産地共催交流セミナー(7/31-8/1)のに向けての企画も進む中、
6月度の経営実践研究会 in 大阪を、開催いたしました。

■6月度のメニュー

1)家具の町から考える、地域ブランドとは何か。~地域ブランドの面と点~

2)製材オペレーション(安全対策ワークショップ)

3)話題提供(マーケティング事例)

4)産地共催交流セミナー企画会議

 

この中から、今月のハイライトをご紹介いたします。

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【1】家具の町から考える、地域ブランドとは何か。~地域ブランドの面と点~

古川が訪問した、家具の産地から事例紹介。

みなさまは、「家具のまち」といえば、いくつ名前が言えますか?
そして、知っているその産地の成功要因とは何でしょうか。

家具に限らず、ブランドを確立させている地域は、

A)統一拠点型 ・・・ 産地全体で協議会などがとりまとめて情報発信

B)一強企業型 ・・・ 商品力あるトップ企業が牽引する

の2パターンがあり、「面と点」それぞれに補い合い、
ブランド確立していくという方程式を見出しました。

あなたの産地は、どちらのタイプですか?

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【2】製材オペレーション ワークショップ~作業の分解と再構築~

 

林業の安全や人材育成にいかせる手法として、
研究会にて学んできた「ワークショップ」。

林業の現場管理や人材育成のワークショップ経験に長けるゲスト講師をお招きし、

今回は製材オペレーション(安全管理)をテーマに実践いたしました。

 

このワークショップは、

①時系列に事象を整理

②その作業をする理由を確認

③起こりうるリスクを洗い出し

④その原因を探る

⑤対策を考える

というフローで進めます。
製材業の安全管理のため、まずはその工程を整理することから始めます。

材料仕入れから加工、保管、配達など、どれだけの作業があるか、また、
それぞれの工程に、どのような危険・リスクがひそんでいるでしょうか。

まずは、製材工場で起こったトラブルや「ヒヤリハット」の事例を、
参加者のみなさまに書き出していただきました。

次に、トラブル事例を時系列にグルーピングしました。
「こっちは、ダメって分かりつつ押し切って、トラブルに繋がった例ですね・・・」
「AとBは、別作業での出来事だけど、関係している事があるのが分かります!」
「あぁ、この場面、よくあります、分かります!」
「いやいや、こっちはうち(自社)特有のハプニングですね。」  など、

日々の出来事を分解し、グルーピングすることで、
トラブル同士の因果関係や、
作業工程ごとの注意項目が浮き彫りになっていきます。

 

日々のトラブルをその都度反省することは、もちろん必要です。
これに加えて、製材オペレーションの全体を改めて分解し、再構築することで、
各社の実情にあった作業マニュアル、安全対策が生まれるということなのです。

また、「マニュアル」を配布するだけではなく、
現場職員が「自ら考える」プロセスを経験することにより、

なぜその作業が必要なのか、どういった点にキケンがあるのか、
受け身の講習よりも、安全意識が浸透していきます。

 

 

ワークショップのまとめとして、
オフセットの関係にあると思われがちな「安全性」と「収益性(スピードや効率)」について、

「相殺せず、相乗効果を生み出す関係とは?」を考えました。

作業の分解と再構築のワークショップは、次回以降の研究会でも引き続き実践します。
研究会では製材オペレーションをテーマに開催しておりますが、
この手法は、林業現場や建築現場でも大いに応用していただけますので、
ぜひともご参考いただきたいと思います。

 

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【4】産地共催交流セミナー企画会議

2013年のJapan Home & Building Show で大好評!

Club プレミアム国産材(http://club-premium-wood.jp/)が、単独セミナーで帰ってきます!

第4回目となる産地共催交流セミナー

 

開催に向け、企画会議を行いました。
良き出会いを生み出せる場づくり、
そして、今後にも生かせる営業スキル向上へ向けて、

プレゼンテーションのコツを、整理しました。

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~~~~~次回のお知らせ~~~~~

7月度は「産地共催交流セミナー」」開催!!

