明日からは世間はお盆休みの帰省ラッシュ。故郷で同窓会、夏祭りや地区の飲み会、親戚一同で宴会と、お酒の席を控えておられる方も多いのではないでしょうか。コミュニティごとに違う雰囲気があるかと思いますが、あなたは、どんな時間・仲間・空間を大切にしていますか? 飲み会(コンパ)についての考察は、京セラ創業者である稲盛和夫氏の著書「稲盛流コンパ―最強組織をつくる究極の飲み会―」等も著名ですが、再会の機会が多いお盆休みを前に、今回は古川が考える「飲み会で、こんなトークには要注意!」についてお話したいと思います。

 

 

1.「過去の話ばかり」の飲み会には、要注意!

 

誰しも、3つの話をします。それは、「過去」か「現在」か「未来」と3つの軸からの話です。その飲み会では、過去の話ばかりですか?現在の話をしていますか?未来の話もしていますか?この3つの時間軸で分けるとどの話が多かったですか? 未来の話の割合が多ければ多いほど、常にチャレンジャーである証であり、これからも前向きな未来が待っていることでしょう。例えば、昔の仲間と出会っても、ちゃんと未来に向かった話をしているか。「あの頃はよかったねぇ」「俺、昔こんなことやったぜ」昔話に花を咲かせるのも楽しいけれど、そこに“もう一度あの頃を!”と一言加われば、未来への話題が広がります。しかし、昔の武勇伝しか話さない人は、過去と心中していただいて、さようならと思うところです。

 

前職の船井総研で「過去オール善」という思想を教わりました。不運と感じる出来事でも、過去の事象を「悪」とせず、必ずそれには自分にとって必ず意味がある。すなわち「必要必然であった」と考えること。その意味をプラス発想で考え抜き、未来を構築するための学びを得ることで、機動力や原動力を高めること。この考え方を知ってから、肩の力が抜けて、楽に生きられるようになりました。「学び」は過去からしか得られないし、自分の「経験」からしか気づかない。その「学び」から、いかに未来への飛翔に向けた話を出来るか。とある小説に、こんな一文がありました。「想い出は、過去よりも、未来に多く待っている。」ちょっと居酒屋で意識してみませんか。未来の話をしていますか?

 

 

 

2.「他人の悪口の話ばかり」の飲み会には、要注意!

 

 

 

話をする時、聞く時、話題は「自分の良いとこ、悪いとこ」「相手の良いとこ、悪いとこ」、2×2で、4つの事象に分類できます。「人の悪口をあなたに言う人は、あなたの悪口も人に言う」という言葉もありますが、「自分の良いとこ(自慢話)」と「相手(他人)の悪口」しか出てこない飲み会の居心地の悪さは、容易に想像いただけるかと思います。しかし、短所を批判する悪口であっても、同じ内容を本人の前で話せばアドバイスになります(もちろん伝え方の配慮が伴ってこそ)。人付き合いも経営も、長所伸展型で課題に対応し、高めていきたいですね。

 

 

 

3.「マジメな話ばかり」の飲み会には、要注意!

 

 

最後は、「マジメかバカか」という切り口です。笑いって大事ですよね。ボケとツッコミと言いますか、冗談とホンキと言いますか、この人、どっちのキャラだろう?という“ギャップ”と言いますか。笑ってくれるけど、冗談しか言わない、バカしか言わない人。笑わなくって、真面目なことしか言わない人だけで集まると疲れてしまいます。マジメとバカになる比率は、もちろんコミュニティや場面によりますが、バカな話で本題からズレて遊んでいる時、“急に新たなヒラメキが降りてきた!”なんて経験はありませんか?ビジネスも、人生設計も、少しマジメからズレたところで、妄想や構想がでてくることがあります。これこそ、人と人とが飲み交わす場の醍醐味ではないでしょうか。

 

Think globally Drink Locallyで行こう!

 

 

まとめますと、

【 時間軸 】過去、現在、未来

【短所長所軸】自分と他人×良い点と悪い点

【 笑い軸 】マジメ×バカ

 

次の飲み会の話題は、どのバランスを目指しますか?地域を面白くしよう、地域を変えようと動いている人は、老若男女問わず、このバランスが取れている人と感じる場面が多いものです。ちなみに、非常に盛り上がった飲み会なのに、翌朝になると「あれ、何の話してたっけ…」と忘れていると勿体ないですね。そのため私は、割箸の袋にちょっとメモを取って、寝る前と翌朝に振り返ることにしています。日々、呑んで忘れては勿体ない未来の話を沢山教わっているからこその習慣です。

 

この夏も、「Think globally Drink Locally」で、再会や新たな出会いに感謝しながら楽しくいきましょう!

