2015年9月14日、兵庫県県民会館にて行われた「災害に強い森づくり推進大会」にて、
代表・古川が基調講演を務めさせていただきました。

兵庫県では平成18年度より、県民緑税(森林税)制度を導入し、災害に強い森づくりを目指した森林整備事業等に取り組まれていますが、
今回の大会では、兵庫県及び県内の森林組合から、活動実績報告と科学的データに基づいた検証結果が発表されました。

また、災害に強い森づくりの事業の活動を通じて、森林そのものが整備されただけでなく、
「どこに危険木(倒木のおそれ)があるか共有された」「道具の使い方、技術継承の機会になった」等と、
” 森と人の関わり”が取り戻されることで、目には見えない副次的効果が得られたとの報告もありました。

各活動事例の発表を受けて、弊社古川からは、生態系の多様性の為にはある程度の自然災害を是とする中程度攪乱説や、農業土木の大切さとして信玄堤を例にしつつ、「災害と共に森で生きる(暮らす)知恵ある人づくり」という視点が肝要として、著書「森ではたらく!」や「弊社の支援事例」を紹介しながらお話させていただきました。

 

 

行政職の皆さまが多く参加されていた今回は、「人づくり」を基軸にして地域の森林・林業ビジョンの策定においても加えていただきたい、経営マーケティングの要素を解説いたしました。

 

理念の達成のために掲げるビジョンであっても、マーケットボリューム(市場規模)、シェア、売上目標といった、経営的視点、さらに企業で言うと、粗利率、労働分配率、雇用数、目標年収、といった数字的目標を定め、利益を生み出して理念を達成するプロセスが必須です。 「理念なき利益は犯罪であり、利益なき理念は寝言である」ということです。

 

 

「これからの林業は、自伐、バイオマス、CLTである」といった見解がありますが、一方で「立地・規模・暖簾・商品・集客・アフター」等の要素を分析し、経営へ落とし込むことで、「多様性ある林業」が確立されることではないでしょうか。個々の企業が顧客を定義し、「顧客に求められる林業」を確立させることが、肝要でありましょう。

例えば、育林だけ、伐採だけ、セールスだけでない、
全プレーヤーがチームで戦う「トータル林業、フリースタイル林業」を目指されたいところです。

最後、講演にてお伝えした、林業の四則演算をご紹介します。

【林業四則演算】
Ⅰ.林業+α
林業(素材業)単体だけではなく、
顧客が喜ぶ、付加価値(潜在的ニーズ)をどう加えていくか。

Ⅱ.林業×β
林業という業種にこだわらず、
小売業、サービス業的な展開をし、
水平連携、垂直連携を掛け算できるかどうか。

Ⅲ.林業÷γ
経営力ということで分解できるかどうか。
商品(施業)力、集客力、営業力、組織力
そのなかで競合他社と比較し何を強化すべきか。

Ⅳ.林業-δ
どうしても取り除かなければならない
昔の商慣習や古い精神風土!

 

 

 

林業の四則演算をクリアして、利益を生み出し、理念に向けて利益を投資し、次の10年を戦う素地づくりへ。
弊社では、これを目指される企業の支援をさせていただいています。

アンケートでは、「林業を見る視点が変わりました」とのご感想をいただきました。地域の林業をリデザインし、「災害と共に森で生きる(暮らす)、知恵ある人づくり」へ。今回の講演が一助となれば幸いです。

最後になりましたが、大会運営に携わられたスタッフの皆さま、
各地から足をお運びいただいた出席者の皆さまに厚く御礼申し上げます。

 

Posted by admin on 木曜日 9月 17, 2015 Under pick up, すべての記事, 講演&研修 報告

 

第4回 clubプレミアム国産材 産地共催交流セミナー 7/31(大阪) 、8/ 1(東京)開催予定!!
今回は、セミナーの魅力をギュッと10つに絞ってご紹介します。

また、下部に過去の参加者様の声を掲載しています。

セミナー参加をご検討中のあなたに
また、既に申込みいただいた皆様も、当日に期待を膨らませ、ご覧くださいませ。

 

 

 

¶「名古屋で参加しましたが、とても有益でした。ショートカットが今後の急務である建築業界、各業者は、より消費者に近いところで木と土の匂いがする住宅建築をしないなら明日はありません。生鮮食品では、遥か前から産直品を扱っており、ニーズは一層強くなっています。地方であればあるほど、産地に近いほど、特色が出せるのです!鯖を売るのか、 関鯖を売るのか!」

¶「是非、パートナー企業としてお付き合いしたい!」「まずは、出展者の木材を使ってみたい。」

¶「どのプレゼンテーションも、森林や木材だけでない産地の魅力情報が満載で、現地に訪問してみたくなった。」

¶「どの産地も熱い!!勢いがある!

