研究会5月度

 

今年度最初の大阪経営実践研究会を開催しました。

今回はなんと西は大分県日田市から、東は愛知県豊田市から、新たな参加者も増えての賑やかな回になりました。
また今年度からはClubプレミアム国産材メンバーの講座をメニューに加えて、

テーマを絞った話題提供と今まで以上に深いディスカッションが行われました。

 

~今月のMENU~

【1】木のある暮らし展振り返り
【2】Clubプレミアム国産材メンバーゲスト講座

・製材メーカー代表が、反響を語る! 受注(問合せ)が増えるWEBリニューアルのポイント

・地域材を使った林業~工務店業からの展開! 47都道府県の柱を使用したカフェ事業とは?

・『新規と既存』×『商品と販路』地域資源活用、4つに分ける戦略的事業

 

【3】各社報告

 

【4】古川ちいきの総研より話題提供

・ 産地巡礼ツアー企画

・ 中規模木造建築の需要の動向~市場に参入する工務店連携は?~

・ 2017年ウッドデザイン賞、募集開始

 

 


 

【1】木のある暮らし展振り返り

今年3月29日に大阪にて開催した「木のある暮らし展~旅する日本の森と産地~」。

Clubプレミアム国産材主催で行う展示会は初めての挑戦となりました。

(当日の様子はブログにアップしておりますので、ご参考ください:https://chiikino.jp/blog/?p=7107

 

出展者の皆様にイベント反響を伺ったところ

・既に数社から受注しており、まさに今生産しているところ。

・イベント後すぐに受注があり、既に納材を終えた。

・サンプル請求があったのでお送りしており、今後もうまくお付き合いしたい。

・競合であった会社と協業し新しい事業展開を進めている。

など各社それぞれ反響があり、成果に結びついており、今後の展開もますます楽しみです。

 

そして実は、動画制作も進めており、研究会にてお披露目!ダイジェスト動画を公開しました!

 

 

展示会の雰囲気、Clubプレミアム国産材メンバーの顔が見える動画に仕上げております。

今後は、当日各社から行われたプレゼン”国産材LIVE!”の様子も順次公開してまいりますのでお楽しみに!

 

 

【2】Clubプレミアム国産材メンバーゲスト講座
弊社が事務局をつとめるClubプレミアム国産材。

本研究会のメンバーから構成される団体ですが、本年度はメンバー立ち回りの講座をメニューに盛り込んでいます。

 

①「Webリニューアルのポイント」竹下木材㈲ 代表取締役 竹下哲史氏より

島根県にて、地松にこだわり製材をしている竹下木材さま。9年前にスギ、ヒノキ製材から地松に特化した製材にシフトした同社、同時期に始めてのWebサイトを制作しました。そして昨年、Webサイトをリニューアル。

リニューアル直後から受注があり、ここ最近ではまた増えたとのこと。

・時流適応

・情報蓄積

・動画PR

のポイントにお話をしていただきました。

「Webサイトが古いままだと、会社自体も古い、時代に遅れていると思われる。」と竹下氏。

時流に適応しデザインやSEO対策を変えながら、納材事例やブログを定期的にアップし動きを見せることで着実に受注につなげています。

(竹下木材㈲Webサイト:http://takeshitamokuzai.jp/

 

②「47都道府県の柱を使用したカフェオープンへの取組み」飛騨五木㈱ 企画研究室 井上博成氏より

飛騨高山にて、会社名にもある‟飛騨五木”を売り出し多面展開している飛騨五木㈱。

グループ会社との連携で林業から建築、さらには不動産、金融、エネルギーまでをトータルでの事業展開を実現しています。

そして今回はなんと、名古屋市内に47都道府県の木を使用したカフェをオープンするとのことで、

その背景と今後の展開をお話していただきました。

 

2035年には当たり前に木材のある社会を目指し、
2015年から5年後ごとの、4つのステージに分けてビジョンを策定。

そのステージ1にある現在の事業の1つとして今回のカフェオープンがあります。

「日本の森がもっとワクワク」というWebサイトも昨年オープンしています。
実店舗やオンラインストアをはじめとするあらゆる販売チャネルや流通チャネルを統合する
『オムニチャネル化』の計画を進めており、全国の木材情報の発信拠点が名古屋に誕生するということです。

ここではこれ以上詳しい内容には触れることは出来ませんが、まさにワクワクする今後の展開に目を離せません。
(日本の森がもっとワクワクWebサイト:https://moriwaku.jp/

 

【3】各社報告

新規参加者のご紹介や各社の近況の取組についてお話いただきました。

ディスカッションでは「商品開発」において‟今までにない商品を開発し一番手となったとき、
誇りを持ち大手に真似のできないモノづくりをすること、
そのための「商品販路」について既存の販路と商品、新規の販路と商品のマトリックスを整理し、学びを深めました。

 

【4】古川ちいきの総研より話題提供

① 今年度の産地ツアーの企画について

② 中規模木造建築の需要の流れと、市場に参入する工務店連携の現状について

③ 2017年ウッドデザイン賞の募集開始について

の3本立てで弊社から話題提供しました。

 

今後の物流と工法の面から、中規模木造はどうなるか?

ウッドデザイン賞の受賞は果たしてどのような効果があるのか?

各社報告に続き、ここでも活発なディスカッションが生まれました。

 

===

次回研究会は7月に予定しています!

詳細は後日ブログにて告知しますので、しばしお待ちください!

