渋谷ヒカリエに吉野杉カウンター

 

川上村で行われた土倉庄三郎翁没後100年記念で林野庁・農林水産省から、来賓でお越しいただいた方へのご挨拶と、その他の情報交換のために、吉野かわかみ社中メンバーと東京へと参りました。「改めて、川上村のファンになりました!」とお話しをいただき、歴史を学び、技術を知り、人と出会い、感動を得た!という感想をいただき、色々と東京の方々から応援の声をもらうことは、やはり嬉しいことです。

 

 

 

 

同じく、その日は、渋谷ヒカリエ地下3階リニューアルで、「いろは(株式会社結わえる)」の新店舗ができ、船井総研時代の同期の荻野社長に会いに行きました。寝かせ玄米はもちろん、新商品カレー、国産材の割り箸もあります。彼も吉野のファンです。彼を一度、当時の同期の仲間で、川上村に来ていただき、古川が案内をしたことがあります。まさかそのとき、こうやって独立して、食ビジネスを展開するとは思っていなかったのですが、その時の彼の言葉が忘れられなかったので紹介いたします。

人生80年、知らねばもったいない。

 

 

 

「80年間、日本の農業、そして、日本の森林・林業の面白さを知らないで死ぬ人が多い。こんなもったいないことはない。吉野でこれだけ自分は感動した、いわんや日本の至る所はもっと面白いだろう。」一度、足を運ぶ、体験する、経験するその大切さをと。そして彼はこういいます。

 

良い食を考えたら、器を選ぶでしょ?

 

「よい食を考えたら、器を選ぶでしょ?だから、箸を考えるでしょだから、机もこだわるわけ。だから、全国の素材のこだわるのは食べ物だけじゃない。」なによりも農産物は出口が大事で、消費者のライフスタイルにあう補完財とのつながりが大事だという彼。その商品だけでなく、広く消費者が求めているものを捉え、ライフスタイルの提案までサービス展開をしています。それは、林業も同じでしょう。木を通して繋がる、食文化と森文化は二人三脚であると、彼といつも話しています。

今回は、吉野杉の巾はぎカウンターと、什器棚の一部を吉野杉工房(木工センター)から納品させて頂きましたが、以前は、池袋でも飛騨の杉、三重の桧をカウンターに納品しましたが、また共に、食と森とが繋がる展開をお互いに広げて行けたら幸いです。

 

 

 

 


代表取締役 | 代表コンサルタント 古川 大輔  Daisuke Furukawa

twitter: @daisukefurukawa

blog: 地域再生・森林再生コンサルタント日記

新潟県生れ、東京都町田市育ち。大学院時代、全国の農山村地域を巡り、研究の道を捨て博士課程中退。㈱船井総合研究所主任、㈱アミタ持続可能経済研究所客員主任研究員、㈱トビムシを経て独立し、㈱古川ちいきの総合研究所を設立。船井総研時代に「地域ブランド創造チーム」設立。以後、地域ブランド創造を切り口に、地域再生、森林再生に携わる。㈱トビムシでは、ニシアワー(森の学校)設立前支援、高野山・高野霊木プロデュース、経営実践研究会の実施等を行い、全国の林業木材業・地域づくりに関わる支援実績、講演多数。奈良県川上村観光PRかみせ大使、高野山金剛峯寺境内案内人。

 

 


 

 

 

 

Posted by wpmaster on 木曜日 7月 27, 2017 Under すべての記事, ちいきのコラム, 未分類, 雑談

 