¶「とてもわかりやすいプレゼンテーションだった。もっと詳細な情報(資料等)を頂いて、前向きにお付き合いを検討したい」

¶「今後も、情報誌やメールレター等、産地の定期的な情報が欲しい!ファンになりました。」

¶「各社のプレゼンがあまりに良すぎた。もっと聞きたい、もっともっと多くの産地がいても、一日あっても飽きないと思う!」

¶「単なる『名刺交換会』みたいなのはよくあるし、産地案内など『理念』だけをプレゼンすることはあるが、今回のように、一歩踏み出して、実際に製品の『品質』を担保したり、『価格』をある程度オープンにしていったり、顧客(木材利用者)のためにもなり、産地のためにもなり、実際に、リアルにビジネスに繋がるという『場』であり、濃い『内容』があった。こんな会は初めてだ!」

¶「材木屋”に対するイメージが変わってしまった」

¶「10分という時間が短く感じた。もっと話を聞きたかった」「お土産も素敵です」「セミナー後の懇親会で、より交流が深まった

 

■受講料 : 1会場・1名 2,000円(税込)

※参加者は1社あたり3名様までとさせていただきます。

■懇親会費:1名3,000円(税込)

 

■申込み締切: 7/28(火) 各回定員:先着48名様!!

参加をご希望の方は、以下のフォームよりお申し込みください。

    会社名 (必須)

    役職・お名前① (必須)

    役職・お名前②

    役職・お名前③

    メールアドレス (必須)

    電話番号

    FAX

    ご住所

    業種

    工務店設計リフォームインテリア木材流通商社一般その他

    参加希望会場(必須)

    大阪(7/31)東京(8/1)

    懇親会の参加(必須)

    ※定員に達し次第締め切ります。

    ★facebookイベントページも要チェック!
    https://www.facebook.com/events/839609082797371/

    ★clubプレミアム国産材
    http://club-premium-wood.jp/

     

     

     

    Posted by admin on 水曜日 7月 22, 2015 Under — セミナー、研修、講演のお知らせ, pick up, すべての記事, 講演&研修 報告

    昨年から名古屋で開催している、”林業特化型”の経営実践研究会。

    「今年もぜひやりたい!」との声で、2015年度も開講となりました。

     

    弊社では、林業のみならず異業種も参加する「国産材ビジネスセミナー」(東京)

    製材、流通、工務店の経営者を中心に行う「経営実践研究会(国産材ビジネススクール)」(大阪)

    を主宰しておりますが、
    名古屋では、林業経営に特化して開催しています。

     

    経営者の参加者が中心であった昨年度に比べ、
    「社員の学びの場に」と、現場リーダーの参加も増えました。

    まずは自己紹介&各社報告を行い、各地からの参加者どうし、
    最近の課題や進行中のプロジェクトを紹介。

    似た課題を抱えている企業同士は、お互いにアドバイス、または
    他社の取り組みを参考に「わが社もしよう!」とリアクションがあり、

    ”遠くの同業者”がつながれるのが、この研究会の価値であると、
    改めて感じることができました。

     

    今回のメインテーマは、『森林経営と人材育成』。
    ゲストとして、各地で森林経営に関するコンサルティングを手掛ける方を講師にお招きし、
    近年の林業経営を語る上でポイントとなる、「提案型集約化施業」と「森林経営計画」について学びました。

    テーマは

    1)そもそも提案型集約化施業とは何か?
    2)森林経営計画制度の実情
    3)そのための人材育成について

    です。

    +++++++++++

    最近よく耳にする、

    「提案型集約化施業」「提案型施業」「集約化施業」「集約化」「団地化」「団地間伐」「森林経営計画」など・・・

    よく似た言葉が溢れていますが、
    その定義について、正確に説明できる方は少ないのではないでしょうか。

    何となく使っている言葉ですが、定義を知り、本質と目的を明らかにすることが重要です。

    +++++++++++

    そして、「森林経営計画」のリアルについて一挙解説!

