吉野木材協同組合連合会

 

10月26日、吉野木材協同組合連合会(奈良県吉野町)にて、秋季選木市が開催されました。

 

毎月の定例市で、吉野エリアから数々の丸太が出荷される当市場ですが、

春と秋の年2回は、中でも特別な優良材が出荷される市が開催されます。

 

 

”吉野には、買わせて頂くことが名誉であり、取り扱ったり、挽かせて頂くことが光栄であると感じる木があります。”

吉野杉を製材したメーカーの代表は、このように話しました。

 

出荷主も買い方も、年2回の真剣勝負。
樹齢200年超の杉・檜は市場を経て、建材や建具材へと、新たな命が吹き込まれます。

Posted by wpmaster on 水曜日 10月 26, 2016 Under pick up, ちいきのgraffiti~写真集~

大阪にて開催している、明日から役立つヒントが満載の、実践型経営研究会。

今回も素敵なゲストをお迎えし、語り合う濃密な時間となりました。

 

~今月のMENU~

【1】各社報告&ディスカッション

【2】話題提供:各地からの最新マーケティング事例

【3】ゲスト講演 :「私のしごと:プロダクトデザインを起点とした企業のブランディング〜ちいきのデザイン」

講師:(株)GKデザイン総研広島 プロダクトデザイン室 室長 鈴木 スバル様

【4】Clubプレミアム国産材 企画会議


 

 

【1】各社報告&ディスカッション

 

秋のイベントシーズンを迎え、各社からイベント報告がありました。

当日来られなかったメンバーのSkype参加もありました。

 

 

■製材・建築業A社様

オリジナル住宅ブランドに力を入れるA社様からは、

10年ぶりの住宅完成見学会についてご報告。

 

目標以上の来場者数と、濃い見込み客を獲得したチラシのポイント、

また当日に顧客コミュニケーションを高めるための、会場設営やイベント企画の工夫、

さらに大切な、見学会終了後のアフターフォローまで、ご報告いただきました。

 

■木材流通店B社様

地域に愛される木材流通店をめざすB社様からは、

4年目を迎えた、毎年恒例の自社開催マルシェについて。

 

過去最高の来場者数を記録し、またターゲットを絞った企画と広報により、

よりいっそう趣味嗜好の明確な来場者を獲得したこと、

会場設計からコンテンツにより、木のあるライフスタイル提案を行い、

自社顧客である工務店の紹介など、利益導線につなげたことをご報告されました。

 

 

各社とも、これまでの商流から変革を目指し、

新たな顧客との出会いを創出する取り組みがあり、

 

その場でアドバイスをし高めあう時間となりました。


 

【3】ゲスト講演 :「私のしごと:プロダクトデザインを起点とした企業のブランディング〜ちいきのデザイン」

講師:(株)GKデザイン総研広島 プロダクトデザイン室 室長 鈴木 スバル様

 

ゲスト講座では、数々の名作を生み出している、

世界的なネットワークを持つGKデザイングループのGKデザイン総研広島から講師をお招きしました。

 

GKデザイン総研広島は、

・製品のデザイン(Product Design)
・情報のデザイン(Communication Design)

・空間のデザイン(Architecture/Environment Design)
の3領域のデザイナーを有する総合デザインオフィスです。

 

京阪電車やキッコーマンの醤油瓶など、

誰もが知っているデザインを数多く手掛けています。

(参照: http://www.gk-design.co.jp/

 

スポーツ用品メーカーの新商品群や、

チェーンソーメーカーのブランドとプロダクトデザインなど、

講師の鈴木氏が手掛けたプロジェクトの詳細な体験談を交えて、

「デザイン」や「ものづくり」について深く考察する機会となりました。

 

ブランディングの切り口として今回ご紹介いただいたのは、

 

1)ペルソナから導くデザイン

2)会社歴史から導くデザイン

 

の2つ。

 

業界の皆があこがれるモデル的存在の「ペルソナ」となる人物から

徹底的にこだわりを抽出してつくりあげるものと、

 

歴史ある企業の社風や理念を形にするもの、

 

どちらも、林業・木材業界にとってヒントとなる手法です。

 

 

とくに、ものづくりとしての製材業から見れば、

「この棟梁に使ってもらえる木材」など、

使い手をモデルとしたプレミアムな製品開発の可能性を感じました。

 

 

懇親会でも、講師や受講メンバーとの交流・ディスカションを通じて、

経営のヒントを数多く得られる一日となりました。


 

 

この研究会は、毎回多彩なゲストをお迎えしながら、会員制で開催して参ります。

単回受講も可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

次回は12月。ご期待ください!

