経営実践研究会×国産材ビジネスセミナーで実施する合同現地研修会。

8回目となる今年は、プレミアム産地を巡る「産地巡礼」として、

より産地の風土を感じられるプログラムでお贈りしました。

 

===現地研修会過去の開催地域===

=== === ===

 

11/22-23の二日間、今回は「出雲・石見の旅~神話と地松の風景に出会う~」をテーマに、

島根県の松江市~大田市を巡りました。

 

■島根県の林業

島根県の素材生産量は、全国18位(H26年・361千㎥)で中位ですが、

「あかまつ・くろまつ」生産量は全国6位(H26年・37千㎥)を誇ります。

西日本は松枯れの被害が大きい中、数少ない貴重な「地松」産地の1つになっています。

 

 

参加者は総勢17名。

Clubプレミアム国産材のメンバーである竹下木材有限会社竹下哲史氏のご引率の元、

神話・縁結びの地である出雲、銀山で栄えた石見の地を巡りました。

 

また、今回は竹下木材様の取材を兼ねており、撮影スタッフも同行する今までにない形での実施となりました。

それでは2日間の様子をご紹介します。

 

 

【1日目:22日(火)】

 

■八重垣神社

まず初めに向かったのは、縁結びのパワースポットとして知られる八重垣神社。

竹下木材様の納材事例でもあります。

 

 

まずは立派な鳥居が出迎えてくれます。

 

 

鳥居をくぐると正面には本殿が。大社造りで荘厳な雰囲気、大きなしめ縄も目を引きます。

 

 

しかし、今回のメインは竹下木材様の納材事例であるこちらの社務所。

 

 

梁桁、細部の造作まで全てが美しく、地松ならではの赤身と木目が一層美しさを引き立てています。

 

 

境内には、スギの樹幹からマツが生え、共生している珍しい木も。

マツの生命力を感じるとともに、接ぎ木をしたわけではなく自然に起きた現象ということで、縁結びのご利益を感じます。

 

 

境内の奥には「鏡の池」と呼ばれる池があり、

おみくじになっている用紙を浮かべ、その上に硬貨を置き、

紙が沈むまでの時間でご縁の早さや遠さを占います。

 

占い用紙には1枚1枚違う言葉と吉方位が記されています。

 

 

参加者のみなさんもチャレンジ。占いの行方を見守ります。

早く沈んだり、なかなか沈まなかったり・・・

良く当たると噂の占いは、旅の楽しみの一つとなりました。

 

 

■正林寺

 

次に訪れたのは、八重垣神社近くの、曹洞宗正林寺。

こちらは本堂に竹下木材様の地松が使われております。

 

 

山陰地方では、社寺建築の横架材にふんだんに地松を使う文化があり〼。

八重垣神社の社務所外観の、地松の赤身の色の変化も美しいものでしたが、

内装で白壁と合わせて見るとまた一段と色が際立ち、素材力を十分に引き出した居心地の良い空間でした。

 

 

■神魂神社

 

 

次なる御縁結びスポットとして、正林寺からほど近い神魂神社へ。神に魂と書いて「かもす」と読みます。

 通称“大庭のお宮さん”の名で親しまれている古社です。「大庭」というのは地名であり、神様の祭りごとをする場所のことを指します。

 

 

神社建築も見もので、こちらは長さ、幅共に不揃いなこけら板を上手く合わせて屋根が出来ています。

大きな建造物を見る時はどうしても細部を見逃しですが、細部にこそ職人の技と手間を垣間見ることができますね。

 


■竹下木材有限会社 工場見学

 


 

続いて、今回の巡礼のメインである竹下木材有限会社様の工場見学です。

「中国山地から選りすぐりの木を」をメッセージに、地松を中心に地域の木材を製材されています。

 

納材事例を見た後の、さかのぼっての工場見学。

あの美しい地松材はどのように挽かれているのかと、皆さん興味津々です。

 

 

ちょうど、地松の大径木が挽かれている最中でした。

丸太に鋸が入れられ、一枚一枚どのような表面がでてくるのか、

何度見てもどきどきする瞬間です。

 

 

工場の中には女性職員の姿も。

構造材を取った後の側板を、さらに内装材等に使えるかどうか、ここで見極め仕分けされます。

この大切な工程は、やはり人の目と手が欠かせないそうです。

 

大きな板を抱えたり、チェーンソーを慣れた手つきで扱う場面もあり思わず見とれてしまいました。

てきぱきと現場で働くベテラン林業女子、かっこ良いですね!!!

 

 

モルダーやエンドマチャーを完備し、希少な地松フローリングも製造されています。

厳しくより分けられた素材から、美しい板目が生み出されます。

白っぽい印象ですが、豊富な樹液が艶となり、経年変化により趣のある色と表情へと変わっていきます。

 

また、材が取れない樹皮部分や木端は、乾燥機のための木屑焚きボイラー機の燃料として利用しているため、

丸太を余すところなく活用しているのも竹下木材様の1つの特徴といえます。

 

 

最後に、工場近くの木材市場を案内していただきました。

竹下木材様の使用する原木の半分以上は、こちらの市場で仕入れているとのこと。

地元の林業会社と連携しながら、地松材の安定的な供給に取り組まれています。

 

地松に特化した製材所は日本全国見て回っても珍しく、

地松ならではの加工や乾燥の工夫、ご苦労などをお聞きしながら、

大変貴重な現場を見させていただきました。

 

 

 

■石見銀山 宿泊(地松を使った和風旅館「ゆずりは」)

 

 

日も落ちたところで、世界遺産・石見銀山の大森町にある宿「ゆずりは」に到着。

 

 

こちらも竹下木材様の納材事例となっており、

ホールには迫力ある梁が見えます。

 

 

宿到着後、三瓶自然館サヒメルの学芸員・中村唯史氏から、石見銀山の成り立ちや地質について講義をしていただきました。

石見銀山は1500年代から採掘が開始され、安土桃山、戦国時代には銀山を巡る争いがあり、治める大名が幾度も変わってきた歴史を持ちます。

 

また石見銀山には、当時の技術に適した採掘現場の環境があり、

①掘りやすい②やわらかい③くずれにくい

という3点、そして脈(層)としてではなく、地質内に散りばめられたような形で銀鉱石が含有しているからこそ

採掘技術の進展が浅かった当時では世界一の採掘量を誇ったことなどを教えていただきました。

 

 

そして、ゆずりはを施工した山下棟梁からもご挨拶をいただきました。

世界遺産の町・石見銀山では、古民家の再生や街並みに合った建築技術と意匠性が求められ、

昔からの建築文化を継承し、地松を使った建築が多く手掛けられています。

 

このように、地域の木、技術もまた、世界に誇る景観の一翼を担っていることを肌で感じることができました。

 

 

 

参加者で懇親会のスタート。各地から集まった木材のプロフェッショナル達と、異業種も含めた交流ができるのも、この研修の魅力です。

 