    「経営計画を作るには、森林組合が有利なのか?」
    「実務において、みんなどこに戸惑っているのか、課題は何か。」
    「森林施業計画との違いは何か?」

    参加者からの率直な質問も飛び出し、

    「所有者へ提案時のポイント」や「制度の今後の展開」など、
    実務に直結するさまざまなポイントを学びました。

     

    現代の林業経営においては、制度に関する情報を掴み、
    うまく活用していくことは必要でありますが、

    最後はやはり、
    制度や補助金に振り回されない、ビジョンを持った経営をしていくという結論に達します。

     

    +++++++++++

    最後に古川から、

    『変わりゆく計画制度下で、林業に求められる「規格」と「企画」の視点とは?』

    というテーマでまとめました。

     

    戦後造林地も育ちつつあり、資源の状態が変化する中で、
    それをいかす製品「規格」と、さらに価値を付加する「企画」の重要性について

    林業者がどこまで関われるのか、ヒントを提示いたしました。

     

     

    参加者の皆様、ゲスト講師様、今回もありがとうございました。

    林業特化型・経営実践研究会in名古屋は、通年の開催を予定しています。
    本音で議論できる場づくりを大切にするため、広く募集はしておりませんが、

    ご興味のある林業事業体の経営者様は、お問合せいただければ幸いです。

     

    ≪次回開催のお知らせ≫
    日時:9月19日(土)13:00~17:00
    場所:名古屋駅周辺

    ご興味のある方は、メール(info@chiikino.jp)または
    お電話(06-7878-6376)にて、お問い合わせください。

    Posted by admin on 土曜日 7月 11, 2015 Under — 産地ブランド・選ばれる林業会社, すべての記事, セミナー報告, 講演&研修 報告

     

    産地共催交流セミナー(7/31-8/1)のに向けての企画も進む中、
    6月度の経営実践研究会 in 大阪を、開催いたしました。

    ■6月度のメニュー

    1)家具の町から考える、地域ブランドとは何か。~地域ブランドの面と点~

    2)製材オペレーション(安全対策ワークショップ)

    3)話題提供(マーケティング事例)

    4)産地共催交流セミナー企画会議

     

    この中から、今月のハイライトをご紹介いたします。

    ==============================

    【1】家具の町から考える、地域ブランドとは何か。~地域ブランドの面と点~

    古川が訪問した、家具の産地から事例紹介。

    みなさまは、「家具のまち」といえば、いくつ名前が言えますか?
    そして、知っているその産地の成功要因とは何でしょうか。

    家具に限らず、ブランドを確立させている地域は、

    A)統一拠点型 ・・・ 産地全体で協議会などがとりまとめて情報発信

    B)一強企業型 ・・・ 商品力あるトップ企業が牽引する

    の2パターンがあり、「面と点」それぞれに補い合い、
    ブランド確立していくという方程式を見出しました。

    あなたの産地は、どちらのタイプですか?

    ==============================

    【2】製材オペレーション ワークショップ~作業の分解と再構築~

     

    林業の安全や人材育成にいかせる手法として、
    研究会にて学んできた「ワークショップ」。

    林業の現場管理や人材育成のワークショップ経験に長けるゲスト講師をお招きし、

    今回は製材オペレーション(安全管理)をテーマに実践いたしました。

     

    このワークショップは、

    ①時系列に事象を整理

    ②その作業をする理由を確認

    ③起こりうるリスクを洗い出し

    ④その原因を探る

    ⑤対策を考える

    というフローで進めます。
    製材業の安全管理のため、まずはその工程を整理することから始めます。

    材料仕入れから加工、保管、配達など、どれだけの作業があるか、また、
    それぞれの工程に、どのような危険・リスクがひそんでいるでしょうか。

    まずは、製材工場で起こったトラブルや「ヒヤリハット」の事例を、
    参加者のみなさまに書き出していただきました。

    次に、トラブル事例を時系列にグルーピングしました。
    「こっちは、ダメって分かりつつ押し切って、トラブルに繋がった例ですね・・・」
    「AとBは、別作業での出来事だけど、関係している事があるのが分かります!」
    「あぁ、この場面、よくあります、分かります!」
    「いやいや、こっちはうち(自社)特有のハプニングですね。」  など、

    日々の出来事を分解し、グルーピングすることで、
    トラブル同士の因果関係や、
    作業工程ごとの注意項目が浮き彫りになっていきます。

     

    日々のトラブルをその都度反省することは、もちろん必要です。
    これに加えて、製材オペレーションの全体を改めて分解し、再構築することで、
    各社の実情にあった作業マニュアル、安全対策が生まれるということなのです。