 

↓経営実践研究会[国産材ビジネススクール]についての詳細はこちら

https://chiikino.jp/blog/?page_id=187

 

 

Posted by wpmaster on 土曜日 10月 22, 2016 Under pick up, 経営実践研究会[国産材ビジネススクール](大阪), 講演&研修 報告

川上村商工会 経営セミナー 地域ビジネス

 

平成26年度、27年度の2年間、弊社が企画運営をご支援させていただいた
川上村主催・商工事業者等活性化支援事業「川上村ならではの地域ビジネス実践塾」。

 

 

今年度は、川上村商工会が主催となり、
『「儲かる仕組み」を一緒に考えませんか?楽しく学べる!経営セミナー』とタイトルを変えて
引き継がれることとなり、10月20日(木)に第1回を開催してまいりました。

 

川上村商工会 経営セミナー 地域ビジネス

 

※画像をクリックすると、チラシをダウンロードしていただけます。

 

■第1回のご報告
\川上村ファン顧客の声、集めました!/
川上村需要動向アンケート調査発表会@川上村商工会2階
本セミナーは、全3回の講座を終えた後、川上村事業者様限定で、各企業の事業計画作成をご支援させていただく企画となっております。

 

そして、事業計画を作成するために、まずは村内の需要動向をリサーチすること。
川上村で大きなイベントが開催された8月6日(土)、川上村に集まった人々に村の商品やお店、名勝に関するヒアリングアンケートを実施し、その結果を分析して、初回のセミナーでご報告いたしました。初回講座は、村で事業を営む方々、さらに今後起業を視野に入れている地域おこし協力隊を中心に、20名弱の関係者にお集まりいただきました。

 

 

まずは集まった皆さまの自己紹介から!
特に協力隊の活動については、村内で十分周知されていない面もあり、じっくり今後のイベント情報を告知いただきました。

 

 

川上村商工会 経営セミナー 地域ビジネス

 

山遊び塾 ヨイヨイかわかみ 安田氏(川上村地域おこし協力隊)

 

 

アンケートの結果発表について、まずはマーケティングの基礎知識の解説から。

今回のアンケートは、AIDMA理論に合わせて調査できるよう設計しています。

川上村の商品や店舗、名勝について、どれくらいの訪問頻度(購入頻度)か問いかけることで、
① 常連客
② 通常客
③ 一回限りの顧客
④ 認知客
⑤ 非認知客

と、各事業所によってどのような顧客階層があるか調べ、
それぞれの顧客層に応じた経営・販売戦略を作成するための調査内容を報告いたしました。

 

非認知(知らない)の顧客層が多い事業所では、まず認知度を高める戦略が求められます。
次に、認知はされているが顧客の購買のアクションへ繋がっていない事業所はところは、この原因を分析し、商品力を高めたり、特典を付けるといった工夫により、まず1回サービスを体験してもらう仕掛けが必要でしょう。

 

 

このようなマーケティングに関する内容を解説しながら、商品や店舗、川上村の名勝ごとに、
様々な顧客の声が集まったアンケート結果について、
「あなたは川上村のこの商品知っていますか?」
「行ったことありますか?友人知人に案内したこと、ありますか?」とクイズ形式でご紹介。

項目ごとに様々な傾向がみられたため、今後どうするべきかを考えながら、進めて行きました。
川上村商工会 経営セミナー 地域ビジネス

 

 

■ただ広報を拡げて、注目を集めることがゴールなのか?

今回のアンケートでは、村内・村外と分けて、認知度を調査分析いたしました。
その中で、Aという観光名所について、「知っているが行ったことない」という回答が、村内の50%以上を占める結果が見られました。

 

 

この結果に対して参加者のKさんが、
「僕もAには行ったことないですね。
ところで、そこって、普通にいけるんですか?」と質問されました。
それは、
・物理的に、素人の体力でも安心して行ける場所、という意味か
・法律的に、一般の人でも申請なく入っても良い場所、という意味か

 

質問には2つの疑問が含まれており、
それぞれの面によって回答が変わるということに気付きました。
”川上村の良いところ”といった自由回答の調査については、Hさんが、このように感想を述べられました。

 