地元食材をふんだんに使い、1品ごとに丁寧に味付けされた料理は全てが絶品。みなさんおいしいと舌鼓。

地の料理とお酒で大満足でした。

 

 

夕飯の後は、伝統芸能「石見神楽」を鑑賞。

地元の神楽チームにより、この日のために特別公演していただきました。

 

30以上の演目の中から2つを演じていただきました。

おめでたい席で舞われる「恵比寿」のコミカルな演舞が笑いを誘い、

スサノオノミコトがヤマタノオロチを退治する「大蛇」の演目では予想以上の迫力に一同大興奮。

 

演者は若い世代が多く、中には3歳から練習している人もいるそうで、演目も時代ごとに大衆が親しみやすいようにアレンジを加えているとのこと。

世代を超えて長く愛される伝統芸能に心打たれるひと時を過ごし、1日目は終了です。

 

【2日目:23日(水祝)】

■石見銀山世界遺産センター

 

 

2日目のスタートは、石見銀山世界遺産センター。

こちらも、地松がふんだんに使われた木造建築です。

 

 

石見銀山は2007年に、銀山に関わる景勝を合わせて世界遺産登録されました。日本での取得は14番目となります。

こちらのセンターでは時代ごとの精錬方法や商流の変遷を解説していただき、

実物の銀小判を見たりと、石見銀山の歴史を深く学ぶ機会となりました。

 

 

■石見銀山街並み散策

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午前中いっぱいをかけて、石見銀山の街並み散策。

昨晩は暗闇の中でしたが、一夜明けてみると歴史ある街並み。赤い石州瓦に染まる町が印象的でした。

 

 

石見銀山の最盛期に最も有力な商家であった熊谷家住宅を見学。こちらも竹下木材様の納材事例です。

450坪という広大な敷地に建てられた住宅は、迷子になるふど大きく、応接間等の各部屋が復元されています。

 

 

家も大きければ、台所も大きい。地松の梁が際立つ台所で集合写真を撮影。

まるで大家族の食卓風景の一部を切り抜いたかのよう。

せっせとこの場で働く女中がいて、かまどからご飯が炊きあがり湯気が上がる風景が今にも見えてきそうな空間でした。

 

その他、美しく復元・新築された、数々の建築を見学しました。

そのどれもが、地松をふんだんに使う山陰の建築文化を継承したものでした。

 

■三瓶山小豆原埋没林

 

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最後に訪れたのは、石見銀山から車で40分ほどの三瓶山小豆原埋没林。

 

この埋没林は、約4,000年前の三瓶山の噴火により地中に埋もれたまま保存された太古の森で、

田畑の開発の際にひょっこりと幹の上部が出て来たことから調査が行われ、

地中を掘る特殊な形での展示・保存がなされるに至りました。

 

上の写真だけだとそれほど大きな木には見えず、ジオラマのように見えますが、近づいてみるとご覧の通り。

 

 

人が写ると一目瞭然ですね。まるで自分が小人になったかのような感覚になります。

 

直径が2メートル、樹高が推定30メートルに及ぶスギの大木、これが4,000年前には周辺一帯に生えていたと予想されています。

埋没林が立木の状態でここまで綺麗に保存されているのは、世界で唯一だそうで、大変貴重な資料となっています。

林業はは3世代かかる長い時間が必要な生業と言われますが、

人の営みをはるかに超える大きな時間軸とロマンに圧倒されました。

 

「神有月」に神々の集まる島根県、縁結びの土地での素晴らしい出会い、

そして山陰の歴史と地松に触れる貴重な旅となりました。

 

 

===次回予告===

今年度は、産地巡礼は第2回を予定しています。

次回は奈良県吉野郡川上村を中心とした吉野林業を巡る旅。

日程等の詳細は後日公開。今回来られなかったという方も是非、ご参加ください。

こうご期待に!

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Posted by wpmaster on 水曜日 11月 23, 2016 Under すべての記事, 国産材ビジネスセミナー(東京), 未分類, 経営実践研究会[国産材ビジネススクール](大阪), 講演&研修 報告

国産材ビジネスセミナー

 

今年度第3回の国産材ビジネスセミナーを開催しました。

テーマは 「林業ガールズトーク!~女性目線をいかしたマーケティング&女性活躍のリアル~」 と題し、

女性社員・学生、女性を雇用する経営者の方を主な対象としましたが、

行政や地域のコーディネーターの立場から、 女性の活躍をサポートされている男性の皆様にも広くご参加いただきました。

 


 

【第一講座】林業女子白&林業女子マーケティング 株式会社古川ちいきの総合研究所 岩井より

第3回国産材ビジネスセミナー

「林業女子」と聞いて、みなさんはどんな女性、あるいはどんな仕事を思い浮かべますか?

 

林業界では、さまざまなスタイルで笑顔ではたらく女性が近年注目されていますが、
男女の得意をそれぞれ活かした仕事や経営ができれば、

もっと日本の林業が面白くなるのではないでしょうか。

 

今回は大きく2つ、

 

①女子目線のマーケティング

②林業女子のハッピーキャリア

 

をテーマに、弊社岩井がメイン講師を務めさせていただきました。

まずは、「林業女子白書~林業女子のこれまでと現状~」と題し、統計データを基に、林業に従事する女性の数や職種の推移を整理。
さらに、林研グループから林業女子までの、林業界や山村における女性のネットワークの変遷を追うことで、

林業や地域を支える女性の役割の変化について、ご紹介させていただきました。

 

大きく分けると、「林業女子」の役割や立場は、以下のように変化してきたのではないでしょうか。

 

第1世代:家族としての女性
山村の暮らしの中で林業が当たり前にあり、家族や夫婦で仕事してきた。女性の地位向上などを目指して女性林研に代表されるグループを結成。地域の輪を大切に、女同士でわいわいと活動するのが好き。

 

第2世代:職業人としての女性
職業人として男性社会に飛び込んでいった。Iターン者、女性公務員。職人気質で、発信とか表に出るのは苦手、というタイプも。

第3世代:翻訳者としての女性
女性を受け入れる土台ができた林業界へ自然体で入っていく。理念を持ちながら女性の楽しみ、都会の感覚もバランスよく大事にしながら山と都市を結ぶような、ソフトの仕事、異業種に従事することも多い。

 

このように、林業女子会の発起人でもあり、

これまで様々なネットワークの女性とお会いしてきた岩井の視点から、まとめさせていただきました。

 

さらに、一口に林業女子といっても、現場作業に限らず多様な関わり方があるものでしょう。
弊社ではこれについて、男女関わらず「経営を支える3種類の人材」としてご紹介しています。
第3回国産材ビジネスセミナー

 

あなたは会社の中で、あるいは業界の中で、どの役割を担っておられますjか?

また、これからどんなバランスで3つの仕事をしていきたいですか?

