令和6年10月16日(水)、林野庁近畿中国森林管理局 桜ノ宮合同庁舎で開催されている「木造建築の架構と形態の魅力展」における「木を建てる 講演会」にて、弊社代表 古川がコーディネーターとして登壇いたしました。

 

 

主催である大阪府建築士会 岡本森廣会長の開会挨拶、近畿中国森林管理局 高橋局長の趣旨説明を経て、古川がトップバッターで話題提供をさせていただきました。

 

プロローグとして、古川から話題提供

 

古川の講演テーマは、
「都市木造・木質化のために必要な森林(地方)からの発信と関係づくりを考える」

 

森林・林業への道を志した源である、故郷東京都町田市と学生時代の奈良県川上村での原体験をお伝えしながら、SDGs、脱炭素時代とはいうが、なぜ今森林・林業なのか?
林業、木材の表現を、ブランド牛、魚、ワインのように表現できるほどの親近感があるか?
そもそも、自分は、川上~川下、業界の中、どの位置にいるのか?
日本には様々な森林がいて、色んな林業があって、多種多様なプレーヤーがいるが、知っているか?

 

そして、建築士の皆さんは自分の位置を認識して、自分たちを木材を使うのに、山とのつながりを表現できているか?

 

このような問いかけをしながら、表現の1つの事例として、弊社の「ちいきのBAR 峠」のストーリー、設計のポイントなどをご紹介させていただきました。

 

古川による、アイスブレイクとなる話題提供、そして皆さまへのご提案から、講演がスタートです!

 

 

 

 

林業、木材、建築 各分野で活躍される登壇者の講演

 

 

1)笹山寿樹 様(宮崎県山村・木材振興課みやざきスギ活用推進課長)

「宮崎県の林業・木材産業の現状と木造化・木質化の取組」

 

宮崎県の森林・林業の概要から、林業政策、飫肥杉の特性や、先達て設立した川上~川下の連携協議会のお話を聞かせていただきました。

 

33年間、スギ丸太生産量が全国一位の宮崎県。

 

都道府県初の再造林に関する条例「宮崎県再造林推進条例」が7月に施行され、「産官学と県民が一丸となって再造林に取り組む”宮崎モデル”」構築を目指し、皆伐再造林による持続可能な循環型林業を目指しています。

 

また、民間企業の連携による「みやざき木の建築推進協議会」も令和6年に設立され、木造化・木質化のための木材供給体制構築強化も推進されています。

 

林業の先進的な地域であり、今後も動向から目が離せない都道府県の1つであることは、間違いありません。

我々もぜひコミットして協業できることがあればと思う内容の講演でした。

 

2)足立正智 様(一般社団法人島根県建築士会 前会長)

「島根の暮らしと木の文化 ~木とともに生きる~」

 

建築士であり、森林所有者でもあり、小さい頃から森林に親しんできた足立様。
島根県での建築事例、木造塾を開催する中で感じてきたことをお話しされました。

 

木材の流通や品質など供給側の課題、そして建築側の木材知識の薄さによる利用側の課題。

双方の価値観にミスマッチがあり、解決するには「ストック」「品質基準と性能表示」「標準寸法を決める」、そのうえでのサプライチェーン構築が必要だという問題提起をされました。

 

建築側も木を理解し、供給側も建築に歩み寄り、「どんな材が必要なのか」ということを明確にすること、という言葉で締めくくられました。

 

こういった建築士の方がいらっしゃることは、とても頼もしいです。
一方で、このようなことを知らない建築士の方がまだまだいるであろうことに驚いたのも、正直なところです。
どんどんコミュニケーションを深め協働して、共に変えていきたいですね。

 

3)稲山正弘 様(東京大学名誉教授)

「木造建築の架構と形態の魅力」

 

この特別展のメインキーパーソンであり、現代の木構造の第一人者、稲山先生。

稲山先生のお話を目的に参加された方も多かったのではないでしょうか。

 

業界では超有名、一般の人々でも知っている建築事例たちの解説。
意匠設計士にフォーカスされがちな建築事例ですが、あれもこれも稲山先生が木構造に関わっておられました。

 

ダイナミックかつ機能的、美しい木構造事例の数々。
構造を意匠的に魅せる、まさに「架構と形態の魅力」。

 

地域の木材をいかに中大規模建築物の新たな木構造事例にしていくか。
設計の方法や取り入れた工法、材料についてなど実務メインでしたが、在来軸組工法を利用して創意工夫で木構造の中大規模建築を可能にしていく実践される具体的なお話は、林業木材側としては発展的な建築の考え方を知ることができる貴重な機会となりましたし、参加されていた建築士の皆さまにとっては実践につながる学びとともに非常に刺激になったのではないでしょうか。

 

【稲山正弘先生が木構造を手掛けた事例(ほんの一部抜粋)】
著作権の関係があるため、リンク先をご確認ください。

 

・東急池上線戸越銀座駅

2018年 奨励賞 東急池上線戸越銀座駅

 

・北沢建築

北沢建築


高級車CMやミュージックビデオなどでも使用されています。

 

・岐阜県立飛騨牛記念館

岐阜県立飛騨牛記念館 / Hida Beef Cattle Memorial Museum

 

・屋久島庁舎

屋久島町庁舎

 

その他、本当にまだまだたくさんあるのですが、林業関係に馴染みのあるところでは、「岐阜県立森林文化アカデミー」のアカデミーセンター棟、テクニカルセンター棟なども稲山先生が木構造を手掛けておられます。

 

建築写真を見ているだけでも旅をしているようで、わくわくが止まりませんでした。
一方で、このすばらしい建築を、山からつながった総合的な作品にするにはどうしたらいいか?
自分たちへの重要な問いを再確認する時間でもありました。

 

4)川井秀一 様(京都大学名誉教授)

 

「スギ材を活かして健康で快適な空間をつくる」

 

講演の最後は、こちらは木材学の大家(たいか)、京都大学名誉教授の川井秀一先生です。

弊社の第一号社員も、京都大学農学部在学時に大変お世話になりました。

 

川井先生からは、学術的視点から「内装材としてのスギの健康効果の高さ」についてお話をいただきました。

 

スギの木口面を空気に触れさせると、空気中の有害物質を吸着する性質=スギの空気浄化性能(健康効果)に着目し、木口面を増やすスリット加工を施した「スギ木口スリット材」を内装材に使用する試みを、長年取り組まれています。

 

「杉スリット」として商品化もされています。
https://www.sugislit.com/

 

スリット材を内装に使用した場合の空気浄化効果、健康効果などについての実験データ分析結果を解説されたのですが、数字で示されると客観的データしてスギの良さをより伝えやすくなりますね。
最近は、タバコの臭いの軽減効果についても実証実験をされて一定の結果が出たようです。

 

街の空間、暮らしの空間、スギ材が増えたら、健康効果で幸福度もあがりそうですね。

先生が粘り強くスギに向き合い続けている姿勢にも、心打たれました。

 

 

パネルディスカッション

 

講演後はパネルディスカッションが行われ、古川がコーディネーターを務めさせていたただきました。

 

古川から

「『木で建てる』ための、あなたの理想形は?」

 

という問いが投げかけられ、林業、木材、設計、それぞれの視点からの回答が非常に興味深かったです。

 

・国土保全、災害防止、水源涵養を発揮するために森林整備する中で産出された木材を活用するという林業の視点。

・木造の懐の深さ、木材は構造、燃料などいろいろなかたちや姿があり、それが人間と通じるところがあると感じる。

・木は工業製品ではなく、コピーではなく、ゆらぎがある。そのゆらぎが脳波に残ると聞いたが、本当にそうだと思った。

 