「そういえば、とある絶景ポイントBについては、
誰でも入ることはできるけれど、誰にでも教えたい場所ではないのですよねぇ。
ゴミが増えたり、人が来すぎてうるさくなったり、山火事なんかが起きても困るし…」

このような議論が交わされ、村内の観光に関する改善には、

 

1)一般の方でも訪問できるように整備すべくエリア(看板、道、広報)
2)”あなただけに”と特別な人だけに教えてあげる特別エリア
3)誰にも来てほしいくない秘密にして守るべく非整備エリア

と3つそれぞれのアプローチが必要といった課題に気付かされたわけです。

 

「観光」という言葉でただ人をたくさん呼び込むことが目的ではなく、
・ 村の日常と非日常(静けさと賑わい)を両方を作り守ること
・ 生産現場や教育的現場(村にとっての日常)からも都市の方々へ非日常を提供できるということ

このような、地域ならではの観光を作り『永続的な経営を目指す』ということが目標であると、再確認する講座となりました。

 

 

■第1回講座のまとめ
①小さくても面白いビジネスを、村の人々が地域で作っていけることが大事ということ

 

②顧客のニーズを知ることで儲け方のヒントを得て、今後のアクションを決めることが成功のポイントということ

 

③近くの異業種が集まりディスカッションすることでさらに村を知り、足し合わせによる”多幸せ”を生み出せるということ

 

 

最後に本講座のまとめとして、3つのメッセージをお伝えして、楽しく学べる!経営セミナー第1回を終了しました。

弊社では、自治体や商工会と共に、地域の小規模事業者の経営や地域おこし協力隊の起業支援を行っています。
地域や企業の現状分析と戦略策定から、広報ツール策定等の定着支援まで、伴走型でお手伝いさせていただきます。

 

 

 

■次回以降のメニュー
 ※川上村事業者対象(受講無料)
参加をご希望の方は、川上村商工会(0746-52-0127 担当:金井氏)までご連絡くださいませ。

 

 

●第2回【10/27(木)】14:00-17:00@川上村商工会2階
『過去・現在を知る。事業計画作成のために!経営分析セミナー』
自社の強みとは?売上向上の可能性はどこに?など、まずは経営の現状分析を行います。※事業者の方は、過去2期分の決算書と電卓をご持参ください。

 

 

●第3回【11 / 9(水)】14:00-17:00@川上村商工会2階
『未来を考える。事業計画作成セミナー』
目指すは、長所伸展経営。現状分析で明らかとなった“強み”を伸ばすために、儲かる仕組みの作り方をテーマとして、たくさんのアイデアを出し合います。※電卓をご持参ください。

 

中嶌大会計事務所よりゲスト講座あり!/
川上村の企業をご支援されている会計士様より、ゲスト講座へ登壇いただきます。
1)株式会社/社団法人/NPO法人の違いって?
2)起業する/事業者になるメリット
3)会計のキホンとは
4)質疑応答    といった内容にてお話いただきますので、特に起業希望の方は必見!

 

 

●個別支援【日程未定】(10社限定)
『あなただけの儲かる仕組みを考えます!事業計画作成サポート』
現状分析~事業計画作成セミナーを経て、各社に沿った事業計画づくりをご支援します。第3回の講座を受講された方を優先で、10社限定にて受付けますので、お見逃しなく!※電卓をご持参ください。

 

 

 

 

Posted by wpmaster on 木曜日 10月 20, 2016 Under — セミナー、研修、講演のお知らせ, — ちいきの地域, pick up, すべての記事, セミナー報告, 講演&研修 報告

 

大阪にて会員制の実践型マーケティングレッスン。

各産地の熱い林業・木材業者が集い、即ビジネスに応用できる、実践型のノウハウ・情報を共有。

熱気あふれる刺激と成長の時間をあなたに!
★年間会員募集中!スケジュール・詳細はこちら★
https://chiikino.jp/blog/?page_id=187
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経営実践研究会[国産材ビジネススクール]
10月22日(土)14-18時 @新大阪
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■日時:10月22日(土)14-18時

 

■場所:サムティフェイム新大阪4階
大阪市淀川区西中島6丁目5番3号(西中島南方駅徒歩4分)
http://fame.hey.ne.jp/access/index.html

 

■内容(予定)

1)各社報告

 