【1】大阪会場
7月31日(金)13:30 – 17:00
@新大阪丸ビル別館(大阪市東淀川区東中島1-18-22 ) 新大阪駅前!

【2】東京会場
8月1日(土)13:30 – 17:00
@AP品川アネックス(東京都港区高輪3丁目23-17) 品川駅前!

「ただの国産材では終わらない!」
工務店、建築士、リフォーム、インテリア業者様は、乞うご期待!

↓↓詳細はこちらから
https://chiikino.jp/?p=4159 

 

<今後の予定>

8月以降は通常通り、研究会を開催いたします。

8月度 ・・・ 8月21日(金)
9月度 ・・・ 9月26日(土)
10月度 ・・・ 10月23日(金)
11月度 ・・・ 11月下旬【現地研修】
12月度 ・・・ 12月18日(金)

 

★★ご参加お待ちしています!★★

ご参加をご希望の方は、メール(info@chiikino.jp)またはお電話(06-7878-6376)にて、お申し込みください。
お得な年間受講も受付しております。詳細はお問い合わせください。

 

 

Posted by admin on 土曜日 6月 27, 2015 Under pick up, すべての記事, セミナー報告, 経営実践研究会[国産材ビジネススクール](大阪), 講演&研修 報告

 

国産材ビジネスセミナー第一回&森ではたらく!ガイダンスが
参加者満員で開催されました!

★国産材ビジネスセミナー(東京) 詳しくはコチラ!

 

岩手県、栃木県、長野県、静岡県、岐阜県、三重県、京都府、奈良県、鳥取県、高知県ほか・・・
全国各地から、総勢約60名の出展者&受講者にお越しいただきました。

前半の国産材ビジネスセミナー第一回では、3名の講師が登壇。

 

 

第一弾は、

【地方創生に向けた森林・林業の「新しいやり方」~林業からみたバイオマスの実態をふまえて~】 と題し、

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 相川高信氏からお話いただきました。

林業からみたバイオマス利用の規模と実態を分析し、
地方創生に向けて、これからの森林・林業にとって必要となる7つの要素をご紹介。

計画策定、外部人材の活用、体制構築、行政の役割・・・
そして、長期的な視点でみる健全で豊かな森づくり へと、最新の動向を基にお話いただきました。

 

 

第二弾は、株式会社トビムシ取 締役 / 株式会社西粟倉・森の学校 監査役 小林洋光氏による講演。

【地方創生の理想と現実~西粟倉村のイマと現実~】と題し、
株式会社西粟倉・森の学校の取組を中心に、ローカルベンチャーについてお話いただきました。

森と都市をつなぎ地域再興した西粟倉村の「百年の森林構想」を中心として、
”原木”に付加価値を与える取組み、
地域ファンと移住、定住者を増やす”人”づくりの両軸が必要ということ、

さらに、西粟倉村の取組みからみる成功要因について、
ローカルベンチャー論と題して紹介いただきました。

小林光洋氏の 公式ブログはこちら
★tobimushiの法務&Homeブログ
 「2015年 第1回国産材ビジネスセミナー」 

 

 

 

前半の最後は、弊社代表 古川が務めさせていただきました。
【業界の枠を超えて強いチームで戦おう ~”トータルフォレストリー”のすすめ~】 と題する講座を開催。

ビジネスの成功要因”理念と利益” について、
また目標林型と持続的な木材利用を実現する上で必要となる「規格」と「企画」を解説致しました。

またいわゆる「六次産業化」として、一社ですべてを手掛けるよりも、
一社ではできないことを、川上~川下の関係者で協力して、商流をつくっていこう、

ということを、サッカーの「トータルフットボール」になぞらえながら、解説いたしました。

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さらに後半は、特別企画を開催!