 

弊社のクライアントやさまざまな場所で活躍する

林業女子のキャリア事例をご紹介し、キャリアを考えるヒントを紐解きました。

 

 

ある林業会社では、数年前に新しく女性を採用されましたが、

「例え、男性社員と比べて体力的に劣るため現場作業が60点だとしても、
プラス40点を事務や総務力で活躍してもらえれば、100点満点」

という考え方で採用されています。

 

このように、弊社がお付き合いさせていただいている林業木材業では、
作る人、売る人、支える人の役割を固定せず、その人の個性に応じてバランスをとるなど、

さまざまなキャリアプランを描いている企業があります。

 

この3つの視点と「キャリアプラン」について、

雇用する側もされる側も意識することで、性別を含む個人差や個性に合ったチームワークが

林業界でも発揮できると考えています。

 

さらに第一講座の後半では、

「売る人」や「支える人」としての林業女子の活躍に生かしていただければと、
情報発信や顧客づくりに係るマーケティングフレーム、事例をご紹介させていただきました。


【ゲスト講座】林業女子のハッピーキャリア

株式会社はぴきゃり 代表取締役 金澤 悦子 氏より

国産材ビジネスセミナー

平成27年8月28日、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律「女性活躍推進法」が国会で成立したことはご存知でしょうか?

女性の活躍推進に向けた数値目標を盛り込んだ行動計画の策定・公表や、女性の職業選択に資する情報の公表が事業主に義務付けられ、
女性が個性と能力を発揮し働ける社会の実現に向けた法整備が進められていることは確かです。

 

このように、女性が活躍できる社会の実現という理念は理解しつつも、
出産、育児といったライフステージによる働き方が変化することや、そもそも体力が求められる林業界の特徴もあり、
経営者にとって悩みごとの多いテーマでもある、女性の雇用問題ではありますが、

 

働く女性1万人以上に取材を続け、人気雑誌へ女性のキャリアに関するコラムを投稿し、
また、林野庁においての女性活躍をテーマにした講演実績も持つ、
(株)はぴきゃり 代表取締役の金澤悦子氏をゲストにお招きし、

「林業女子のハッピーキャリア」をお話しいただきました。

 

冒頭から、上記のような法整備が進み、女性活躍に向けた機運が高まっている一方で、

経営者が何よりも知りたいのは、「女を採用すると、儲かるのか?」ということ。

この挑戦的な問いかけから、講座が始まりました。

 

金澤氏の答えは、「儲かります!!」。

 

その理由を5つの切り口から、企業にとって女性を雇用する強みとしてご紹介されました。

 

話の全容は、オリジナルメソッドにより年間300人以上のキャリア相談に応じておられる金澤氏の著書などから、

豊富な事例を交えてお聞きいただければと思いますが、ブログでは一部をご紹介します。

 

回答①:女性を採用すると、ビジネス開拓に効く!
太古の昔から、集落の中で共同作業を行ってきた女性は、男性よりも比較的に「共感力」が豊かであると言われています。

 

某大手旅行会社において、トップ営業の成績を持つ女性は、その営業スタイルを「憑依型」と評されるそうです。

 

お客様との会話を通じて、「あなたには絶対、この場所がオススメです!この場所で、〇〇のお店にいって、××でお茶をして~・・・

きっとあなたのイメージ通りの旅をお楽しみいただけます!!」と提案すると、
「どうしてそんなに私の気持ちが分かるんですか!?」と驚かれ、まるで憑依したかのように、
顧客の潜在的なニーズに共感し、最適な提案によって実績を残しているというエピソードをご紹介されました。

 

すなわち、消費者は必ずしも、自身のニーズに気付き具体的な言葉で表現できるものではない中で、

女性の共感力は、「ビジネスのチャンス=ニーズへ気付く力」として、企業にとっての強みとなるエピソードの一つでした。

 

回答②:女性を採用すると、人材育成に効く!

女性を雇用するときに直面する、ハード面の課題。
特に林業界では、トイレや更衣室の整備といった課題に面することが多いかもしれません。

 

ここで、「ブロークンウィンドウズ現象(割れ窓理論)」というものをご存知でしょうか?

これは、アメリカの犯罪学者ジェームズ・ウィルソンとジョージ・ケリングが発案した理論で、
建物の窓が壊れているのを放置すると、誰も注意を払っていないという象徴になり、
やがて他の窓もまもなく全て壊されるという考えに基づくものです。

かつて非常に治安の悪かったニューヨークの街で、知事の政策の下で地下鉄の落書きを徹底的に消すことで、

地下鉄内での犯罪率が減少した実験結果が出ています。

 

職場においても同様に、皆にとって快適な環境が整備されキープされているということは、
会社の士気やマナーを高めるということ。女性が働きやすい職場環境は、働く皆にとっても快適ということです。

 

続けて、ソフト面の課題について。
女性は男性と比べても、結婚、出産、育児といったライフステージによる働き方の変化が大きい点は、
経営者にとって女性雇用の一つのリスクであるという考え方もあります。

 

しかしながら、長時間労働に対応しにくいといったリスクは、女性だけの問題でしょうか?

超高齢化社会に向かう日本ですが、一方で成年男性の未婚率の上昇も同時に問題視されています。
すなわち、介護問題とは、もはや女性のみの問題ではなくなるのです。

 

長時間労働の一択のみではない、ライフステージに応じた多様な働き方を提供できる組織。
そんな女性にとって働きやすい環境は、男性にとっても、さらに働きやすい企業であり、
このような組織体制を作ることが、長期的な視点から、人材育成に効くと解説いただきました。

 

これは林業界にも同じく当てはまることです。

 

 

さらに、「『5つの謎』を理解すれば、女性のマネジメントはうまくいく」として、
女性ならではの考え方の特徴を分析し、経営者としてどのように接することで、

組織の中でのコミュニケーションがスムーズにできるのか、エピソードを交えてお話いただきました。

会場からは、思わず笑い声が上がるほど、共感の声で溢れる内容となりました。

 

講座の後半には、「統計心理学i-color」を使ったオリジナルメソッドにより、
その人のタイプに応じた価値観を生かしたキャリア形成について、ご提言いただきました。
講師の金澤氏がキュレーターを務めるWEBサイト「はぴきゃりアカデミー」もご参考ください。
http://happycareer.jp

 


【まとめ講座】 株式会社古川ちいきの総合研究所 代表取締役 古川 より

国産材ビジネスセミナー

ゲストの金澤様のお話を受けて、弊社代表 古川より、

「林業界の経営者として何をすべきか」とお話させていただきました。
林業界において、女性を雇用する時に直面する代表例として、例えば現場の安全性やトイレの快適性といった問題がありますが、

 

この場合、効率的な重機を導入したり、トイレを整備するなど、ハード面の充実によって、「問題対処」が可能となります。

しかしながら、これらの事象に対してハード面の整備に留まらず、ソフト面までサポートし根本的な「問題解決」を図ることで、
女性の働きやすい会社から⇒男性にとっても働きやすい会社へ。