地方自治体の税制と自立

2016年から返礼品規制が導入された、ふるさと納税制度。開始当初こそ知名度の低さが問題視されていましたが、豪華な返礼品が登場し、テレビCMも放映されるようになり、「ふるさと納税を上手に活用している人の暮らし!」と番組特集され、認知度・注目度ともに近年急上昇した税制の一つではないでしょうか。最近では、ふるさと納税に参加する時に、「納めたお金(税金)がどの政策に使われることを希望するか」と用途を選択させる自治体もあります。ふるさと納税をきっかけに、地方自治体の財政について目を向けたという一般消費者も少なくないでしょう。
そして、地方自治体の財政をみる際に欠かせないのが、”交付税”と言われるお金の流れについて。日本には、地方交付税という財政制度がありますね。地方公共団体の財源の偏在を調整することを目的にした国の制度です。しかしながら、国の財政に依存しない不交付団体も約40箇所あると報告されています。例えば、北海道では泊村、青森県では六ケ所村。どちらも原子力発電施設を保有する地域ですね。自主財源があれば良いから、発電所を受け入れようとなるのか・・・。国や東京から流入してくるお金で成り立つ地方自治で良いのでしょうか。その先に、地域の自立があるのでしょうか?このように、地域の自治や自立について考え、ビジョンを作り、また地方自治や地域企業の自立支援に携わる我が社です。しかしプロジェクトを突き詰めていくと、個人の自立・自律に答えがあると感じる場面が多々あります。

 

企業と個人の自立

 

先日は社員と、とある企業の自立支援を行っている際に「何をもって自立・向上と言えるのか?」と話す機会がありました。それはすなわち、生きるってどういうことなのか?という問いにも繋がるテーマでしょう。これについて考えて、まとめてみました。

 

 

まず、私が講演等で度々お話する、「情熱方程式」というものがあります。

 

 

情熱=好き×憤り(コンプレックス)→それは、原体験から生まれ出るもの

 

という内容ですが、多くの経営者(あるいは自立した人間)は、この両方を持ち得ていて、過去の経験を未来の力にしています。好きこそものの上手なれというものがあって、かつ、馬鹿にされたり、敗北感を味わったり、悔しかったりの憤りを情熱に変えていく。ただ、情熱の矛先が間違えてしまう人もいます。それが「考え方」です。京セラ会長、JAL再建を担われた稲盛和夫氏は、

 

 

人生方程式=(考え方)×(熱意)×(能力)by稲盛和夫氏

 

 

とおっしゃっています。すなわち、熱意、情熱があっても、考え方が違っていたら、違う方向に行くし、能力がなければ、何も世の中に貢献できません。その考え方というのは、私なりには、

 

 

成功方程式 =(素直、勉強好き、プラス発想)by船井幸雄氏

 

 

であると定義して、熱意は、自己流ですが、好き×憤りの原体験とし、そして、能力とは、学歴とかではなく、目標をもち、不断の努力の小さな積み重ね、基礎練習にあると思っています。素振り、キャッチボール、バス練習、営業マンでも現場マンでも、一緒で、基礎練習していますか?わたしは、身近な社員や、クライアントが自立心、向上心が高くなっていくことが嬉しいですし、この人生方程式等から、皆様が自分なりに落とし込んだとき、何がどう具体的なアクションに変えられるか。

 

あなたの人生方程式は何ですか?

 

 

 

人生方程式とは、情熱(好き×憤り)×考え方(素直、勉強好き、プラス発想)×能力(基礎練習の積み重ね)というところでしょうか。これぞ、自立と言えるのかもしれません。いま、地方創生、国産材ブランド化、等の仕事仲間や、研究会のメンバーについてもそうですが、強い個があって、強い集団でありたいと思います。プレミアムを事実プレミアム化する。これがテーマです。

 

自立のために、好きなポエムをご紹介します。

 

 


 

「ゲシュタルトの祈り」~~~

 

私は私の為に、あなたはあなたの為に生きている

 

私はあなたの期待に添う為にこの世界にいるのではなく

 

あなたも私の期待に添う為にこの世界にいるのではない

 

私は私、あなたはあなた

 

もし私達が偶然にも出会うならそれは素晴しいこと

 

もしそうでないのであればそれもまたよし

 

Byフレデリック・パールズ(ユダヤ人でもあるドイツの精神科医)

 

 


