令和5年8月4日(金)、みえ森林・林業アカデミーで、弊社代表の古川が講義をさせていただきました。

 

テーマは「林業マーケティング 概論と実践」

 

「~未来のお客様は、私たちでつくる~」と、古川らしいサブテーマも加えました。

 

 

林業×マーケティング

 

今でこそ時々耳にするようになりましたが、古川が15年前に言い始めた時は、

 

「林業にマーケティングって必要なの?」
「良いもの(木、製品、森)さえつくっていればいい」
「自然を相手にしているんだ、そんなの必要ない」

 

という言葉をよく聞いたそうです。

 

マーケティングって、「商品サービスを売るため」というのはもちろん、実は「正しく知ってもらう」「ちゃんと届くようにする」という意味合いも大きいです。

 

林業、製材業、木材業、木の家木の家具…
森の仕事、木の仕事していると、自然に畏敬の念を感じ、仕事に誇りを持ち、地域と人を大事にするようになります。
むしろ、そうでないとやっていけませんよね。

 

そういった思いや理念を、人々に伝わるようにする。
そうして、どこに伝えたいのか。

 

 

ヴィジョンとマーケット。

林業に足りないのはこの点だ、というところからスタートした講義。

 

 

基本のマーケティングフレームから、林業と地域に向き合ってきた古川流メソッドへと展開しつつ、ワークショップも交えながら、今回も4時間全力蹴球させていただきました。

 

たくさん詰まった内容を走り抜けた講義でしたが(これでも本人的にはかなり集約したそうです笑)、受講生の皆様にも楽しんでいただけたようです。
終始、熱心で真摯な姿勢が印象的でした。

 

 

 

【アンケート回答より抜粋】

・とても有益な講義でした。ありがとうございました!

・講演会、勉強会がございましたらぜひお知らせください。有料であることは承知しておりますので、それでもぜひぜひ学びたいです。

・ビジネスプランを考える上でとても参考になる内容でした。

・今までマーケティングは市場を知ることだけだと思ってましたが発信をする上では、まず自分の価値観を固めることが大切だと改めて気づきました。

・一見、林業とマーケティングというと、あまり関連性が無いように捉えられがちですが、今回のような話を聞くことで、物事の見方が変わってくると思います。大変刺激になりました。

・自分が選ぶ基準と自分が売るときの基準の無意識な違いに気づかされました。

===

この日の学びや気づきが、少しでも皆様のお役に立てたら嬉しいです。

 

マーケティングはもちろん、財務や人材採用など広く経営に関してであったり、地域づくりや森林ビジョン策定の際の考え方や手法などについても、実践を元にした講演がご好評いただいています。

 

ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。

Posted by wpmaster on 木曜日 8月 10, 2023 Under — 地域ブランド工務店, — 選ばれる製材メーカー, お知らせ, セミナー報告, 講演&研修 報告

 

異例の早さで入った梅雨も明け全国各地が本格的な夏を迎え、オリンピックもついに開催となった7月24日(土)、

令和3年度第2回大阪経営実践研究会を開催しました。

今回は大阪会場とオンラインの同時開催とさせていただき、全国11府県から19名の方にご参加いただきました。

 

当日の様子を一部ですがご紹介させていただきます。

 

今回のメニュー

■各社近況報告&自己紹介
・ウッドショックよりもショックなこと

■古川ちいきの総研より情報提供
・東京五輪開幕式を見て
・林業ニュースより/日経MJより/ちいきのカルチャー
・ウッドショック分析(原木価格推移から見える現象)
・保育博2021から得た学び(木育の可能性と転換期経営のポイント)

■ゲスト講座(三栄林産株式会社様より)

・「トータル林業に向けたグループ経営へと舵を切った 1 年~森と木のあるライフスタイル創造カンパニー~」
■古川ちいきの総研講座
「『論語と算盤』『おかえりモネ』を読み解く」

 

 

古川ちいきの総研より情報提供

【林業ニュース紹介・ウッドショック分析】

年明けから林業界、建築業界で騒がれているウッドショック。皆様の近況を伺う前にご参考として紹介しました。原木丸太で見ると樹種や径級、地域差がある中で皆様の地域や取り扱う材と比較しながら現状を知っていただけたことでしょう。ウッドショックの他にも新たな「森林・林業基本計画」が発表されたこと等、森林・林業に関わる最近のニュースも併せてご紹介しました。

 

【保育博2021から得た学び】

7月6日・7日の2日間、大阪で開催された「保育博ウエスト2021」を訪れた際の報告をしました。森林・林業界と保育業界、なんの関係があるのかと不思議に思われるかもしれませんが、最近の保育業界のトレンドの1つに「木育」があります。全89社の出展の内、木育に係るPRをしていたブースは8社。2年前まで木材関係の出展は1社だったと出展者の声もあり、注目度の高さが伺えました。

また、保育業界は成長期から成熟期へ向かいつつあり、今後どのように縮小、機能転換をしていくか、また保育所経営の競争が激しくなる中でどのように差別化を図るかが議論されています。特に経営理念の有無や理念に基づいた行動(経営)がされているかという点も加味したブランディングが重要であり、森林・林業界でも参考になる異業界の現状をお伝えしました。

 

 

ゲストスピーチ「トータル林業に向けたグループ経営へと舵を切った 1 年」

昨年度から当研究会にご参加いただいている三栄林産様。当社で定期支援もさせていただいており、兄弟経営で個々に事業を担当している中で「グループ」としての経営に向けて取り組んできた1年間をご紹介いただきました。製材、建築、家具、飲食、キャンプ事業と広く事業を手掛けながら、顧客ひとりひとりのライフスタイルや地域を創造するカンパニー(企業)の取組に参加者の皆様も刺激と学びがあった事と思います。

三栄林産様からお話をいただいた後は、「家業から企業へ」というテーマでディスカッションは進み、事業継承、兄弟経営に関する皆様のご意見もいただきながら、個々の課題やこれまでの経験から今後の経営のヒントへと昇華された時間となりました。

 

 

古川ちいきの総研講座「『論語と算盤』『おかえりモネ』を読み解く」

 

現在連続テレビ小説で放映されている「おかえりモネ」。宮城県気仙沼生まれのヒロインが気象予報士となり、天気予報の世界にかかわる中で成長を遂げ、故郷に貢献する姿を描くストーリー。気象予報の世界にかかわる一つのきっかけにもなった地元森林組合への就業期を読み解き、人生と林業、理念と利益に関わるテーマでお話をさせていただきました。現状の森林・林業ともマッチしたリアリティある内容と登場人物の個性(性格)が相まってより深く参加者の皆様の心にテーマが刺さった事と思います。

 

 

参加者の声(一部抜粋)

【F様】

参加者の皆さんの面白い取組を聞けて楽しかったです。ゲスト講座でお話しいただいた三栄林産さんは、お客さん目線の事業として成り立っているから素晴らしいと感激しました。自分の社業でできる事でしっかり事業化できるようチャレンジしていきたい。今日の学びを使って、新しいことをやってみます!