 

この問題解決は、結果的に、
会社の経営ビジョンと顧客創造における、マーケティング戦略の実行性に繋がるべきテーマでもあるということ。
このようなメッセージをお伝えし、今回のまとめとさせていただきました。

 

女性が活躍する組織を考えることは、女性の為だけではなく、それは男性の為にもなる。

そして社員の為だけではない。強いては、会社のため、お客様のためになるということです。

 

これからも女性に限らず、林業木材業界のキャリア育成のテーマを扱うセミナーも継続していきたいと思います。



【お客様の声】
~アンケートにご協力いただいた皆様、ありがとうございました。~

 

・組織の中で、女性としての役割を理解、整理できました。女性だから・・・といわれるのが少々苦痛でしたが、強みがたくさんあると分かり、笑顔で頑張れるよう参考にしていきたいです!(林業関係A様)

 

・面白い内容で、さらに男性の立場からも聞いてみたい内容でした。参加者も色々な経歴で林業界に入っている人が多く、もっと多くの人の経験談を聞いてみたいと思いました。(コンサルタントB様)

 

・「女性の5つの謎」と題して、女性の考え方を紹介された話が参考になりました。また、男性女性と区別なく、共感できる点も多々ありました。職場や家庭でのコミュニケーションに役立ちます。(行政関係C様)

 

・とても参考になる話で、女性のみならず、男性にも聞いてほしい内容でした。仕事におけるチームプレイや人材育成について、さらに詳しく聞きたいと思います。(林業会社D様)

 

・林業は総合産業だと思っています。山をトータルで生かすことができたら、もっと多くの人がハッピーなキャリアを持てると思っています。そんな展開にこそ、女性の力を生かしたいですね。(林業会社E様)

 

・とても楽しく講義を受けることができました。仕事で「女性や若者の視点を生かして」と度々言われますが、それが何なのか分からず悩んでいたので、ヒントをいただけた気がします。ありがとうございました。これからの仕事にも役立てていきたいと思います。(製材メーカーF様)

 

・女性という切り口のみならず、その中でも役割の変遷を示していかれた点が参考になりました。世代間の連携が取れるとさらに良いですね。次は、女性上司とのコミュニケーションについても、話をうかがいたいです。林業と女性をテーマにしたセミナーを今後も続けてほしいです。(シンクタンク関係 G様)

 

・i-color診断は、目からウロコでした。また、印象的なキャッチフレーズにも共感しました。林業女子をテーマに様々なお話を聞き、自分自身の役割を再確認することができました。女性の特質を知ることもでき、楽しい話をありがとうございました。また参加させていただきます。(行政関係H様)

 

・女性の視点を知ることができ、今後のコミュニケーションの参考となりました。また、マーケティングフレームの紹介では、自分が所属する地域の立ち位置を客観的にみることができ、ハッとさせられました。(行政関係I様)

 


★次回予告★

第4回 2017年1月21日(土)14:00~18:00
「利益を生み出すビジネスモデルを作ろう!~千円の柱を10万円で売る方法~」

 

【ゲスト講演】
㈱山共 代表取締役 田口 房国 氏
「カントリージェントルマンたれ!地域と生きる木材ビジネスはこんなに面白い」

 https://chiikino.jp/blog/?page_id=190

 

★詳細・お申込は、後日ホームページからご案内申し上げます。

みなさまのご参加をお待ちしています!

Posted by wpmaster on 土曜日 11月 19, 2016 Under pick up, すべての記事, セミナー報告, 国産材ビジネスセミナー(東京), 未分類, 講演&研修 報告

今月11月21日(月)に開催される
「全国森林ノミクスサミットin山形」にて弊社代表古川が講演させていただきます。

 

主催する山形県では、平成25年に『やまがた森林(モリ)ノミクス』を宣言し、

林業の振興を図りながら、雇用創出、地域活性化に繋ぐ取組みを推進しています。今回はその一環のサミットです。

 

===詳細===

【日時】
平成28年11月21日(月) 午後1時から

 

【場所】

パレスグランデール(山形県山形市荒楯町一丁目17-40 電話:023-633-3313 交通アクセス)

 

【内容】

開会 13:00

 

第1部 講演(13:15~14:30)
テーマ:「森林資源の活用による地域再生 ~森ではたらく!新たな事例~」
[講師]古川 大輔((株)古川ちいきの総合研究所代表取締役)

 

○「森ではたらく!」新たなカタチ。~あなたの代で産地の名を終わらせますか?森の資源を新たなビジネスにした27人~

○ 異業種マーケティングから学ぶ木材の売り方。~木のブランド化とは何か?いつまでも木だけを売っていては、いけないんです。~
○ ライフスタイル提案型の「企画」と目標林型をつくる「規格」
○ 事例(吉野林業、カラマツ林業、Iターン林業、clubプレミアム国産材) など(変更される場合があります)

 

第2部 パネルディスカッション(14:45~16:30)
テーマ:「豊かな森林資源を活用した地域の活性化」

 

[コーディネーター]

三浦秀一氏(東北芸術工科大学建築・環境デザイン学科教授)

 

[アドバイザー]

古川大輔

 

[パネリスト]

ルイジ・フィノキアーロ氏(オーストリア大使館商務部上席商務官)
瀬野和広氏(瀬野和広+設計アトリエ代表)
西塚直臣氏((株)天童木工常務取締役製造本部長)
阿部多喜子氏(金山町森林組合職員・やまがた緑県民会議委員)
宮澤俊輔氏(林野庁林政部木材産業課長)


第3部 情報交換会(17:00~)

=== === ===

↓取組・イベント詳細は、下のチラシをご覧ください。↓

チラシPDFのダウンロードはこちらから
https://chiikino.jp/data/morimiku2016.pdf

 

イベント情報、申込みはこちらから

 

【山形県HP】

http://www.pref.yamagata.jp/ou/norinsuisan/140023/morinomics/summit/2nd_summit.html

 

受付締め切りは今月17日。

是非、お近くの方はお申込みください。

=== === === === === === === === === === === ===

弊社では、全国各地で、
林業、木材ビジネス、地域づくりをテーマにした講演や研修を実施しております。
イベントやフォーラムの企画・実行、コーディネーターもご用命ください。

Posted by wpmaster on 火曜日 11月 8, 2016 Under 未分類

2016年度国産材ビジネスセミナー第3回開催のご案内★

2010年から開催し、7年目を迎えた国産材ビジネスセミナー。

今年度は、各回豪華なゲスト講師をお迎えした全4回のメニューとなっております。
★過去の開催ブログは、こちらから↓↓
【第1回】https://chiikino.jp/blog/?p=6031
【第2回】https://chiikino.jp/blog/?p=6205

 

~女性社員・学生、女性を雇用する経営者の方へ~

 