 

 

(地域再生・森林再生コンサルタント古川大輔日記  2016.12.09より編集)

 

 


代表取締役 | 代表コンサルタント 古川 大輔  Daisuke Furukawa

twitter: @daisukefurukawa

blog: 地域再生・森林再生コンサルタント日記

新潟県生れ、東京都町田市育ち。大学院時代、全国の農山村地域を巡り、研究の道を捨て博士課程中退。㈱船井総合研究所主任、㈱アミタ持続可能経済研究所客員主任研究員、㈱トビムシを経て独立し、㈱古川ちいきの総合研究所を設立。船井総研時代に「地域ブランド創造チーム」設立。以後、地域ブランド創造を切り口に、地域再生、森林再生に携わる。㈱トビムシでは、ニシアワー(森の学校)設立前支援、高野山・高野霊木プロデュース、経営実践研究会の実施等を行い、全国の林業木材業・地域づくりに関わる支援実績、講演多数。奈良県川上村観光PRかみせ大使、高野山金剛峯寺境内案内人。

 

 


 

 

Posted by wpmaster on 木曜日 8月 10, 2017 Under ちいきのコラム

 

 

日本の森林組合ってのはどうあるべきなの?

 

全国で約644団体あるという、森林組合(2014年3月末現在)。この日は、とある森林組合にて、ヒアリングとプレコンサルティングを行いました。参事、専務、総務課長の3人と、私を合わせて計4名。当時開催した、地域材ブランド化セミナーへ当組合の参事が参加して下さったため、フォローとプレコンサルのため訪問させていただき、現場の話や今後の夢、あるべき姿についてお話をうかがいました。組合の課題、補助金の問題等、色々と語る参事を前に、専務のYさんがおっしゃいました。

 

 

「古川さん、日本の森林組合ってのはどうあるべきなの?」

 

講演やセミナーの際にも、度々このような質問を受けるのですが、この後は“日本の森林組合がどうあるべきか”というのは、補助金事業に頼るべきか、それとも民間企業のように儲けていくべきかといった議論となるでしょう。しかし私は変化球で、こう答えました。「そこに答えは出せません。それが答えです。」

 

 

 

 

ラーメン業界と林業界

 

「だってね、日本のラーメン業界はどうあるべきか?と質問する人は、いませんよね?スープが違う、製麺方法が違う、接客が違う等々・・・ラーメン屋の店主がそれぞれに“当店の自慢はこれだ!”とこだわりを出しているから、そこに共感するリピーター客が付いていく。それは林業界でも同じで、あなたがどうしたいんですか?と答えます。しかし補助金へ依存するほど、事業に振り回されて、仕事の中身が面白くないのも事実でしょう。先進的な活動をして、できる限り自助努力をするのが妥当です。先々の顧客となる原木流通、製材所、そして工務店や材木屋に振り回されているのも、山側の事実です。企業のCSRで植林は美しいと持て囃される一方で、昔から山林管理を続けてきた森林組合には光が当たらない。それでいいとは思えないんです私は。だってあなた様の組合には、山の知識も歴史においても、沢山の長所があるでしょう。それを活かしたいと想いませんか?但し、それでも手放して良いやと思うところは、それで良いと思います。広い林業界、そのような組合がいても良いでしょう。

 

 

 

やりたい理念と、とりたい利益

 

肝心なのは、“やりたい理念”と“とりたい利益”があること。商品力、販促力、営業力を高めて、施主と山を繋ぐこと。それによって、山から、知識と経験というワクワク感を届けていくこと。そういう組合があってもいいですし、それをお手伝いするのが私の仕事です。全国の森林組合がこうあるべきという統一的な答えは、無いのではないでしょうか。

 

仮想的(競合)、○○町森林組合とどう差別化するのか

仮想的(目標)、××町森林組合の何をどう真似るのか

 

夢を組織に取り入れていくことに、民間企業であるとか、組合であるとかは、関係ないと思いますよ。」この時私は、このように答えました。しかし思い返せば大学生の頃、研究では「日本の農業はこうあるべき!日本の森林組合はこうあるべき!」と主張する立ち位置であったものです。「個の発想(自立、自前、自主、自発)」これこそが「民意の発想」になるとするならば、私自身がこの発言をするまでに変化と時間を要していたわけです。改めて、以下を常にコンサルティングの信条としています。

 

 

 

理念なき利益は犯罪であり、利益なき理念は寝言である。

業界や業種、業態に関わらず、繰り返しこのメッセージをお伝えしたいと思います。

 

 

 

(地域再生・森林再生コンサルタント古川大輔日記 2005.11.28より編集)

 

 

 


代表取締役 | 代表コンサルタント 古川 大輔  Daisuke Furukawa

twitter: @daisukefurukawa

blog: 地域再生・森林再生コンサルタント日記

新潟県生れ、東京都町田市育ち。大学院時代、全国の農山村地域を巡り、研究の道を捨て博士課程中退。㈱船井総合研究所主任、㈱アミタ持続可能経済研究所客員主任研究員、㈱トビムシを経て独立し、㈱古川ちいきの総合研究所を設立。船井総研時代に「地域ブランド創造チーム」設立。以後、地域ブランド創造を切り口に、地域再生、森林再生に携わる。㈱トビムシでは、ニシアワー(森の学校)設立前支援、高野山・高野霊木プロデュース、経営実践研究会の実施等を行い、全国の林業木材業・地域づくりに関わる支援実績、講演多数。奈良県川上村観光PRかみせ大使、高野山金剛峯寺境内案内人。

 

 


 

 

 

 

 

Posted by wpmaster on 金曜日 8月 4, 2017 Under ちいきのコラム