本日は夕ご飯を食べながらの打ち合わせにて、最近気になる地域の取組は無いかという話題になり神戸市に拠点を構える、新鋭のリノベーションチームを紹介しました。
こちらのチーム、ホームページは現在開設準備中とのことで、Facebookとインスタグラムを主な情報発信媒体としているのですが、ここ数年でぐっと注目度が高まっているリノベーションチームだと認識しています。
最近の事例だと、
・八百屋店舗の建設(尼崎市):元社員アパートを解体、廃材を活用しながら改装を実施
・ゲストハウスの建築(神戸市灘区):旧形成外科の診療所を改装、入口看板にはレントゲン投影用の機材を活用するなどこちらも廃材を活用。
・ブルワリーの建築(丸亀市)
など店舗の設計、施工を主に行っています。
どの物件も個性的で、廃材をうまく活用しているところ、手作り感ある部分と職人の技が光る部分のギャップがあるところに特徴があります。
現在ホームページが無いものの、
・毎日の作業をSNSで投稿している。
・有名リノベーション会社との繋がりがあり、その会社のWEBページで紹介されている。
・業界内で有名なリノベーションスクールの講師を担当した経験あり。
・各物件を仕上げるために数百人のボランティアを集めている。
ということがPRの要素となっています。
大勢のボランティアを集めることで竣工後の店舗に訪れる顧客を生み出し、
施主もこのリノベーションチームと創り上げたストーリーを語り、そこから口コミが広がり、また違う案件が発生する。といったサイクルも生まれていきます。
リノベーションにDIYを取り込み、「空間づくり=コミュニケーションづくり」ととらえた活動が1つの魅力として広がっているのです。
DIYに関しては一般住宅でも注目を集めています。住宅業界のメイン顧客としてマークされているミレニアム世代は倹約をクールとみなし、合理主義な一方で「少しだけ自分流」にしたいと思い欲求を持っているといわれます。また住宅・工務店業界の最新ニュースを紹介している情報誌にはミレニアム世代の31.6%が住居のDIYをしたい、36.8%が少ししたいという結果もあり、「自身が体験する」ということに対するニーズが高い時代にあることが読み取れます。今回ご紹介したような新鋭の数人規模で地域に根差すリノベーションチームが全国に増えていき、木材業界も仲間に入り共に盛り上がる。そのような新しい絵が描けたら森林林業、木材業、建築業でまた新しい活動が生まれていくのではないかと想像しています。
(高田 日報 2017.09.29より編集)
【アシスタント/アナリスト | 高田敦紀 】
古川ちいきの総合研究所、入社二年目。林業・木材業に関する弊社オリジナルの調査分析業務を中心に、行政から民間企業まで幅広く、様々な地域の支援業務に関わる。林業・木材業の新たなマーケット創造に向けて、身近な異業種からも学びを!身近な暮らしの中に潜むマーケティングのポイントを中心にお届けします。