 

 


 

今年度もClubプレミアム国産材の会員募集をしております!

豪華特典もご用意しておりますので、是非下のチラシ画像からPDFをご覧ください!

会員申込ご希望の方は、PDFを印刷し申込欄をご記入しFAXにて送信、またはメールをお送りください。

 

 

単回での研究会申込も大歓迎です。

ご質問がある方は、お気軽にお問い合わせください。

 

 

 

 

 

Posted by wpmaster on 土曜日 5月 13, 2017 Under すべての記事, セミナー報告, 経営実践研究会[国産材ビジネススクール](大阪), 講演&研修 報告

 

このたび、弊社が事務局を務めるClubプレミアム国産材では

「木のある暮らし展~旅する日本の森と産地~」を開催します。

 

 

「その生き方が、プレミアム。」

9つの特別な木材産地が勢ぞろい。

ただの材木屋ではない彼らが、森とつながる豊かな暮らしとは何かを語りかけます。

9つの部屋をめぐれば、あなたの探していたプレミアムな暮らしにきっと出会える一日です。

 

■こんな方にピッタリ

~工務店・設計・インテリア関係者のみなさまへ~
~森とつながる地域づくりに関心のある方へ~
~「木」で新たなビジネスを創造したい方へ~

 


 

■開催日時:2017年3月29日(水)10:00~17:00

 

■会場:大阪市中央区高麗橋3-1-8カルボ高麗橋ビル1F 高麗橋BLACKBOX(淀屋橋駅から徒歩5分)

(会場詳細はこちらから:http://blackbox.osaka/rental-space-access.html

 

■参加無料・申込不要

 

■プログラム
①産地からの空間提案展示(常時展示)
建材のみならず、家具、インテリアも含めた「暮らし」の提案。
他にもユニークな仕掛けを携えて、9つの産地がやってきます。

 

②特別無料セミナー
「プレミアム国産材で工務店経営をプレミアム化するセミナー

プレミアム国産材をどのように活用すれば工務店のブランディングにつなげられるか、ポイントを伝授します。

午前の部:11:30-12:00
午後の部:16:30-17:00

講師:(株)古川ちいきの総合研究所 古川大輔

 

③トークショー「国産材LIVE!」(毎時開催)
プレミアム産地がいま、何を考え、企んでいるのか?
産地の声を軽快なトークでお届けします。

live

 

※カフェ・商談コーナーあり

※林業にちなんだ出張バー「林業BAR」のカフェメニューをお楽しみください。

 

 

■交流会
17:00~19:00(軽食付き・参加費2,000円
※当日受付でお申込、参加費は現金でお支払いください。

 

■主催:Clubプレミアム国産材
(事務局(株)古川ちいきの総合研究所)

 

■出展産地

[Clubプレミアム国産材]【J1】
・㈱西粟倉・森の学校【岡山西粟倉】
・影山木材㈱【富士山麓】
・㈱山共【岐阜東白川】
・竹下木材㈲【石見出雲】
・ばうむ合同会社【土佐嶺北】
・一般社団法人吉野かわかみ社中【吉野川上】
・高野山寺領森林組合【高野山】
・ソマミチ【信州松本】
・飛騨五木㈱ 【飛騨高山】

 

【J2】
・木原木材店【兵庫播州】
・岩泉の明日の林業をつくる会【岩手岩泉】
・㈲平田木材店【福井高浜】

 

 

★Facebookイベントページも要チェック

https://www.facebook.com/events/309979639398755/

 

↓↓FAX申込み用紙付きチラシのダウンロードはこちら

 

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過去の開催イベントに関するブログはこちらから

・第4回産地共催交流セミナー(2015年):http://club-premium-wood.jp/?p=837

・Japan Home & Building Show 2013(2013年):http://club-premium-wood.jp/?p=671

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会場map

 

会場イメージ

Posted by wpmaster on 火曜日 2月 21, 2017 Under — セミナー、研修、講演のお知らせ, pick up, お知らせ, すべての記事, 経営実践研究会[国産材ビジネススクール](大阪)

 

今年度最後となる、2月度経営実践研究会を開催しました。

今回は3月29日(水)に「Clubプレミアム国産材」で開催する

「木のある暮らし展2017~旅する日本の森と産地~」に向けた企画会議を中心とし、

大阪に島根、岐阜と遠方からもプレミアム産地が集結しました。

 

~今月のMENU~

【1】各社報告

【2】話題提供

・Clubプレミアム国産材メンバーWEBページリニューアルのお知らせ

 

【3】ゲスト講座:WEB作成におけるセキュリティ対策について

【4】Clubプレミアム国産材 企画会議「木のある暮らし展2017~旅する日本の森と産地~」について

 


 

【1】各社報告

今回も各社より、最近の事業状況や今後のビジョンについて、興味深いご報告をいただきました。

初めて情報誌を発行した製材メーカーからは、その反響と今後の展開について。

また製材機部品の交換に際してメーカーから受けたアフターフォローに学ぶ、法人営業とは何か。

木材加工業が新規参入できる、起業のCSR・広告宣伝マーケットの大きな可能性など、

 

各社とも、「品質、価格、納期(QCD)×使い方提案×儲け方提案」という

法人営業と差別化の基本を再確認しながら、

それぞれの企業の「強み」を活かした着実な事業展開がうかがえる報告となりました。

 


 

 

【2】話題提供

弊社から話題提供として、近日公開予定の

当研究会メンバーであり、Clubプレミアム国産材のメンバーでもある製材メーカーのWEBリニューアル

に関する報告をいたしました。

 

リニューアルするWEBでは、今回新たに、

経営者の想いや製品の背景にあるストーリーを伝える「動画」を盛り込みました。

 

「これを見たら、このメーカーからしか買いたくなくなる!」

ほどのメッセージ性の強いものとなり、今後のWEBコンテンツとしての動画の可能性を感じるとともに、

丁寧に企業の強みや想いを表現していくことの重要性を再認識しました。

 

リニューアル作業は進行中。本公開をお楽しみに!