2)ゲスト講座 「私のしごと:都市計画、建築設計、プロダクトデザインまで(仮)」

講師:(株)GKデザイン総研広島 プロダクトデザイン室 室長 鈴木 スバル様

都市計画からプロダクトデザインまで幅広く手掛ける、株式会社GKデザイン総研広島
当社の若きデザイナー・鈴木 スバル様より、「建築、空間づくり」「プロダクトデザイン」についてレクチャーいただきます。

なお、会社事例として、本拠地とする地域での都市計画や、木材利用の取り組みについてもご紹介いただきます。

 

3)Clubプレミアム国産材 企画会議

 

4)今月のマーケティング講座

 

★終了後、懇親会を開催します。

 

■受講料(会員外)
単回受講:お一人様2万円+税

 

■お申込方法:
1)お名前
2)ご所属・役職
3)メールアドレス
4)電話番号(当日連絡先)
5)懇親会のご出欠

 

を明記の上、お問い合わせフォームからお申込みください。折り返しご連絡させていただきます。

 

申込み期限:2016年10月19日(水)

 

*1地域(商圏)1社に限定しておりますので、事前のご連絡が必要です。
商圏によってはお断りをする場合がございますのでご了承ください。

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Posted by wpmaster on 水曜日 9月 28, 2016 Under — セミナー、研修、講演のお知らせ, pick up, 経営実践研究会[国産材ビジネススクール](大阪)

 

秋晴れの空の下、奈良県吉野郡川上村にて、伐採体感ツアー。
200年生の吉野杉を伐倒する瞬間は、誰もが息を呑む光景でした。
 
吉野林業の特徴は、「密植」「多間伐」「長伐期」の3つで表されます。
 
地拵えの後、1ha(100m×100m)の敷地に1m間隔で約1万本の苗木を植えつける「密植」から始まります。
 
その後「間伐」を重ね、200年後に残される立木は約2%。
1万本植林されたうち、わずか200本となります。
 
つまり、この日伐採された200年生 吉野杉も、200本/10,000本のうちの1本。
ここに至るまでに幾度も人の手が加わり、間伐されてきた98%の木があったことになります。
 
200年生に到達するまでには、その間に生産される間伐材まで活かし、山へ還元すること。
そして大径木を伐ることのできる技術者を育てていくことが求められています。
 
 
”要するにこの地域の山とは、鑑賞林ではないのです。
経済林、いわゆる人の役に立つための山でありますから、
山と共に、これを守る後継者をいかに育てられるか、という 課題も抱えているのです。”

 
 
見学者に対して、ある山守はこのように話しました。
200年生吉野杉の伐採見学を通じて届けたかったことは、伐倒の迫力だけではないということ。
川上村を訪れた方々に、感じていただけるものがあったのではないでしょうか。
 
 
★伐採体感ツアー主催「吉野かわかみ社中」について:http://yoshinoringyo.jp/
★伐採者「中平林業」について:http://nakahira-ringyo.com/

 

Posted by wpmaster on 日曜日 9月 25, 2016 Under pick up, すべての記事, ちいきのgraffiti~写真集~

今年度第2回の国産材ビジネスセミナーを開催しました。

 

テーマは

「地域と木材業の水平・垂直連携~林業を軸にした地域連携とまちづくり~」

 

今回は、地域連携のコーディネーターとなるべき、

行政職員やまちづくり関係の方を主な対象としましたが、

毎回のごとく、林業、製材業の経営者から異業種の方まで、幅広くご参加いただきました。

 

【第一講座】

近年、林業や製材業において、「水平連携」または「垂直連携」の取り組みが活発です。

弊はまずは弊社が全国で携わった連携事例をご紹介し、「連携」を類型化しました。

 

水平連携の中にも、

・森林所有者の連携(集約化など)

・素材生産業の連携(山守連携によるワークシェア、共同加工)

・製材業の連携(窓口化、規格化)

・工務店業の連携(共通ブランド化)

 

などがあり、さらに垂直連携については、

山側主導か、加工・消費側主導かといったパワーバランスにより

連携の仕方が異なります。

 

 

ところで、そもそもなぜ「連携」が必要なのでしょうか?