代表取締役 | 代表コンサルタント 古川 大輔  Daisuke Furukawa

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新潟県生れ、東京都町田市育ち。大学院時代、全国の農山村地域を巡り、研究の道を捨て博士課程中退。㈱船井総合研究所主任、㈱アミタ持続可能経済研究所客員主任研究員、㈱トビムシを経て独立し、㈱古川ちいきの総合研究所を設立。船井総研時代に「地域ブランド創造チーム」設立。以後、地域ブランド創造を切り口に、地域再生、森林再生に携わる。㈱トビムシでは、ニシアワー(森の学校)設立前支援、高野山・高野霊木プロデュース、経営実践研究会の実施等を行い、全国の林業木材業・地域づくりに関わる支援実績、講演多数。奈良県川上村観光PRかみせ大使、高野山金剛峯寺境内案内人。

 


 

 

 

 

Posted by wpmaster on 木曜日 7月 13, 2017 Under ちいきのコラム, 雑談

 

 

西中島の飲食店で一斉開催

 

我々のオフィスは大阪市淀川区西中島に所在しています。最寄駅は、地下鉄御堂筋線「西中島南方駅」。この西中島南方エリアにて、「肉中島南方」というイベントが期間限定にて開催されていました。このイベントは今年で2回目。昨年は29店舗でしたが、今回は42店舗。西中島にある参加飲食店が、今年は淡路島産新玉ねぎを題材に店舗ごとのオリジナルメニューを一品開発し、それをパンフレットとWEBに掲載し、他社メディアにも取り上げてもらう試みでした。

 

 

 

 

要するにこのイベントは、地域全体で一つになって面のブランドをつくり、西中島南方への総客数を増やすことが目的です。42店舗のうち1店舗、とあるワインの美味しいお店に私は頻繁に行くのですが、マスターから、お話を聞きました。肉中島南方のイベントでは、このようなポイントがあるようです。

 

1.共通テーマで合同集客

2.共通商材でオリジナル製品企画

3.共通パンフ、WEBで集客

4.牽引者は2~3名(42店舗のうち)がメディアとの繋がりを持っている

 

結局、私は来年もこのイベントを楽しみにしたいのですが、今後の継続は、イベントによて明らかに新規で自店舗に来た人が多いか少ないかが、継続のポイントだろうとおっしゃっていました。地域のお付き合いがもちろん第一でありますが、お付き合いだけではなく、ビジネスをするとは何か。継続とは何かが大事なんですね。私としては、最終的に自社の新しい技術開発、商品開発に繋がれば、このような地域イベントへ参加の価値ありかと思います。また、楽しみにしています!

 

そこにしかない、技術はあるか

 

ところ変わって先日は、岐阜県郡上市にて、ご紹介とコーディネートをすることになったとある林業者の技術に関する講習会が開催されましたが、考えるテーマは「技術とは何か」について。

 

 

1)心技体、一体のものであり、教育的指導ができているか

2)経営戦略として、位置づけができているか

3)その技術が売上/コストにどう反映されるか明確になっているか

 

私は、この3つがポイントであると思います。

 

 

 

以上、飲食店と林業におけるサービス技術と統一(一体感)についてその継続いかかる魅力とポイントを、お伝えさせていただきました。

・真似されたくない技術サービス(自社の強みとは何か)
・広げていきたい技術サービス(一体感と継続とは何か)

皆様のテーマはいかがですか?

 


代表取締役 | 代表コンサルタント 古川 大輔  Daisuke Furukawa

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新潟県生れ、東京都町田市育ち。大学院時代、全国の農山村地域を巡り、研究の道を捨て博士課程中退。㈱船井総合研究所主任、㈱アミタ持続可能経済研究所客員主任研究員、㈱トビムシを経て独立し、㈱古川ちいきの総合研究所を設立。船井総研時代に「地域ブランド創造チーム」設立。以後、地域ブランド創造を切り口に、地域再生、森林再生に携わる。㈱トビムシでは、ニシアワー(森の学校)設立前支援、高野山・高野霊木プロデュース、経営実践研究会の実施等を行い、全国の林業木材業・地域づくりに関わる支援実績、講演多数。奈良県川上村観光PRかみせ大使、高野山金剛峯寺境内案内人。

 

 


 

 

 

 

 

 

Posted by wpmaster on 火曜日 7月 4, 2017 Under pick up, ちいきのコラム, 雑談

 

脱サラ=ダサイ?