 

 


 

 

【3】ゲスト講座:WEB作成におけるセキュリティ対策について

ゲスト講座では、大阪市内の某WEB会社にお越しいただきました。

 

WEBのセキュリティについて、皆さんはどのようにお考えでしょうか?

 

いまやマーケティングに欠かせないツールとなり、全世界に70兆個も存在するというWEBサイトですが、

近年、googleによるセキュリティを重視する方針転換や、

特定CMSにおける脆弱性などが問題になっています。

 

 

ゲストからは、

・昨今のWEBをめぐるセキュリティの必要性

・セキュリティまでを意識した、CMSやサーバの選び方

・セキュリティにおける責任の所在はどこにあるか?

 

について、実際のハッキング被害事例もまじえて、

今後は経営に欠かせないネットセキュリティの視点を伝授していただきました。

 

WEBにおいては、どうしても売上へ直結する効果や更新性を優先的に考えてしまいがちですが、

積み上げてきた情報という無形資産が一瞬にして失われるリスクや、

顧客に対しても情報を守る企業の責任について、

コストとメリットも含めて今一度考えなおす機会を頂きました。

 

自社も顧客も守るためにも、今後、ネットセキュリティは優先度の高い課題の1つです。

 


 

【4】Clubプレミアム国産材 企画会議「木のある暮らし展2017~旅する日本の森と産地~」について

今回の研究会のメイン、3月29日(水)に大阪で開催する、

「木のある暮らし展2017~旅する日本の森と産地~」の企画会議です。

 

本研究会メンバーを中心とし、国産材に新たな価値を与え、新たなマーケットを作り出す9社の共通ブランドとして活動している

Clubプレミアム国産材」http://club-premium-wood.jp/

 

これまでも、建築関係者向けプレゼンテーション「産地共催交流セミナー」や

ジャパンホームショーの出展など活動してきましたが、

今年は大阪で、森とつながる豊かな暮らしとは何かを語りかける展示会を行います。

9つの産地を中心に常時展示、トークショーを行い、林業バーなどのお楽しみ企画も用意しています。

 

今回の会議では、ブースイメージの共有、プレゼン企画などを具体的に議論するとともに、

「プレミアムとは何か?」を新たに詰めて議論しました。

 

その定義は、時流やメンバーの成長と共に変遷してきました。

 

過去の企画を振り返ると、

 

1)第1回、木や国産材のある暮らしのよさ、QCDの重要性を訴えるというところから始まり、

2)第2回では、産地の顔が見えることの重要性や物語を伝え、

3)第3回、第4回では、森林・林業の多様性をワインになぞらえ伝えながら、QCDのみならずユニークな商品、空間提案を目指しました。

 

そして今回は、「木材」にとどまることなく、

暮らしや地域をつくっていくビジョンも強く打ち出していく!

9の産地の経営者の、生き方をも表現していこう、というところまでやってきました。

 

~工務店・設計・インテリア関係者のみなさま~
~森とつながる地域づくりに関心のある方~
~「木」で新たなビジネスを創造したい方~

 

当日は、参加無料・出入り自由で、どなたでもご参加いただけます。

 

★Facebookでのイベントページを先行して公開いたしました。

https://www.facebook.com/events/309979639398755/

 

 

3月29日、あなたの探していたプレミアムな暮らしにきっと出会える一日です。

みなさまのご参加を、心よりお待ちしております。

 

 

Posted by wpmaster on 金曜日 2月 17, 2017 Under pick up, すべての記事, 経営実践研究会[国産材ビジネススクール](大阪), 講演&研修 報告

2016年最後となる、12月度経営実践研究会を開催しました。

今回は今年の総決算ということで、

静岡から島根まで、各地からClubプレミアム国産材のメンバーをはじめ、

林業、製材業、木材流通業、工務店の経営者が勢ぞろいしました。

 

~今月のMENU~

【1】各社報告&ディスカッション~2016年10大ニュース~

【2】ゲスト講座:プロダクトデザインと展示会デザイン

【3】Clubプレミアム国産材 企画会議「国産材フェスティバル2017」について

【4】2016年ヒット商品ランキング


 

【1】各社報告&ディスカッション~2016年10大ニュース~

今回は各社から、それぞれ10分間で今年の10大ニュースのプレゼンテーションを行いました。

 

・社内業務のクラウど化や多種多様な商品開発に取り組んだA社

・森林信託から地域商社まで次々と事業展開を行った工務店B社

・事業整理で経営基盤を固めながら地域連携で販路拡大したC社

・チェーン飲食店との連携で全国に納材を広げた流通店D社

・事業継承として新会社設立の準備を進める工務店E社

 

など、それぞれに激動の1年間をふりかえりました。

8年前には、純粋なる製材業経営の研究会であったこの会も、

メンバーの増加や各社の事業展開により、幅広いテーマを扱うようになりました。

 

ただの材木屋ではない、ライフスタイル提案や地域づくりまでてがける

プレミアムな経営を実践中です!


