2016年度も開講いたしました、「国産材ビジネスセミナー」in東京。

第1回は埼玉、岐阜、愛知、大阪などから、特にご新規の参加者を多くお迎えして開催しました。

現場で林業に従事されている方から、まったくの異業種からご関心を持つ方、学生さんまで幅広い参加者層が特徴です。

 

 

 

【第一講座】日本林業のtruth&real

 

第一講座は古川より、統計データ等から読み解く日本林業のtrurhと、

コンサルティング現場からの事例紹介も交えたreal、という2つの視点で、林業バリューチェーンの全体像をお伝えしました。

 

「農業、漁業、林業、それぞれの市場規模はどのくらい?」

といったクイズを交えながら、林業のマーケットサイズやその特殊性について解説しました。

 

また統計的なデータからは感じにくい、普段の暮らしとの接点については、

国内の素材生産量を国民一人当たりにすると、

「柱1本、フローリング17枚」が取れる丸太一本分。

といったように”手に取れる日本林業”として考えました。

 

 

林業・木材業のビジネスにおいては、

育林から伐採、さらに原木仕分けから製材加工、住宅まで、

どのような商流をつくり、価値を連鎖させて最大化していくか、という視点が重要です。

 

その中で特に、原木の分類がいわゆるA材~D材、「製材用材、合板用材、チップ用材、燃料材」等とある中で、

マーケットシェアはいまだに製材用材(A材)が7割を占めることを考えれば、

流行のキーワードや施策に振り回されず、製材品としての森と木材の価値を高めていくことこそ必要であると、お伝えしました。

 

 

 

【ゲスト講座】林材ライター 赤堀 楠雄 氏 「これからの日本林業~ポイントは製材~」

 

第1回のゲストとして、林材ライターとして林業・木材業界に精通する赤堀氏にご講演をいただきました。

林業政策が低コスト化や大規模化に向かう中、

 

「引き算(コストカット)ばかりの量産林業では林業者の意欲は上がらない」

「付加価値を高めるための、植林から造材、製材に至る「選択(ソート)」こそ林業の醍醐味」

 

との気づきを与えていただきました。

全体を通して、「引き算だけでなく足し算へ」というキーワードを一貫してお伝えいただきました。

 

 

木材への需要の形が変化しても、

やはり節や狂いのない、品質の高い素材があることで、

その後の加工の効率や精度が上がること。

 

”高い素材品質が選択肢を広げる”ということも、具体的な実例を交えてご紹介いただきました。

また、その「品質」を客観的に評価する、全国共通基準の整備も急がれます。

 

 

最後にまとめ講座として、ふたたび古川より、

木材の価値を高めるための、製品そのものの「規格」と、顧客を創造する「企画」、

 

「規格」×「企画」

 

により、目標林型を実現することを目指すことこそ

林業の面白さである、という話で締めさせていただきました。

 

セミナー後の懇親会にも多くの方にご参加いただき、ネットワークを広げていただく機会ともなりました。

講師の赤堀様、ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。

 

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【お客様の声】

・国産材ビジネスセミナーでは、いつも業界の最前線の情報が得られます。 受講者どうしのネットワークが広がるのも魅力です。(A様)

 

・初心者にも分かりやすい内容で助かりました。林業、木材産業の今後の在り方について分かりやすくご示唆頂けたと思います。(研究機関B様)

 

・「林業はどうあるべきか、ではなく、どんな林業をしたいのか」というキーワードが印象的だった。加工の現場の話を普段聞くことが少ないので大変刺激的でした。事業ドメインを超えて、木を木らしく使ってもらうということの価値を伝えながら、仕事したいと思いました。(エネルギー関係C様)

 

・赤堀氏のお話が非常に体系化されており勉強になりました。「角から板」の流れは必ず通る道だと感じました。「素材力+加工力」で新たな需要を作って行きたいと思います。(木材流通業D様)

 

・国産材の統計数値の見方など、再確認できる内容だった。林業も品質本位の時代。(木材流通業E様)

 

・「林業はいつでも『育てる』時代」は全くその通りだと思った。一次産業の中でも成果物をすぐに家に持ち帰れないからこそ、製材が大事というのもその通りだと思った。(林業F様)

 

・世界の中での日本の立ち位置、数字(原価や価格)の見方、そして最近の森林活用の多様化の話など林野庁などの資料からだけでは得られないものばかりでした。林業初心者として、全体像が見えて、参加して本当によかったです。メディアは「林業あるべき論」に走りがちですが、当たり前のように思えていた需要からの逆算の視点の不足を感じました。多角的に報道していけたらと強く思いました。(メディア関係G様)

 

・林業をやっている側が、質の高い丸太を生産する努力をすることが大事だと分かりました。(林業H様)

 

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次回以降も、素敵なゲストをお迎えして「国産材ビジネスセミナー」をお贈りしていきます。

 

★次回予告★

2016年9月3日(土)14:00~18:00

「地域と木材業の水平・垂直連携~林業を軸にした地域連携とまちづくり~」

 

【基礎講座】
・そもそも「連携」って何?
・水平連携のポイント、垂直連携のポイント
・森林ビジョン、地域ビジョンの作り方
・交流⇒移住⇒定住方程式
・コーディネーター、行政マンの必要条件

 

【ゲスト講座】
㈱自然産業研究所 上級研究員
田村 典江 氏 【ゲスト講演】
「ここがヘンだよ!?林野行政」

 

みなさまのご参加をお待ちしております!

 

Posted by wpmaster on 土曜日 7月 30, 2016 Under pick up, すべての記事, セミナー報告, 国産材ビジネスセミナー(東京)

 

青々とした杉林の手前、薄桃色の花に目を惹かれました。

濃緑の山を彩るネムノキです。

 

 

夜になると子葉が閉じて垂れ下がり、眠っているように見えることから、

この名が付けられたと言われています。

英名では、silk tree(絹の木)と、可憐な名前が付いています。

 

 

そんなネムノキですが、夜にもまた出会いました。

今度は、お寿司屋さんのテーブル敷きにて、素敵な一句と共に。

 

開花の見頃も、そろそろ終盤です。

初夏限定のお花見にいってみては、いかがでしょうか?

Posted by wpmaster on 土曜日 7月 30, 2016 Under pick up, すべての記事, ちいきのgraffiti~写真集~
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