「森ではたらく!ガイダンス」と題し、

全国の林業、木材業、工務店、地域商社や市町村行政の方々が
一挙集結し、会社紹介&就職セミナーを行いました。

 

まずは各社10分間のプレゼンテーションからスタート。

 

 

テレビ出演の動画を中心にプレゼンいただいた株式会社ソマウッド(静岡県)。

東京の中心に、つなぎ姿の木こりが現る!
トレードマークの黄色つなぎが映えますね。

代表取締役の久米様と共に、新入社員さまも一緒に参加くださいました。

代表・社員の全員がIターン者のソマウッド。
地域に”仕事”と”住まい”を持ってはたらく「現代の山守」の姿を教えてくださいました。

★株式会社ソマウッド公式HP

 

続いては、株式会社柳沢林業(長野県)によるプレゼン。
美しく通る声で、会社理念を読み上げて下さったのは、
男性ばかりの業界だった頃に、紅一点、Iターンで飛び込んだ代表取締役・原さん。

素材生産や特殊伐採のみならず、薪生産、木工、遊山事業、さらに、馬搬の復活まで!

みずからの役目を「代表世話役」と掲げ、
女性の感性を活かしつつ人を繋ぎ、幅広い事業展開を実現されています。
集まった林業女子たちも、原社長の言葉に聞き入る10分間。

マツ枯れ被害木でつくったリンゴ箱や、
長野県が資源量を誇るカラマツ材をつかった楽器(ウクレレ)製品など、
既存の林業(素材生産業 )の枠にとらわれない自社の事業を紹介いただきました。

川上~川下連携で実現中の「ソマミチプロジェクト」についてもご紹介!
信州落葉松の葉をモチーフにしたシンボルマークが可愛いらしく、
今後の発展に期待が高まります。

★株式会社柳沢林業公式HP
★ソマミチ facebookページ

 

 

岩手県岩泉町からは、地域を代表して町役場からご登壇。
地域の豊かな自然について、美しい 写真を中心にガイドいただきました。

カタクリの花畑、透明度30mを誇る龍泉洞の地底湖、雲がたなびく宇霊羅山など、
思わず行ってみたくなる 風景が広がります。

「岩泉町のことは、御存知ですか?」と担当者様が尋ねると、予想以上に多くの手が挙がり、
「まれにこういう事があんですね!!」と、発表者も驚きの様子でした。

FSC®森林認証を通した地域の森林利用のビジョンについて、
愛着を込めてつくった地域のシンボルマークとともにご紹介くださいました。

地域内に豊かな広葉樹の森林、製紙工場、製材所、家具工房、チップ工場・・・そして、熱き役場職員!
有力プレーヤーが揃う岩泉町、まだまだ新しい可能性に期待が膨らみます。

★岩泉町地域づくり支援協議会
岩泉の森林コンダクターの募集情報

 

 

 

また、今回は動画出演となった株式会社山共(岐阜県)。
オリジナル動画で、代表の想いと社員の声が紹介され、
時に笑いを交えつつ、格好よく働く、山共山林部の姿が映ります。

「山と社会を リ・デザイン する」との格好良い一言に、思わず胸を掴まれる・・・?!
林業男子・製材男子の魅力をギュギュっと動画でプレゼンいただきました。

★株式会社山共公式HP

 

 

同じくビデオ出演となった株式会社西粟倉・森の学校(岡山県)からは、

最新の商品の紹介とともに、村での暮らしの苦労とよろこびを伝え、

製造所で働く社員の募集がありました。

Iターンの若者で賑わう西粟倉。

地域に、田舎に、デザインの力を宿して、森と都市をつなぐビジネスの力。
少し年上の先輩が活躍する姿に、集まった学生たちの目も輝きます。

 

★株式会社西粟倉・森の学校公式HP

 

 

奈良県川上村に新しく誕生する「吉野かわかみ社中」(奈良県)からは、村役場からご登壇。
急きょ挿し棒に使われたのは、なんと吉野杉の赤身材・・・!