第3回のテーマは、「林業女子ガールズトーク!」

女性目線をいかしたマーケティングや、女性のキャリアプランについて、
林業×マーケティングを専門とする弊社ならではの切り口から、

弊社の林業女子である 岩井が基礎講座の講師を務めます。

女性はもちろんのこと、女性を雇用する経営者もぜひご参加ください。

 

~メイン講師:岩井有加からのメッセージ~

政策としても「女性活躍」が掲げられて何かと話題ですが、そもそも女性活躍ってどういうことかピンと来ない、今まで女性のいない職場だったし、採用や向き合い方をどうしたらいいかわからない、という方も多いですよね。

私の周りでは笑顔ではたらく林業女子がたくさんいますが、男女の得意をそれぞれ活かしてお仕事ができたら、もっと林業が楽しくなりますよね。

今回は①女子目線のマーケティングと、②林業女子のハッピーキャリアをテーマに、私がメイン講師を務めさせていただきます。

 

ゲストには㈱はぴきゃりの金澤悦子さんをお迎えし、男性にも女性にも知っていただきたい、男女の目線の違いについてのお話、また「なりたい自分」を描くWSも開催します。

金澤先生のお話はとってもわかりやすく共感するお話ばかりで、私もお話を伺って、林業経営をパワーアップするための男女の役割分担、女子である自分の立ち位置について理解が深まりました!これから就職を考えている女子学生さんにもためになるお話です。
また男性からは、「自分の奥さんとの向き合い方の参考になった。もっと早く受講していれば(笑)」というお声もありましたよ。

 

これからのキャリアを考えたい林業女子のみなさまはもちろん、女性を雇用している、これから雇用をお考えの経営者の皆様にも、ぜひご参加いただきたいプログラムです。
林業界にもハッピーキャリアを!ご参加お待ちしております^^

 

★ スペシャルゲスト ★

ゲスト講座では、女性限定キャリアの学校『はぴきゃりアカデミー』の運営を手掛ける、
株式会社はぴきゃり代表代表取締役の金澤 悦子氏がご登壇!

『経営に女子力をいかすコツ~男女の目線の違いから~』と題して、お話いただきます。

 

  金澤 悦子 氏(プロフィール) 株式会社はぴきゃり 代表取締役
1991年、株式会社リクルート(現株式会社リクルートホールディングス)入社。営業に従事し、新人MVP賞受賞。1994年、株式会社キャリアデザインセンターに創業メンバーとして参画。広告営業で同社初、売り上げ1億円を達成。広告営業局局次長、広報室室長を歴任するも、仕事との距離感がつかめずに心と体を痛め、この体験をきっかけに、「幸せに働くってどういうこと?」という問いへの答えを求め、2001年、日本初の総合職女性のためのキャリア転職マガジン「ワーキングウーマンタイプ(現ウーマンタイプ)」を創刊、編集長に就任。編集長時代、5000人以上の女性を取材。ハッピーキャリアを見つけるための4つのステップを体系化。
2005年に独立し、有限会社フォーウーマン(現株式会社はぴきゃり)を設立。2011年、はぴきゃりアカデミー開講。「恋する仕事への4つのステップ」&「統計心理学i-color」を使ったオリジナルメソッドにより、年間300人以上の女性たちを「ココロとサイフが満たされる仕事発見」へと導く。
40歳で第一子を出産。休みの日は趣味のサンバを楽しむ。

 

  岩井 有加(プロフィール) 株式会社古川ちいきの総合研究所 マーケティング担当
京都府生れ。大学では森林科学科で学ぶ。学部時代から林業サークルに入り、森林と山村に生きる人々に出会い、森林、木材、人に魅了される。大学院在学中に、NPO活動として2010年任意団体「林業女子会@京都」を設立。その後、林業女子会は全国に18箇所に広がり、女子目線によるPRなど、業界に新しい風を吹き込むムーブメントとなった。2011年には20代、30代を中心に林業×ビジネスの可能性を探るフォーラム「若手林業ビジネスサミット」を立ち上げ、6年連続で開催。「女子力」と「若手力」を活かしたアイデアの宝庫であり、女性向け、若者向けイベントの支援も得意。林野庁・女性林業人材の採用・育成研修 講師。

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国産材ビジネスセミナー第3回

「林業女子ガールズトーク!
~女性目線をいかしたマーケティング&女性活躍のリアル~」

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■日時:2016年11月19日(土)14:00~18:00

※終了後に懇親会を開催します(会費5,000円)

 

■受講料:おひとり様15,000円(税込)

※お申し込み後、事前振り込みをお願いしております。

 

■場所:新橋貸会議室(田中田村町ビル5階)

東京都港区新橋2-12-15

<JR各線新橋駅日比谷口又は烏森口より徒歩4分、東京メトロ銀座線新橋駅6番又は8番出口より徒歩4分、都営三田線内幸町駅A1出口より徒歩1分>

 

■内容

【1】基礎講座

・林業女子白書~林業女子のこれまでと現状~

・共感力!マーケティング講座 ~チラシ、WEB&SNSの書き方~

・林業人材の採用&育成のポイント~作る、売る、支える、3つの人材~

・林業女子のキャリアプラン~現場女子、総合職女子の事例~

・女性と向き合う経営者の心構え

 

【2】ゲスト講演

株式会社はぴきゃり 金澤 悦子 氏

「経営に女子力をいかすコツ ~男女の目線の違いから~」

・男女の目線の違い
・経営者に知っていただきたい!女性を雇用するメリット
・異業界の女性活躍事例
・就職前、就職後、将来・・・「なりたい自分」を見つけるワークシートの記入

 

【3】ワークショップ

自分のキャリア像を描くためのグループワーク

(男性もご一緒にご参加ください!)

 

【4】まとめ講座

・本日のまとめ

 

【5】懇親会

・会場周辺にて、参加者の皆さまと交流会でさらにガールズトーク!(会費5,000円)

 

■定員:30名(先着順)

 

■お申込方法:

1)お名前

2)ご所属・役職

3)メールアドレス

4)電話番号(当日連絡先)

5)懇親会(会費5,000円)のご出欠
を明記の上、お問い合わせフォームからお申込みください。折り返しご入金方法等についてご連絡させていただきます。

 

申込み期限:2016年11月17日(木)

 



 

★国産材ビジネスセミナーの年間スケジュールはこちら

https://chiikino.jp/blog/?page_id=190

 

↓↓チラシ、申込書のダウンロードは画像をクリック(pdf 702KB)

 

●第1回 2016年9月3日(土)14:00~18:00
「初心者でもわかる!林業バリューチェーン」
【ゲスト講演】

林材ライター 赤堀 楠雄 氏  「林材ライターの取材現場で見えた!これからの日本林業」
※こちらの講座は、終了いたしました。
開催ブログは、こちらから↓↓
https://chiikino.jp/blog/?p=6031