 

【H様】

古川さんの講座にあった陰陽の思想はとても大切なことだと再認識しました。また、ウッドショックについては、木材価格のグラフ等を見れば見るほど歴史的な現象だと感じました。そして、いとも簡単にというか、こんな事がきっかけでこんなにパニックになるんだと、日本の脆弱さに危機感を感じます。今後の研究会では、ウッドショックの実際の影響と各社のとられている戦略や、ウッドショックが落ち着いたあとに、その時各社がとられた戦略や対策についてレクチャー、ディスカッション出来るテーマがあればと思います。

 

【K様】

三栄林産の3者(兄弟)共同の精神は勉強になりました。ウッドショックよりもショックなことというテーマがありましたが、皆さん色々なショック(失敗事)をお持ちだと思うので「失敗事例に学ぶ」というテーマで是非ディスカッションしてみたいです。

 

【T様】

三栄林産さんが手掛けるキャンプ事業は、本当に参考にしています。色んな切り口から現状を打破できる可能性があり、企業全体が素晴らしいと思いますので、3兄弟それぞれの活動・考え方が相乗効果というより、化学反応起こす事を期待しています。また、古川さんの講座では、やっぱり感動するところはみんな一緒だった。ということに気付きがありました。全ての事は繋がっている感覚で物事を考える人が増えればもっと良くなるだろうと思うこの頃です。林業は其れを気付かせてくれる。

 

【S様】

三栄林産さんのように、事業承継ができ、なおかつ新しい取り組みを積極的にされている方々とお会いすると非常に良い刺激をいただくとと同時に、なぜそんな考え方や行動ができるのだろうか?とも思います。 (きっと何か原体験があったのかもしれませんが…) 私も現在活動している地域の林産事業者、製材所ももっと外とつながっていくことが必要だと感じました。 小さい地域ではありますが、これから生き残っていくためには、まちひとつがブランドになるような横のつながりを深めつつ、個々が日本全国や世界とつながることができるということを認識し、いろいろなチャレンジをしようというマインドをもつことがまず第一と思います。今回のような研究会は、是非私の地域の関係者にも聞いてもらいたいなと思いました。ありがとうございました。

 

 

最後に

今回は各地からのオンライン参加者も多く、大阪会場も初参加の方から数年ぶりにご参加いただいた方もいたりと多様性に富んだ参加層となり、充実したディスカッションを行うことが出来た回でもありました。参加された皆様が、学んだことを一つでもジブンゴト化し、実行へと移していただけると大変嬉しく思います。

 

次回の研究会は、9月中下旬に開催予定です。詳細は決まり次第このホームページ内「大阪・経営実践研究会[国産材ビジネススクール]」にてお知らせいたします。

次回もお楽しみに!

 

 

 

 

 

Posted by wpmaster on 土曜日 7月 24, 2021 Under pick up, すべての記事, セミナー報告, 経営実践研究会[国産材ビジネススクール](大阪)

観測史上最も早い梅雨の晴れ間が眩しい令和3年5月29日(土)、令和3年初の 大阪経営実践研究会(国産材ビジネススクール)を開催しました。

今回は、緊急事態宣言の発令を受け、オンラインのみでの開催となりました。

オンラインながらも、全国で森林・林業・木材業を基軸にさまざまおもしろい事業を多展開をする濃いメンバーが14名参加し、熱のこもった研究会となりました。

 

今回も、予定終了時刻より1時間超過の盛りだくさんの内容。

以下、概要をご報告いたします。

アイスブレイク

まずは、古川よりウッドショックに関連させたご挨拶。
丸太価格、製材品価格の推移をはじめ、全国の木材関係をはじめとしたグラフや数字をさまざま提示し、報道やネット上に流れる情報を鵜呑みにするのではなく、正しい数字を読み取る力が大事であること、その中で林業バリューチェーンの中で、自社の位置づけを把握すること、立地や規模によって戦略が変わってくることなどについて、お話しさせていただきました。

 

また弊社がまとめた「林業ニュース」、「日経MJから読み解く時流とマーケティング」、スタッフおすすめ書籍のご紹介でアイスブレイク。林業・木材業系の業界紙のみならず、マーケティングの最前線を自分の業界に活かすヒントを当社としても理論化と実践提案として毎回情報提供をしております。

 

また、この度は、現況報告に時間を多く割きました。多様な参加者による近況報告には、各地のウッドショック(木材流通)の状況、地方創生の状況、移住定住の流れ等、ここでしか聞くことのできない話に興味津々でした。

 

ゲストスピーチ:ウッディーラー豊田の近況と展望(ウッディーラー豊田代表 樋口真明氏)

弊社が、立ち上げ前から、事業展開のお手伝いをさせていただいた一般社団法人ウッディーラー豊田

今回は、樋口代表みずから報告を名乗り出ていただいてのゲストスピーチでした。

 

想いを同じくした数人での設立と進展、理念と利益、行政と民間のすれ違い、さまざまな苦労と、それを上回る喜び。

最近は、大手企業や県外の会社から地元の事業者、木材関係からまったくの異業種まで、豊田の森林・木材との掛け算でかなり面白いことになっているようです。

次々と出てくる想像を超えた色彩豊かな事例紹介に、聞いている私たちもわくわくしました。

 

「普遍×イノベーション」「異分野をつなぐ地域材専門商社になる」

 

明るい口調でお話しくださった樋口代表。「『あそこにいけば、何かある』と応えられる存在になりたい。」共に走ってきたこともあり、我々の感慨もひとしおでした。

 

ちいきの総研講座:理念と経営~トータル林業まちづくりの実践に向けて~

弊社法務パートナーである小林様と、弊社代表古川より、「理念と経営」をテーマにお話ししました。

 

 

価値観訴求型の経営マネジメント(法務パートナー小林洋光氏)

前回好評だったため、弊社の法務パートナーである株式会社トビムシの小林様に今回もお話いただきました。

VUCAの時代。
Volatility (変動性)・Uncertainty (不確実)・Complexity (複雑性)・Ambiguity (曖昧性)が高まると言われている、これからの時代を指す言葉と言われています。

反面、これからは自由でオープンで共創する「風の時代」とも言われています。

その「風の時代」における「生きがい」「幸せ」とは何か。
まずは、自分が幸せになること。自分の心をよく知ること。
「自利」⇒「利他」⇒「円満」へのプロセスが今の時代に重要となります。そこで、幸せには2つあるという定義として、現時点の「HAPPY」から、長期視点の「WELL  BEING」へ「自分をアップデートしていく」と、そうした個人が組織をつくっていく時代に変遷しているというレクチャー。

 

また、これからの組織に大事なのは、どんなビジョンを持っているか。
「purpose(なぜ、何のためにするのか)」組織のpurpose=個人のpurpose×個人のvalueそこから、ミッション、ビジョンへ。