村長からのメッセージ動画も届き、地域を上げて林業を基盤産業として盛り上げていく熱気が伝わるプレゼン。

吉野林業発祥の地ですすむ、トータル林業を実践する新たな活動について解説いただき、
共にはたらく仲間を募集されました。

組織のビジョンは「Next500」
500年続いた吉野林業へ、次の500年をつくる。
吉野林業発祥の地・川上村ならではのスケールに圧巻です。

 ★川上村・吉野林業公式HP

 

 

株式会社井上工務店/飛騨五木株式会社(岐阜県)からは、

林業、製材部、建築、バイオマス、森林信託、地域商社と
「飛騨五木」を中心に広がる井上工務店グループの事業展開が続々と、紹介されました。

これまで先代の頭の中のみにストックされてきた”暗黙知”について、
形式知し継承すべく、人材の募集です。

まさにこの業界に必要とされている事業を実践する姿に、
何度も頷き共感する受講者の反応が印象でした。

森林を活かす、地域ではたらくと一重に言っても、切り口は様々です。
可能性が拡がる面白さを、余すところなく紹介いただきました。

あなたは、どの分野に飛び込んでみたくなりましたか?

★株式会社井上工務店公式HP
★飛騨五木株式会社公式HP 

 

 

各社プレゼンの最後は、野地木材工業株式会社(三重県)。
コーポレートカラーが映えるスタッフTシャツを着て、気合ばっちり!

淡々と進む専務のトークですが、笑いを誘うポイントが続々。
時に自社製品をi-padに例えてしまう・・・!?

木材製品の加工技術の革命について、
時に異業種に例えて、分かりやすく、ユニークな解説が飛び出します。

「日本の地の果てと言われ、物流には圧倒的に不利な熊野。
この地で勝ちのビジネスをするためには、圧倒的な品質力を持つこと。」

と、ビジネス戦略について、そして、根底にある地域への想いについて語られ、
鮮やかにプレゼン企画を締めくくって下さいました。

★野地木材工業株式会社公式HP 

 

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各社プレゼンの後は、出展者が受講者のテーブルを周り意見交換タイム。

 

 

 

 

 

 

限られた時間の中、貴重な機会に受講者たちの真剣なまなざし。
質問が飛び交い、熱気溢れる30分となりました。

森林・林業・木材業界の情報とプレーヤーが集結した半日間。
将来の就職や転職をお考えの受講者にとって、大いに収穫があったのではないでしょうか。

各社のイベント開催情報や連絡先など、
お配りした資料を活用いただき、ぜひ次のアクションへ繋げていただけると幸いです。
地域に、産地に、足を運んで、その魅力を肌で感じてみてください。

 

 

また今回は、田舎暮らしやI・J・Uターン、田舎×都会・若者の交流をサポートする、
NPO法人ふるさと回帰支援センターより、嵩 和雄 氏をゲストにお招きし、スピーチいただきました。

嵩氏は、弊社代表・古川が、地域づくりインターンに参加していた頃の同志でもある方です。
最近では移住、定住関連のテーマでメディア出演に引っ張りだこですが、 そういった近況も踏まえ、

「東日本大震災以来、確かに田舎暮らしが増えている。
そして10年20年前に比べると若い人も増えている。

しかし、いまだ田舎暮らし=農業だけと考える人が多い。
森ではたらく!をテーマに考えると、
いわゆる林業だけでなく、製材、加工、観光、代替医療、各種サービスと幅広い。