 

「脱サラ」この言葉をきくと、どんなイメージがありますか?

「ローカルベンチャー」この言葉をきくと、どんなイメージが浮かびますか?

脱サラ⇒ダサイ?脱・脱サラ?

ローカルベンチャー⇒カッコイイ?

では、「リンス」と「トリートメント」と「コンディショナー」の違いは?

「修繕」「リフォーム」「リノベーション」の違いは?言葉が変わって、カッコわるいが、カッコいいに変わっただけでしょうか?

 

 

上記の図には、修繕→リフォームとありますが、今や、リフォーム→リノベーションと言葉が推移していますよね。「建築した時の元々の状態に戻すのがリフォーム」、「付加価値を加えるのがリノベーション」、と厳密にいえば定義が異なります。しかし、本質と装飾(言葉)のどちらが変わったのでしょうか?言葉が変わるという、飾り以外の本質とは何でしょうか。

では、話戻って脱サラについて。

・社会の歯車のような毎日の繰り返しを辞めたい!

・やりたいことがやれないから、自分の意思で、自由に生きたい!

 

このようなネガティブイメージからの脱却として「脱サラ」という言葉が流行した時代もありました。しかし結局は、何をするのかが重要であり、本質の議論となります。その一つの手段に台頭してきたものが、近年では「地域ビジネス」「ローカルベンチャー」と称される仕事ではないでしょうか。

 

地域ビジネスの”カッコいい”は何か?

 

結局、どんな言葉であっても、言葉の流行廃れではなく、フリーランスとしてどう生きるかという意味では、「起業する」「独立する」といった生き方として、共通します。

 

「脱サラしてラーメン屋始めました。」

「脱サラして地域ビジネス始めました?!」

 

つまり、言葉は異なりますが、ラーメン屋も地域ビジネスの一つであると考えます。実際に私は、実家の近く、相模原にある某ラーメン屋が大好きで、これは地元の誇りと思っています。すると、カッコイイって何だろう?と考えます。「(見た目の)デザインが良い」「地域資源を使って持続可能な社会に貢献」「人間関係が良くていい」と地域ビジネスの魅力が語られることもありますが、それよりも大事なことがあるのではないでしょうか?ラーメンがカッコイイとか、カッコ悪いとか、商品サービスの庶民性がダサイとか言いたいのではなく、その答えは自分の生き方、ビジネス経営の方針(志)、暮らしの方向性にあるような気がします。

 

 

「デザインが少々悪くても、一緒に汗をかいて、緊張感ある仕事ができる人間関係を持ち、自分がブレずに、地域で仕事(ビジネス)をすること」が大事で、地域ビジネスの本質とは、ここにあるのではないかと考えています。結果、それが誰かが言うカッコいいに繋がるということ。どうしても、人は、流行り廃れに動かされ、自分軸ではない、他人からの評価軸で動いてしまいがちで、だからこそ、表現(言葉の装飾)での変化だけに敏感になりすぎているのではないでしょうか。

 

4つの幸せ軸から”カッコいい”を読む

 

必要なのは、何をもって自分が楽しく、何をもって幸せと感じるかということ。最後に、ある人から教えてもらった”4つの幸せ軸”を紹介したいと思います。

 

■4つの幸せ軸

①自己実現(やりたいことができているか)

②感謝(人との繋がりがあるか)

③楽観思考(プラス発想であるか)

④自立ができているか(健康、経済、安心があるか)

 

 