改めて、ビジョン、目的、バリューの定義を明確にし、生きた企業理念ですか?SDGSも然り、会社の経営理念も然り、インテグリティ(誠実、真摯、高潔)があるか。企業理念=言行一致となっているかという、参加者への問いかけもありました。

ニューヨーク州弁護士資格を持ち、本当に多くの企業で様々な経験を積んできた小林様。理念と利益、両極端を味わってきた彼から出てくるからこそ、響く言葉たち。これからの経営の指標を示唆する内容でした。

 

古川講座:「空海、エヴァンゲリオン、そして渋沢栄一から学ぶ」

古川からは、「空海、エヴァンゲリオン、そして渋沢栄一から学ぶ」と題した講座をさせていただきました。

 

 

空海とエヴァンゲリオン(庵野秀明監督)と渋沢栄一。一見共通性のない3人ですが、ここは古川独特の切り口で話題提供。昨今はコロナ禍で自殺者が増加、人身事故が増加しているなか、我々は、なぜ生きるのか。どう生きるのか。経営とは何か。ちいきのメソッドの”5つの価値観”、”理念と利益”、情熱方程式”をベースに紐解いていきました。

「二元論」の対極を経験してから、最後は「包みこんで認めあう」

 

これは、真言密教でいう曼荼羅(金剛界と胎蔵界)、合理と情理、エヴァンゲリオンでいうアダム(生命)とイヴ(知恵)、親と子、愛と憎、渋沢栄一のいう論語と算盤、合本主義と専利主義。これら対極的な二元論的思考において、どうイキていくか。

それは、(コロナの三密ではなく)密教の三密として三位一体になる必要性を、空海・渋沢・エヴァンゲリオンから見出し、そこから「不二」という目指すビジョンを描き、それが何を示すか。富士山の富士は不二からとも言われています。唯一無二ということでもあり、対極を包含しうる不二へという未来志向をルール化していきました。

この3人ともが、まさに両極端の人生の四苦八苦として尽くしたうえで、得た実践と悟りの境地。そこから見えるもの。古川の「5つの価値観」も、自分自身が東京時代&山村経験、サッカーでの勝利至上主義と学生主体の理念、数字に厳しい営業会社と理念に厳しい企業、両極端を経験したうえでの気づき、だからこそ「源」その原体験が大事であることを常に話しています。

 

見かけだけのSDGS,ウッドショックだけでなく、その本質は何か。それは「これから」を創ることでありつつ、会社の経営、人生の生き方に本質的で大事なもの(価値観の定義と提示)についての報告となりました。

 

今回のちいきの総研講座、「理念と経営」をテーマするところのみ決まっており、小林様と古川、事前打ち合わせなしでしたが、同じビジネスパートナーとして歩んできた”仲間”として、はからずも向いている方向が同じであることを再認識するような内容でした。

 

理念も利益もどちらも大事。

原体験を共有しているとリモートワークも促進されますが、逆はありません。

 

「理念」「利益」が両輪の経営が、弊社のモットー。そのビジョン作り(理念)から管理会計(利益)への落とし込みを通して、地域の活性化へとつなげる。そんな仲間とこれからをつくってくとともに、本質を軸に進んでいきたいと思います。

参加者の声(一部抜粋)

【Y様】

オンラインにも関わらぬフラットな雰囲気と場づくりの仕掛け、お話しのかなりの濃度に驚きました。

 

【K様】

地域密着の生々しい現場のビジネスの話から、世の中を俯瞰したビジョン提言まで幅広い内容で多くの学びがありました、ありがとうございました。

 

【D様】

異業種、同業種の皆様とても面白く色々なことにチャレンジしていると気づき負けてられないな感じました。ありがとうございます。

 

【F様】

長期目線が必要な林業・木材業界に必要な、時代変革の情報を提供されていて流石です。 勉強になります。

 

【T様】

まず、空海・渋沢栄一・エヴァンゲリオンがどう繋がるのか気になって聞いていました。相反する2つを共存させるというお話は聞いていて楽しくもあり、少し複雑でもあり、自分の中で整理して考えなければいけないと感じました。

 

【K様】

何のために働くのか?work in lifeやワークライフプレイミックスの話はこのコロナ禍で僕の周りでも意識する人が増えてきたと感じています。僕自身は3年前くらいからwork as living “暮らすように働く”と言ってきました、このテレワーク環境をうまく活用してやりたい事やれる事の幅をどんどん広げていこうと改めて思いました。また、小林さんから今の大企業はどう見えているのかぜひお聞きしたいです。

 

 

 

最後に

今回はオンラインのみでの開催でしたが、参加者の温度感が感じられる研究会でした。
終了後のオンライン情報交換会(オンライン飲み会)も盛り上がりましたが、そろそろリアルのライブ感が恋しくなってきました。

早く事態が収束して、皆さんにお会いできる日を心待ちにしています!

 

次回第2回は令和3年夏の土曜日を予定しています。

詳細は決まり次第このホームページ内「大阪・経営実践研究会[国産材ビジネススクール]」にてお知らせいたします。

リアル開催ともに、オンラインも実施予定です。内容もお楽しみに!

 

Posted by wpmaster on 金曜日 6月 11, 2021 Under pick up, すべての記事, セミナー報告, 未分類, 経営実践研究会[国産材ビジネススクール](大阪)

夏の名残と秋の空気の混在が心地よい10月26日(土)、新大阪にて今年度第2回目の大阪経営実践研究会を開催しました。

 

今回は兵庫、大阪、広島、高知、岐阜、愛知、長野、福岡の8府県から9名の方にご参加いただきました。

森林環境税や全国の最新情報の提供から、「なぜ、地域材か(総集編)」「まちづくりと林業、食と農と観光への事業連携」の2つのテーマを軸とした構成の研究会となりました。

 

今回のメニュー

【1】参加者近況報告

 

【2】ちいきの総研より情報提供

・某都道府県の林業事業体の経営力アンケートより

・森林環境税、山林所有者への意向調査から

・「顔の見える木材での快適空間づくり事業」から最新情報

 

【3】テーマ①「なぜ、地域材か。(総集編)」

・古川による「地域材利用の意義」フレームワーク化と解説

 

【4】テーマ②「まちづくりと林業、食と農と観光への事業連携」

  1. 一般社団法人ソマミチ トークイベントを終えて

 

  1. ゲスト講座

「食と酒からみた、まちづくり、~もう一度「農林漁」をつなぎましょう~」

 

【5】ディスカッション

 

 

【6】まとめ(古川)

 

 

手前味噌ではありますが、いつもに増して刺激的かつ有機的な情報とディスカッションの詰まった研究会になりました。

 

今回も一部抜粋して、当日の内容をご紹介します。

 

 