 

●第2回 2016年9月3日(土)14:00~18:00

「地域と木材業の水平・垂直連携~林業を軸にした地域連携とまちづくり~」
【ゲスト講演】

㈱自然産業研究所 上級研究員 田村 典江 氏  「ここがヘンだよ!?林野行政」

※こちらの講座は、終了いたしました。
開催ブログは、こちらから↓↓

 

●第3回 2016年11月19日(土)14:00~18:00  【お申込み受付中!!】
「林業女子ガールズトーク!~女性目線をいかしたマーケティング&女性活躍のリアル~」

【ゲスト講演】

㈱はぴきゃり 代表取締役 金澤 悦子 氏 「経営に女子力をいかすコツ~男女の目線の違いから~」

 

●第4回 2017年1月21日(土)14:00~18:00
「利益を生み出すビジネスモデルを作ろう!~千円の柱を10万円で売る方法~」

【ゲスト講演】

㈱山共 代表取締役 田口 房国 氏「カントリージェントルマンたれ!地域と生きる木材ビジネスはこんなに面白い」

 

 

 

Posted by wpmaster on 火曜日 11月 1, 2016 Under — セミナー、研修、講演のお知らせ, pick up, お知らせ, すべての記事, 国産材ビジネスセミナー(東京), 未分類

まちもくひろしま

 

10月30日は広島県北広島町にて、「中国山地(北広島町)の木をプレミアム化するマーケティング講座&ワークショップ」のファシリテーターを務めさせていただきました。
広島県木造住宅生産体制強化推進協議会事業の一環で企画された当講座は、今回を持って最終回となりました。

今回の講座テーマは、「北広島町にとっての地域材プレミアム化の目的と方法を描く~自社の関わり方と今後のアクション~」と掲げ、建築設計士、大工の方々を中心に約20名の参加者様にお集まりいただきました。
★これまでの講座&ワークショップ様子は、こちらのブログをご覧ください。
【第1回】https://chiikino.jp/blog/?p=5858
【第2回】https://chiikino.jp/blog/?p=6160

 

地域材のプレミアム化を目指すワークショップ

 

今回の講座は、このようなメニューでお話しさせていただきました。

■講演のMENU
① 前回の振り返り
② 地域材を定義し、プレミアム化とは何かを考えよう【ワークショップ】
③ 4つの事業計画から、今後のアクションを描こう【ワークショップ】
④ チームとして自分の役割を考えよう
・プロからボランティアへの多様な関係性
・今後のスケジュール設計

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■地域材を定義し、プレミアム化とは何かを考えよう
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「地場産材のプレミアム化を目指すこと」を目的に掲げる当講座ではありますが、
そもそも”地域材” ”地場産材”の定義とは、何でしょうか?

都道府県といったエリアに応じて補助金が施行されているのが
県産材といった地域材に関する一つの定義です。

とはいえ、資源の生産量から質まで様々な地域において、
量・素材品質のみではない、その地域ならではの付加価値化に向けた定義を
見出さなくてはなりません。

● 北広島町の地域材には、どのような特徴があるか。
● 特徴を生かしプレミアム化するために、何が必要か。

 

北広島から出材される資源は品質・加工を問わず全てブランド化させるのではなく、
1)北広島町地域に特化したプレミアム化

2)広島~島根といった広域での中国山地のブランド化

3)外材に対して、国産材という差別化

と分けた中で、素材品質、加工品質、営業品質を担保し、

”ターゲットに応じたブランド構築を目指すこと”をテーマに、ワークショップを行いました。

 

1)~3)のブランド化についてピラミッド図を書いてのワークショップ。
チームによって切り口の異なる答えが発表され、特色に富んだディスカッションとなりました。

 

まちもくひろしま ワークショップ

 

【Aチームの答え】 ポイントは、”資源”にあり!

「他人のアイデアをもらいに来ようと思っていましたが、やはり自分がやらねばと思いました。」と感想を述べられたのは、芸北地域で林業・畜産業・レストラン業を営む男性・Mさん。

・八幡高原では、標高1,000mのヒノキ人工林があり、高密度の素材で特徴的
・あのお寺が管理する松林では、色艶が良く腐りにくい”寺領松”の材がとれると有名

と、地域の山の資源について紹介されました。

同じチームには、プロダクトデザインや建築設計に関わるプロが集まり、
この素材へ特徴的な乾燥・輸送を施して高付加価値化するアイデアが起こされました。

 

まちもくひろしま ワークショップ

 

【Bチームの答え】 ポイントは、”伝統商品との繋がり”にあり!

このチームでは、
宮島杓文字、府中家具、けん玉、福山の琴、芸北地域の太鼓、仏壇等、
改めて地場産材を使って象徴的な商品を作るべきといったアイデアが出されました。
日本三景宮島で、もみじ饅頭と並ぶ人気のお土産『杓文字(しゃもじ)』。
この杓文字は、元々は戸河内(とごうち)の素材を使って生産されていたそうです。

このように林業産地の歴史とは、象徴的な商品と共に歩んできたとも言えます。
・樽丸(樽桶をつくるパーツ) と 吉野杉
・こけら板(屋根葺をつくる板材) と 天竜杉
・天井板と秋田杉

同じく北広島町においても、今一度伝統工芸品をリデザインし、
産地と共にPRしたいといったアイデアが掲げられました。

 
まちもくひろしま ワークショップ

 

【Cチームの答え】 ポイントは、”資源量調査と人材育成”にあり!

そもそも、北広島町の山々には、どのような資源が育っているのか。
どれくらいのペースで出荷すれば、安定的に必要な資源量を確保できるのか。
出荷された資源は、どのようなルートで差配すれば、最も効率的に活用できるのか。

 

まずは行政が一体となり、資源量を調査すること。
さらに、効率的に資源を差配するフォレストマネージャーを育てること。
そして、出荷された木を料理する、ウッドクリエーターが活躍すること。

このような体制づくりに関する意見を投じられました。

 

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今回をもってすべての講座を修了した当事業ではございますが、
最後のワークショップでは、集まったアイデアを中心として事業化に向けたディスカッションを行うことができました。

改めて参加者の皆さまに、心より御礼申し上げます。

ぜひともこういった勉強会が継続し、今後は事業発展につながりますよう、期待しております。

Posted by wpmaster on 火曜日 11月 1, 2016 Under pick up, すべての記事, 未分類, 講演・研修、コーディネーター, 講演&研修 報告

 

2016年9月23日、広島県広島市中区にて、築35年のオフィスビルが改装され、新たな施設がグランドオープンします。
平和記念公園、原爆ドームの向かいに佇むこのビルは、「おりづるタワー」と名付けられました。
現在はプレオープン期間でありますが、
スギ材の木格子天井、ヒノキ材のデッキ、ヒノキ化粧柱で囲われた構造柱など、
美しい素材に覆われた、屋上展望台が特に注目を集めています。

 

運営は、マツダ発祥の地「広島」を拠点とする基幹ディーラー、株式会社広島マツダ

1945年に投下された原子爆弾により、全社員を失い、社屋も倒壊。
そこから、街の再生と共に歩んできた社歴があったといいます。

 

平和への想いは、1棟のビルに体現されました。
広島観光の折に、展望台まで足を運んでみてはいかがでしょうか?