仕事から地域を選ぶという生き方。
こういったテーマ型の田舎暮らし(はたらく×くらす)の整備&発信が今後は必要だ」 と、応援頂きました。

~~~~

出展者様にとっても、学生や転職希望者の生の声が聞ける、
有意義な時間になったのではないでしょうか。

各地から足をお運びいただいた受講者さま、
事前準備を重ね、参加いただいた出展者の方々、
そして、運営をサポートいただいたスタッフの皆様・・・
たくさんの方々に支えられ、有意義なイベントを開催することができました。
みなさまへ心より御礼申し上げます。

誠にありがとうございました。

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★★★ 国産材ビジネスセミナーは通年開催中 ! ★★★

次回は、 8月8日(土)開催!
今年も業界プレーヤーから学生、そして異業種の方々まで、幅広く受講予定!
業界最新情報が分かるだけでなく、人と会える、繋がれる魅力も満載!
詳細は、下記のリンクよりご覧ください。

★国産材ビジネスセミナー(東京) 詳しくはコチラ!

次回の内容は下記をご覧ください。

(1)日本林業のリアル!
・日本林業概要と市場規模
・施業、事業体のいろいろ
・原木品質とは何か?

(2)経営マーケティング 入門編
・理念と利益
・情熱方程式
・マーケティングとは何か?
・選ばれる「林業会社」3つの視点

(3)森林プランニング
・現場で実践する森林施業プランナー(予定)

明日の利益に、新規参入に、いまこそチャンス!
異業種、遠くの同業者、繋がれる機会が満載♪

奮ってご参加、お待ちしています!

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Posted by admin on 土曜日 6月 20, 2015 Under pick up, すべての記事, セミナー報告, 国産材ビジネスセミナー(東京)

 

5月度の経営実践研究会in大阪を、開催いたしました。

 

■各社事例報告

今回は林業産地を訪れるツアーの報告が多くありました。

山村ならではの楽しさを感じていただき、
そして顧客アクションへつなげるための、ポイントとは?

 

 

「楽しい!」のポイント、それは、

都市にはないもの(自然、食)や、体験、知識、であり、

そして、ちょっとしたお土産です。木の端材でも、都市部の方は大変喜ばれるものです。

 

また、林業関係者や地域の方々とのふれあいにより、
木材や森林への関心がいっそう高まります。

 

この日報告があった、工務店の見込み顧客向けツアーでは、

参加者の8割の方が受注につながったとのことです。

 

楽しさ・満足度が、確実に家づくりにつながっていく。

全国の実例から、ヒントを学びました。

 

■ゲスト講座:ワークショップ

シリーズで実施している、林業人材育成に関するゲスト講座。

今回は、いかにベテランや指導者の「頭の中」を見える化し、
形式知として、会社の資産としていくか?

というテーマです。

 

「頭の中を見える化する」プロセスにおいて、マインドマップの活用が手段としてあります。

 

一例として、山守である受講者から、

作業道の作設方法について、ある失敗事例をもとに、その経緯を解説いただきました。

 

同時に、ファシリテーターである講師が

時系列でキーワードを並べる ⇒ キーワードどうしの関係性を整理してマインドマップにする

 

という作業を行うと、
「作業道をつくる」という一つの作業にも、

原理原則と各論 / 作設方法と指示方法 といった項目が浮かび上がってきました。

どうやって指示すれば、希望通りの道ができたのか?
その分析を行う手法として、可能性が見出されました。

~~~

技術者の頭の中に眠っている暗黙知を、共有の財産とするために。

 

1)まず、思い出す事

2)洗い出し、それをもとに複数人数で議論すること

3)具体的アクション(改善)を行うこと

 

これの繰り返しにより、林業技術・製材技術は向上していきます。

 

今後もワークショップを交えながら、実践に使える形式知をまとめるべく、
研究会を続けて参ります。

 

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受講者募集中!

6月度 経営実践研究会 大阪  6月27日(土)

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■日時:2015年6月27日(土)

14:00~18:00 + 懇親会

■場所:大阪市淀川区西中島2-15-13

■内容(予定):

1.製材オペレーション【ディスカション】
「新たな木材流通~ネット販売、定期便などClub Premium Woodでの新流通構想」

2.林業・製材安全ワークショップ
作業工程の分解と安全対策

 

3.合同営業プレゼンテーション企画会議

■受講料

各回受講の場合:1社につき 2万円(税別)

※初受講の企業様は無料体験実施中
※年間受講の方は別途お申込みください

■懇親会

18:30~20:30

★★ご参加お待ちしています!★★

ご参加をご希望の方は、メール(info@chiikino.jp)またはお電話(06-7878-6376)にて、お申し込みください。

お得な年間受講も受付しております。詳細はお問い合わせください。

Posted by admin on 金曜日 5月 29, 2015 Under pick up, すべての記事, セミナー報告, 経営実践研究会[国産材ビジネススクール](大阪)

 

「経営実践研究会の、林業版をやりたい!」

東京では色々な業種業界が集まる国産材ビジネスセミナー。
大阪では製材メーカー、流通店、工務店、そして林業会社が合同で
経営実践研究会(国産材ビジネススクール)を毎月開催しておりますが、

 

”林業特化型”の研究会をぜひ!