テーマ①「なぜ、地域材か(総集編)」

前回の研究会で参加者から問題提起されたこのテーマ。

 

「地域材を使うことの意義は何か?どのように説明したら良いか?」

「使い手、エンドユーザーが地域材を選択するために必要な要素とは?」

 

前回研究会では、全国から参加の皆様より、自らの実績や経験を踏まえたコメントを多くいただき、白熱したディスカッションが繰り広げられました。

 

そんな前回のディスカッションと、今までお仕事させていただいてきた全国の事例、自らのマーケティングメソッドなどから複合的に考察し、今回古川が「地域材利用の意義」についてフレームワーク化、解説をさせていただきました。

 

キーワードは

「環境、SDGs」

「国土保全」

「地域経済」

「雇用」

「水源、流域」

「マテリアル」

「PEST分析」

「マーケティングメソッド(古川オリジナルメソッド)」

「顔の見える関係」

「トータル林業」

「事例」

「カッコよさ、感覚に訴える」

 

これらを図解した一大フレームが出来上がり、参加者からも「よく分かった」の声をいただくことができました。

 

「なぜ、地域材か」というテーマについては、これで完結ではなく、このフレームワークを活用しながら今後も議論を深めていきます。

「どんなフレームワークか気になる!」という方は、是非研究会にご参加ください!

そんな想いのあなたとも、議論を交え、地域材の可能性を広げていきたいと思っております。

 

テーマ②「まちづくりと林業、食と農と観光への事業連携」

1.一般社団法人ソマミチ トークイベントを終えて

古川がサポーティングコーチとして理事を務める、長野県松本市の一般社団法人ソマミチ。

ソマミチウェブサイト https://www.somamichi.com/

 

一般社団法人設立2年の節目に、トークイベントを開催したことは、このブログでもご紹介したところです。

ちいきのブログ(令和元年10月23日)

https://chiikino.jp/blog/?p=10212

 

今回の研究会には、ソマミチ代表の原 薫様のご参加があったこともあり、古川とこのトークイベントを終えての所感と、ソマミチの活動の意義などについてご紹介いただきました。

 

ソマミチは、木を使う社会の仕組みをつくることを目指し、「山が基準」をキーワードに活動するチーム。林業、製材、設計、家具木工・指物師、建築まちづくりディレクターなど、多彩なメンバーで構成されています。多彩であるがゆえに、チームとして協業しながらも、それぞれの専門分野での活動が主になることで、全体としてのソマミチを伝えるのが難しくなってしまっていることが一つの課題でした。

 

そこで開催されたこのトークイベント。

山での体験イベントから建築、木工まで多様なソマミチメンバーの活動をトータルでご紹介することで「ソマミチとはどんなチームなのか」「何を目指しているのか」ということを伝えられたことは、大きな成果の1つであったといえます。

 

今まで「名前は聞いたことあって、森や木のことで何か良いことをしているようだけど、よくわからないから」と参画するまでに至らない人たちが多かった中、トークイベント後に「ソマミチがどんな想いで、どんな取り組みをしているか、全体像が見えた。ぜひ、参画したい!」という入会希望の反響がいくつもあり、単なる「打ち上げ花火」的なイベントに終わらず、さらなる広がりに繋げることができました。

 

また、ソマミチのこれからの活動の方向性についても参加者から質問があり、「山と食文化」「感動をベースに」「遊び場からビジネスへの導線」「国交省制度の活用」など、ソマミチだけでなく、各参加者の事業にも参考になる情報と議論を交わすことができました。

 

2.ゲスト講座「食と酒からみた、まちづくり ~もう一度「農林漁」をつなぎましょう~」農業と漁業と林業のいい関係づくり 地域経済をうまく回すには

 

百貨店の鮮魚コーナー勤務からまちづくり、IT企業、輸入商を経て、現在は食と農のマーケティングからまちづくりまで、自治体の仕事、大学講師など幅広く担う、まさに専門家かつ複業家の片桐 新之介様よりご講義をいただきました。

 

専門性と外部視点の客観性の両立。

掛け算による独自性の創出。「シナジーキャリア」

 

「ハモの骨きりが出来るマーケターは自分くらいではないか」という多才な片桐様。

多様な実績のうち、いくつかの事例を交えながらお話を繰り広げられました。

 

「もう一度、農林漁業をつなぐ」

「6次産業化の商品づくりにおいて大事な7つのこと」

「ユーザーエクスペリエンス」

「人を巻き込むことで、売れる仕組みが自ずとつくられていく」

「これからの新しい循環」

「コミュニティが支援する農林漁業」

「環境の自分事化」

 

刺激的かつユニークでありながら、まちづくり、マーケティングをはじめ、複業家ならではのスキルを活かしたビジネスづくり。

また、農林漁業を俯瞰した視点と、現場の人たちと協業し意思疎通してきたからこその温度感のある取り組みは、林業・木材業に携わる我々にとっても、大いなるヒントとなりました。

 

片桐様の手がける今後のビジネスについてもオフレコで教えていただきましたが、こちらもなんとも興味深い!!このような情報を得ることができるのも、研究会の醍醐味ですね。

 

隣接異業種、リアルなビジネス実践からのヒント、それだけではなく、片桐様の柔軟な発想からも、得るもの多きゲスト講座でした。

参加者の皆さまにも大変ご満足いただけたようです。

 

ちいきの総研よりまとめ

今回の研究会では「なぜ、地域材か。(総集編)」として、「地域材利用の意義」について再度テーマとし、ディスカッションした内容とこれまでの知見から、フレームにまとめさせていただきました。ですが、ここで終了ではありません。このフレームを使い、自らにとっての地域材利用の意義について、定期的に考察することが重要です。参加者の方からも「その時々の状況で、学ぶこと、見出すことは違ってくる」というコメントもありました。研究会では、「なぜ、地域材か。」を永久的なテーマとして、継続的に追いかけていきます。

 

また、今回のもう一つのキーワード「複業」。

弊社が実施した某都道府県の林業事業体経営力調査から「林業以外のサブビジネスを持っていること」と「増収増益」の相関性が見えてきました。また、ゲスト講師の片桐様のお話でも「複業」による「シナジーキャリア」の形成というお話が出てきました。この「複業」こそ今後のビジネス展開において重要な要素であり、これからのプロフェッショナル像といえるでしょう。それは、地域において自らが「ペルソナ」(消費者のモデル的存在)となるとともに、「プロデューサー」(事業者のモデル的存在)にもなるということであります。ソマミチの多彩なメンバーも、地域の「ペルソナ」であり「プロデューサー」であるからこそ、理念が反響してファンが増え、活動もビジネスも広がっていく。

この「複業」についても重要な視点として位置づけ、今後も深堀りをしていきます。

 

 