 

【2】ゲスト講座:プロダクトデザインと展示会デザイン

【3】Clubプレミアム国産材 企画会議「国産材フェスティバル2017」について

 

Clubプレミアム国産材の新企画「国産材フェスティバル(仮)」に向けて、

ゲスト講演でも、プロダクトデザイナーS氏をお招きし、ブースデザインについてレクチャーをいただきました。

 

プロダクトを手掛けるのみならず、その「世界観」をもデザインするためには、

商品ロゴや広報ツール、ブースまでの統一感を持ったデザインが欠かせません。

 

S氏のアドバイスを受けながら、企画会議を行いました。

「ワインのような林業産地」の新たな表現に、ご期待ください!

 

その後、忘年会で交流を深め、来年の抱負を語り合いました。

熱い経営者が集まる本研究会では、2017年も参加者を募集中です。

ぜひお気軽にお問い合わせください。

 


 

 

★予告! 3月29日(水) 国産材フェスティバルin大阪 開催!★

Clubプレミアム国産材の新企画を準備中。

9つの産地から製材メーカーが一堂に会し、新商品発表、そして木のある暮らしの提案を行います。

詳細後日、こうご期待。

 

 

Posted by wpmaster on 金曜日 12月 23, 2016 Under pick up, すべての記事, 経営実践研究会[国産材ビジネススクール](大阪), 講演&研修 報告

 

経営実践研究会×国産材ビジネスセミナーで実施する合同現地研修会。

8回目となる今年は、プレミアム産地を巡る「産地巡礼」として、

より産地の風土を感じられるプログラムでお贈りしました。

 

===現地研修会過去の開催地域===

=== === ===

 

11/22-23の二日間、今回は「出雲・石見の旅~神話と地松の風景に出会う~」をテーマに、

島根県の松江市~大田市を巡りました。

 

■島根県の林業

島根県の素材生産量は、全国18位(H26年・361千㎥)で中位ですが、

「あかまつ・くろまつ」生産量は全国6位(H26年・37千㎥)を誇ります。

西日本は松枯れの被害が大きい中、数少ない貴重な「地松」産地の1つになっています。

 

 

参加者は総勢17名。

Clubプレミアム国産材のメンバーである竹下木材有限会社竹下哲史氏のご引率の元、

神話・縁結びの地である出雲、銀山で栄えた石見の地を巡りました。

 

また、今回は竹下木材様の取材を兼ねており、撮影スタッフも同行する今までにない形での実施となりました。

それでは2日間の様子をご紹介します。

 

 

【1日目:22日(火)】

 

■八重垣神社

まず初めに向かったのは、縁結びのパワースポットとして知られる八重垣神社。

竹下木材様の納材事例でもあります。

 

 

まずは立派な鳥居が出迎えてくれます。

 

 

鳥居をくぐると正面には本殿が。大社造りで荘厳な雰囲気、大きなしめ縄も目を引きます。

 

 

しかし、今回のメインは竹下木材様の納材事例であるこちらの社務所。

 

 

梁桁、細部の造作まで全てが美しく、地松ならではの赤身と木目が一層美しさを引き立てています。

 

 

境内には、スギの樹幹からマツが生え、共生している珍しい木も。

マツの生命力を感じるとともに、接ぎ木をしたわけではなく自然に起きた現象ということで、縁結びのご利益を感じます。

 

 

境内の奥には「鏡の池」と呼ばれる池があり、

おみくじになっている用紙を浮かべ、その上に硬貨を置き、

紙が沈むまでの時間でご縁の早さや遠さを占います。

 

占い用紙には1枚1枚違う言葉と吉方位が記されています。

 

 

参加者のみなさんもチャレンジ。占いの行方を見守ります。

早く沈んだり、なかなか沈まなかったり・・・

良く当たると噂の占いは、旅の楽しみの一つとなりました。

 

 

■正林寺

 

次に訪れたのは、八重垣神社近くの、曹洞宗正林寺。

こちらは本堂に竹下木材様の地松が使われております。

 

 

山陰地方では、社寺建築の横架材にふんだんに地松を使う文化があり〼。

八重垣神社の社務所外観の、地松の赤身の色の変化も美しいものでしたが、

内装で白壁と合わせて見るとまた一段と色が際立ち、素材力を十分に引き出した居心地の良い空間でした。

 

 

■神魂神社

 

 

次なる御縁結びスポットとして、正林寺からほど近い神魂神社へ。神に魂と書いて「かもす」と読みます。

 通称“大庭のお宮さん”の名で親しまれている古社です。「大庭」というのは地名であり、神様の祭りごとをする場所のことを指します。

 

 

神社建築も見もので、こちらは長さ、幅共に不揃いなこけら板を上手く合わせて屋根が出来ています。

大きな建造物を見る時はどうしても細部を見逃しですが、細部にこそ職人の技と手間を垣間見ることができますね。

 


■竹下木材有限会社 工場見学

 


 

続いて、今回の巡礼のメインである竹下木材有限会社様の工場見学です。

「中国山地から選りすぐりの木を」をメッセージに、地松を中心に地域の木材を製材されています。

 

納材事例を見た後の、さかのぼっての工場見学。

あの美しい地松材はどのように挽かれているのかと、皆さん興味津々です。

 

 

ちょうど、地松の大径木が挽かれている最中でした。

丸太に鋸が入れられ、一枚一枚どのような表面がでてくるのか、

何度見てもどきどきする瞬間です。

 

 

工場の中には女性職員の姿も。

構造材を取った後の側板を、さらに内装材等に使えるかどうか、ここで見極め仕分けされます。

この大切な工程は、やはり人の目と手が欠かせないそうです。

 

大きな板を抱えたり、チェーンソーを慣れた手つきで扱う場面もあり思わず見とれてしまいました。

てきぱきと現場で働くベテラン林業女子、かっこ良いですね!!!

