- 豊田市様
愛知県豊田市は、平成12年の東海豪雨、平成17年の市町村合併で広大な森林面積を有したことから、平成19年に「豊田市100年の森づくり構想」を策定し、森林管理を促進してきました。「クルマのまち」のイメージが強い豊田市ですが、豊富な森林資源を有する、「林業のまち」でもあります。そして、次なるステップとして、地域材の利用拡大や地産地消の実現に向けて「豊田市地域材利用拡大プロジェクト」が始まりました。地元の建築設計・デザイン事務所が豊田市から当プロジェクトの委託を受け、弊社もメンバーの一員となり、組織基盤整備や豊田市産材のブランディングを実施しました。
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組織体制の構築
林業から製材の情報を集約し需要側に伝え、新たな工務店や公共建築物等へ販路開拓を行うとともに、木工作家やDIY向けのきめ細やかな流通を担い、BtoC向け商品を持つなど、製材メーカーと販路(工務店、エンドユーザー等)との間に立つ中間組織を構築し、①情報発信機能、②ブランドマネジメント機能、③流通コーディネート機能を設定しました。
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マーケティング戦略策定
外部環境(市場)調査、ヒアリング、計3回のワークショップを通しマーケティング戦略を策定しました。豊田市では100%豊田市産材で家具やクラフト用など小さな需要に応える「CRAFT WOOD」、豊田市産材に愛知県や矢作川流域の木材も含め住宅部材等の大きな需要に応える「MAKER WOOD」の2ブランドを立ち上げました。ロゴマークは、山や森をイメージした三角形を、流通をイメージした円状につなげおり、他にも様々な意味を込めながらもシンプルに仕上げています。
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ロードマップ作成
運営体制として、将来的な行政サポートからの自立のため、収益を生むビジネスモデルの実現を目指した3年スパンのロードマップ及び事業計画を描きました。①勉強型、②営業型、③事業型の3ステップを想定し、既存の「豊田市100年の森づくり構想」を絡め、素材としての木材のブランド化に留まらず、地域モデルとしてのブランド化を視野とした活動・数値計画を策定しました。
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豊田市産業部森林課 様
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「林業のまち」豊田の基盤を整備しスタートラインに立てました!
豊田市の森林資源の有効利用と適正な人工林の管理を促進し、地域材の利用拡大や地産地消の実現に向けた活動を展開するべく「豊田市地域材利用拡大プロジェクト」を単年度事業として豊田市から委託しました。関係事業者へのヒアリングやワークショップを通し、地域全体を巻き込みながら、各種ツール類や新しい2つのブランドの作成、組織を立ち上げるまでに至りました。現在も家具職人や製材業社、デザイナーなどがチームとなりを組み市民参加型の木材利用の活動や、平成30年からは中規模製材工場が稼働する豊田市。「林業のまち」としての豊田市の活動にご注目下さい。
●豊田市地域産材利用拡大プロジェクトFacebookサイトhttps://www.facebook.com/pg/tlwpj/about/?ref=page_internal
●WOODEALERウェブサイト http://woodealer.jp/<2つのロゴマークについて>
「マーケティング戦略の策定」部分で記載した通り、2ブランドを立ち上げ、それぞれにロゴマークを作成しました。そのロゴマークの由来について、詳しくご紹介します。
クラフト用など小さな需要に応える「CRAFT WOOD」の場合、現豊田市は7市町村(豊田市、藤岡町、足助町、旭町、小原町、下山町、稲武町)の合併により誕生していることから7つの山をモチーフにした三角形に丸みを持たせてクラフトや手作りのイメージを付加しました。この三角形を流通や木材利用の活性化による循環をイメージし繋げ、円としています。
住宅部材等の大きな需要に応える「MAKER WOOD」の場合、三河地域が8つの郡(碧海、加茂、幡豆、額田、宝飯、設楽、八名、渥美)から成り立つ事から、8つの山をモチーフとした三角形にシャープな質感を持たせ、工業や産業のイメージを付加しました。この三角形を豊田から連想される自動車産業を意識し、歯車をモチーフとし繋げて円にしており、また、それぞれのロゴに豊田市産材の割合をパーセント明記することとしました。