<稲山先生>

・内装が木でも構造がRCとかたくさんあるが、東大寺とか法隆寺とかあるしできないわけがないと、木造をするようになった。

・昔はRC主流だったが、今は木構造の潮流があり、RC構造専門の人にも広げていきたい、それが役割。

・とにかく木が好き、木を活かしたい。

・在来軸組工法をうまく使えば、中大規模建築はできる!RCに頼らなくてもできるし、特殊金物や特殊材料を使わずに、RCよりも安くできる。国産材でできる在来軸組み工法の中大規模建築をさらに広げていきたい。

 

<川井先生>

・スギの話をしたけれど、もちろんヒノキも大好きです。

・国産材供給が40%だが、60%くらいには上げたい。

・生産量重視の再造林もしない粗放な林業に負けて価格競争に負けているのが悔しい。

・日本固有のスギ、ヒノキの特長で戦っていけたらと思っている。

 

時間の関係でディスカッションする前にタイムアップになってしまいましたが、非常に示唆に富む言葉たちをいただくことができました。

 

 

最後に

 

一般社団法人大阪府木材連合会
津田潮会長より、最後の言葉をいただき、閉会となりました。

「木の魅力、木の高級感、アピアランス、求心力…これら木材の力が、皆さんのお仕事に役にたつと確信して、閉会の言葉といたします。」

 

端的で、素敵な表現ですね。

林業界、木材業界の皆さんも、こうやって木を伝えるための表現を当事者だからこそ紡いでいっていただきたいです。

 

 

閉会後は、稲山先生と木構造の模型を前に、意気投合!(恐縮ですが…)

 

稲山先生も、木構造建築の立場から、山からどうやって繋ぐか、どうしたら地域にとって良くなるか、課題に思い、広い視野で考えていらっしゃいました。

 

また、折に触れてご一緒させていただきたいです。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

 

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この日はコーディネーターでしたが、講演、ファシリテーター(司会進行)など、ご好評いただいています。

ご相談から承りますので、ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

 

私たちも、今後もこうやって様々な皆さまと出会っていけましたら、幸せです。

 

Posted by wpmaster on 日曜日 10月 20, 2024 Under — セミナー、研修、講演のお知らせ, すべての記事, セミナー報告, 講演&研修 報告

 

令和6年9月26日(木)、奈良県川上村にて地域おこし協力隊(集落支援員)の起業に向けた支援業務として『地域ビジネス起業マーケティング講座』第2回を実施いたしました。

 

当日は川上村に住んでいる協力隊員と集落支援員、合わせて10名の方にご参加いただき、経営をしていくために必要な事業計画やお金の話についてお話しさせていただきました。

 

 

前半戦:自分とビジネスを理解する

 

自らの原点を振り返る

 

まずは、裏プロフィール、5つの価値観、林業白書についてなど、前回講義の“振り返り“を行いました。

 

「なぜ自分は川上村にいるのか」

「自分にとっての好きはいつ頃から始まったのか」

といった情熱を問うような質問から始まった今回の研修。

 

「自分の好き×憤りはどこにあるのか」

 

という問いに対して、

 

「表現することが好きだから」

「社会に対する憤りはあまりないかもしれない」

 

など、改めて自分たちの原点を見つめ直すところからスタートしました。

 

事業を行う上で大切にしていく”想い”

 

続いて、自分が持つ想いを“ビジョン”や“ミッション”などに理念設計することについてのお話ししました。

 

ビジネスを立ち上げ、続けていくためには、一目で覚えてもらえるような社名、屋号やメッセージが必要です。

 

また、それだけでなく、「拠り所」「軸」となる”ビジョン”や”ミッション”などを明確にしておくことは、ビジネスをしていくうえで重要なことでもあります。

 

「メッセージにはリズムも必要 (5・7・5など)」

「メッセージがあるロゴを作るだけで、一目で何をしているかわかる」

 

コーポレートメッセージと屋号を考える上で重要なポイントを話した後に、実際に協力隊員の皆様にも考えていただきました。

 

 

10分間、真剣に黙々と考える協力隊員の皆さん。

 

「バイクで持ち運べる、原体験を。」

「暮らしにひとつ、無垢の木を。」

「グラフィックなこと、つみあげたい」

 

個性溢れるコーポレートメッセージや屋号がたくさん出てきました。

 

この機会に自分たちが伝えたいメッセージを考えることで、軸を明確にするとともに、自分の「好き」や「やりたいこと」を改めて明らかにすることができたかと思います。

 

自分たちが活躍する地域について知る

 

自分の中にある情熱がどこにあるかを明確化した後に、協力隊員がその情熱を実践する舞台である“川上村”についてのレクチャーに移りました。

 

「川上村にある吉野杉とは」

「川上宣言などの水源地の村づくりとは」

 

そんな川上村が持つ魅力を古川の視点から解説しましたが、協力隊員の皆様も知らないことがあり、事業を行っていく上での新たなヒントとして取り込んでいるようでした。

 

事業の『位置づけと役割』を可視化する

 

 

続いては、“商品サービスを作る考え方”と“4つの事業ポートフォリオ”についてお話ししました。

 

仕事を作っていくときには「これをやりたい」という妄想をした後に、「この形で動いていこう」と、具体的に事業を作っていく過程が必要です。

しかし、会社の中では事業を作ることがゴールではないことはご存知でしょうか。

 

実は、事業を作った後に商材・商売といった”商品に変えていき、売れる仕組みを作ること”がまず初めのゴールなのです。

 

その仕組みを作ることで、様々な事業が生まれていく第一歩になる、そのような“商品サービスを作る考え方”についてレクチャーさせていただきました。

 

 

こうやって事業化していくと、収益が十分出ている事業、楽しいけれど収益にはつながらない事業、始めたばかりでこれから育てていきたい事業、儲からないけど理念として継続していきたい事業…さまざま出てきます。

 

儲からないから辞める?収益が上げられるものだけに特化する?

赤字部門の製材を辞めて仕入販売だけにするか、住宅事業に特化するかなど、たとえば木材業界でもありますよね。

 

ちいきのビジネスフレーム“4つの事業ポートフォリオ”

 

主力事業、補助事業、開発事業、刺激事業

 

この4つに分けて整理することで、それぞれの事業の位置づけと役割が見えてきます。

また、ビジネスとしてのバランスも俯瞰して可視化され、方向性も検討しやすくなります。

 

協力隊の皆様にも自身のビジネス(構想)を分類していただきました。

やっていきたいことを明確にする第一歩となったのではないかと思います

“4つの事業ポートフォリオ”は、この日最も興味を持ってくださった方が多かったフレームの1つとなりました。

 

 

後半戦:社会の仕組みを知り、ビジネスに活かす

 

お昼休憩を挟み、午後の部からは”お金や制度に関するお話”をさせて頂きました。

 

ビジネスに不可欠な要素。お金、管理会計

 

事業を行っていく上でその存続を決めるのは、さまざまな経営力はもちろん、利益があるかないかが重要になってきます。

 

「利益をどのように出せば良いのか」

「出た利益を何に使うかは経営の肝」

「100円値下げしたら、利益を取り戻すのは6倍の売上が必要?」

など、管理会計に関するレクチャーを行いました。

 

切っても切り離せない、保険や年金、税金に関するお話

 

続いては“健康保険、年金、税金”についてです。

 

前述の通り、ビジネスをする場合は利益を出して継続していく必要があります。

そのため、会社であっても個人であっても必ず支払う必要がある健康保険、年金、税金などの支出は、切っても切り離せません。

 

経営者になった場合、個人事業主の場合、会社など組織に所属した場合、それぞれにおいて、健康保険、年金、税金などの仕組みはどうなっているのか。

 

会社が負担してくれるお金、自分で負担する必要があるお金、会社に所属しない場合、会社に所属していても経営者と従業員で違う補償…

 

イラストや図解を使い、例など示しながら、わかりやすくまとめて解説させていただきました。

 

起業であっても、就職であっても、はたまた無職でも?