    また、「マニュアル」を配布するだけではなく、
    現場職員が「自ら考える」プロセスを経験することにより、

    なぜその作業が必要なのか、どういった点にキケンがあるのか、
    受け身の講習よりも、安全意識が浸透していきます。

     

     

    ワークショップのまとめとして、
    オフセットの関係にあると思われがちな「安全性」と「収益性(スピードや効率)」について、

    「相殺せず、相乗効果を生み出す関係とは?」を考えました。

    作業の分解と再構築のワークショップは、次回以降の研究会でも引き続き実践します。
    研究会では製材オペレーションをテーマに開催しておりますが、
    この手法は、林業現場や建築現場でも大いに応用していただけますので、
    ぜひともご参考いただきたいと思います。

     

    ==============================

    【4】産地共催交流セミナー企画会議

    2013年のJapan Home & Building Show で大好評!

    Club プレミアム国産材(http://club-premium-wood.jp/)が、単独セミナーで帰ってきます!

    第4回目となる産地共催交流セミナー

     

    開催に向け、企画会議を行いました。
    良き出会いを生み出せる場づくり、
    そして、今後にも生かせる営業スキル向上へ向けて、

    プレゼンテーションのコツを、整理しました。

    ==============================
    ~~~~~次回のお知らせ~~~~~

    7月度は「産地共催交流セミナー」」開催!!

    【1】大阪会場
    7月31日(金)13:30 – 17:00
    @新大阪丸ビル別館(大阪市東淀川区東中島1-18-22 ) 新大阪駅前!

    【2】東京会場
    8月1日(土)13:30 – 17:00
    @AP品川アネックス(東京都港区高輪3丁目23-17) 品川駅前!

    「ただの国産材では終わらない!」
    工務店、建築士、リフォーム、インテリア業者様は、乞うご期待!

    ↓↓詳細はこちらから
    https://chiikino.jp/?p=4159 

     

    <今後の予定>

    8月以降は通常通り、研究会を開催いたします。

    8月度 ・・・ 8月21日(金)
    9月度 ・・・ 9月26日(土)
    10月度 ・・・ 10月23日(金)
    11月度 ・・・ 11月下旬【現地研修】
    12月度 ・・・ 12月18日(金)

     

    ★★ご参加お待ちしています!★★

    ご参加をご希望の方は、メール(info@chiikino.jp)またはお電話(06-7878-6376)にて、お申し込みください。
    お得な年間受講も受付しております。詳細はお問い合わせください。

     

     

    Posted by admin on 土曜日 6月 27, 2015 Under pick up, すべての記事, セミナー報告, 経営実践研究会[国産材ビジネススクール](大阪), 講演&研修 報告

    森林セラピー、森のようちえん、木育。

    森のちからを借りて、人が「生きる力」を取り戻すという試み、
    その根源は同じだと教えていただいたシンポジウムでした。

     

    昨年に引き続き、企画とコーディネーターを務めさせていただきました

    シンポジウム「ライフ・アンド・フォレスト」を、キャンパスプラザ京都にて開催いたしました。

    100名程の方にご来場いただき、3人のすてきなゲストの方々のご講演、
    そしてパネルディスカッションと続きました

     

    ●森林セラピスト
     小野なぎさ さん

    「森ではたらく!」にもご登場いただいた小野さんからは、

    森林セラピーの科学的効果に加え、その本質的な意義についてご紹介いただきました。

     

    都会人にとって、感覚を開放できる、非日常空間である森林という場を借りて、

    「森に何かをしてもらう」のではなく、
    みずからの感覚、五感をつかい、自分と向き合う試みです。

     

    ●京都・八瀬森のようちえん どろんこ園
    代表  石川麻衣子 さん

     

    京都市内で自主保育として活動されている「森のようちえん」で

    子どもたちが森の中で元気よく、たくましく成長していく様子を

     

    臨場感あふれる写真と、感動をさそう動画でご紹介いただきました。

    会場からは、「感動して涙が出た」というお声も聞かれました。

     

    ●一般社団法人 木づかいビジネス協議会
     代表理事 多田知子 さん

     

    木のおもちゃや木材に触れることを通して
    人の主体性や感覚をよびさまし、empowermentを試みる「木育」について、

    自らチェンソーを使っての森林整備や、ビジネスにも取り組まれる多田様の
    多彩なご活動を通した独自の視点で解説いただきました。

     

