毎年恒例の、大阪大学「ソーシャルデザイン講座」で一講座を担当させていただきました。
※去年の講義ブログはこちら↓↓
https://chiikino.jp/?p=1620
平成生まれの学生たちを前に、古川がお話しさせていただいたのは、
「自分をリデザインする」というタイトルで、
これからの進路や「はたらく」を考える際のヒントになればと話題提供をしました。
この講義のタイトルでもある「ソーシャル」とは何でしょうか?
弊社としても、とても大事にしている「理念と利益」のテーマになぞらえれば、
利益重視の「ヒルズ族」的な人達、
理念が何より大事な「エコロジスト」、
その先にある、
「理念と利益の両立」を実現する仕事を、
ソーシャルビジネスとかソーシャルデザインと(一般的に)いいます。
(ロハスが流行した時のソトコト編集長による4類型、あなたはどこ?どこに向かう?)
環境と経済を両立させる生業であるべき林業は、
ある意味で昔からのソーシャルビジネスであった。
山村での暮らしそのものがそれであった。
現代の企業がこぞってCSRをアピールしているとき、
林業には発信力が足りない、そして商品を売る力が足りない。
そこで、いかに顧客をつくっていくかという視点で
行っている弊社の事業についてもご紹介しました。
例えばこちらは、岩手県岩泉町にて、
FSC®国際森林認証による“めぐみの森”のコンセプト発信を目的にしたプロジェクトです。
ここ岩泉町は、日本で13番目に森林認証を取得し、10年が経過した地域でありますが、
その後の認証林拡大、需要拡大が進んでいない状況にありました。
プロジェクトを通じて、
①地域内事業者参加のワークショップ
②ブランドロゴ構築
③認証林拡大へ山主提案 とアプローチする中で、
岩泉町FSC®認証を表す共通のブランドロゴの完成し、
活動を通じて、地域内コミュニケーションが活発になり、今後は外部人材の投入に向けての展開へ機運が高まりつつあります。
このように、弊社では、
1)ビジョン(理念)をつくる
2)コンテンツ(利益)をつくる
3)組織を変える(動かせるor一緒に動く)
と、支援させていただいています。
他に地域の民間企業のコンサルティング事例もご紹介させていただきましたが、
弊社が実践するソーシャルビジネスから、何かヒントは見つかりましたか?
また情報氾濫社会の中で、普段から、ネット等の2次情報を鵜呑みにしていませんか?
自分で、足を運んで、行動してみませんかと伝え、最後に、講義のまとめでお話した、
「自分をリデザインする7つのこと」をご紹介します。
①自分の理念と利益は何か?
②情熱方程式の「好き」と「憤り」はあるか?
③行きたいところ、会いたい人、旅をする
④1冊は難しい本にチャレンジする(オススメ図書は峠)
⑤シンポジウムやセミナーに出てみよう
⑥アウトプット(デジカメ、文章化、ルール化しよう)
⑦7つめは、・・・・・・・・・[あえて割愛]
という事で、この後も昨年同様に、10名程の学生を交えて臨時のお食事会へ。
音楽を通じて海外と接点を持ち、アクティブに活動する学生から、自分の田舎(出身地)と日本各地でソーシャルデザインに取り組む田舎の両方を見つめて、「自分も何かやってみたい!」とアンテナを張っている学生まで、今年も大いに刺激をいただく場でありました。
最後に、受講の感想アンケートの中から一つをご紹介します。
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■法学部国際公共政策学科 A様
私は小学3年生のとき、新聞社主催の植林プロジェクトに参加しました。その活動は、記念品として渡されたスコップと軍手を使って、苗木を植える活動でした。しかし、植えた後、どのくらい育ったかなど見学する機会がなく、植えるだけの自己満足になってしまいました。そこで私が重要だと思うのは、持続性です、木に関心を持ってくれた消費者が、一時的な興味によって飽きてしまうのでは、意味がないと思います。世代間で継いでいる林業の方だけでなく、消費者も世代を超えて祖父→父→子に繋げる方法を探すべきと思いました。
■外国語学部 B様
漠然としたままの「将来起業したい」という夢が、このままではいけないなという意味で、少し遠ざかったような気がしています。一方で、まだまだ学んだり、経験を重ねることが必要だと思い知らされました。何よりも、人とのつながりが大切なのだなあと感じました。本日はありがとうございました。講義で、阪大の校舎内の木のことを教えてくれたので、改めて、木々を見て、帰りたいと思います。
■基礎工学部 C様
お金を大事にしつつ、お客、環境のことも大事に行動し決定する難しさを感じました。いずれは企業に就職するのでしょうが、その時に企業が行う事業の市場規模を考え、消費者の欲求性にいかに応え、顧客を増やしつつ、環境などにも配慮しなければならないと思うと、頭がおかしくなりそうです。事業次第では、流行り廃りを考えたり、他の事業との連携、周りとの立ち位置の関係を考える必要があると思うと…。講義、ありがとうございました。
■外国語学部 C様
自分の興味あることに対して、行動してみるべき、インターンに参加して実体験をするべきであり、やりたいと思いました。このような機会を持って、色んな人の考えを聞くことで、新たな考え方を得られたリ、刺激を受けたりできることはすごく有り難いです。
■外国語学部 D様
林業を通して、自分の将来をどうデザインするか、経営の仕組みなど、多岐に渡る分野について講義していただき、あまり経営に興味のなかった私ですが、興味深く拝聴することが出来ました。また、自分の将来を考える時に、「理念と利益」というキーワードをいただいて、ぼんやりと考えていた人生設計図をもう一度見直し、ブラッシュアップする必要があると感じました。理念だけ追求していましたが、利益が出る過程を考えていくようにすることが重要であると思いました。
■外国語学部 E様
私は正直、経営をやりたいと思った事がなく、経済に関して勉強するのは今日が初めてでした。しかし、古川さんのお話から、生活に隠された経済の仕組みを知り、面白さを感じました。また、林業の時間間隔(時間軸)や活性化の方法など、新しい分野の知識を増やすこともできました。これからの大学生活で様々な分野の知識を養い、自らの理念をデザインしていこうと思いました。
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この他にも、たくさん頂いたアンケートに感謝とお礼を申し上げます。
また色々と機会があれば、よろしくお願い申し上げます。
大阪大学の講義を聞いた学生のみならず、インターンに興味がある方は、遠慮なくご連絡ください。
→こちらメールにて。
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(◎を@に変えて、古川ちいきの総合研究所 インターン希望 と件名に記入頂き、ご連絡ください。)