,000円(税込)(一泊二食、現地での交通費、入場料含む)
※学びを深める「オリジナルテキスト」をご提供します
※集合解散場所までの交通費は別途ご負担ください
■定員 14名様先着
■お申込
①お名前
②ご所属
③業種(林業、製材業、木材流通業、建築業、その他)
④メールアドレス
⑤お電話番号
⑥2日目解散場所のご希望(大田市駅、出雲大社、出雲空港)
を添えて、
メール(info@chiikino.jp) または お電話06-7878-6376 までお申込ください。
★お申込期限 11月11日(金)
※定員に達し次第募集を締め切ります。
11月11日に募集を締め切りました。お申込みありがとうございました。
↓↓お問い合わせフォームからもお申込いただけます!
~産地の風景~
「地松」専門製材メーカー 竹下木材有限会社 工場
地松のある風景:八重垣神社
地松のある風景:石見銀山
太古の森:三瓶山小豆原埋没林
滋賀は彦根城、天守最上階の梁。
天井板は張られておらず、曲がりくねった松を眺めることができます。
彦根城は、関ケ原の軍功を認められた井伊氏によって築城されました。
すぐ近くには、合戦で敗軍となった石田三成の居城、佐和山城がありましたが、
これを解体し、彦根城が建てられました。
つまり、彦根城も、いわゆるリノベーション建築!
ゲン担ぎや材料調達の短縮など、様々な意味を込めて、
城のリノベーションは、一般的だったようです。
特にクセのある木材を使った天井は、職人の手腕の見せ所。
見晴らしの良い城下町の景色も去ることながら、城内の天井も圧巻です。