★おりづるタワー 公式ホームページは、こちら
http://www.orizurutower.jp/

Posted by wpmaster on 火曜日 9月 6, 2016 Under ちいきのgraffiti~写真集~, 未分類

 

8月27日は広島県北広島町にて、
「中国山地(北広島町)の木をプレミアム化するマーケティング講座&ワークショップ」の
ファシリテーターを務めさせていただきました。

広島県木造住宅生産体制強化推進協議会事業の一環で開催される当講座は
全3回のプログラムで構成されており、今回は第2回講座となりました。

 

 

会場は、森のレストラン・ウェディング「farm NORA」にて。
島根県との県境近くの山里に佇むお店ですが、造船の設計を専門とするオーナーの自作で建てられた建物で、
木材、木皮から船に使われた窓まで、様々な素材を使われており、レストランの傍らにはピザ窯を併設。
温かみのある空間が広がっておりました。

 

 

なんと、敷地内にはオーナーの松本氏が自作された簡易製材機まで!
自動車のタイヤに刃を巻き付け、農機具のエンジンで回し、機械を押して製材していきます。

見事に丸太が板へと料理された瞬間には、思わず見学者一同から、感嘆の声が上がりました。

 

 

さて、farmNORAの施設見学を終えて、施設内の会場で講演へ。

今回の講座テーマは、「木材が選ばれる理由を定義しトータル林業について考える」と掲げて、
建築設計士、大工の方々を中心に約20名の参加者様にお集まりいただきました。

★第1回の様子は、こちらのブログをご覧ください↓↓
https://chiikino.jp/blog/?p=5858

 

今回の講座は、このようなメニューでお話しさせていただきました。

■講演のMENU
・木材、地域産材が選ばれる理由
・木材業界差別化の7要素~品質はタネから~
・3C視点で北広島町の林業木材業を差別化しよう
・他地域事例紹介
・トータル林業のススメ~規格と企画~
・コンセプト、コンテンツ、コンダクターをつくろう

 

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■3C視点で地域産材を差別化しよう

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マーケティング戦略を考え際の手法として、「3C分析」といったフレーム分析が使われます。

・Company(自社)
・Competitor(競合)
・Consumer(消費者)
と3つの「C」の切り口について扱うことから「3C」と名付けられています。

 

自社のブランド戦略を考えるにあたり、
“自社が持っていて、他者にはない、顧客が求めている要素”を探り、進展させるために行うフレーム分析です。

 

例えば地域産材の良さをPRする際に、「他社=他の地域産材」と比較すると、
「木目の手触りが温かい、自然素材だから落ち着く」といった営業ポイントのみでは、地域産材を差別化できないということが分かります。

他の地域にはない、北広島地域産材ならではの特徴であり、顧客に求められる強みとは何か?
地場産材のプレミアム化に向けて、まずは3C分析の視点をお伝えいたしました。

 

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■素材品質の特徴を伝える~品質は、タネから~

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とある養豚業を営む経営者は、自社から出荷する素材について、
5つの切り口に分けて紹介します。
そして、その切り口の一つが「品種(DNA)」。

厳選して育てる品種の特徴を示し、素材品質が良いと言える根拠を徹底的に説明できるのです。
他にも、育て方や風土、エサの違い等について掘り下げることで、5つの切り口から”素材品質が良い理由”をPRされています。

木材を料理して、建物空間の制作に携わる受講者の皆さまですが、
改めて、木材の素材品質について掘り下げていただきたく、木材業とDNAの関係について話題提供させていただきました。

 

ご存知の通り、森林には地域ごとの多様性があり、風土に応じて育まれてきた品種がありますが、
一方で、異なる地方から苗木を仕入れて、目的とする樹種を育成する木材生産も営まれています。
特に、戦後の拡大造林期には、少しでも早く目的とする木材生産をかなえるために、
同じ品種を効率的に植林した歴史もありました。

 

地場産材のプレミアム化を目指す本事業ではありますが、
改めて5つの切り口から分析して、北広島町産材の素材品質は、どのように説明することが出来るのでしょうか?

 

 

古川からによる講演の後は、ワークショップタイムへ。
「トータル林業のススメ~規格と企画~ コンセプト、コンテンツ、コンダクターをつくろう」をテーマに、
北広島町の地域産材を唯一無二のブランドにするために、どのようなアクションを起こせるか、チームごとにアイデアを出し合っていただきました。

序盤に見た自家製製材機に感銘を受け、「丸太を運んで、出前製材をやってみたら面白いのでは!?」といったアイデアまで、
自由なディスカッションとなりました。

一方で、「やはり地域の山の資源情報が分からないことには、具体的なアイデアが生まれない」といった感想も、多々寄せられ、
今後、さらに山側と共に地域産材のブランド化に向けて素材品質を見つめ直す必要性に気付くワークショップとなりました。
★チラシの詳細は、画像をクリックしてご覧ください。

 

 

本事業の第3回講座・最終回は、10月30日(日)。
「北広島町にとっての地域産材プレミアム化の目的と方法を描く」を講座タイトルに掲げて、
北広島町地域産材のプレミアム化に向けて、自社の関わり方とアクションを描くことを目的に開催いたします。

参加者の皆さまが、明日から取り組める地域産材の売り方、使い方、儲け方提案について、見出していただく講座にしたいと思います。
ぜひ、川上から川下の関係者様まで、お誘いあわせの上、ご参加くださいませ。

 

最後となりましたが、参加者様のアンケートから、一部をご紹介させていただきます。
アンケートにご協力いただいた皆様、ありがとうございました。

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■参加者様の声

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■A様
「前回より次のステップに進めたように思います。次は、北広島の山を見に行きたい」

 

■B様
「3C分析の視点がとても勉強になりました。」

 

■C様
「3C分析で、日ごろ着目している点の偏りに気付いたことが興味深かったです。
カスタマーの立場からの視点を技術面や競合他社を考えるところとは別に、 外の視点から考えるきっかけをいただきました。
北広島町の林業とカスタマーを誰がどのように繋いでいけるのか、次回のワークショップが楽しみです。」

 

■D様
「3C、差別化の7要素など、キーワードを使って分かりやすく考えるきっかけを説明していただいきました。
次回の展開が楽しみです。」

 

■E様
「前回、今回の講演&ワークショップを経て、知識やアイデアをもらおうといった意識が強かったです。
広島県産材の特性、特徴などは、次回までに知ってから臨みたいと思いました。

3C分析の考え方や差別化7要素は、林業だけではなく、デザイン業にも生かせそうだと思います。
ワークショップで生まれたアイデアも面白そうでした!