 

 

モルダーやエンドマチャーを完備し、希少な地松フローリングも製造されています。

厳しくより分けられた素材から、美しい板目が生み出されます。

白っぽい印象ですが、豊富な樹液が艶となり、経年変化により趣のある色と表情へと変わっていきます。

 

また、材が取れない樹皮部分や木端は、乾燥機のための木屑焚きボイラー機の燃料として利用しているため、

丸太を余すところなく活用しているのも竹下木材様の1つの特徴といえます。

 

 

最後に、工場近くの木材市場を案内していただきました。

竹下木材様の使用する原木の半分以上は、こちらの市場で仕入れているとのこと。

地元の林業会社と連携しながら、地松材の安定的な供給に取り組まれています。

 

地松に特化した製材所は日本全国見て回っても珍しく、

地松ならではの加工や乾燥の工夫、ご苦労などをお聞きしながら、

大変貴重な現場を見させていただきました。

 

 

 

■石見銀山 宿泊(地松を使った和風旅館「ゆずりは」)

 

 

日も落ちたところで、世界遺産・石見銀山の大森町にある宿「ゆずりは」に到着。

 

 

こちらも竹下木材様の納材事例となっており、

ホールには迫力ある梁が見えます。

 

 

宿到着後、三瓶自然館サヒメルの学芸員・中村唯史氏から、石見銀山の成り立ちや地質について講義をしていただきました。

石見銀山は1500年代から採掘が開始され、安土桃山、戦国時代には銀山を巡る争いがあり、治める大名が幾度も変わってきた歴史を持ちます。

 

また石見銀山には、当時の技術に適した採掘現場の環境があり、

①掘りやすい②やわらかい③くずれにくい

という3点、そして脈(層)としてではなく、地質内に散りばめられたような形で銀鉱石が含有しているからこそ

採掘技術の進展が浅かった当時では世界一の採掘量を誇ったことなどを教えていただきました。

 

 

そして、ゆずりはを施工した山下棟梁からもご挨拶をいただきました。

世界遺産の町・石見銀山では、古民家の再生や街並みに合った建築技術と意匠性が求められ、

昔からの建築文化を継承し、地松を使った建築が多く手掛けられています。

 

このように、地域の木、技術もまた、世界に誇る景観の一翼を担っていることを肌で感じることができました。

 

 

 

参加者で懇親会のスタート。各地から集まった木材のプロフェッショナル達と、異業種も含めた交流ができるのも、この研修の魅力です。

 

地元食材をふんだんに使い、1品ごとに丁寧に味付けされた料理は全てが絶品。みなさんおいしいと舌鼓。

地の料理とお酒で大満足でした。

 

 

夕飯の後は、伝統芸能「石見神楽」を鑑賞。

地元の神楽チームにより、この日のために特別公演していただきました。

 

30以上の演目の中から2つを演じていただきました。

おめでたい席で舞われる「恵比寿」のコミカルな演舞が笑いを誘い、

スサノオノミコトがヤマタノオロチを退治する「大蛇」の演目では予想以上の迫力に一同大興奮。

 

演者は若い世代が多く、中には3歳から練習している人もいるそうで、演目も時代ごとに大衆が親しみやすいようにアレンジを加えているとのこと。

世代を超えて長く愛される伝統芸能に心打たれるひと時を過ごし、1日目は終了です。

 

【2日目:23日(水祝)】

■石見銀山世界遺産センター

 

 

2日目のスタートは、石見銀山世界遺産センター。

こちらも、地松がふんだんに使われた木造建築です。

 

 

石見銀山は2007年に、銀山に関わる景勝を合わせて世界遺産登録されました。日本での取得は14番目となります。

こちらのセンターでは時代ごとの精錬方法や商流の変遷を解説していただき、

実物の銀小判を見たりと、石見銀山の歴史を深く学ぶ機会となりました。

 

 

■石見銀山街並み散策

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午前中いっぱいをかけて、石見銀山の街並み散策。

昨晩は暗闇の中でしたが、一夜明けてみると歴史ある街並み。赤い石州瓦に染まる町が印象的でした。

 

 

石見銀山の最盛期に最も有力な商家であった熊谷家住宅を見学。こちらも竹下木材様の納材事例です。

450坪という広大な敷地に建てられた住宅は、迷子になるふど大きく、応接間等の各部屋が復元されています。

 

 

家も大きければ、台所も大きい。地松の梁が際立つ台所で集合写真を撮影。

まるで大家族の食卓風景の一部を切り抜いたかのよう。

せっせとこの場で働く女中がいて、かまどからご飯が炊きあがり湯気が上がる風景が今にも見えてきそうな空間でした。

 

その他、美しく復元・新築された、数々の建築を見学しました。

そのどれもが、地松をふんだんに使う山陰の建築文化を継承したものでした。

 

■三瓶山小豆原埋没林

 

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最後に訪れたのは、石見銀山から車で40分ほどの三瓶山小豆原埋没林。

 