 

日本型と欧米型の「連携」「協力」を比較しながら、

①売上、②コスト、③リスク

の3つの視点から、連携のメリットを紐解きました。

 

 

さらに、地域連携においては、

外部人材の力をうまく活かした実例が各地域にあります。

 

産業のみならず、地域の社会基盤や生活基盤をつくるという

まちづくりの視点からも、「交流⇒移住⇒定住方程式」についてご紹介しました。

 

 

【ゲスト講座】㈱自然産業研究所 上席研究員 田村典江氏 「ここがヘンだよ!?林野行政」

 

さて、地域連携やまちづくりにおいて、公益的観点から、

行政がコーディネーターとなる場合が多くあります。

 

中でも、林野政策を担う林野庁、地方自治体について知り、

行政と民間の役割分担について考えることは、ビジネスにおいて重要な事ではないでしょうか。

 

今回はゲストに、林野政策の現場に携わる、田村典江氏をお迎えし、

行政機関の実態や、政策と現場をつなぐポイントについて、軽快なトークを交えてご講演いただきました。

 

 

今回のタイトルは「ここがヘンだよ、林野行政」。一見すると挑戦的なタイトルのようでありますが、

実際に、林野行政の数々の事業に携わっている田村氏だからこそいえる

オープンで、未来志向の内容です。

 

そもそも行政の役割とは何か、どのような事業をしているかといった

普段は触れることの少ない実態からレクチャーいただきながら、

 

たとえば林野庁においては5,000人の多様な専門的ノウハウを持った人材が、

適材適所に活躍していることをご紹介いただき、

まさに森林と林野行政への「愛があふれる」内容でした。

 

 

まとめとして、

民間の動きと、それに対する行政のサポート、そしてコンサルタント等の第3者が連携しうまくシナジーを生むためには、

お互いの限界や役割をしっかりと理解したうえで、

現場の情報、施策の情報を積極的なコミュニケーションで伝え合い、

それぞれの役割を果たしていくことが重要である、とご提言をいただきました。

 

 

また特別ゲストとして現役の林野庁職員の方をお迎えしたディスカッションでは、

参加者から率直な質問が多く飛び交い、

 

・国有林の経営について

・都道府県行政の役割について

・補助金の在り方について

 

など、さらにバイマス発電から「地域材」まで、

多岐にわたる議論ができました。

 

 

【まとめ講座】

 

改めて、行政の役割とは大きく4つに分類できます。

 

①【ビジョン】・・・地域や産業の将来像を長期的に描く

②【ブレーキ】・・・民間の経済活動が公益を害することないよう、規制をかける

③【アクセル】・・・民間だけではリスクを伴う挑戦に対し、補助する

④【トレーニング】・・・人材育成

 

このことを理解したうえで、

「プレミアムな行政職員とは何か?」を弊社からレクチャーし、まとめとさせていただきました。

 

また、改めて林業・木材の地域ブランドとは何か?として、

顧客不在、マーケット不在の、単なる地名を冠した「都道府県産材」や「地域材」を行政主導でつくるのではなく、

素材力をつくる施業の背景から、加工力、営業力をトータルで表現した

ブランド創造の必要性を整理しました。

 

 

小さな林業界、製材業界。

批判ではなく、よりよい関係づくりへ。

 

本日のレクチャーをヒントにしながら、

民間も行政も力を発揮しあえる”業界”を、作ってまいりましょう。

 

 

~~~

【お客様の声】

・連携について、事例も含めて知ることができました。ふだん何となく「連携が必要」と思いながら、何が大事でどういう連携をすればよいのか漠然としていたので、少し整理できました。(林業従事A様)

 

・刺激的で、時間が短く感じた。林野庁や補助金の在り方についてもわかりやすく解説いただいた。補助金が事業者を弱くしているのではないか、補助金がなくなったらどうなるか、という話題を、帰ったら地域に投げかけたい。(行政職員B様)

 

・無益な縄張り争いや縦割りを防ぐためにも、民間や行政それぞれの役割を明確にすること、とくに行政の「顧客」が誰なのかを曖昧にしないことが必要と思いました。(コンサルタントC様)

 

・「理念なき利益は犯罪、利益なき理念は寝言」が印象に残りました。行政も民間も、理念と利益を両立させる施策、取り組みを考える必要があると感じました。(エネルギー関係D様)

 

 

~~~

 

次回以降も、素敵なゲストをお迎えして「国産材ビジネスセミナー」をお贈りしていきます。

★次回予告★

2016年11月19日(土)14:00~18:00

「林業女子ガールズトーク!~女性目線をいかしたマーケティング&女性活躍のリアル~」

 

 

【基礎講座】
・共感力!マーケティング講座
~チラシ、WEB&SNSの書き方~
・林業人材の採用&育成のポイント
・林業女子のキャリアプラン~現場女子と総合職女子~・女性と向き合う経営者の心構え

 

 

【ゲスト講座】

㈱はぴきゃり 代表取締役 金澤 悦子 氏

「経営に女子力をいかすコツ~男女の目線の違いから~」

 

 

★詳細・お申込はこちら! https://chiikino.jp/blog/?p=6191

 

 

みなさまのご参加をお待ちしています!