参加者の声

【U様(国産材建具メーカー)】

久しぶりに参加しましたが、各地での国産材の活路の見出し方を学べ、方法、手段、観点の違いを感じることができ、非常に勉強になりました。改めて「地域材とは」ということを考え直すきっかけとなり、なぜ必要なのかをより地方(地元)自治体に伝えていくことで、まちづくりの流れが変化していくことを強く感じました。

 

【S様(都市計画系コンサルタント)】

まちと自然の関わり、都市空間と林業の関わりは、地方都市でこそ進めていくべき取り組みだと思います。都市計画でも10~20年の視点はあります。今はタクティカルアーバニズムという言葉で、暫時的、戦略的に進める重要性が言われることが多いですが、森林資源の持続性と時間軸で考える超長期的(都市計画的には)な視点は斬新でした。

 

【I様(工務店)】

各種ディスカッション&レク、楽しかったです。なぜ、どう地域材を使うのか、フレームワークで理解できました。片桐さんの取り組みについて、経済性も含む持続性の担保は色々な課題があるとは思いますが、尖った企画でより良くなるといいなと感じました。パワフルな取り組みが参考になりました。

 

さいごに

令和に入って第2回目の研究会。

いつも以上に濃く、ビジネスのヒント、原動力になる内容であったのではないかと自負しております。

この勢いのまま、これからも走り続けたいと思います。

 

次回の研究会は12月21日(土)に開催予定です。

 

詳細が決まりましたら、弊社ブログ、SNS、メールにてご案内させていただきます。次回も多くの方にご参加いただけることを楽しみにしております。

 

今回は参加できなかった方、初めて研究会を知った方も、参加をご検討いただけますと幸いです。

 

研究会内容の詳細は、以下のURL(大阪・経営実践研究会紹介ページ)からご覧ください!

https://chiikino.jp/blog/?page_id=187

 

Posted by wpmaster on 水曜日 11月 20, 2019 Under pick up, お知らせ, すべての記事, セミナー報告, 経営実践研究会[国産材ビジネススクール](大阪)

 

秋雨前線近づく8月24日(土)、

新大阪にて今年度初めての大阪経営実践研究会を開催しました。

今回は兵庫、京都、大阪、滋賀、福井、岐阜、愛知の7府県から13名の方にご参加いただいただき、公共建築の地域材利用や住宅リテラシーなどをはじめとしたテーマで開催しました。

 

 

今回のメニュー

【1】ちいきの総研より情報提供

・販促EXPO、100年古民家プレミアム納材

・A材利用の新ビジネス&販路拡大(林野庁補助事業)

・市町村森林経営管理、林業事業体の経営力調査事業 ほか

 

【2】参加者近況報告

 

【3】林業マーケティング講座

・森林/林業統計から学ぶ国産材ビジネスのミカタ

 

【4】ゲスト講座・参加者プレゼン/ディスカッション

・参加者プレゼン①:「理念策定/事業概要デザイン」

・参加者プレゼン②:「公共建築木材等への木材利用促進勉強会を経て」

・ゲスト講座①:「日本の住宅リテラシーとは」

・ディスカッション:「木材の良さ」とは何かとその伝え方

 

【5】古川ちいきの総研講座

・インターン5か月の学び

・ちいきのメソッド基礎フレームと新たなミッション

 

【6】まとめ

・改めてSDGsって何?東京五輪、大阪万博後、2030年に向けて我々がやるべくこと。

 

いつもの研究会よりも多めの内容となりました。

今回も一部抜粋して、当日の内容をご紹介します。

 

 

林業マーケティング講座

弊社高田より、「森林/林業統計から学ぶ国産材ビジネスのミカタ」をテーマにお話させていただきました。

いきなりですが、皆さんは以下の問いに答えられますか?

・林業の市場規模はどれくらい?

・自身が住む都道府県の素材生産量はどれくらい?

・生産された木材はどのような用途でどれくらい使われている?

・「林業は儲からない」はよく聞く言葉だけど、本当?どれくらい儲かっていないの?

 

いずれの問いも林業、木材業に携わる方であれば最低限知っておきたいことではないでしょうか。なぜなら、自分が仕事で戦うフィールドの大きさの目安となるからです。誰と、何で戦うのか?見失わないためにも最低限の数字(統計)は知っておきたいところです。ということで今回は基本的な統計資料を基に、今回参加者の皆様の地域に合わせた分析した結果をお伝えしました。

 

具体的な数字は今回は省略しますが、ポイントとしては3つあります。

1.体積(㎥)よりも金額(円)ベースでみる事

<体積よりも売上、売上よりも粗利が経営において重要なためです>

2.林業の市場規模を見る時は一次産業におけるポジションで印象に残す

<同じ一次産業のくくりでも、規模感は都道府県によって全く違う>

3.用途別素材生産量で地域の需要を知る

<用途別素材生産量を見ると影響力のあるプレーヤーが見えてくる>

 

今後、弊社で統計に関するまとめは定期的に発信していく予定ですが、自身で調べる際には6月に政府が出す統計が多いことやお勧めする民間企業がまとめるユニークな統計についてもお話しました。是非、統計の見方を知り、数字を味方に経営に生かしていただきたいところです。

 

 

ゲスト講座

某住設メーカーのプロダクト設計担当者にご参加いただき、「日本の住宅リテラシー」をテーマにお話しいただきました。
まず、導入としてバブル崩壊前後のインテリア消費者の性質について教えていただきました。バブル崩壊前は「こだわりよりも便利さ(決まったモノをまとめ買い)」を重視する傾向が強く、バブル崩壊後は大きく3つのパターンに消費者は分かれていきます。

Aパターン:必要最小限、実用性重視(全体の70%程度)

Bパターン:関心は高いが手ごろな価格帯が多い(25%)

Cパターン:気に入ったものを追求する、高くても時間がかかっても良い(5%)

 

Aパターンが多い=市場が大きいからこそ、大企業の営業のほとんどがターゲットとしてきたが、昨今はB,Cパターンの人が増えてきているのではないかと言います。

SNSでの拡散力が上がるにつれて、憧れる暮らし、ライフスタイルを真似する消費者が増えたことも後押ししていると考えられます。

 

大企業は大企業、中小企業は中小企業の役割があるものの、

いずれにしても今後はモノを売るのではなく暮らしを売る方向によりシフトしていくのではないでしょうか。

 

 

ディスカッション

参加者プレゼンの中で行政職員向けの勉強会を実施した話の流れから出てきた「木の良さ、地域材が良いということはどのように伝えれば良いか」という点について参加者同士で意見を出し合いました。

・そもそもすべてのモノを木にする必要はない、ということが前提。

(それぞれの産地の名産、特色を生かし公共施設を作ればよい)

 

・とはいえ、令和時代に入りますます、建築業界は鉄骨造よりも木造がカッコよいでしょ?という価値観が強くなるのではないか。

 

・行政へは地域経済(地元民間企業)への効果を示したいと考える

(地域内の加工場を経由して材料提供する、など)

(GDPへの効果を示せれば行政担当は納得する場合が多い)