ついて回る保険、年金、税金。

今後ビジネスをしていく際にも参考にしていただければと思います。

 

ブロックパズルで理解する、お金の仕組み

 

管理会計や保険/年金に関するお金の話は、数字が多いことで毛嫌いしてしまう人もいると思います。

 

今回は、”ブロックパズル”を用いて解説させていただきました。

 

「売上と経費(変動費、固定費)」

「粗利と最終利益」

「会社として支払う義務のあるお金」

「黒字の場合、赤字の場合」

 

これらをブロックの積み上げで図解し、わかりやすくレクチャーさせていただいたのですが、「お金の関係は難しいと思っていたけど、自分でもできるかも」というコメントをいただくことができました。

ぜひ、管理会計をビジネスの1つの武器にしてくださいね!

 

 

最後に~気持ちで負けない経営~

継続していくために必要な「はたらくよろこび」

 

最後に、”今まで仕事をしていて一番嬉しかったこと、辛かったこと”について、考える時間を作りました。

 

仕事をしていく中での嬉しかったこと、辛かったことというのは、仕事を続けるためのモチベーションに大きく関与しています。

 

「お客様に褒められた時が嬉しかった」

「会社の先輩に認められたことが嬉しかった」

 

皆様に発表していただき、ちいきのビジネスフレーム「はたらく6つのよろこび」に整理しました。

 

何が自分にとって働くよろこびなのか?何がつらいことなのか?

 

どちらも表裏一体の関係ですが、俯瞰してバランスを見ることで、強みがわかったり、時には対策を取ることができ、モチベーション持続、ビジネス継続のヒントになる、ということをお話しさせていただきました。

 


 

さいごに、宿題として今までレクチャーさせていただいてきたことをアウトプットするワークシートを配布しました。

 

次回は、川上村から飛び出て、弊社が経営する新大阪「ちいきのBar 峠」にて開催予定、上記最終課題を皆様にプレゼンしていただきます!

 

 

今回も、協力隊の皆様の中にある情熱を明らかにするところから、管理会計や事業ポートフォリオといった経営に関する内容まで、10:00~15:00の5時間を走り切ることができました。

皆様お疲れさまでした、ありがとうございました!

 

 

アンケート回答より抜粋

 

・管理会計の話がわかりやすくて印象に残った。

・4つの事業ポートフォリオを作成して明確にしたいと思います。

・自身の事業を整理して、利益の流れやバランスを確認します。

・自分の事業が将来的に(4つの事業ポートフォリオのうち)どの事業になるか考えていければと思いました

・マーケットがどこに存在して、そこにどのようなアクションを起こしていくか?考えるきっかけになった。

・林業における原価の考え方や作業道を事業化した時にどう見積もりを作るかを考える事に落とし込みたいと思いました。

・とても勉強になりました。ありがとうございました。

 

=====

ここでの学びや気づきが、少しでも皆様のお役に立ちましたら嬉しいです。

 

マーケティングはもちろん、財務や人材採用など広く経営に関してや、地域づくりや森林ビジョン策定の際の考え方や手法などについても、実践を元にした講演がご好評いただいています。

 

ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。

 

文章:古川ちいきの総合研究所 インターン生 富岡 瑠加

 

 

Posted by wpmaster on 火曜日 10月 8, 2024 Under すべての記事, セミナー報告, 未分類, 講演&研修 報告

令和6年9月12日(木)、
奈良県川上村にて、地域おこし協力隊(現役・OBOG)を対象にした講座を開催しました。

本講座は全3回で構成しており、協力隊の任期終了後の独立、経営に向けた支援内容となっています。

弊社は以前に川上村の協力隊のアドバイザリー(月次支援)にも携わらせていただいていたこともあり、
久しぶりにお会いできた方も多くいらっしゃいました。
そんなホーム感があふれる会場で行われた第1回の、テーマは「ビジョンとマーケティング3つの基本ポイント」です。

 

当日は現役協力隊(1~3年目)、OBOG含めて10名に参加いただきました。
第1回ということで、初めましての方もいましたのでお互いを知るために自己紹介から始めました。

独立して事業をするにせよ、企業や団体に所属して活動にするにせよ、
「誰に何かを伝える」際には、まず「自分のことを簡潔かつ印象深く」伝えることが大事なことです。
そのため、今回は単に自己紹介をするのではなく、アイスブレイクも兼ねて、

「1分間で印象に残るスピーチ」を行いました。

 

他の地域でも同様のアイスブレイクを行うことがあり、いきなりということで戸惑う人も多いのですが、

川上村の皆さんは村に訪れた経緯、自分のやりたい(成し遂げたい)軸をしっかりと持たれており、
オリジナルの経験を踏まえた自己PRが最初からできていたことがとても印象的でした。

 

自己紹介の後は、弊社代表古川から、川上村に出会った経緯やこれまでの関わり方を紹介した上で、
「経営者(個人事業主)の在り方のヒント」として、発言権の獲得の仕方、成功の3要素、運がいいとは何かという視点を交えながら、古川自身の紹介と会社紹介をさせていただきました。

そして、ここからは本日の講座の本題へ。
冒頭の自己紹介にも繋がりますが、「自分の大事にしているもの」を測る物差しとして「5つの価値観」があることをお伝えしました。

「源」「時間観」「仲間観」「経済観」「土地観」の5つを整理することで、自身のビジョン・人生設計に繋げることができるというものです。

また、個々の価値観を整理するだけではなく、例えば川上村は「水源の村づくり」(源)を推進していることや、500年の林業の歴史(時間観)に基づいた山づくりがされていることなど、地域性を探るヒントとしても5つの価値観を活用することができることを踏まえ、「なぜ川上村の協力隊なのか」ということも考えていただきながら講座を進めることができました。

特に、協力隊は3年という限られた任期だからこそ、自身の価値観をよく理解した上で仮説を立てて行動することが事業の実現と継続に向けて大事であることを今回を機に強く感じていただけたかと思います。

 

講座の後半には、そもそもビジョンとは何なのかを全国の事例を紹介しながらお伝えし、

次回以降、皆さんが考えている事業やサービスを「顧客」に届けるための学びをお届けするための入り口として基本的なマーケティングフレームを3つ程レクチャーしました。

ビジョンについては、事業展開における意味と意義を学び、身近な事例としては川上宣言とは何か、ご自身の事業についてどんな宣言ができるか。
ミッション、ビジョンをどのように作っていくか、言語化の大切さと合わせてお伝えしました。

また、川上村の人はもちろん、全国で名が知られている吉野林業の特徴や林業における道づくりの必要性なども例えにしながら、個人事業主として今後何をどう目指していくかという視点で皆さんと対話しながら進行しました。

ただし、ミッション、ビジョンに束縛されすぎず、事業を動かす初期段階では、必死に見込み顧客の名簿を探して、作り、1件1件廻って営業をすること、動くことも大切です。

講座の終盤には、特に現役の協力隊員にもっと川上村の先輩たちと出会って欲しいという古川の願いも込めて、消防、にんそく(草刈り)、お祭り、地区の方々と自治をどう考え、どういう暮らしかたをしていくか、諸先輩たちから学ぶ必要についても共有しました。