 

Posted by wpmaster on 土曜日 9月 3, 2016 Under pick up, すべての記事, セミナー報告, 国産材ビジネスセミナー(東京)

 

9月2日(金)、新たなプロジェクトが始動。

その名は「豊田市産材利用拡大プロジェクト」

=== === ===

愛知県豊田市では、平成12年の東海豪雨、平成17年の市町村合併で広大な森林面積を有したことから、

平成19年に「豊田市100年の森づくり構想」を策定、森林管理を促進してきました。

 

「クルマのまち」のイメージが強い豊田市ですが、

豊富な森林資源を有する、「林業のまち」でもあります。

 

次なるステップとして、地域材の利用拡大や地産地消の実現に向けて、本プロジェクトが始まりました。

 

地元の建築設計・デザイン事務所が豊田市からの委託を受け、

弊社もメンバーの一員として推進していく体制となっております。

 

 

さて9月2日はキックオフイベントということで、豊田森林組合を会場に

「豊田市地域材利用拡大プロジェクト 事業説明会&講演会」が行われました。

 

 

まず市役所からの事業説明、

そして事例発表として、
●豊田の森から顔の見える流通をつくる取り組み「人と木をつなげるプロジェクト」

●地域の木を使った家づくりを手掛ける「水嶋建設㈱」

●平成30年に豊田市で製材工場を設立予定の「西垣林業㈱」

の3名の方に活動紹介をいただきました。

 

P9020125

 

また基調講演として、弊社代表古川が

『「地域材、いま何故チャンスか。」~全国の先進事例を基に~』

と題して講演をさせていただきました。

(photo by 永田ゆか)

 

今回のプロジェクトの目的は、地域材ブランドとマーケットを創造すること。

とはいえ、単に「●●県産材」「○○市産材」と名前をつけるだけでは

ブランドたりえません。

 

改めて日本各地の林業産地を紹介した上で、

ブランド=見た目、ではなく、

素材をつくる施業の在り方、加工品質、営業品質までを含めて

ブランドが形成されていることをお話させていただきました。

 

「素材力、加工力、営業力」の3つの力を分析し、

さらにめざすべき地域の目標林型、森林ビジョンの達成に向けた

「企画」と「規格」が必要とご紹介しました。

 

 

遠くは県外から、定員の80名を超える参加者が集まった講演会。

感心の高さがうかがえました。

 

後半のディスカッションでは、会場からのご質問も多く飛び交い、充実した時間となりました。

 

 

本プロジェクトとしましては、まずは関係者ヒアリングを実施し、豊田市産材の生産・加工・流通、住宅建築の現状を把握し、

10月以降は具体的な活用策にむけて計3回のワークショップを開催予定です。

 

①コンセプト&ツールを作り

②商品開発

③運営方法や組織

 

それぞれテーマを変えて、回会を重ねるごとにリアリティが増し、

地域内のプレーヤーを知り、繋がり、実行へつなげる未来を見据えた設計となっております。

 

市内、市外からの参加も可能で、メンバーは随時募集して参ります。

今後にご期待ください。

 

★プロジェクトのfacebookページはこちら

https://www.facebook.com/tlwpj/

Posted by wpmaster on 金曜日 9月 2, 2016 Under — 産地ブランド・選ばれる林業会社, pick up, すべての記事, プロジェクト活動記, 講演・研修、コーディネーター, 講演&研修 報告

 

8月27日は広島県北広島町にて、
「中国山地(北広島町)の木をプレミアム化するマーケティング講座&ワークショップ」の
ファシリテーターを務めさせていただきました。

広島県木造住宅生産体制強化推進協議会事業の一環で開催される当講座は
全3回のプログラムで構成されており、今回は第2回講座となりました。

 

 

会場は、森のレストラン・ウェディング「farm NORA」にて。
島根県との県境近くの山里に佇むお店ですが、造船の設計を専門とするオーナーの自作で建てられた建物で、
木材、木皮から船に使われた窓まで、様々な素材を使われており、レストランの傍らにはピザ窯を併設。
温かみのある空間が広がっておりました。