 

・先行事例を見て、うちの自治体でも同じようなモノを作りたい、となることが多い

(行政自体には木を使いたいという考えはない場合がほとんど、実際プロポーザルなどでは100点満点の内、地元木材の利用は10点以下程度)

(山がある自治体と、山が無い自治体によって対応は異なる)

 

・木とそれ以外の素材で出来た建築を見せ、どれが良いか地元住民にアンケートを取り1つの参考資料としてはどうか

 

と様々な意見が出てきました。今回だけでは明確な答えまでは詰められなかったものの、木材利用(建築)に係る共通課題と、課題解決に向けて1つの答えを見出す必要性の高さを共有することが出来ました。今後の研究会の重要テーマとして企画に盛り込んでいきます。

 

 

ちいきの総研よりまとめ

SDGs、2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標でありますが、この「持続可能な開発」について林業、木材業では何が考えられるでしょうか。環境配慮の面で考えると「木材の方が石油由来の材料が環境に良い」というイメージは多くの方が持っていると思いますが、果たして、どうして木材を使うことが良いのか、についてこれ以上の説明は無いよなというところまで詰められているでしょうか?

また森林林業、木材業界への影響が大きい、建築業界を見ると、10~20年後を目途に空き家率30%へと増え、住宅着工戸数は50万戸へと縮小する予想があります。この現実を目の前にして「持続可能性」についてどのような答えがみいだせるでしょうか?

木材活用について、マーケットインに寄りすぎず、かといってプロダクトアウトに寄りすぎないまとめも必要でしょう。今回出た課題やテーマについては、本研究会で今後追求していく内容としていきます。

 

 

参加者の声

【F様(木材流通)】

初めての参加でしたが、大変良かったです。公共建築をはじめ、地域産材の利用促進に関して「木は良いよ」という点をどう説明するかについては、木材業界全体の悩みだと思いました。また、木材の良さについてのまとめをこれから本研究会で作ることになることについて、まさにあれば良いと思っていたものですので、期待しています。

 

【K様(住設メーカー)】

日本の各地域には、顧客と共に創り上げていくような美しいサービスが沢山あることを知りました。大企業のやってきた、大量生産大量消費モデルがもはや成立しないのは間違いないが、地域の小さなスケールだけですべてが回るわけでもない。うまいバランスを探ることを目指したい。

 

【T様(木工機械流通)】

自社の事業に落とし込めるヒントを多くいただきました。消費の3要素のうち、物語性+欲求性で売り出していく手法に新しさを感じ、消費者にはおおよそ3層のパターンがあることも学べました。何より、顧客への啓もう、信頼獲得、教育が重要であり、サービスや商品も売って終わりではなくアップデートし続けることが重要だということが分かりました。

 

 

さいごに

今年度最初の研究会が終わりました。

翌日から2日間は本研究会にもご参加いただいている、

有限会社平田木材店様の本社がある福井県高浜町を視察しました。

視察の様子は以下のURLよりご覧ください。

https://chiikino.jp/blog/?p=10170

 

 

また、次回の研究会は10月26日(土)に開催予定です。

詳細が決まりましたら、弊社ブログ、SNS、メールにご案内させていただきます。次回も多くの方にご参加いただけること、楽しみにしております。

今回は参加できなかった方、初めて研究会を知った方も、参加をご検討いただけますと幸いです。

研究会内容の詳細は、以下のURL(大阪・経営実践研究会紹介ページ)からご覧ください!

https://chiikino.jp/blog/?page_id=187

 

 

 

 

 

 

 

 

Posted by wpmaster on 土曜日 8月 24, 2019 Under pick up, お知らせ, すべての記事, セミナー報告, 経営実践研究会[国産材ビジネススクール](大阪)

2月9日(土)京都府立林業大学校にて、経営高度化コースの第二回が開催されました。

 

前回のマーケティング基礎に続いて、今回はマーケティング応用ということで販促ツール(チラシ、ダイレクトメール等)の活用についてのレクチャーを中心にお話をさせていただきました。それでは講義の内容を少しご紹介させていただきます。

 

 

DM集客におけるポイント~7つの感~

 

弊社の高田よりDM広告の活用・作成のポイントについてお話をさせていただきました。

DMづくりにおいて消費者の購買意欲を訴求するにあたり「7つの感」が織り込まれていることが効果的です。

森林・林業にどう関係するか?

山林所有者への座談会のご案内。チェンソー等の林業機械の販売広告。補助事業のメニューの紹介等など、

林業界も「伝える」ことは多数です。

 

弊社からは、ただ伝えるだけでなく、より伝わりやすく、届きやすくするために、以下3つのカテゴリーから7つの「ポイント」を分類し、チラシやDMに対する反響率のアップをレクチャー。

 

①価格商品操作

②差別化欲求

③会社信頼、個人信頼

 

普段、何気なく目にしている広告もよく見てみると、これらの要素が随所に盛り込まれており、私たちの購買行動はこの要素に基づいて行われることが常です。

 

今年の10月に控えている消費増税に向け、企業各社より一層の販売促進活動を打ち出すことでしょう。

 

この7つの感に注目して見てみると新たな発見、商品購入の際の比較検討の材料になるかもしれません。

「お金儲け」は悪?~正しい「利益」の考え方~

 

さて、後半は弊社代表の古川より「利益」についての考え方をお話させていただきました。

 

毎回、セミナーや講演でお話をさせていただく「理念」と「利益」のお話。

 

「理念」は、言い換えれば、やりたいこと、創りたい世界を作る。

「利益」は、言い換えると、理念を実行するために必要なお金に繋げる。

 

一般に、「お金儲け」と聞いて、良い印象を持つ方は少ないかと思います。

では、「募金」「支援金」と聞くと印象はどうでしょう。

 

お金儲けが悪と言われる所以は利益の使い道、すなわち理念が明確でないからなのです。

 

まず、利益は下記5つに分類されます。

①粗利(売上総利益)

②営業利益(売上総利益-販管費)

③経常利益(営業利益-営業外収支)

④税引き前利益(経常利益-特別損益)

⑤純利益

 

まずはこの利益の仕組みを経営者・管理職者が理解をすることは必要不可欠です。

 

「経営が分からずに事業をやるのは、運転の仕方を知らずに自動車を運転することに等しい」

 

毎回、講演やセミナーでお話をさせていただきますが、この利益の仕組みこそが会社経営、自動車の運転の基本中の基本なのです。

 

そしてこの仕組みを理解した上で、得られた利益をどのように使うのか。

 

吉野林業の中興の祖である土倉庄三郎の言葉をご紹介させていただきました。

「利益の1/3は国に(税金)、1/3は教育に、1/3は事業に」

 

会社のビジョン、理念のために得られた利益の「使い道」を考えることは、経営者の最大の楽しみであると言えます。

今回、古川が初めて提唱した「販管費の6カテゴリーと3レベル」のフレームをうまく使えば、コスト削減、コスト削減とだけ言われる管理部門の仕事が、よりクリエイティブに発展性のある仕事に変わっていきます。