この埋没林は、約4,000年前の三瓶山の噴火により地中に埋もれたまま保存された太古の森で、

田畑の開発の際にひょっこりと幹の上部が出て来たことから調査が行われ、

地中を掘る特殊な形での展示・保存がなされるに至りました。

 

上の写真だけだとそれほど大きな木には見えず、ジオラマのように見えますが、近づいてみるとご覧の通り。

 

 

人が写ると一目瞭然ですね。まるで自分が小人になったかのような感覚になります。

 

直径が2メートル、樹高が推定30メートルに及ぶスギの大木、これが4,000年前には周辺一帯に生えていたと予想されています。

埋没林が立木の状態でここまで綺麗に保存されているのは、世界で唯一だそうで、大変貴重な資料となっています。

林業はは3世代かかる長い時間が必要な生業と言われますが、

人の営みをはるかに超える大きな時間軸とロマンに圧倒されました。

 

「神有月」に神々の集まる島根県、縁結びの土地での素晴らしい出会い、

そして山陰の歴史と地松に触れる貴重な旅となりました。

 

 

===次回予告===

今年度は、産地巡礼は第2回を予定しています。

次回は奈良県吉野郡川上村を中心とした吉野林業を巡る旅。

日程等の詳細は後日公開。今回来られなかったという方も是非、ご参加ください。

こうご期待に!

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Posted by wpmaster on 水曜日 11月 23, 2016 Under すべての記事, 国産材ビジネスセミナー(東京), 未分類, 経営実践研究会[国産材ビジネススクール](大阪), 講演&研修 報告

大阪にて開催している、明日から役立つヒントが満載の、実践型経営研究会。

今回も素敵なゲストをお迎えし、語り合う濃密な時間となりました。

 

~今月のMENU~

【1】各社報告&ディスカッション

【2】話題提供:各地からの最新マーケティング事例

【3】ゲスト講演 :「私のしごと:プロダクトデザインを起点とした企業のブランディング〜ちいきのデザイン」

講師:(株)GKデザイン総研広島 プロダクトデザイン室 室長 鈴木 スバル様

【4】Clubプレミアム国産材 企画会議


 

 

【1】各社報告&ディスカッション

 

秋のイベントシーズンを迎え、各社からイベント報告がありました。

当日来られなかったメンバーのSkype参加もありました。

 

 

■製材・建築業A社様

オリジナル住宅ブランドに力を入れるA社様からは、

10年ぶりの住宅完成見学会についてご報告。

 

目標以上の来場者数と、濃い見込み客を獲得したチラシのポイント、

また当日に顧客コミュニケーションを高めるための、会場設営やイベント企画の工夫、

さらに大切な、見学会終了後のアフターフォローまで、ご報告いただきました。

 

■木材流通店B社様

地域に愛される木材流通店をめざすB社様からは、

4年目を迎えた、毎年恒例の自社開催マルシェについて。

 

過去最高の来場者数を記録し、またターゲットを絞った企画と広報により、

よりいっそう趣味嗜好の明確な来場者を獲得したこと、

会場設計からコンテンツにより、木のあるライフスタイル提案を行い、

自社顧客である工務店の紹介など、利益導線につなげたことをご報告されました。

 

 

各社とも、これまでの商流から変革を目指し、

新たな顧客との出会いを創出する取り組みがあり、

 

その場でアドバイスをし高めあう時間となりました。


 

【3】ゲスト講演 :「私のしごと:プロダクトデザインを起点とした企業のブランディング〜ちいきのデザイン」

講師:(株)GKデザイン総研広島 プロダクトデザイン室 室長 鈴木 スバル様

 

ゲスト講座では、数々の名作を生み出している、

世界的なネットワークを持つGKデザイングループのGKデザイン総研広島から講師をお招きしました。

 

GKデザイン総研広島は、

・製品のデザイン(Product Design)
・情報のデザイン(Communication Design)

・空間のデザイン(Architecture/Environment Design)
の3領域のデザイナーを有する総合デザインオフィスです。

 

京阪電車やキッコーマンの醤油瓶など、

誰もが知っているデザインを数多く手掛けています。

(参照: http://www.gk-design.co.jp/

 

スポーツ用品メーカーの新商品群や、

チェーンソーメーカーのブランドとプロダクトデザインなど、

講師の鈴木氏が手掛けたプロジェクトの詳細な体験談を交えて、

「デザイン」や「ものづくり」について深く考察する機会となりました。

 

ブランディングの切り口として今回ご紹介いただいたのは、

 

1)ペルソナから導くデザイン

2)会社歴史から導くデザイン

 

の2つ。

 

業界の皆があこがれるモデル的存在の「ペルソナ」となる人物から

徹底的にこだわりを抽出してつくりあげるものと、

 

歴史ある企業の社風や理念を形にするもの、

 

どちらも、林業・木材業界にとってヒントとなる手法です。

 

 

とくに、ものづくりとしての製材業から見れば、

「この棟梁に使ってもらえる木材」など、

使い手をモデルとしたプレミアムな製品開発の可能性を感じました。

 

 

懇親会でも、講師や受講メンバーとの交流・ディスカションを通じて、

経営のヒントを数多く得られる一日となりました。


 

 

この研究会は、毎回多彩なゲストをお迎えしながら、会員制で開催して参ります。

単回受講も可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

次回は12月。ご期待ください!