最終回のワークショップでは、実際に活動の形が生まれるような内容にしたいと思います。」

 

■F様
「マーケティングのフレームは林業に関わらず、たいていの分野で役に立つ学びでした。
トータル林業の考え方がプレミアム化の答えだと思いました。企画については、自団体の得意分野であり、強みですが
規格と結び付ける役割の方とうまく連携して、北広島町のトータル林業を目指したいと希望が見えました。
最後のワークショップに、わくわくしました!」

 

■G様
「北広島町の林業の情報をもっと知りたいと思いました。
産地のことを知らないと、議論ができないと感じました。」

 

■H様
「北広島町の住民でありながら、町の山のこと、木のことを知らない自分にショックを感じました。
特徴があまりない山林だと思い込んでいた自分が恥ずかしく、こういったワークショップは良い機会だと思いました。
次回のワークショップにて、地域の林業の方向性についての具体策が出ることを期待しています。」

 

■I様
「林業のブランド構成要素としての”品種(DNA)”を初めて意識しました。
普段は消費者との接点が少なく、やはり接点を持ち、評判(消費者の声)を聞いて、 業界を挙げて大きくPRしていく必要性を感じました。
ネーミングについても、木材の名前にこだわりすぎず、地域の道路や象徴的なものを使ってブランドづくりをしていく可能性に気付きました。」

 

■J様
「アッパー層は環境問題、環境配慮の理念を無視しない、とおっしゃったメッセージが心に留まりました。
誰に売るのか、ターゲットを絞ることが大切ですね。

豚やトマト等を例にとっての説明も分かりやすかったです。
私は農業も営んでおり、産直専門で商売をしていますが、自分の名前が入ったシールを貼って、値段も自身で決めています。
するとやはり、気が抜けないものです。木材の販売も野菜や豚と同じだと思いました。」

 

■K様
「差別化の7要素と3C分析は、どのジャンルにおいても当てはまることだと思い勉強になりました。
北広島町の例とした時に、山のことを知らないことが行き詰まる大きな要因であると再認識しました。
北広島町の山林資源マップを是非見たいですね!次回が楽しみです。」

 

■L様
「改めてマーケティング理論を知り、ものづくりを考え、整理する重要性を感じました。
特に今回はファームノラの会場で開催できて、とてもよかったです!

地域づくりやまちづくり、自然、歴史、文化と幅広い分野でとらえてブランド化を進める視点について
他のメンバーから提案された点が面白かったです。

北広島町の地域の人や山林、製材に関わる人と具体的なまとめが出来る最終回に期待しています。」

 

 

参加者様アンケートには、farm NORAが良かった!とのコメントも多数ありました。
ワークショップ中の休憩時間には、手作りのシフォンケーキ&珈琲までご提供いただきました。
改めて参加者の皆さま、そしてfarm NORAスタッフの皆さまに、心より御礼申し上げます。
第3回もどうぞよろしくお願いいたします。

 

Posted by wpmaster on 土曜日 8月 27, 2016 Under pick up, すべての記事, 未分類, 講演&研修 報告

 

 

兼ねてより弊社からご支援させていただいている、奈良県吉野郡川上村。
この地域では、毎年夏季に『川上村地域づくりインターンシップ』として、大学生・大学院生を受け入れています。

★川上村地域づくりインターンの詳細は、こちら↓↓↓
http://www.vill.kawakami.nara.jp/intern/

 

そして今年の夏も、行動力ある7名の参加者が集まりました。
ホームページやインターンシップOB生のレポート等をきっかけに、
関東から1名、関西から6名の大学生・大学院生が川上村を訪れ、インターンシップ体験の2週間を過ごしています。

 

 

遡ると本事業は、平成10年,11年度、国土交通省のモデル事業として「若者の地方体験交流支援事業」を行い、
首都圏からインターン生を受け入れたことがきっかけでした。

さらに平成12年度以降は、自治体独自の取組みとしてインターン生の受け入れを続けており、
今なおインターンのOB・OG生が川上村との交流を続けています。

 

そして、弊社 代表の古川もまた、
川上村におけるインターン生の第一期生として川上村を訪れ、
林業や日本の地域の世界に出会ったのであります。

 

この度は、地域づくりインターンシップのOB生として、現役生との交流勉強会の場をいただきました。

 

場所は、川上村に新しくオープンした村営シェアハウスにて。

美しい川上村産吉野杉が使われた施設のリビングルームを使い、川上村で過ごす体験を通じで見出してもらいたいこと、
それぞれの日常に戻って、改めて考えてもらいたい「価値観」について等、
自身の経験や、会ってほしい人、オススメの書籍や映像等の紹介を交えてお話しさせていただきました。

 

約90分の交流勉強会の中でありましたが、ブログでは2つのメッセージを記させていただきます。

 

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■成長のきっかけをつくる3つのこと

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まず1つ目のメッセージは、これからの人生において、
1)もっと人に出会おう

2)もっと旅に出よう

3)もっと本を読もう

 

と、3つの体験を通じて常に価値観を養っていかれたいということです。

そして、そしてもっと川上村を好きになり、実際にチャレンジしたければ、実際に地域でチャレンジを続けている「人」に、また会いに来て下さいということです。

 

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■社会にでると、○○が無くなる

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大学生・大学院生の皆さんが、今後、学校を卒業して社会に出ると、

1)卒業式が無くなる

2)答えが無くなる

 

学業の中では定められていた、これら2つの存在が無くなることでしょう。

 

“「無期限の暫定的状況」が人間にとって、もっとも苦しいことである。”

アウシュビッツでの収容経験を経た精神科医 V・E フランクルによる著書「夜と霧」を読み、古川自身も深く共鳴した言葉を紹介いたしました。

 

だからこそ、能動的に「期限」を決めること。

自ら「答え(ゴール)」を設定すること。

 

 

この視点を持って、彼らの今後の活躍を期待し、応援していきたいと思います。

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交流会の後半には、弊社の事業内容から、川上村ならではのテーマまで、多くの質問をいただき、真剣なディスカッションとなりました。
川上村地域づくりインターン生は、8月25日まで、計2週間を川上村で過ごし、最終日にはプレゼン大会が予定されています。

 

交流会においても、高い問題意識を持って、質問を投げかけて下さった7名ですが、ワカモノ、ソトモノ視点で見た川上村について、
率直な感想や気付きを投げかけてもらえることを期待しています!

 

そして、この夏のインターン体験をきっかけに、地域の方々を訪ねて、また川上村へ帰ってきてくださいね。

 

都市や郊外に住む皆さんにとっての第二の故郷が見つかる夏になることを願っております。

 

Posted by wpmaster on 金曜日 8月 19, 2016 Under pick up, すべての記事, 未分類, 講演&研修 報告