 

さて、ぎゅっと詰め込んだ第1回の講座でしたが、事後の振り返りテキストを共有するなどのフォローもさせていただきながら、残り2回の講座を走り切る予定です。

ここで、当日参加者のアンケートを一部紹介させていただきます。

===

・理念、ミッション、ビジョンの深堀が印象的でした。

・出会った方に手紙やはがきを送るということが印象的でした。いくらネット社会といえどまだ、人と人の繋がりが続くと思うので、自分たちの商品を買ってくれた人には手紙を送ろうと思います。

・今回は総体的な内容で楽しくお話を伺えた、次回以降深堀した内容を聞けるのが楽しみです。

===

成功の3要素のうちの1つである「素直」を早速取りこみ、

まずは聞き入れて試して(真似して)みるということも当日直接宣言してくださった参加者もいて、

当社としても大変やりがいと悦びを感じる1日となりました。

全3回の講座を通して、少しでも自身の事業の方向性が明確になり、理想の実現に向けてお役に立てると嬉しい限りです。

 

最後となりますが、同様の講座は全国でも開催しています。

財務や人材採用などの経営に特化した内容や、地域づくりや森林ビジョン策定などコンソーシアム型の組織形成に係る取り組みなど、

幅広くご要望に沿って組み立てができますので、ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。

Posted by wpmaster on 木曜日 9月 26, 2024 Under すべての記事, セミナー報告, 未分類, 講演&研修 報告

 

令和6年8月7日(水)、みえ森林・林業アカデミーで、弊社代表の古川が講義をさせていただきました。

今年で5年目。
毎年やる気に満ちた古川ですが、アカデミーに向かう車中でも「あ!あれも伝えたい!」とどんどん増えていき、数百ページにもなった講義資料とともにスタートしました。

 

 

裏プロフィールで興味喚起?!~1分間スピーチ~

 

まずは、古川の自己紹介から。
輝かしい?「表」プロフィールでの自己紹介をしたあと「裏」プロフィールでも自己紹介。
女子にフラれた?!麻雀と合コン三昧?!悲しい離別、情けない失敗…
「裏」プロフィールで、「注意喚起=掴む」ということをお話しさせていただきました。

 

ビジネスにおける自己紹介は4段階構成にするといいと言われています。

 

・注意喚起
・事業概要
・選ばれる理由
・行動喚起

 

上記の構成をもとに、「1分間スピーチ」を受講者数名にしていただきました。

 

いきなりハードル高いかな?と思ったのも束の間、皆さんすばらしい!
明るい口調、自社の強み、冗談を交えつつしっかりとアクション喚起につなげます。
この1分間スピーチ、ぜひ色々なところで活用していただきたいです。

 

 

ビジョンは絵に描いた餅なのか?

 

ビジョンって、耳にする機会が増えてきたと思いませんか?

 

林業関係だったら、森林ビジョンというのが増えてきています。
どうして必要なの?絵に描いた餅なんかいいから、実際の現場をなんとかして!
って思ってしまいますよね。

 

ビジネスでも森林でも、何か課題があってそれを解決するために取り組む際に、どうしても「手法」や「やり方」について論じられがちです。

しかし、実は「どうなりたいか?」「どうありたいか?」の「在り方」「ビジョン」ってすごく大事なんですよね。
森林ビジョンだけでなく、様々な企業も「ビジョン」「理念」をしっかり定めているのは、それがすべての取り組みの軸になることを分かっているからです。

 

どこに向かうために、それをやっているのか?
そのことで何が実現するか?

 

「まずは理想、妄想からスタートしてOK!」

 

その中で、自分の立ち位置から出来ること、やるべきことは何か?

 

「過去・現在・未来、川上~川下、自分の位置を知る」

 

すべてに通じる「ビジョンとマーケット」。

 

マーケティングも大事ですが、その前に自分の立ち位置、自分のビジネス、自分の心を深堀りすることが大事ということですね。

 

深掘りをするための考え方として「5つの価値観」についても、古川の原体験とともにお伝えさせていただきました。

 

 

林業マーケティングフレーム、ちいきのメソッド

 

日本の林業の市場規模って知ってますか?

 

え?農業の200分の1?!
某大企業1社の年間売上の100分の1にも及ばないの?!

 

ちょっと衝撃的なデータからマクロ視点での位置をまず知っていただき、マーケティング講座がスタートしました。

 

さまざまなマーケティングフレームを林業視点と生活者視点で読み解きながら、古川が林業木材/地域と向き合う中で見出してきたオリジナル「ちいきのメソッド」へと展開。

 

<ちいきのメソッド(抜粋)>
・理念と利益
・情熱方程式
・都市と田舎
・地域材ブランドの真髄
・林業マーケティング1.0~4.0
・素材からライフスタイルへ
・ライフスタイル~地と図の関係~
・東レ、インテルと林業の共通点
・全国の様々な森林
・トータル林業まちづくり構想

 

いや~…たくさんありますね(笑)
これでも抜粋です。弊社オリジナルのメソッド、まだまだたくさんありますよ。

 

フレームワーク、メソッド、身近なたとえから、実際に古川がお手伝いした全国の具体的事例まで、多種多様にご紹介させていただきました。

 

理論、メソッド、そしてビジョン実現は、実践してなんぼです。
実際にアクションを起こしている全国の仲間たちの挑戦が、皆さんのエネルギーになればと思います。

 

 

参加形式で、自らの想いとビジネスを俯瞰する

 

クイズやワークショップで受講生の皆さんにもご参加いただきました。

 

・ホットドッグクイズ!
・巨大しいたけクイズ!
・どっちのビールが飲みたい?~必要性、欲求性、物語性~
・法人営業B2Bマーケティング~選ぶ理由、選ばれる理由の因数分解~
・ワークショップ~理念、ミッション、バリュー、スピリット~

 

ちょっと食べ物が多い気もしますが(笑)、「なるほど」と頷く方々の姿、またワークショップでは皆さんの想いが垣間見えたのが印象的でした。

 

 

真剣な眼差し、メモを取る姿、時々笑ってもらえる嬉しさ、コミュニケーションの楽しさから、古川のトークも絶好調。
オンラインもいいですが、やはりライブ感はなにものにも代えがたいですね。

 

林業関係、川上から川下の皆様から、東京でヨガ教室をされている方や異業種コンサルタントの方など、様々な方々とご一緒でき、我々も皆さまから刺激を受け楽しい時間を過ごさせていただきました。

 

ありがとうございました!!!

 

 

受講生アンケートより抜粋

■マーケティングについて本質から実践、応用例までを受講生の意見を都度あつめそれらに回答していくスタイルで、今まで受けたアカデミーの講義の中で衝撃的に一番充実した講義でした。
必要なことを本質的なところから教えていただいたき、とても納得できました。
古川さんのやり方なら自分のやりたいことをカタチにできそうです。(受講生M様)

 

■「MVV(ミッション、ビジョン、バリュー)を管理会計にまで落としこむ」、起業してビジネスをしている自分にとって、非常に重要な視点をいただけました。(受講生H様)

 

■民間の視点で考えることが出来たので、市役所として今後の支援等を考えるきっかけとなりました。(受講生S様)

 

■現在会社員ですが、会社員視点で考えててはいけないと感じた。
経営者視点で物事を考えていきたい。(受講生B様)

 

■マーケティングについて今まで勉強したこともなく、新しいことばかりでしたが楽しく勉強させていただきました。(受講生M様)

 

■凄く面白かったです。帰ってまた頭の中を整理して自分の理念を考えてみます。(受講生N様)

 

古川よりメッセージ

やりたい理念に対して、
どれくらいとりたい利益を持つべきか。

 

よい森林の未来、
よい地域の未来が、
自分の未来と重なって行けるよう

事業マーケティングと経営マネジメントの力を
高めていきましょう!