そのために、常にずっと申し上げておりますが、

「立米(材積)よりも売上、売上よりも粗利、粗利よりも一人(組織)当たり生産性」

 

目方でドン!って言うラフな経営から脱却せねば、明日の林業、明日の地域はありません。

 

 

参加者の声

K森林組合 K様

経費をどう抑えるかばかりを考えていたが、次の利益を生むための経費の使い方・考え方を学ぶことができた。

 

木材関係者 N様

チラシ作りにおいて頭で分かっていても身になっていないことが実感できた。

 

H森林組合 I様

シェアの確認をでき、また、目標を決めることの重要性を知ることができた。

 

林業大学校 S様

利益を出す仕組みの計算方法について学ぶことができて、有意義だった。

 

 

終わりに

全5回でお送りする京都府林業大学校経営高度化コースもいよいよ次回より後半戦に入ってまいります。

次回からは具体的、実践的な組織運営・マネジメントについての内容に入っていきます。

 

弊社は全国各地でこうしたセミナーや講演を開催しております。

ご依頼やご相談等ありましたらお気軽にご連絡ください。また、これまでの各地での講演については以下のURLからご覧いただけますので是非ご覧ください。

https://chiikino.jp/blog/?page_id=193

 

 

 

 

 

 

 

Posted by wpmaster on 土曜日 2月 9, 2019 Under すべての記事, セミナー報告

 

昨年度に引き続き、京都府立林業大学校「経営高度化コース」の講座を弊社が務めさせていただけることになりました。

 

平成最後の経営高度化コースでありますが、今回、1月25日(金)は全5回を予定している本コースの第1回目の開催ということで、和知(京丹波町)にある京都府立林業大学校を訪れました。森林組合をはじめ、林業事業体から参加された15名の受講者と実践を交えながらマーケティング、マネジメントをはじめとした「経営力」を学ぶことに特化。確かに、2019年は、森林経営管理法案(森林環境譲与税)等が話題をさらっておりますが、この森林経営管理法の経営然り、森林経営計画の経営然り、この「経営」とは何か。本来あるべく本質的な「経営」とは何か。異業界で当たりまえの経営力というものをどう捉え、どう我々の自力として付けていくか、それが、経営高度化コース(社会人コース)で重視をしているところであります。

 

全5回の概要は次の通りです。

===

第1回:マーケティング基礎(課題解決、価値創造)

第2回:マーケティング応用(広報広告、販促営業)

第3回:マネジメント基礎(経営管理、組織運営)

第4回:マネジメント応用(人材育成、日々練習)

第5回:まとめ(プレゼン発表)

===

特に、第3回、第4回は昨年度の経営高度化コースには無かった項目であり、より組織、人材等に特化した内容となっています。(今後の本ブログでの開催レポートをお楽しみに!)

 

さて、それでは今回の講座内容を少しご紹介です。

 

 

マーケティング=的を絞る

初回ということで、参加者の皆様から自己紹介をいただき、弊社のビジョン、弊社の事業紹介等をした後にマーケティング基礎として、3C、消費の3要素、地と図の関係(ライフスタイル)をクイズを交えながらご紹介しました。クイズをやることで自らが考え、自分で書き、反芻します。これらのビジネスフレームを知ることで、自社の経営がスムーズになり、課題が明確になっていきます。

 

そこから、企業経営とは何か、マーケティングとはそもそも何なのか、マネジメントとは何かを紐解いていきます。誰でもわかるように説明していくのが売りだえる本講座。まず、マーケティングとはニーズを見極め的を絞り、顧客創造(獲得)をするこになります。そして、その顧客創造のためにも、自社の「やりたい理念」と「とりたい利益」を明確にし、商品サービスを規定し、商圏を定めるということが重要になってきます。この業界、売り先の売り先は分からない木材。売ったら終わりという木材。これでは絶対に利益が生み出されません。

 

また、自社の競合、業界の競合はどこかを知ることも重要です。ライバルは時代によって変わります。現在は、スマートフォンが普及し誰もが瞬時に情報を得られる時代です。多くの消費者が、スマホと向き合っている時間がいかに多いか。であれば、ライバルというのは隣の製材所(木工所)というだけではなく、顧客が多くの時間を割いて使っているスマートフォンの時間がライバルであり、顧客の時間をどうやって獲得するかということが大事になっているともいえるのです。木のある空間、木のある時間、森と共に過ごす時間、非日常の創出、見込みのお客様といつどこで出会うかを計画していくことが肝要です。

 

今回の講座では、自社にあり、他社になく、顧客が求めている、自社の「強み」となるものが何なのかを見つけることが重要であることをまず、ワークショップを通して、参加者の皆様には学んでいただけたことと思います。また、改めて、林業業界の「顧客」の定義が重要になります。確かに、顧客の種別(カテゴリー)が多様な、森林組合や林業事業体。単に、丸太を各種販路に売るだけではなく、山林所有者とのコミュニケーションも顧客管理の一つです。得意な顧客カテゴリーに、特異なサービスを「お客様へ」と提供する。そこからがスタートです。

 

 

経営理念、戦略、戦術、戦闘

皆様は、自社の

①理念(ビジョン、ミッション、社是、社訓 等)

②戦略

③戦術

④戦闘

の4つを説明できるでしょうか?

社員の皆様は特に、理念(ビジョンやミッション)について、説明することが出来るでしょうか?

 

貴方の組織は何の為にあるのか?

貴方は何の為に働くのか?

 

これまで何度も業界関係者の集うセミナーで、弊社代表が登壇の機会を頂いてまいりましたが、

おそらく全てを説明できる方は1割程度しかないといったところだと感じております。

ビジョンは、理念、コーポレートメッセージ、夢、ミッションに現れ、

戦略は目標(ビジョンに沿った数字)、

戦術はマネージメントであり何を作って売るか、どう作って売るか、

戦闘はオペレーションであり日々の実務実動(製造、販売など)を示すことを「有名企業の事例」や、弊社コンサルティング先の「業界の事例」を具体的にお伝えしながら、受講した皆様に経営のヒントを提供いたしました。

 

なお、今年は、毎回宿題があります。

必ず、その宿題が自社の課題解決に直接反映さえるように工夫した講座を展開しております。

 

現在、全国で20近い林業大学校が設立されています。常々思うのが、受講生のマーケット(希望人数)と、卒業者のキャリアとのギャップがどうあるか。各地がドメスティックに各都道府県だけで囲むのではなく、本当にあるべく林業事業体(カッコイイ林業事業体)の創造とその持続的な発展を支援することで、「学校」の意味が明確になります。林業の持続性、経営の持続性、人材の募集と内的発展については、日々の経営努力の先にあると思われます。楽しく、厳しく、講師側ではありますが、受講者様と共に、よき未来が創造出来れば幸いです。あと4回、よろしくお願い申し上げます。