    パネルディスカッションでは、

    京都大学農学研究科森林科学専攻の高部教授から、

    木材の科学的性質をご解説いただいた後、

     

    私 岩井の進行で、

    主に3つのテーマについて議論しました。

     

    ①木材生産や環境だけでない、森や木のちからとはどんなものか

    ②そのちからを活かすのに必要な視点や実践の工夫

    ③森から知る、現代のくらしを豊かにするためのヒント

     

     

    ①では、懐が深い、五感を刺激する森という空間の特徴や

    やはりマイルドに五感を刺激し、扱いやすいという木材の性質を含めた

    「森のちから」を、改めて解きほぐしました。

     

    森はいいよ、木はいいよ、と言うとき、

    なぜいいのか?を、林業界もしっかりと理解しているとは言えない部分に、

    すっと腑に落ちる答えをいただいたように思います。

     

     

    ③の、豊かに生きるヒントというテーマでは、

    講演の中でも度々きかれた

    「生きる力」とは何かについて、議論をしました。

     

    「感じる」力、「自分で判断してやってみる」力、

    人間が生まれもっているその”生きる力”。

    森や木をつかって、少しだけ手助けをして、その力をはたらかせること。

    あとは徹底的に「見守る」姿勢が、3つの取組に共通する特徴でした。

     

    ”自分でできた”という経験が、「自己肯定感」につながっていくといいます。

     

    また、②の実践におけるポイントについては

    それぞれの方の

     

    ・原体験

    ・プロフェッショナリティ(知識、技術)

    ・日々の実働(地域との地道なコミュニケーション等)

     

    どれが欠けても、このすばらしい取り組みは実現できないものであると感じました。

     

     

    今回ご紹介いただいた「森林セラピー」「森のようちえん」「木育」は、

    森にまつわる取り組みとしては、新しく生まれた言葉ではありますが、
    林業や木材業、すべての「しごと」に通ずる、多くのヒントをいただきました。 

    また、どれもが、日々の暮らしの中で少しでもそのエッセンスを取り入れたい、
    「私もやってみたい」と感じる取り組みでした。

     

    進行をしながら。森の可能性をおおいに感じる、刺激的な時間でした。

     すてきな講師の皆様、ご来場の皆様、本当にすばらしい一日を、ありがとうございました!

     

    今後も、このシンポジウムシリーズでは、
    森とくらしの関係性を読み解き、可能性を発掘し続けたいと思います。 

     

    (コーディネーター 岩井)

     

    Posted by admin on 土曜日 1月 10, 2015 Under pick up, すべての記事, 講演&研修 報告

    平成27年1月9日(金)、
    本日は愛媛大学樽味キャンパス、森林資源学専門教育コースの学生を対象に弊社古川が
    新年最初の講師をさせて頂きました。

    愛媛大学樽味キャンパス正門
    愛媛大学では、林業の実践で役立つ人材を育てるべく、森林資源学専門教育コースを設置し、
    理論の学習だけでなく、実践を通して幅広く深く、
    森林についての学を深める場を提供しています。

     

    古川は定期的に愛媛大学にてゲスト講師を努めており、
    今回は、幼少の頃から森に馴染みがありこの学部に進んだ学生や沖縄など遠方より進学
    した学生など20名以上の大学・大学院生にご参加頂きました。

     

    講義は、日本三大美林は、人工美林といった日本の林業におけるポピュラーな話題提供からはじまり、
    地域再生についてマーケティングや経済指標・経営的な視点からお伝えする内容となりました。
    また、林業における経営力とは何か?を問う中で、国産材のブランド化に必要な7要素などを用いて、
    現状の林業の課題や脆弱性を提示しました。

     

    そして、複数の事例を交えながら、
    各地域でいかに商品・サービスに付加価値を加えながら経営をするかといった事を紹介し、
    最後には学生に向けて今後の林業や学生自身の将来についての
    考え方や行動指針となるようなことを伝えさせていただきました。

    テーマは「林業による地域再生」〜森ではたらく!暮らしと経営のプロデュース論〜として、
    1,データと現場でみる林業・木材業界の理想と現実
    – そもそも林業とは何か、そもそも林業の「担い手」とは何か
    2,林業における経営力とは何か
    – 地域資源(国産材)マーケティングの基本と実践
    〜理念と利益、マーケティングのエッセンス、国産材ビジネス ブランド化7つのポイント〜
    3,「森ではたらく!27人の27の仕事」(学芸出版社)から学ぶ若者のビジネスの5つのポイント
    について、多くの事例を交えながらお話しました。