===

 

マーケティングや理念設計はもちろん、財務や人材採用など幅広く経営に関して、地域づくりや森林ビジョン策定の際の考え方や手法などについても、理念と利益の共存と実践を元にした講演がご好評いただいています。

 

ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。

 

私たちも、今後もこうやって全国の皆さまと出会っていけましたら幸せに思います。

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令和5年8月4日(金)、みえ森林・林業アカデミーで、弊社代表の古川が講義をさせていただきました。

 

テーマは「林業マーケティング 概論と実践」

 

「~未来のお客様は、私たちでつくる~」と、古川らしいサブテーマも加えました。

 

 

林業×マーケティング

 

今でこそ時々耳にするようになりましたが、古川が15年前に言い始めた時は、

 

「林業にマーケティングって必要なの?」
「良いもの(木、製品、森)さえつくっていればいい」
「自然を相手にしているんだ、そんなの必要ない」

 

という言葉をよく聞いたそうです。

 

マーケティングって、「商品サービスを売るため」というのはもちろん、実は「正しく知ってもらう」「ちゃんと届くようにする」という意味合いも大きいです。

 

林業、製材業、木材業、木の家木の家具…
森の仕事、木の仕事していると、自然に畏敬の念を感じ、仕事に誇りを持ち、地域と人を大事にするようになります。
むしろ、そうでないとやっていけませんよね。

 

そういった思いや理念を、人々に伝わるようにする。
そうして、どこに伝えたいのか。

 

 

ヴィジョンとマーケット。

林業に足りないのはこの点だ、というところからスタートした講義。

 

 

基本のマーケティングフレームから、林業と地域に向き合ってきた古川流メソッドへと展開しつつ、ワークショップも交えながら、今回も4時間全力蹴球させていただきました。

 

たくさん詰まった内容を走り抜けた講義でしたが(これでも本人的にはかなり集約したそうです笑)、受講生の皆様にも楽しんでいただけたようです。
終始、熱心で真摯な姿勢が印象的でした。

 

 

 

【アンケート回答より抜粋】

・とても有益な講義でした。ありがとうございました!

・講演会、勉強会がございましたらぜひお知らせください。有料であることは承知しておりますので、それでもぜひぜひ学びたいです。

・ビジネスプランを考える上でとても参考になる内容でした。

・今までマーケティングは市場を知ることだけだと思ってましたが発信をする上では、まず自分の価値観を固めることが大切だと改めて気づきました。

・一見、林業とマーケティングというと、あまり関連性が無いように捉えられがちですが、今回のような話を聞くことで、物事の見方が変わってくると思います。大変刺激になりました。

・自分が選ぶ基準と自分が売るときの基準の無意識な違いに気づかされました。

===

この日の学びや気づきが、少しでも皆様のお役に立てたら嬉しいです。

 

マーケティングはもちろん、財務や人材採用など広く経営に関してであったり、地域づくりや森林ビジョン策定の際の考え方や手法などについても、実践を元にした講演がご好評いただいています。

 

ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。

Posted by wpmaster on 木曜日 8月 10, 2023 Under — 地域ブランド工務店, — 選ばれる製材メーカー, お知らせ, セミナー報告, 講演&研修 報告

 

異例の早さで入った梅雨も明け全国各地が本格的な夏を迎え、オリンピックもついに開催となった7月24日(土)、

令和3年度第2回大阪経営実践研究会を開催しました。

今回は大阪会場とオンラインの同時開催とさせていただき、全国11府県から19名の方にご参加いただきました。

 

当日の様子を一部ですがご紹介させていただきます。

 

今回のメニュー

■各社近況報告&自己紹介
・ウッドショックよりもショックなこと

■古川ちいきの総研より情報提供
・東京五輪開幕式を見て
・林業ニュースより/日経MJより/ちいきのカルチャー
・ウッドショック分析(原木価格推移から見える現象)
・保育博2021から得た学び(木育の可能性と転換期経営のポイント)

■ゲスト講座(三栄林産株式会社様より)

・「トータル林業に向けたグループ経営へと舵を切った 1 年~森と木のあるライフスタイル創造カンパニー~」
■古川ちいきの総研講座
「『論語と算盤』『おかえりモネ』を読み解く」

 

 

古川ちいきの総研より情報提供

【林業ニュース紹介・ウッドショック分析】

年明けから林業界、建築業界で騒がれているウッドショック。皆様の近況を伺う前にご参考として紹介しました。原木丸太で見ると樹種や径級、地域差がある中で皆様の地域や取り扱う材と比較しながら現状を知っていただけたことでしょう。ウッドショックの他にも新たな「森林・林業基本計画」が発表されたこと等、森林・林業に関わる最近のニュースも併せてご紹介しました。

 

【保育博2021から得た学び】

7月6日・7日の2日間、大阪で開催された「保育博ウエスト2021」を訪れた際の報告をしました。森林・林業界と保育業界、なんの関係があるのかと不思議に思われるかもしれませんが、最近の保育業界のトレンドの1つに「木育」があります。全89社の出展の内、木育に係るPRをしていたブースは8社。2年前まで木材関係の出展は1社だったと出展者の声もあり、注目度の高さが伺えました。

また、保育業界は成長期から成熟期へ向かいつつあり、今後どのように縮小、機能転換をしていくか、また保育所経営の競争が激しくなる中でどのように差別化を図るかが議論されています。特に経営理念の有無や理念に基づいた行動(経営)がされているかという点も加味したブランディングが重要であり、森林・林業界でも参考になる異業界の現状をお伝えしました。

 

 

ゲストスピーチ「トータル林業に向けたグループ経営へと舵を切った 1 年」

昨年度から当研究会にご参加いただいている三栄林産様。当社で定期支援もさせていただいており、兄弟経営で個々に事業を担当している中で「グループ」としての経営に向けて取り組んできた1年間をご紹介いただきました。製材、建築、家具、飲食、キャンプ事業と広く事業を手掛けながら、顧客ひとりひとりのライフスタイルや地域を創造するカンパニー(企業)の取組に参加者の皆様も刺激と学びがあった事と思います。

三栄林産様からお話をいただいた後は、「家業から企業へ」というテーマでディスカッションは進み、事業継承、兄弟経営に関する皆様のご意見もいただきながら、個々の課題やこれまでの経験から今後の経営のヒントへと昇華された時間となりました。

 

 

古川ちいきの総研講座「『論語と算盤』『おかえりモネ』を読み解く」

 

現在連続テレビ小説で放映されている「おかえりモネ」。宮城県気仙沼生まれのヒロインが気象予報士となり、天気予報の世界にかかわる中で成長を遂げ、故郷に貢献する姿を描くストーリー。気象予報の世界にかかわる一つのきっかけにもなった地元森林組合への就業期を読み解き、人生と林業、理念と利益に関わるテーマでお話をさせていただきました。現状の森林・林業ともマッチしたリアリティある内容と登場人物の個性(性格)が相まってより深く参加者の皆様の心にテーマが刺さった事と思います。

 

 

参加者の声(一部抜粋)

【F様】

参加者の皆さんの面白い取組を聞けて楽しかったです。ゲスト講座でお話しいただいた三栄林産さんは、お客さん目線の事業として成り立っているから素晴らしいと感激しました。自分の社業でできる事でしっかり事業化できるようチャレンジしていきたい。今日の学びを使って、新しいことをやってみます!