 

 

なんと、敷地内にはオーナーの松本氏が自作された簡易製材機まで!
自動車のタイヤに刃を巻き付け、農機具のエンジンで回し、機械を押して製材していきます。

見事に丸太が板へと料理された瞬間には、思わず見学者一同から、感嘆の声が上がりました。

 

 

さて、farmNORAの施設見学を終えて、施設内の会場で講演へ。

今回の講座テーマは、「木材が選ばれる理由を定義しトータル林業について考える」と掲げて、
建築設計士、大工の方々を中心に約20名の参加者様にお集まりいただきました。

★第1回の様子は、こちらのブログをご覧ください↓↓
https://chiikino.jp/blog/?p=5858

 

今回の講座は、このようなメニューでお話しさせていただきました。

■講演のMENU
・木材、地域産材が選ばれる理由
・木材業界差別化の7要素~品質はタネから~
・3C視点で北広島町の林業木材業を差別化しよう
・他地域事例紹介
・トータル林業のススメ~規格と企画~
・コンセプト、コンテンツ、コンダクターをつくろう

 

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■3C視点で地域産材を差別化しよう

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マーケティング戦略を考え際の手法として、「3C分析」といったフレーム分析が使われます。

・Company(自社)
・Competitor(競合)
・Consumer(消費者)
と3つの「C」の切り口について扱うことから「3C」と名付けられています。

 

自社のブランド戦略を考えるにあたり、
“自社が持っていて、他者にはない、顧客が求めている要素”を探り、進展させるために行うフレーム分析です。

 

例えば地域産材の良さをPRする際に、「他社=他の地域産材」と比較すると、
「木目の手触りが温かい、自然素材だから落ち着く」といった営業ポイントのみでは、地域産材を差別化できないということが分かります。

他の地域にはない、北広島地域産材ならではの特徴であり、顧客に求められる強みとは何か?
地場産材のプレミアム化に向けて、まずは3C分析の視点をお伝えいたしました。

 

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■素材品質の特徴を伝える~品質は、タネから~

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とある養豚業を営む経営者は、自社から出荷する素材について、
5つの切り口に分けて紹介します。
そして、その切り口の一つが「品種(DNA)」。

厳選して育てる品種の特徴を示し、素材品質が良いと言える根拠を徹底的に説明できるのです。
他にも、育て方や風土、エサの違い等について掘り下げることで、5つの切り口から”素材品質が良い理由”をPRされています。

木材を料理して、建物空間の制作に携わる受講者の皆さまですが、
改めて、木材の素材品質について掘り下げていただきたく、木材業とDNAの関係について話題提供させていただきました。

 

ご存知の通り、森林には地域ごとの多様性があり、風土に応じて育まれてきた品種がありますが、
一方で、異なる地方から苗木を仕入れて、目的とする樹種を育成する木材生産も営まれています。
特に、戦後の拡大造林期には、少しでも早く目的とする木材生産をかなえるために、
同じ品種を効率的に植林した歴史もありました。

 

地場産材のプレミアム化を目指す本事業ではありますが、
改めて5つの切り口から分析して、北広島町産材の素材品質は、どのように説明することが出来るのでしょうか?

 

 

古川からによる講演の後は、ワークショップタイムへ。
「トータル林業のススメ~規格と企画~ コンセプト、コンテンツ、コンダクターをつくろう」をテーマに、
北広島町の地域産材を唯一無二のブランドにするために、どのようなアクションを起こせるか、チームごとにアイデアを出し合っていただきました。

序盤に見た自家製製材機に感銘を受け、「丸太を運んで、出前製材をやってみたら面白いのでは!?」といったアイデアまで、
自由なディスカッションとなりました。

一方で、「やはり地域の山の資源情報が分からないことには、具体的なアイデアが生まれない」といった感想も、多々寄せられ、
今後、さらに山側と共に地域産材のブランド化に向けて素材品質を見つめ直す必要性に気付くワークショップとなりました。
★チラシの詳細は、画像をクリックしてご覧ください。

 

 

本事業の第3回講座・最終回は、10月30日(日)。
「北広島町にとっての地域産材プレミアム化の目的と方法を描く」を講座タイトルに掲げて、
北広島町地域産材のプレミアム化に向けて、自社の関わり方とアクションを描くことを目的に開催いたします。