総じて、食べる力、生きる力から幸せの基礎が形成されるわけです。他方で、大企業のサラリーマンには、生存実感が薄く、4つの幸せ軸を満たせない不安、不満の募る人が多いとも言われます。戦後日本の教育では、サラリーマン造成を施してきた結果、新たな時代の変化に個人が適応できにくくなったと言われますが、今や、インターネットを使いグローバル社会の中で、東京やニューヨークを介さずとも、ローカルtoローカルへ簡単に繋がるように時代は変化しました。そして、教育方法も学校経営も新しいフェーズに移っています。脱サラとか、ローカルベンチャーとか言葉の装飾は置いておいて、カッコイイってのいうのは「自分がこう思うこと」という「生きる力」の表れなのです。地方は、過疎を問題や課題として捉え、人口増加のみを求めるのではなく、「生きる力」を作っていくこと。地域ビジネスという言葉が認知度を上げつつある一方で、私自身、まだまだ努力が足りないということを強く思ったわけです。みなさまいかがでしょうか。

 

 


代表取締役 | 代表コンサルタント 古川 大輔  Daisuke Furukawa

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新潟県生れ、東京都町田市育ち。大学院時代、全国の農山村地域を巡り、研究の道を捨て博士課程中退。㈱船井総合研究所主任、㈱アミタ持続可能経済研究所客員主任研究員、㈱トビムシを経て独立し、㈱古川ちいきの総合研究所を設立。船井総研時代に「地域ブランド創造チーム」設立。以後、地域ブランド創造を切り口に、地域再生、森林再生に携わる。㈱トビムシでは、ニシアワー(森の学校)設立前支援、高野山・高野霊木プロデュース、経営実践研究会の実施等を行い、全国の林業木材業・地域づくりに関わる支援実績、講演多数。奈良県川上村観光PRかみせ大使、高野山金剛峯寺境内案内人。

 

 


 

 

 

 

Posted by wpmaster on 木曜日 6月 29, 2017 Under pick up, ちいきのコラム, 雑談

 

コンビニの商品棚に注目!

 

この6月、コンビニエンスストア最大手のセブンイレブンの商品棚で、ある変化があったことにお気付きでしょうか?それは、紙パック飲料の裏面での出来事でした。お茶やジュース等プライベートブランド1000mlの紙パック全てに、森林認証PEFCのロゴが入ることとなったのです。他にも、「キリングループがすべての紙製の包装容器を2020年までにFSC認証紙に切り替え」の方針を示すなど、CSRを重視する世界的企業を中心として、森林認証紙の導入が徐々に広まりつつあります。市場を世界に土俵を置いた場合、「違法伐採が多発し過ぎている。」「自国の自然資源利用について法律的規則が厳しい」「エコグループ団体からの風当たりが強い」といったたような世界的企業は、マーケットアクセスプレミアム=“その市場に入るために最低限必要なチケット”として企業は認証制度に則った資源利用経営へ乗り出しています。つまりこの場合は森林認証材が市場の土俵に入るためのプレミアムとして寄与しているのです。

 

【プライベートブランド商品の裏面に注目!】

 

森林認証材利用が進まない問題

 

一方で、倫理的基準で商品を選ぶ「エシカル消費」について、一般消費者視点から見ると、その購買欲求につながる差別化要素としては、「美味しそう!」「かわいい!」「便利!」といった要素と比べて5番目か6番目と順位が下がるものでしょう。そこで今回は、「森林認証材利用が進まない問題」についてお話したいと思います。結論から言うと、

① 必要性がないから

② 費用対効果がないから

 

現場では、この2点の答えに尽きるのです。

 

森林面積シェアから認証林を読む

 

それでは、日本国内の森林認証を見てみましょう。輸出を除いて、「森林認証材利用が何故進まないか問題」解決の糸口は見つかるのでしょうか?現在、日本の森林面積のうち、森林認証林のシェアを見ると、

2015年は、約3~4%(FSC、SGECの認証林合計)

2016年は、約7~8%(FSC、SGECの認証林合計)

と、微増しており、FSC、SGECの認証林を合計すると、拠点シェア(3%)存在シェア(7%)をついに超えたところです。しかしながら市場への影響を生み出すと言われる影響シェアと言われるのは、11%。ここまで認証林を普及させるには、