 

【H様】

古川さんの講座にあった陰陽の思想はとても大切なことだと再認識しました。また、ウッドショックについては、木材価格のグラフ等を見れば見るほど歴史的な現象だと感じました。そして、いとも簡単にというか、こんな事がきっかけでこんなにパニックになるんだと、日本の脆弱さに危機感を感じます。今後の研究会では、ウッドショックの実際の影響と各社のとられている戦略や、ウッドショックが落ち着いたあとに、その時各社がとられた戦略や対策についてレクチャー、ディスカッション出来るテーマがあればと思います。

 

【K様】

三栄林産の3者(兄弟)共同の精神は勉強になりました。ウッドショックよりもショックなことというテーマがありましたが、皆さん色々なショック(失敗事)をお持ちだと思うので「失敗事例に学ぶ」というテーマで是非ディスカッションしてみたいです。

 

【T様】

三栄林産さんが手掛けるキャンプ事業は、本当に参考にしています。色んな切り口から現状を打破できる可能性があり、企業全体が素晴らしいと思いますので、3兄弟それぞれの活動・考え方が相乗効果というより、化学反応起こす事を期待しています。また、古川さんの講座では、やっぱり感動するところはみんな一緒だった。ということに気付きがありました。全ての事は繋がっている感覚で物事を考える人が増えればもっと良くなるだろうと思うこの頃です。林業は其れを気付かせてくれる。

 

【S様】

三栄林産さんのように、事業承継ができ、なおかつ新しい取り組みを積極的にされている方々とお会いすると非常に良い刺激をいただくとと同時に、なぜそんな考え方や行動ができるのだろうか?とも思います。 (きっと何か原体験があったのかもしれませんが…) 私も現在活動している地域の林産事業者、製材所ももっと外とつながっていくことが必要だと感じました。 小さい地域ではありますが、これから生き残っていくためには、まちひとつがブランドになるような横のつながりを深めつつ、個々が日本全国や世界とつながることができるということを認識し、いろいろなチャレンジをしようというマインドをもつことがまず第一と思います。今回のような研究会は、是非私の地域の関係者にも聞いてもらいたいなと思いました。ありがとうございました。

 

 

最後に

今回は各地からのオンライン参加者も多く、大阪会場も初参加の方から数年ぶりにご参加いただいた方もいたりと多様性に富んだ参加層となり、充実したディスカッションを行うことが出来た回でもありました。参加された皆様が、学んだことを一つでもジブンゴト化し、実行へと移していただけると大変嬉しく思います。

 

次回の研究会は、9月中下旬に開催予定です。詳細は決まり次第このホームページ内「大阪・経営実践研究会[国産材ビジネススクール]」にてお知らせいたします。

次回もお楽しみに!

 

 

 

 

 

Posted by wpmaster on 土曜日 7月 24, 2021 Under pick up, すべての記事, セミナー報告, 経営実践研究会[国産材ビジネススクール](大阪)

観測史上最も早い梅雨の晴れ間が眩しい令和3年5月29日(土)、令和3年初の 大阪経営実践研究会(国産材ビジネススクール)を開催しました。

今回は、緊急事態宣言の発令を受け、オンラインのみでの開催となりました。

オンラインながらも、全国で森林・林業・木材業を基軸にさまざまおもしろい事業を多展開をする濃いメンバーが14名参加し、熱のこもった研究会となりました。

 

今回も、予定終了時刻より1時間超過の盛りだくさんの内容。

以下、概要をご報告いたします。

アイスブレイク

まずは、古川よりウッドショックに関連させたご挨拶。
丸太価格、製材品価格の推移をはじめ、全国の木材関係をはじめとしたグラフや数字をさまざま提示し、報道やネット上に流れる情報を鵜呑みにするのではなく、正しい数字を読み取る力が大事であること、その中で林業バリューチェーンの中で、自社の位置づけを把握すること、立地や規模によって戦略が変わってくることなどについて、お話しさせていただきました。

 

また弊社がまとめた「林業ニュース」、「日経MJから読み解く時流とマーケティング」、スタッフおすすめ書籍のご紹介でアイスブレイク。林業・木材業系の業界紙のみならず、マーケティングの最前線を自分の業界に活かすヒントを当社としても理論化と実践提案として毎回情報提供をしております。

 

また、この度は、現況報告に時間を多く割きました。多様な参加者による近況報告には、各地のウッドショック(木材流通)の状況、地方創生の状況、移住定住の流れ等、ここでしか聞くことのできない話に興味津々でした。

 

ゲストスピーチ:ウッディーラー豊田の近況と展望(ウッディーラー豊田代表 樋口真明氏)

弊社が、立ち上げ前から、事業展開のお手伝いをさせていただいた一般社団法人ウッディーラー豊田

今回は、樋口代表みずから報告を名乗り出ていただいてのゲストスピーチでした。

 

想いを同じくした数人での設立と進展、理念と利益、行政と民間のすれ違い、さまざまな苦労と、それを上回る喜び。

最近は、大手企業や県外の会社から地元の事業者、木材関係からまったくの異業種まで、豊田の森林・木材との掛け算でかなり面白いことになっているようです。

次々と出てくる想像を超えた色彩豊かな事例紹介に、聞いている私たちもわくわくしました。

 

「普遍×イノベーション」「異分野をつなぐ地域材専門商社になる」

 

明るい口調でお話しくださった樋口代表。「『あそこにいけば、何かある』と応えられる存在になりたい。」共に走ってきたこともあり、我々の感慨もひとしおでした。

 

ちいきの総研講座:理念と経営~トータル林業まちづくりの実践に向けて~

弊社法務パートナーである小林様と、弊社代表古川より、「理念と経営」をテーマにお話ししました。

 

 

価値観訴求型の経営マネジメント(法務パートナー小林洋光氏)

前回好評だったため、弊社の法務パートナーである株式会社トビムシの小林様に今回もお話いただきました。

VUCAの時代。
Volatility (変動性)・Uncertainty (不確実)・Complexity (複雑性)・Ambiguity (曖昧性)が高まると言われている、これからの時代を指す言葉と言われています。

反面、これからは自由でオープンで共創する「風の時代」とも言われています。

その「風の時代」における「生きがい」「幸せ」とは何か。
まずは、自分が幸せになること。自分の心をよく知ること。
「自利」⇒「利他」⇒「円満」へのプロセスが今の時代に重要となります。そこで、幸せには2つあるという定義として、現時点の「HAPPY」から、長期視点の「WELL  BEING」へ「自分をアップデートしていく」と、そうした個人が組織をつくっていく時代に変遷しているというレクチャー。

 

また、これからの組織に大事なのは、どんなビジョンを持っているか。
「purpose(なぜ、何のためにするのか)」組織のpurpose=個人のpurpose×個人のvalueそこから、ミッション、ビジョンへ。

改めて、ビジョン、目的、バリューの定義を明確にし、生きた企業理念ですか?SDGSも然り、会社の経営理念も然り、インテグリティ(誠実、真摯、高潔)があるか。企業理念=言行一致となっているかという、参加者への問いかけもありました。

ニューヨーク州弁護士資格を持ち、本当に多くの企業で様々な経験を積んできた小林様。理念と利益、両極端を味わってきた彼から出てくるからこそ、響く言葉たち。これからの経営の指標を示唆する内容でした。