    講演の最初は、日本三大美林は?日本三大人工美林とは?などのクイズを通して、
    ディスカッション形式で進行していきます。
    中でも、「好きな樹種とは?」の質問に対して、シロモジ、アオキといった
    森林資源学部コースの学生ならでは?のユニークな回答も。

     

    講義では、市場規模でみる林業、工務店やハウスメーカーの販売戦略としての
    大量消費型や付加価値型といった分類など、学生にとっては日頃馴染みのない内容
    ではあるものの、森林資源×マーケティングといった切り口は非常に新鮮であったようで、
    熱心に耳を傾けて頂きました。

     

     

    講義中の様子
    いつも質問させていただくのですが、「理念なき利益は犯罪であり、利益なき理念は犯罪である」と
    お伝えする中で、「理念と利益どちらを重視するか?」という質問に対しては、
    8割の学生が理念を重視すると回答しました。

     

    この質問に対する回答は聴講者や大学により比率が変わるのですが、
    そのまま理念を大切に抱きながら、マーケティングノウハウなども身につけ、
    理念と利益の両立をして頂きたいと思います。

    その他、弊社がこれまでに”プロデュース”してきた事例を紹介し、森林資源をどう育て、
    次の世代へつなげているのか。どのようにマーケティング要素を加味して、
    ビジネスとして成立させているのか。
    大学の座学を実践で活かすためのヒントとなるべく情報を紹介しました。

     

    最後には、今後の進路を考える学生に、
    森林に関わるさまざまな仕事や生き方があることを知っていただくためにも、
    古川著書「森ではたらく!27人の27の仕事」を用いて、
    普段の生活では知ることのできない、森林に関わるリアルな暮らしとビジネスを紹介。
    27人の生き方から見えてくる、マーケティングだけではない視点、
    生きていく上で大事にして頂きたい情熱方程式、自分を成長させる「旅・人と会う・読書」の必要性、
    SMARTの法則などをお伝えしました。

     

    森林に関する知識以上に、
    今後の学生生活、将来はたらく上で役に立つヒントではないでしょうか。

     

    参考図書として紹介された「森ではたらく!27人の27の仕事」と「林業男子」
    素晴らしい学生のみなさんと出会う機会を頂いた愛媛大学の皆様に改めて感謝致します。
    最後に、講義を受講された学生からのコメントを一部ご紹介させていただきます。
    ——–
学生からのコメント
——–

    ■Aさん
    ・地域から出て、初めてその地域のことがわかる。→地元のために何をすべきかが考えられる。
    ・お客が自分に何を求めているのか。自分にしかないものとは。
    地元、地域のために必要なことを知り、をれを実践していきたい。

    ■Bさん

    森林資源学コースにいながら、まだまだ森林について知らないことがたくさんあるこ
と
    を改めて実感しました。
マーケティングの知識や林業の経営の仕方など学ぶことが
    でき良かったです。
理念よりも利益か、利益よりも理念かとても難しいですが、
    さらに深く考えていくと自分の卒論の研究などでも活かせそうです。

    ■Cさん

    利益と理念、夢と現実についての話がとても興味深かったです。
    マーケティングや活性化についての話も興味深く、自分も将来力になれればと
思いました。

    ■Dさん

    今までは正直、講義を聞いても林家さんのお話を聞いても、これからの林業や林政に
    あまり期待を持つことが出来ませんでした。
しかし、今回お話を聞いて全国各地で
    いろいろな立場の方が努力されていて、
私も少しでも林業を盛り上げていけたらなと
    感じております。
また「森ではたらく!」読ませていただきました。
    私の地元、広島でも林業女子会できないかな、森林の面白さを他のコースの人にも
    伝えられないかな、と沢山やってみたい!と感じることがありました。

    ■Eさん

    今まで直接見学してきた工場や木材を取り扱う会社の動画を拝見してとても
    感慨深かったです。
将来林業関係の仕事に就くかは分かりませんが、面白い講義だと思いました。

    ■Fさん

    本講演では、木材の理念と利益のベクトルの話や、マーケティングについてなど、
    林業における経営力の話が非常に興味深い内容で今までの自分には無い
考え方を学べ、
    良い刺激になりました。
私はまだ将来の夢や明確な目標を模索している段階ではありますが、
    本講演のおかげで、視野も広まり、将来のヒントになりました。

    Posted by admin on 金曜日 1月 9, 2015 Under pick up, お知らせ, すべての記事, セミナー報告, 講演&研修 報告

    12月6日、秋より始まった全5回の京都府立林業大学校経営高度化コースの

    最終講義が無事に修了致しました。

    最終講義ということで、これまでに学んだ、林業経営、マーケティング、営業などの

    考え方を自分(自社)であればどのようになるか?