というお声を受けて、
今年度、過去のセミナー顧客やコンサル顧客のみを対象に、全5回にわたり名古屋で研究会を開催いたしました。

 

東海・中部エリアの林業会社の経営陣が集い、以下のようなテーマで議論を重ねて参りました。

 

第1回 ビジョン構築と目標林型
・「林業」とはそもそも何か。
・林業経営形態の整理(所有と非所有、規模と立ち位置)
・行政支援の理想とは
・森林ビジョンと森林経営計画(その理想と現実)
・選ばれる林業事業体(顧客設計)
・ ブランド化における戦略差別化7要素。

第2回 作業の生産性と安全性
・日本と海外の共通性と差異性
・事故事例と対策(ディスカション)
・林業機械の種類と活用方法
・欧州の安全教育[ゲスト講演]

第3回 マーケティングと経営革新 ~森林・林業の多角化経営~
・森林コミュニティと顧客接点づくり
・「森ではたらく!」にみる6次産業化とは。
・国産材販路開拓
・森林所有者への営業の極意
・林業事業体ブランド化に達する経営チェックリスト

第4回 管理会計と経営管理
・林業会社の決算書とは?
・利益の出し方、活かし方
・数値目標の立て方

第5回 各社経営戦略発表会

(参加者各位によるプレゼン&ディスカション)

”遠くの同志”という関係性の中で、
経営のリアルな数字もオープンにしながら、
毎回、熱い議論が 繰り広げられました。

また弊社で作成した「林業事業体経営チェックシート」というものから、各社の得意分野を確認。

立地・規模・ブランド(のれん)によらない、単体の林業事業体としての経営力を客観的にチェックし、
自社の立ち位置、自社の特徴、自社の今後の方向性を確認することも行いました。

 

メンバーは、30代の若手の林業経営者。

自社林の施業、素材生産請負、土木業と兼業などスタイルはさまざまですが、

林業作業のクオリティを高めるとともに、
多角経営、いわゆる六次産業化にも取り組み、
これからの「林業」のカタチをつくる、新進気鋭の林業会社ばかりです。

今後の林業界において、確実にけん引役になっていくみなさまです。

「林業機械、安全性、ビジネスモデル、すべてに関する知見を豊富に蓄えることができてよかった」

「施業や現場管理のみならず、“経営”について議論できた研究会だった」

「それぞれの会社の取り組みは、すべて参考になるものであった」

「事故などの具体的な事例が非常に勉強になった」

「林業経営者どうしのホンネの話し合いができ、お互いの厳しい現実も知ることができ、励まし合えた」

「林業はやるべきことがたくさんある、次回はうちの社員も参加させたい」

「新しい出会いもいただけました」

「各社の人件費ぶっちゃけトーク等よかった!」

「ビジネスのフレーム枠による経営確認と各社の現況そのバランスの大切さをしれた」

「人材の流動化やバイオマス等幅広い話も楽しかった」

「自社を再確認(客観的に)することができた」

「林業の今後の可能性について、情熱を持っている方と会うことで、いつも元気を頂いた!」

といったお声をいただきました。

 

林業経営における一冊の教科書ができるほど、濃密な議論を重ねることができました。5回分の弊社作成のテキストは、100ページを超えるものとなりました。

参加いただいた経営者のみなさま、誠にありがとうございました。

古川が「森ではたらく!(学芸出版社」でも書いていますが、「林業がどうあるべきか?という大きく不確かな話ではなく、個々人の経営者が自分のかかわる地域でどうなっていきたいか。そこに尽きる。」ということ、小さな活動の積み重ねから、未来が一歩ずつ変わっていくと。 それが林業の未来だと。

今後も、何らかの形で、さらに仲間を増やしながら、林業特化型の研究会を開催していく予定です。

ご期待ください!