参加者の皆さまが、明日から取り組める地域産材の売り方、使い方、儲け方提案について、見出していただく講座にしたいと思います。
ぜひ、川上から川下の関係者様まで、お誘いあわせの上、ご参加くださいませ。

 

最後となりましたが、参加者様のアンケートから、一部をご紹介させていただきます。
アンケートにご協力いただいた皆様、ありがとうございました。

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■参加者様の声

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■A様
「前回より次のステップに進めたように思います。次は、北広島の山を見に行きたい」

 

■B様
「3C分析の視点がとても勉強になりました。」

 

■C様
「3C分析で、日ごろ着目している点の偏りに気付いたことが興味深かったです。
カスタマーの立場からの視点を技術面や競合他社を考えるところとは別に、 外の視点から考えるきっかけをいただきました。
北広島町の林業とカスタマーを誰がどのように繋いでいけるのか、次回のワークショップが楽しみです。」

 

■D様
「3C、差別化の7要素など、キーワードを使って分かりやすく考えるきっかけを説明していただいきました。
次回の展開が楽しみです。」

 

■E様
「前回、今回の講演&ワークショップを経て、知識やアイデアをもらおうといった意識が強かったです。
広島県産材の特性、特徴などは、次回までに知ってから臨みたいと思いました。

3C分析の考え方や差別化7要素は、林業だけではなく、デザイン業にも生かせそうだと思います。
ワークショップで生まれたアイデアも面白そうでした!

最終回のワークショップでは、実際に活動の形が生まれるような内容にしたいと思います。」

 

■F様
「マーケティングのフレームは林業に関わらず、たいていの分野で役に立つ学びでした。
トータル林業の考え方がプレミアム化の答えだと思いました。企画については、自団体の得意分野であり、強みですが
規格と結び付ける役割の方とうまく連携して、北広島町のトータル林業を目指したいと希望が見えました。
最後のワークショップに、わくわくしました!」

 

■G様
「北広島町の林業の情報をもっと知りたいと思いました。
産地のことを知らないと、議論ができないと感じました。」

 

■H様
「北広島町の住民でありながら、町の山のこと、木のことを知らない自分にショックを感じました。
特徴があまりない山林だと思い込んでいた自分が恥ずかしく、こういったワークショップは良い機会だと思いました。
次回のワークショップにて、地域の林業の方向性についての具体策が出ることを期待しています。」

 

■I様
「林業のブランド構成要素としての”品種(DNA)”を初めて意識しました。
普段は消費者との接点が少なく、やはり接点を持ち、評判(消費者の声)を聞いて、 業界を挙げて大きくPRしていく必要性を感じました。
ネーミングについても、木材の名前にこだわりすぎず、地域の道路や象徴的なものを使ってブランドづくりをしていく可能性に気付きました。」

 

■J様
「アッパー層は環境問題、環境配慮の理念を無視しない、とおっしゃったメッセージが心に留まりました。
誰に売るのか、ターゲットを絞ることが大切ですね。

豚やトマト等を例にとっての説明も分かりやすかったです。
私は農業も営んでおり、産直専門で商売をしていますが、自分の名前が入ったシールを貼って、値段も自身で決めています。
するとやはり、気が抜けないものです。木材の販売も野菜や豚と同じだと思いました。」

 

■K様
「差別化の7要素と3C分析は、どのジャンルにおいても当てはまることだと思い勉強になりました。
北広島町の例とした時に、山のことを知らないことが行き詰まる大きな要因であると再認識しました。
北広島町の山林資源マップを是非見たいですね!次回が楽しみです。」

 

■L様
「改めてマーケティング理論を知り、ものづくりを考え、整理する重要性を感じました。
特に今回はファームノラの会場で開催できて、とてもよかったです!

地域づくりやまちづくり、自然、歴史、文化と幅広い分野でとらえてブランド化を進める視点について
他のメンバーから提案された点が面白かったです。

北広島町の地域の人や山林、製材に関わる人と具体的なまとめが出来る最終回に期待しています。」

 

 

参加者様アンケートには、farm NORAが良かった!とのコメントも多数ありました。
ワークショップ中の休憩時間には、手作りのシフォンケーキ&珈琲までご提供いただきました。
改めて参加者の皆さま、そしてfarm NORAスタッフの皆さまに、心より御礼申し上げます。
第3回もどうぞよろしくお願いいたします。

 

Posted by wpmaster on 土曜日 8月 27, 2016 Under pick up, すべての記事, 未分類, 講演&研修 報告