    といったことを実際に考えていただき、

    それを元にディスカッションをしながら受講生へのフィードバックを行いました。

    本日は、各自へのフィードバック・ディスカッションを行う前に、

    11月に開催された九州合同現地研修会の報告からスタートです。

    弊社では毎年、合同現地研修会という形で全国の林業地へ行く取り組みを行っており、

    約30名で九州の福岡県・筑後川流域、日田地方エリアの

    伝統ある林業・最新の取り組みを直接見てきました。

    日田地方の林業事業会社はどこも、独自の取り組みを行っており、

    小規模の製材所でありながら、川上から川下まで見ることで適正な在庫管理・価格統制を実現している企業。

    大規模でありながら、20数種類の選木を行っている原木市場や、また規模に関わらず

    新技術への取り組みや、川下での利用状況や販売までをウォッチしている製材所。

    商標登録されている乾燥方法、高温から低温、減圧乾燥まで人工乾燥やバーコードを

    取り入れた管理まで、天然×人工の手法をバランスよく取り入れている企業など

    各企業のユニークな取り組み・学びをフィードバックするとともに、現地の日田木材青年会の皆様と深夜まで語り合った様子までご報告。

    そして、本日のメインであるこれまで4回の振り返りとして、これまでに学んだ、

    ・  情熱方程式

    ・  3C分析

    ・  マーケティング戦略

    ・  自社事業の分析(主力事業、補助事業、刺激事業、開発事業)

    ・  営業方法

    などを自分(自社)の場合はどうなるか?

    を受講者毎に発表していただきながら、ディスカッションへ。

    実際に学んだことも、自社にあてはめて考えてみると、

    全部をすぐに書くのは難しかったりするものですが、

    皆様頑張って改めて自分・自社のこれまで、今後について考えて頂きました。

    そして、「明日からできること」として、これまでの学びを活かして、

    具体的にどういったアクションをしていくかを発表することで、

    知識を知識として終わらせないようにしています。

    ディスカッションの後では、弊社古川より、

    行政の役割とは?と題して、民間事業体が行政と

    プロジェクトを取り組む際には何に気をつけるべきなのか?

     

    例えば、林野庁の役割は、農林水産省設置法によって定められており、

    任務が明確に定められていること。また森林林業基本法にのっとって、予算内容が確定し、執行する。

    「行政は何もやらない」のではなく、民間と行政の各自の責任を明確にしながら事業を進めることの重要性など

    本来あるべくそれぞれの業務領域と事業推進上の関係性についてレクチャーしました。

     

    最後に、

    講義を活かすための態度、考え方として

     

    ・  成功者の3条件(素直・勉強好き・プラス発想)

    ・  船井総研流のビジネス成功要因(長所伸展、力相応一番、時流適応)

    ・  稲盛氏のビジネスの成功要因(熱意、考え方、能力)

     

    などを紹介し、知識以上に大事なことについて話していきます。

    また、事業体には「作る人」「売る人」「回す人(総務力のある人)」が必要であり、

    今の林業界には、回す人がいないとの指摘も。

     

    本講座でも若い方に参加頂いており、若手をはじめ、受講者達がここで得た知識を元に、

    地域でリーダーシップを発揮し、林業界に良い影響を与えていくことを期待したいと思います。

     

    授業後は、閉講の挨拶を経て、近くの会場で深夜までざっくばらんに受講生達とともに、

    素敵な時間を過ごさせていただきました。

    全5回の講義はあっという間に終わりましたが、

    私達も多くの気付きを得ることができた貴重な講義となりました。

     

    受講修了書授与式の様子。全5回ありがとうございました!