 

 

Posted by admin on 土曜日 3月 14, 2015 Under — 産地ブランド・選ばれる林業会社, pick up, すべての記事, セミナー報告

毎月大阪で開催している、経営実践研究会。

今月も関東から四国、山陰、
林業家から製材、流通、工務店業の経営者が集まり、
「遠くの同志」とディスカションとなりました。

今回のテーマは

●運送、配達オペレーションのノウハウ
●原木を買って一人で製材してみたら・・・ ~製材の楽しさと現実~
● JAS認定の取得について

 

 

参加者の一人の方に、奈良県から電車を乗り継いでお持ちいただいた「吉野杉」。

先日、あるwebニュースで大きく取り上げられたもので、

一人の女性が原木市場で丸太を買い付け、
自ら製材を手配し、自宅で天然乾燥し、
最終的には家具や小物、割り箸をつくるというプロジェクトを進めています。

これは、木材に対する理解を深めるための
PRも兼ねた試みですが、

ニュース掲載以降、SNSでのシェア数は2万件を超え、
多くの問い合わせがあったそうです。

 

この取り組みから見えてきたことは、

★原木や木材のビジネスモデル、マーケットに対する認知度・理解度の低さ(建築士や関連業種から)

★あらためて製材というものの「面白さ」

 

です。

例として、ニュースに掲載された単価を見て、

製品を購入した経験がる事業者などから、

「なんでニュースに載っていた原木価格は安いのに、製品価格が高いんだ」

といった問い合わせがあったということです。

 

製材品の原価には、

・原木原価(単価)

・製造原価(加工にかかる動力費、経費)

・運賃

 

が含まれ、さらに、

製品の使い方提案や情報提供など、眼に見えにくい付加価値を提供しているのですが、

はたして木材業の価値はどこにあるのか、改めて定義をし、見える化すること、

顧客である建築業や施主とのコミュニケーションの必要性を痛感する事例でした。

 

 

また、一本の原木から、

家具用材、桶や樽用材、割り箸用材といった「木取り」をあれこれ考え、

一つ一つの加工流通を追っていき、最終製品を作り上げるという取り組みは、

純粋に「楽しい」「面白い」ものです。

 

製材所経営者のコメントの中では、

「やっぱり、製材というのは、本来面白いものだ。

ただ、その面白さにとらわれ過ぎると、商売ができない」

というジレンマも。

 

一本の原木を自分で買って、製材して、初めて見えてくるもの。

●歩留りとビジネス性(収益性)、

●製材単価(原価)とオープン性(非公開性)

●地域との信頼関係の構築と、PR効果との背反性

 

などについても、

製材という仕事の奥深さと、ビジネスにおける特殊性をふまえたディスカションが繰り広げられました。

 

 

その他、ディスカションでは、

原木・半製品・製品の運送に関して、

●運賃の請求における設定と交渉方法、

●検収作業のノウハウ

●特殊材の取り扱いについて

メンバーが日頃の経験を持ち寄り、ヒントを探りました。

 

またJAS規格の動向について、全国の事例を知るとともに、

「一度取得したが、辞めてしまった」

という生の声から、その理由・課題について議論しました。

 