 

↓経営実践研究会[国産材ビジネススクール]についての詳細はこちら

https://chiikino.jp/blog/?page_id=187

 

 

Posted by wpmaster on 土曜日 10月 22, 2016 Under pick up, 経営実践研究会[国産材ビジネススクール](大阪), 講演&研修 報告

 

大阪にて会員制の実践型マーケティングレッスン。

各産地の熱い林業・木材業者が集い、即ビジネスに応用できる、実践型のノウハウ・情報を共有。

熱気あふれる刺激と成長の時間をあなたに!
★年間会員募集中!スケジュール・詳細はこちら★
https://chiikino.jp/blog/?page_id=187
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経営実践研究会[国産材ビジネススクール]
10月22日(土)14-18時 @新大阪
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■日時:10月22日(土)14-18時

 

■場所:サムティフェイム新大阪4階
大阪市淀川区西中島6丁目5番3号(西中島南方駅徒歩4分)
http://fame.hey.ne.jp/access/index.html

 

■内容(予定)

1)各社報告

 

2)ゲスト講座 「私のしごと:都市計画、建築設計、プロダクトデザインまで(仮)」

講師:(株)GKデザイン総研広島 プロダクトデザイン室 室長 鈴木 スバル様

都市計画からプロダクトデザインまで幅広く手掛ける、株式会社GKデザイン総研広島
当社の若きデザイナー・鈴木 スバル様より、「建築、空間づくり」「プロダクトデザイン」についてレクチャーいただきます。

なお、会社事例として、本拠地とする地域での都市計画や、木材利用の取り組みについてもご紹介いただきます。

 

3)Clubプレミアム国産材 企画会議

 

4)今月のマーケティング講座

 

★終了後、懇親会を開催します。

 

■受講料(会員外)
単回受講:お一人様2万円+税

 

■お申込方法:
1)お名前
2)ご所属・役職
3)メールアドレス
4)電話番号(当日連絡先)
5)懇親会のご出欠

 

を明記の上、お問い合わせフォームからお申込みください。折り返しご連絡させていただきます。

 

申込み期限:2016年10月19日(水)

 

*1地域(商圏)1社に限定しておりますので、事前のご連絡が必要です。
商圏によってはお断りをする場合がございますのでご了承ください。

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Posted by wpmaster on 水曜日 9月 28, 2016 Under — セミナー、研修、講演のお知らせ, pick up, 経営実践研究会[国産材ビジネススクール](大阪)

 

~今月のMENU~

【1】各社報告・新規参加者のご紹介

【2】今月のマーケティング講座:「商流の作り方」

【3】ゲスト講演 :「観光・まちづくりを見据えた古民家リノベーション」

【4】まとめ講座 :Clubプレミアム国産材とオウンドメディア

 


 

 

■各社報告・新規参加者のご紹介

まずは、毎月恒例・各社の近況報告から始まりました。

今回は、はるばる九州地方から新規の参加者様にお越しいただき、

その地方ならではの木材乾燥方法等について、解説いただきました。

 

また、冒頭には話題提供ということで、

弊社古川より、戦後の拡大造林期における、植林の様子を記録したビデオを上映しました。

経営実践研究会のメンバーには、先代からの家業を継承された経営者も多くおられます。

 

「戦後の拡大造林について、先代、先々代達から話には聞いたことがあるが、実際の映像で見ると、“そんな時代があったのか”と、より臨場感を持てた。

日頃、自分たちが製材している木も、種から一本ずつ育てられたということ。

ビデオの中には、その地域の育林に貢献した偉人の名前が出てきたが、

自分の地域にも同じく、小学校に本が並べられるくらい、語り継がれる人物がいる。そのことを思い出しました。」

との感想がありました。

 

 

“造林にまつわる自分の地域の偉人を思い出しました”という一言のように、
地域ならではの歴史、人、文化のストーリーまでもが付加価値となり、この地域の商品を使いたいという消費者に響きます。

 

今回の映像を一つのきっかけに、自社が扱う地域材、さらに、自社ならではの会社の歴史を再発掘することで、
商品に対する物語性の付加価値を見出す、きっかけにしていただければ幸いです。

 

 

■今月のマーケティング講座:「商流の作り方」

続いては、今月のマーケティング講座のコーナーへ。
先月6月度の研究会で、まとめ講座として扱った「商流の作り方」。
(先月の様子は、こちらのブログの最後をご覧ください。https://chiikino.jp/blog/?p=5819 )

 

多様化する、製材メーカーから工務店への商流を整理し、

改めて、価格決定・販売方法・商圏の切り口から、今後の顧客創造のポイントを探ること。

 

そのために、研究会参加メンバーの各社から、
過去と現在、そして未来に目指す商流、すなわち、

「商品」と「販路」の内訳の変化について、円グラフに書き出して、提出いただきました。

 

その各社の商流の変化を辿りながら、ディスカッションしました。

 

川上~川中~川下まで、幅広いメンバーが集まる当研究会ではありますが、
ある製材メーカーの経営者様のお言葉を借りますと、

「価格決定権を持たない製材所に、
ただただ丸太を送り込むだけでは、林業は決して再興できない。」

 

時流の変化に応じて、いかに顧客創造を行っていくか、選ばれる工務店とは何か、住宅10ニーズの具体事例を交えつつ、

改めて顧客創造の必要性についてレクチャーさせていただきました。

 

 

 

■ゲスト講演 :「観光・まちづくりを見据えた古民家リノベーション」

当研究会では、毎月に異業種からの講師をお招きし、ゲスト講座を行うこととなり、
今回のゲストは、㈱庵プロデュース代表取締役の梶浦秀樹様にお越しいただきました。

 