 

①QCD(製造業の基本3要素)を遵守すること

 

②必要性、欲求性を満たす高付加価値商品を作ること

 

③シェアの理論で戦略を立てること

 

この3つが肝要となるのではないでしょうか。森林面積ではなく、認証材の製品シェアで戦略を立てる必要もありますね。これから何処までのシェア拡大を目指すのか、あるいは、マイノリティであり続けることで、差別化要因として森林認証を利用するのか。ここがポイントでしょう。森林認証制度は、行政主導で導入へと盛り上がり、結局のところ、審査を務める会社やコンサル会社が儲かっているだけではないかといった批判も見受けられます。

 

「認証」をニーズからウォンツへ

 

 

森林認証をどのように利用するか、この議論になれば、面白い。

 

一部の国では“それがなければ市場に参入できない”というビジネス上の厳しい法規制があれば、森林認証はマーケットアクセスプレミアムとして機能しますが、原則として既述の通り、「QCD(品質、価格、納期)の約束ができること」がなければ、そもそも話が始まりません。安定供給といった企業(事業体)の基礎力と言いますか。特に国内の場合は、QCDを満たすことで、森林認証であるか否かに関わらず、マーケットニーズプレミアム(市場に必要とされる差別化)を付けることができます。

 

このマーケットニーズプレミアムに続いて、BtoCビジネスにおいては、「その木材を使うことで、一般顧客にとって魅力を感じられる要因は何か」といった議論が進みます。特にBtoCビジネスにおいては「カッコいい」「かわいい」「美味しそう」「お得」といった欲求性が重要で、それができるとマーケットウォンツプレミアム(顧客にワクワク感を与える差別化)で付加価値が高まります。その流れがあってこそ、差別化の最後に、森林認証が倫理的消費や物語性といったマーケットストーリープレミアムとして森林認証が活躍します。

 

すなわち、使い手側に掛かっているのです。

 

①マーケットアクセスプレミアム(法律) →森林認証の土台

②マーケットニーズプレミアム(QCD)

③マーケットウォンツプレミアム(暮らしのデザイン)

④マーケットストーリープレミアム(倫理的消費)→森林認証の価値

 

 

やること、できること、まだまだ沢山ありますね。経営力の基盤づくりという視点から見て、本質的に認証を活用するには、各々の立ち位置からみた認証の価値を表す必要があります。例えば、規制や法律面からみると、「アクセスプレミアムにするにはどうしたらいいか」。BtoBの民間事業者視点でみると、「如何にしてニーズに対し安定的に応えるか」。BtoC企業からみると「一般消費者に対するウォンツをどう生み出すか」、消費者視点でみると、「倫理的消費にどのように参加するか」。これらに重きを置きながら、それぞれのプレーヤーが、それぞれの価値創造と将来に何を残していくかという本質的な豊かさの意義を見出していく必要があるのではないでしょうか。

 

 


 

代表取締役 | 代表コンサルタント 古川 大輔  Daisuke Furukawa

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新潟県生れ、東京都町田市育ち。大学院時代、全国の農山村地域を巡り、研究の道を捨て博士課程中退。㈱船井総合研究所主任、㈱アミタ持続可能経済研究所客員主任研究員、㈱トビムシを経て独立し、㈱古川ちいきの総合研究所を設立。船井総研時代に「地域ブランド創造チーム」設立。以後、地域ブランド創造を切り口に、地域再生、森林再生に携わる。㈱トビムシでは、ニシアワー(森の学校)設立前支援、高野山・高野霊木プロデュース、経営実践研究会の実施等を行い、全国の林業木材業・地域づくりに関わる支援実績、講演多数。奈良県川上村観光PRかみせ大使、高野山金剛峯寺境内案内人。

 


 

 

 

Posted by wpmaster on 月曜日 6月 26, 2017 Under pick up, ちいきのコラム, 未分類, 雑談