    以下に、受講生のアンケートを一部掲載させていただきます。

     

    ■森林組合 A様

    今後は施行の時間単位を1日ではなく、60分単位で計算し施行の振り返り・効率化を

    行なっていきたいと思う。今回の学びを「素直」に受け止め、プラスに考えて今後仕事に

    取り組んでいきたい。日々の業務と講義の内容がなかなか合致しなかったが、

    本日の講義でやっと合致し、視界が広けた。

     

    ■森林組合連合会 B様

    今回のセミナーで学んだ多くのことを自分で再度整理し、実践していきたいと思います。

    また、他のメンバーにも伝えていきたいと思っている。今後も色々と相談させて欲しい。

     

    ■森林組合 C様

    従業員を増やすと言っても、それにあたりどれだけの売上、利益が必要か厳密に計算が

    必要になることを痛感。今後の雇用について考える際の指針にもなった。今はまだ、現場の

    事を多く学ぶ必要があるが、経営にも関わっていきたいと考えており、その際には、

    今回の数字を見る力などをまた学んでいきたいと感じた。

     

    ■森林組合連合会 D様

    今回の学びを活かして、将来を見据えて目の前の仕事に取り組んでいきたい。マーケティングや

    営業など、「知識は強み」であると実感。さらに、PRの手法や発想方法などもっと掘り下げて

    知りたいと思っている。もっとこうした場に参加していきたい。

     

    Posted by admin on 土曜日 12月 6, 2014 Under pick up, すべての記事, セミナー報告, 講演&研修 報告

    第4回目となりました、林業大学校経営高度化コース。

     

    今回は、これまでの回で考えて来た事業戦略をもとに、

    「伝える」「集客する」「売る」を実践するための、

    マーケティング、情報発信についてのレクチャーです。

     

    今回も全部で13の濃いメニューとなっており、国産材に興味のない一般消費者に、

    どのように何を使ってアプローチするか等レクチャーを致しました。

    前半は弊社岩井が、女性の感性を活かした視点も含め、

    AIDMA理論から、実際のチラシ作成ワークショップまでを担当いたしました。

     

    ワークショップでは、参加者のみなさまに自社商品を売るための

    「チラシ」を書いていただきましたので、その様子をご紹介致します。

     

    作品を一部ご紹介します。

     

    土木用やその他に使用する丸棒を販売するためのチラシ。

    「えっ!木材なのに工業製品並みの規格」というキャッチフレーズを添え、

    多様な納材事例を紹介、

    強みを3つにまとめて伝えるという内容です。

     

    チラシ制作のポイントとして、

    ★目を引くキャッチフレーズ
    ★実績(事例)紹介
    ★わかりやすい「強み」

    が抑えられています。

    とくに「えっ!」を入れたことで、見た人の興味を惹きつけるフレーズとなっています。

     

    もしこれをよりブラッシュアップするとしたら、

    納材事例の中に、象徴的な事例を盛り込むこと。

    京都市内で「見たことある!有名!」と思われる事例を実績として見せることが、
    会社信頼を高めます。 

     

    また、チラシの右下にある「検索」を促す表現は、
    webへの誘導として、今は必須の項目となってきます。

     

    次の事例は、こちら。

     

    森林組合から組合員へ、間伐を促すチラシです。

     

    え、これだけ!?と思われるかもしれませんが、

    作者の意図は

    「高齢の所有者さんでもわかりやすく、読みやすいように、
    シンプルな言葉を大きい文字で書いた」

    とのことです。

     

    ★顧客は誰か? 

    というポイントを抑えた、意表を突かれた作品でした。

     

    あらゆる情報発信は、

    「誰に、何をしてほしいか?」

    の目的を達成するためのものです。

     

    顧客はどこにいるのか、何を求めているのかを分析し、

    適切なメッセージを伝えるために、適切な手段を取ること。

     

    シンプルなチラシにも、ヒントが多く隠されています。

    この研修をもとに、参加者のみなさんに「明日から」実践していただければ幸いです。

     

    そして、後半は、弊社代表の古川より、

    営業の基本ノウハウから、BtoB営業のポイントまでレクチャーいたしました。

    これまで営業活動をしたことがない方も多く、参加者にとって多くの気付きがあったようでした。

    また、営業でしてはいけないことや、営業手法の紹介などは、

    受講生もこれまでの営業経験を振り返りながら、「実際にそういったケースが多くあった」との発言も。

     

    「森ではたらく!27人の27の仕事」が、

    林業の六次産業化のヒントに、副読本になっています。

    次回は12/6(土)最終回です。

    最終回では、これまでに学んだ手法や考え方を自社(ご自身)の場合はどうなるか?

    といった点を考えてきて頂き、それを元に受講生へのフィードバックとまとめを行います。

     

    Posted by admin on 土曜日 11月 29, 2014 Under pick up, すべての記事, セミナー報告, 講演&研修 報告