㈱庵プロデュース代表取締役 梶浦 秀樹 氏

 

神奈川県生まれ、東京育ちの梶浦様ですが、
「美しい日本の暮らしを伝えたい」理念のもと、

日本各地で古民家リノベーションを等通じた観光まちづくり事業に取り組んでおられます。

 

特に多くのファンを集めているのは、京都で京町家をリノベーションし、1棟貸しの宿泊サービスを行う、「京町家ステイ」の取組みです。

各地での活動は「暮らすように旅する日本」のコンセプトの元、
歴史、伝統、文化、知性、感性、体験、自然、癒し、等々・・・

 

観光客が、その地域ならではの「本物」に出会える旅を実現するために、
地域に通い、地域の方々と、地域外の専門家を繋ぎつつ育てる、伴走型支援を実施されています。

 

梶浦氏より、数々のキーワードをいただいたゲスト講座ですが、

本ブログでは、その中から、ポイントを2つに絞ってご紹介します。

 

①“日本ならではの文化”は、地方にこそ残っている
まず初めに、「なぜ地方の観光まちづくりの問題解決が必要なのか」。
国内の人口減少が進み、日本経済全体が縮小している現代において、地方の経済規模を維持するためには、
インバウンド需要や観光収入を伸ばすことも効果的です。

 

しかし、大都市圏の観光は、海外からも一定の注目度を集めているものの、

古き良き景観が守られていない、日本らしい観光体験がない、といった課題を抱えています。

 

一方で、日本の地方に行くと、

日本ならではの文化とは、京都にしか残っていないという訳ではなく、

古い町並み、お茶やお囃子、祭り等の文化が、昔ながらの形で残っています。

しかしながら、そんな地方へ観光に行くと、

・お茶を飲む場所もない
・地域ならではの食が味わえない
・人がいない
・観光に係る情報がない

 

このような、観光まちづくりが進んでいない地方ならではの問題の数々に出会うことでしょう。

 

本物志向の観光客による、日本全体のインバウンド需要を開拓するためにも、

地方の観光まちづくり問題の解決こそ、いまや日本全体の課題であると、問題提起されました。

 

実際に京都町家ステイを訪れる顧客のうち、約6割が海外からの観光客であり、
長期休暇を利用して、連泊される方が多いそうです。

 

②”来てほしい顧客”に向けた発信を

地方での観光まちづくりにおいてへ、

 

「空き家があるから、とりあえず改修しよう」「誰でも良いから、とにかく来てもらおう」

 

といった形でスタートする事例も少なくありませんが、

「とりあえず」では、決して成功に繋がらず、そこにはマーケティング視点が重要とのことです。

 

リノベーションの企画段階から、「どんな顧客に来てほしいか」ターゲットを絞り、
顧客目線での改修や、情報発信、サービスの提供と

内容を充実させていくことが必須であり、

 

特に地方の観光まちづくりでは、まず「心が豊かで、懐の豊かな顧客層」をターゲットにすべきと話されました。

 

ハイクラスな顧客層を呼び込むことで、地域にお金が落ち、

またその周辺に、さらにカフェやゲストハウスなど手頃な観光スポット、ビジネスが生まれることで

観光産業ができていきます。

 

~~~

地方における観光事業を行うにあたっては、

元々、少ない住民と交流人口によって守られてきた地方の街並みや文化が、
進め方によっては、ほとんどお金も落ちないままに、ただ荒らされてしまう可能性もあり得ます。

 

だからこそ、

・上質なモノを評価する感性
・対価を支払える財力
・同じような富裕層のネットワーク

 

を持った、「心が豊かで、懐の豊かな顧客層」に来てもらい、
地方の文化を守りつつ、質の高い観光まちづくりを進める必要があるとお話しいただきました。

 

さて、今回のゲスト講演をいただいた、梶浦氏が手掛ける、
庵プロデュースの取組み事例は、以下のWEBサイトをご覧ください。
http://www.iori-produce.com

 

■まとめ講座 Clubプレミアム国産材のオウンドメディア
「あの庵プロデュースの宿だから、泊まってみよう」
「京都の宿が良かったから、今度は長崎に泊まりに行ってみよう!」

と言われる、庵プロデュース様の会社信頼という視点も学びとなりました。

 

これは、林業木材業においても大いに共通するテーマであり、
「あの、こだわりの製材メーカーがオススメする工務店だから、見てみよう」
「うわさの林業会社も認める森林ツアーだから、今度行ってみよう!」

 

という顧客導線も可能性があります。

日頃は、素材づくり、モノづくりの裏方である林業木材業界であっても、
自ら情報発信を行うことで、会社信頼を高め、自社の顧客に対する後方支援が可能となります。

 

つきましては、今後のClubプレミアム国産材では、
林業や木材に特化したテーマのオウンドメディアを、

Clubプレミアム国産材メンバーが共同で進める独自媒体として企画しています。

 

すでにメンバーとして参加いただいている皆さまは、もちろんのこと、

全国の産地と共に、Clubプレミアム国産材として情報発信に取り組みたい新規メンバーも募集しています。

 

ご興味のある方、ご参加されたい方は、お気軽にお問い合わせください。

 

Posted by wpmaster on 金曜日 7月 29, 2016 Under pick up, すべての記事, 未分類, 経営実践研究会[国産材ビジネススクール](大阪)