 

古川講座:「空海、エヴァンゲリオン、そして渋沢栄一から学ぶ」

古川からは、「空海、エヴァンゲリオン、そして渋沢栄一から学ぶ」と題した講座をさせていただきました。

 

 

空海とエヴァンゲリオン(庵野秀明監督)と渋沢栄一。一見共通性のない3人ですが、ここは古川独特の切り口で話題提供。昨今はコロナ禍で自殺者が増加、人身事故が増加しているなか、我々は、なぜ生きるのか。どう生きるのか。経営とは何か。ちいきのメソッドの”5つの価値観”、”理念と利益”、情熱方程式”をベースに紐解いていきました。

「二元論」の対極を経験してから、最後は「包みこんで認めあう」

 

これは、真言密教でいう曼荼羅(金剛界と胎蔵界)、合理と情理、エヴァンゲリオンでいうアダム(生命)とイヴ(知恵)、親と子、愛と憎、渋沢栄一のいう論語と算盤、合本主義と専利主義。これら対極的な二元論的思考において、どうイキていくか。

それは、(コロナの三密ではなく)密教の三密として三位一体になる必要性を、空海・渋沢・エヴァンゲリオンから見出し、そこから「不二」という目指すビジョンを描き、それが何を示すか。富士山の富士は不二からとも言われています。唯一無二ということでもあり、対極を包含しうる不二へという未来志向をルール化していきました。

この3人ともが、まさに両極端の人生の四苦八苦として尽くしたうえで、得た実践と悟りの境地。そこから見えるもの。古川の「5つの価値観」も、自分自身が東京時代&山村経験、サッカーでの勝利至上主義と学生主体の理念、数字に厳しい営業会社と理念に厳しい企業、両極端を経験したうえでの気づき、だからこそ「源」その原体験が大事であることを常に話しています。

 

見かけだけのSDGS,ウッドショックだけでなく、その本質は何か。それは「これから」を創ることでありつつ、会社の経営、人生の生き方に本質的で大事なもの(価値観の定義と提示)についての報告となりました。

 

今回のちいきの総研講座、「理念と経営」をテーマするところのみ決まっており、小林様と古川、事前打ち合わせなしでしたが、同じビジネスパートナーとして歩んできた”仲間”として、はからずも向いている方向が同じであることを再認識するような内容でした。

 

理念も利益もどちらも大事。

原体験を共有しているとリモートワークも促進されますが、逆はありません。

 

「理念」「利益」が両輪の経営が、弊社のモットー。そのビジョン作り(理念)から管理会計(利益)への落とし込みを通して、地域の活性化へとつなげる。そんな仲間とこれからをつくってくとともに、本質を軸に進んでいきたいと思います。

参加者の声(一部抜粋)

【Y様】

オンラインにも関わらぬフラットな雰囲気と場づくりの仕掛け、お話しのかなりの濃度に驚きました。

 

【K様】

地域密着の生々しい現場のビジネスの話から、世の中を俯瞰したビジョン提言まで幅広い内容で多くの学びがありました、ありがとうございました。

 

【D様】

異業種、同業種の皆様とても面白く色々なことにチャレンジしていると気づき負けてられないな感じました。ありがとうございます。

 

【F様】

長期目線が必要な林業・木材業界に必要な、時代変革の情報を提供されていて流石です。 勉強になります。

 

【T様】

まず、空海・渋沢栄一・エヴァンゲリオンがどう繋がるのか気になって聞いていました。相反する2つを共存させるというお話は聞いていて楽しくもあり、少し複雑でもあり、自分の中で整理して考えなければいけないと感じました。

 

【K様】

何のために働くのか?work in lifeやワークライフプレイミックスの話はこのコロナ禍で僕の周りでも意識する人が増えてきたと感じています。僕自身は3年前くらいからwork as living “暮らすように働く”と言ってきました、このテレワーク環境をうまく活用してやりたい事やれる事の幅をどんどん広げていこうと改めて思いました。また、小林さんから今の大企業はどう見えているのかぜひお聞きしたいです。

 

 

 

最後に

今回はオンラインのみでの開催でしたが、参加者の温度感が感じられる研究会でした。
終了後のオンライン情報交換会(オンライン飲み会)も盛り上がりましたが、そろそろリアルのライブ感が恋しくなってきました。

早く事態が収束して、皆さんにお会いできる日を心待ちにしています!

 

次回第2回は令和3年夏の土曜日を予定しています。

詳細は決まり次第このホームページ内「大阪・経営実践研究会[国産材ビジネススクール]」にてお知らせいたします。

リアル開催ともに、オンラインも実施予定です。内容もお楽しみに!

 

Posted by wpmaster on 金曜日 6月 11, 2021 Under pick up, すべての記事, セミナー報告, 未分類, 経営実践研究会[国産材ビジネススクール](大阪)

夏の名残と秋の空気の混在が心地よい10月26日(土)、新大阪にて今年度第2回目の大阪経営実践研究会を開催しました。

 

今回は兵庫、大阪、広島、高知、岐阜、愛知、長野、福岡の8府県から9名の方にご参加いただきました。

森林環境税や全国の最新情報の提供から、「なぜ、地域材か(総集編)」「まちづくりと林業、食と農と観光への事業連携」の2つのテーマを軸とした構成の研究会となりました。

 

今回のメニュー

【1】参加者近況報告

 

【2】ちいきの総研より情報提供

・某都道府県の林業事業体の経営力アンケートより

・森林環境税、山林所有者への意向調査から

・「顔の見える木材での快適空間づくり事業」から最新情報

 

【3】テーマ①「なぜ、地域材か。(総集編)」

・古川による「地域材利用の意義」フレームワーク化と解説

 

【4】テーマ②「まちづくりと林業、食と農と観光への事業連携」

  1. 一般社団法人ソマミチ トークイベントを終えて

 

  1. ゲスト講座

「食と酒からみた、まちづくり、~もう一度「農林漁」をつなぎましょう~」

 

【5】ディスカッション

 

 

【6】まとめ(古川)

 

 

手前味噌ではありますが、いつもに増して刺激的かつ有機的な情報とディスカッションの詰まった研究会になりました。

 

今回も一部抜粋して、当日の内容をご紹介します。

 

 

テーマ①「なぜ、地域材か(総集編)」

前回の研究会で参加者から問題提起されたこのテーマ。

 

「地域材を使うことの意義は何か?どのように説明したら良いか?」

「使い手、エンドユーザーが地域材を選択するために必要な要素とは?」

 

前回研究会では、全国から参加の皆様より、自らの実績や経験を踏まえたコメントを多くいただき、白熱したディスカッションが繰り広げられました。

 

そんな前回のディスカッションと、今までお仕事させていただいてきた全国の事例、自らのマーケティングメソッドなどから複合的に考察し、今回古川が「地域材利用の意義」についてフレームワーク化、解説をさせていただきました。

 

キーワードは

「環境、SDGs」

「国土保全」

「地域経済」

「雇用」

「水源、流域」

「マテリアル」

「PEST分析」

「マーケティングメソッド(古川オリジナルメソッド)」

「顔の見える関係」

「トータル林業」

「事例」

「カッコよさ、感覚に訴える」

 

これらを図解した一大フレームが出来上がり、参加者からも「よく分かった」の声をいただくことができました。

 

「なぜ、地域材か」というテーマについては、これで完結ではなく、このフレームワークを活用しながら今後も議論を深めていきます。

「どんなフレームワークか気になる!」という方は、是非研究会にご参加ください!