 

 

参加者の声

【K森林組合 O様】

「経営のルールを理解しないまま、経営に手をつけることは、運転免許を持たないまま車を運転するのと同じである」という言葉が印象に残った。マーケティング、マネジメントの考え方や実践方法などを今後学びたい。そのためにも、もっと実例を知りたいと感じた。

 

【H森林組合 I様】

経営理念から考える戦略、戦術を自組合でも考えていきたい。そのためにも、どのように職員全員に理念を広めていくかを深堀していきたい。また、今までの組合の考え方を変えられるようなことを5回を通して学びたい。

 

【F森林組合 S様】

消費の3要素は初めて知り、顧客に求められているものを知るということに対して印象が残った内容であった。様々な企業のロゴマークやコーポレートメッセージ事例を見て、自組合でもロゴマークや、コーポレートメッセージを作りたいと感じた。

また、残り4回の講座を通して、森林所有者、森林組合、行政の関わり方や、地域にとって森林組合の意義とは何なのかを学んでいきたい。

 

【林業事業者役員X様】

自分は、経営力に自信があったが、改めて、何の為に林業をしているか、その理念(ミッション)=自分の言葉が足りなかったことが、強く身に染みた。これがあると、人材育成、営業拡大も見えて来る。今日は、楽しかった!

 

【木材関係業者 N様】

自社の顧客を改めて洗いだし、何が顧客のメリットなのかを根本的に考えていきたいと感じた。また、これからの講座を通して林業・木材業にマーケティングを落とし込む方法を学びたい。(もっとたくさんの民間事業体に、是非とも、参加してほしい!!)

 

 

終わりに

2019年に入り、新庄村でのワークショップ、長野県でのフォーラム登壇、今回の京都府立林業大学校の講座と、今年もありがたいことに既に全国各地で講演のご依頼をいただいております。

講演のご依頼やご相談等ありましたらお気軽にご連絡ください。また、これまでの各地での講演については以下のURLからご覧いただけますので是非ご覧ください。

https://chiikino.jp/blog/?page_id=193

 

 

 

 

 

 

 

 

Posted by wpmaster on 金曜日 1月 25, 2019 Under pick up, すべての記事, セミナー報告, 未分類, 講演&研修 報告

 

寒波が寄し押せて寒さ染みる12月12日(火)、兵庫県土地改良会館にて開催された「ひょうご木の匠の会・県産木材供給促進協議会合同セミナー」にて弊社代表古川が講師を務めました。

師走のお忙しい時期の中、会場には兵庫県内の工務店、林業大学校の学生、行政の方、約60名にご参加いただきました。

 

 

 

ライフスタイル(時間)を売る

今回は、県産材利用を推進する工務店様のご参加が多かったため、マーケティング寄りの内容をメインにお話させていただきました。

その前談として、施主はどういったポイントを重視して住宅を購入するのか、「住宅10ニーズ」をご説明しました。他の講演でも取り上げる内容ですが、まず会場の皆さんにクイズとして聞いてみるといつもユニークな回答を頂きます。弊社の講演、セミナーでは必ず要所にクイズを盛り込んだ参加型としています。

 

住宅のニーズを押さえたうえで、家を家(モノ)として売るのではなく、誰とどういった時間、ライフスタイルを作れるかが需要であること、具体的には様々なファンづくり(顧客接点の創造)こと、ファンづくりのためのツアーの4つのテーマをご紹介しました。マーケットシェアだけをみるのではなく、顧客の時間シェアをいかに増やすかが重要なポイントであることをお伝えいたしました。

 

 

マーケティングレクチャー

工務店の皆様にも知ってもらいたい最近の業界ニュースとして、森林環境税の現状と、新たな制度の導入について、木にこだわりを持つ工務店だからこそ、林業界の最新情報を知り、上手な制度活用をしていただければとのことでご紹介しました。

マーケティングについて講演では、基本的なフレームの「3C」、「消費の3要素」、「ライフサイクル(地と図の関係)」3つをレクチャーしています。3Cのフレームについては、ちいきのコラムでも紹介しておりますのでお時間がある方は以下URLより、ご覧ください。

https://chiikino.jp/blog/?p=7763

 

そもそも、「地域材ブランド化」とは何かという点では、単に県産材にロゴマークを付けるのではないこと、工務店側から自社が使用する木材の特徴を定義を明確にし施主に伝えることも立派な地域材ブランド化です。弊社が関わる具体的な事例としては高野山の高野霊木、信州落葉松のプロジェクトや、京都北山杉の空間提案、Clubプレミアム国産材の活動をご紹介しました。

その他にも重要なこととして社員の皆様のライフスタイルや、社内空間(モデルルーム)の設置について、さらに重要なこととしては、工務店は工務店としてだけではなく、林業、製材(木材加工)、家具・インテリアとの連携し、規格と企画を定めることをお伝えしました。

 

プレミアム工務店10の条件

最後に、プレミアム工務店10の条件を特別公開いたしました。1つだけ紹介しますと、講演の冒頭にお話しした「住宅10ニーズ」を知り、その中で自社の強みを3つ言えること。

プレミアム工務店10の条件とは、長年全国の経営者様と出会い、成功している工務店様の共通点をまとめた10項目になります。

昨年の5月に開催した国産材2.0のセミナーのDVDにはその他の項目も全て収録されています。

弊社WEBページで販売中ですのでご興味ある方は下のリンクより、ご覧ください。

https://chiikino.jp/?page_id=5945

 

お客様の声

・大変興味深くタメになる講演でした。弊社の経営を考えながら拝聴しておりましたが、しっかりと考えなければと思う内容ばかりでした。また、会社のことのみならず、自身の生き方についても考える良い機会となりました。(工務店A様)

 

・「住宅10ニーズ」に何が入るか、参加者に質問した回答の中に「兵庫県産材」が出てこなかったことに気がつき、ハッとさせられました。顧客へのアプローチの方法にヒントになる講演でもあり、今後は自社のブランディング、特にHPのリニューアルを進めていきたいと考えています。(工務店B様)

 

・情熱=好き×憤り、まず、何か一つでも好きなものを見つけようと思います。他にも胸に刺さる言葉がありました。林業をもっと好きになれたら、勉強にも身が入りそうです。(学生A様)

 

 

最後に、弊社では、今回のようなセミナーの他に、地域企業向けのセミナーや社内向け、お取引様向けの講演会、大学講義など、内容もご要望に合わせた講演をさせていただきますので、お気軽にご相談ください。

過去の講演は以下のURLよりご覧ください。

https://chiikino.jp/blog/?page_id=193

 

 

 

 

 

Posted by wpmaster on 水曜日 12月 13, 2017 Under すべての記事, セミナー報告, 講演・研修、コーディネーター, 講演&研修 報告