ご縁あって、私・岩井有加が三重大学生物資源学部の1年生向けに講義をさせていただきました。
「生物資源学総論」として、農林漁業全般についての講義の中で、
ゲスト回としてお招きいただきました。
林学出身の自分自身が、
「自分が学部生のときにこんな講義が聞けたらよかったのに」と思う内容をお届けしました。
タイトルは「森ではたらく!~林業の魅力とキャリアプラン~」。
私の経験上ですが、
大学の林学で教科書通りの勉強をしていると、
「林業はスギヒノキ⇒間伐せねば」という単純な方程式に凝り固まりがちで、
また右肩下がりのグラフばかり見ていると、「林業は暗い」という
”林業自虐史観”のようなものが、気が付いたら刷り込まれていることがあります。
また、林業と言われても、具体的にどのような人がどんな仕事をしているのか、
大学の授業では出会う場面が少なく、
なんとなく「木を伐ること(キコリ)が林業?」「大学を出たら就職先は公務員?」
くらいのイメージしかないものです。
そこで、
●スギヒノキだけではない、日本の林業の多様性
●そこに生きる「はたらき方」の多様性
を伝えるべく、お話しいたしました。
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テーマの一つ「学生時代に行っておくべき林業地10選!」では、
(といいながら15個くらい紹介したと思いますが)
私が実際に訪れた、各地の
著名な、また知られざる日本の林業産地をご紹介しました。
・日本三大美林&日本三大人工美林のどこか
・スギヒノキの中でも北山林業など特殊な施業
・カラマツ、アカマツ、アテなど多様な針葉樹林業
・広葉樹林業
・海外林業(どこか1つ)
を、学生時代のフラットな目で見て視野を広げておくことが大切と思います。
それに加えて、
・自分の身近にある山、ご縁のある山
と出会うこと。
これは、近所の山、家族が所有する山、サークルや研究で出会う山
どんなきっかけでも構いませんが、自分が林業を見るときの、軸足となる山です。
思えば私も学生時代には、
かなり色々な方々にお世話になり、各地の山に御邪魔しては勉強させていただきました。
しかし、仕事に就いてからも、まだまだ新しく出会うことばかりで、林業の世界は本当に広く、底知れず奥深いのです。
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また、キャリアプランを描くべき参考図書として、
「森ではたらく!27人の27の仕事」をご紹介しました。
ここには、森の多様な資源をいかし、それぞれのライフスタイルを体現している27人が登場します。
木を伐る人や公務員だけでない、可能性を感じてもらえればと思います。
みなさんの「10選」はどこですか?
みなさんの「はたらく」は何ですか?
考えて頂くきっかけになれば幸いです。
お世話になりました三重大学の皆様、この度は誠にありがとうございました。
岩井有加