そんな想いのあなたとも、議論を交え、地域材の可能性を広げていきたいと思っております。

 

テーマ②「まちづくりと林業、食と農と観光への事業連携」

1.一般社団法人ソマミチ トークイベントを終えて

古川がサポーティングコーチとして理事を務める、長野県松本市の一般社団法人ソマミチ。

ソマミチウェブサイト https://www.somamichi.com/

 

一般社団法人設立2年の節目に、トークイベントを開催したことは、このブログでもご紹介したところです。

ちいきのブログ(令和元年10月23日)

https://chiikino.jp/blog/?p=10212

 

今回の研究会には、ソマミチ代表の原 薫様のご参加があったこともあり、古川とこのトークイベントを終えての所感と、ソマミチの活動の意義などについてご紹介いただきました。

 

ソマミチは、木を使う社会の仕組みをつくることを目指し、「山が基準」をキーワードに活動するチーム。林業、製材、設計、家具木工・指物師、建築まちづくりディレクターなど、多彩なメンバーで構成されています。多彩であるがゆえに、チームとして協業しながらも、それぞれの専門分野での活動が主になることで、全体としてのソマミチを伝えるのが難しくなってしまっていることが一つの課題でした。

 

そこで開催されたこのトークイベント。

山での体験イベントから建築、木工まで多様なソマミチメンバーの活動をトータルでご紹介することで「ソマミチとはどんなチームなのか」「何を目指しているのか」ということを伝えられたことは、大きな成果の1つであったといえます。

 

今まで「名前は聞いたことあって、森や木のことで何か良いことをしているようだけど、よくわからないから」と参画するまでに至らない人たちが多かった中、トークイベント後に「ソマミチがどんな想いで、どんな取り組みをしているか、全体像が見えた。ぜひ、参画したい!」という入会希望の反響がいくつもあり、単なる「打ち上げ花火」的なイベントに終わらず、さらなる広がりに繋げることができました。

 

また、ソマミチのこれからの活動の方向性についても参加者から質問があり、「山と食文化」「感動をベースに」「遊び場からビジネスへの導線」「国交省制度の活用」など、ソマミチだけでなく、各参加者の事業にも参考になる情報と議論を交わすことができました。

 

2.ゲスト講座「食と酒からみた、まちづくり ~もう一度「農林漁」をつなぎましょう~」農業と漁業と林業のいい関係づくり 地域経済をうまく回すには

 

百貨店の鮮魚コーナー勤務からまちづくり、IT企業、輸入商を経て、現在は食と農のマーケティングからまちづくりまで、自治体の仕事、大学講師など幅広く担う、まさに専門家かつ複業家の片桐 新之介様よりご講義をいただきました。

 

専門性と外部視点の客観性の両立。

掛け算による独自性の創出。「シナジーキャリア」

 

「ハモの骨きりが出来るマーケターは自分くらいではないか」という多才な片桐様。

多様な実績のうち、いくつかの事例を交えながらお話を繰り広げられました。

 

「もう一度、農林漁業をつなぐ」

「6次産業化の商品づくりにおいて大事な7つのこと」

「ユーザーエクスペリエンス」

「人を巻き込むことで、売れる仕組みが自ずとつくられていく」

「これからの新しい循環」

「コミュニティが支援する農林漁業」

「環境の自分事化」

 

刺激的かつユニークでありながら、まちづくり、マーケティングをはじめ、複業家ならではのスキルを活かしたビジネスづくり。

また、農林漁業を俯瞰した視点と、現場の人たちと協業し意思疎通してきたからこその温度感のある取り組みは、林業・木材業に携わる我々にとっても、大いなるヒントとなりました。

 

片桐様の手がける今後のビジネスについてもオフレコで教えていただきましたが、こちらもなんとも興味深い!!このような情報を得ることができるのも、研究会の醍醐味ですね。

 

隣接異業種、リアルなビジネス実践からのヒント、それだけではなく、片桐様の柔軟な発想からも、得るもの多きゲスト講座でした。

参加者の皆さまにも大変ご満足いただけたようです。

 

ちいきの総研よりまとめ

今回の研究会では「なぜ、地域材か。(総集編)」として、「地域材利用の意義」について再度テーマとし、ディスカッションした内容とこれまでの知見から、フレームにまとめさせていただきました。ですが、ここで終了ではありません。このフレームを使い、自らにとっての地域材利用の意義について、定期的に考察することが重要です。参加者の方からも「その時々の状況で、学ぶこと、見出すことは違ってくる」というコメントもありました。研究会では、「なぜ、地域材か。」を永久的なテーマとして、継続的に追いかけていきます。

 

また、今回のもう一つのキーワード「複業」。

弊社が実施した某都道府県の林業事業体経営力調査から「林業以外のサブビジネスを持っていること」と「増収増益」の相関性が見えてきました。また、ゲスト講師の片桐様のお話でも「複業」による「シナジーキャリア」の形成というお話が出てきました。この「複業」こそ今後のビジネス展開において重要な要素であり、これからのプロフェッショナル像といえるでしょう。それは、地域において自らが「ペルソナ」(消費者のモデル的存在)となるとともに、「プロデューサー」(事業者のモデル的存在)にもなるということであります。ソマミチの多彩なメンバーも、地域の「ペルソナ」であり「プロデューサー」であるからこそ、理念が反響してファンが増え、活動もビジネスも広がっていく。

この「複業」についても重要な視点として位置づけ、今後も深堀りをしていきます。

 

 

参加者の声

【U様(国産材建具メーカー)】

久しぶりに参加しましたが、各地での国産材の活路の見出し方を学べ、方法、手段、観点の違いを感じることができ、非常に勉強になりました。改めて「地域材とは」ということを考え直すきっかけとなり、なぜ必要なのかをより地方(地元)自治体に伝えていくことで、まちづくりの流れが変化していくことを強く感じました。

 

【S様(都市計画系コンサルタント)】

まちと自然の関わり、都市空間と林業の関わりは、地方都市でこそ進めていくべき取り組みだと思います。都市計画でも10~20年の視点はあります。今はタクティカルアーバニズムという言葉で、暫時的、戦略的に進める重要性が言われることが多いですが、森林資源の持続性と時間軸で考える超長期的(都市計画的には)な視点は斬新でした。

 

【I様(工務店)】

各種ディスカッション&レク、楽しかったです。なぜ、どう地域材を使うのか、フレームワークで理解できました。片桐さんの取り組みについて、経済性も含む持続性の担保は色々な課題があるとは思いますが、尖った企画でより良くなるといいなと感じました。パワフルな取り組みが参考になりました。

 

さいごに

令和に入って第2回目の研究会。

いつも以上に濃く、ビジネスのヒント、原動力になる内容であったのではないかと自負しております。

この勢いのまま、これからも走り続けたいと思います。

 

次回の研究会は12月21日(土)に開催予定です。

 

詳細が決まりましたら、弊社ブログ、SNS、メールにてご案内させていただきます。次回も多くの方にご参加いただけることを楽しみにしております。

 

今回は参加できなかった方、初めて研究会を知った方も、参加をご検討いただけますと幸いです。

 

研究会内容の詳細は、以下のURL(大阪・経営実践研究会紹介ページ)からご覧ください!

https://chiikino.jp/blog/?page_id=187

 

Posted by wpmaster on 水曜日 11月 20, 2019 Under pick up, お知らせ, すべての記事, セミナー報告, 経営実践研究会[国産材ビジネススクール](大阪)