 

~~~

次回の研究会は、2月27日(金)14:00~18:00です。

■テーマ(予定)

(ゲスト講座)
・地域材を軸とした工務店グループ連携のビジョン

(ディスカション)
・製材機械オペレーションの改善

(話題提供)
・外部人材活用による地域活性化の成功要因
・市町村森林整備計画の実態
・木質バイオマス発電の地域ファイナンスとリスク評価

 

限定3社まで、無料体験も受け付けております。

ご興味を持たれた方は、お気軽にお問い合わせください。

 

☎06-7878-6376

または「お問合せフォーム」まで。

 

 

 

Posted by admin on 金曜日 1月 23, 2015 Under pick up, すべての記事, セミナー報告, 経営実践研究会[国産材ビジネススクール](大阪)

平成27年1月9日(金)、
本日は愛媛大学樽味キャンパス、森林資源学専門教育コースの学生を対象に弊社古川が
新年最初の講師をさせて頂きました。

愛媛大学樽味キャンパス正門
愛媛大学では、林業の実践で役立つ人材を育てるべく、森林資源学専門教育コースを設置し、
理論の学習だけでなく、実践を通して幅広く深く、
森林についての学を深める場を提供しています。

 

古川は定期的に愛媛大学にてゲスト講師を努めており、
今回は、幼少の頃から森に馴染みがありこの学部に進んだ学生や沖縄など遠方より進学
した学生など20名以上の大学・大学院生にご参加頂きました。

 

講義は、日本三大美林は、人工美林といった日本の林業におけるポピュラーな話題提供からはじまり、
地域再生についてマーケティングや経済指標・経営的な視点からお伝えする内容となりました。
また、林業における経営力とは何か?を問う中で、国産材のブランド化に必要な7要素などを用いて、
現状の林業の課題や脆弱性を提示しました。

 

そして、複数の事例を交えながら、
各地域でいかに商品・サービスに付加価値を加えながら経営をするかといった事を紹介し、
最後には学生に向けて今後の林業や学生自身の将来についての
考え方や行動指針となるようなことを伝えさせていただきました。

テーマは「林業による地域再生」〜森ではたらく!暮らしと経営のプロデュース論〜として、
1,データと現場でみる林業・木材業界の理想と現実
– そもそも林業とは何か、そもそも林業の「担い手」とは何か
2,林業における経営力とは何か
– 地域資源(国産材)マーケティングの基本と実践
〜理念と利益、マーケティングのエッセンス、国産材ビジネス ブランド化7つのポイント〜
3,「森ではたらく!27人の27の仕事」(学芸出版社)から学ぶ若者のビジネスの5つのポイント
について、多くの事例を交えながらお話しました。

講演の最初は、日本三大美林は?日本三大人工美林とは?などのクイズを通して、
ディスカッション形式で進行していきます。
中でも、「好きな樹種とは?」の質問に対して、シロモジ、アオキといった
森林資源学部コースの学生ならでは?のユニークな回答も。

 

講義では、市場規模でみる林業、工務店やハウスメーカーの販売戦略としての
大量消費型や付加価値型といった分類など、学生にとっては日頃馴染みのない内容
ではあるものの、森林資源×マーケティングといった切り口は非常に新鮮であったようで、
熱心に耳を傾けて頂きました。

 

 

講義中の様子
いつも質問させていただくのですが、「理念なき利益は犯罪であり、利益なき理念は犯罪である」と
お伝えする中で、「理念と利益どちらを重視するか?」という質問に対しては、
8割の学生が理念を重視すると回答しました。

 

この質問に対する回答は聴講者や大学により比率が変わるのですが、
そのまま理念を大切に抱きながら、マーケティングノウハウなども身につけ、
理念と利益の両立をして頂きたいと思います。

その他、弊社がこれまでに”プロデュース”してきた事例を紹介し、森林資源をどう育て、
次の世代へつなげているのか。どのようにマーケティング要素を加味して、
ビジネスとして成立させているのか。
大学の座学を実践で活かすためのヒントとなるべく情報を紹介しました。

 

最後には、今後の進路を考える学生に、
森林に関わるさまざまな仕事や生き方があることを知っていただくためにも、
古川著書「森ではたらく!27人の27の仕事」を用いて、
普段の生活では知ることのできない、森林に関わるリアルな暮らしとビジネスを紹介。
27人の生き方から見えてくる、マーケティングだけではない視点、
生きていく上で大事にして頂きたい情熱方程式、自分を成長させる「旅・人と会う・読書」の必要性、
SMARTの法則などをお伝えしました。

 

森林に関する知識以上に、
今後の学生生活、将来はたらく上で役に立つヒントではないでしょうか。

 

参考図書として紹介された「森ではたらく!27人の27の仕事」と「林業男子」
素晴らしい学生のみなさんと出会う機会を頂いた愛媛大学の皆様に改めて感謝致します。
最後に、講義を受講された学生からのコメントを一部ご紹介させていただきます。
——–
学生からのコメント
——–

■Aさん
・地域から出て、初めてその地域のことがわかる。→地元のために何をすべきかが考えられる。
・お客が自分に何を求めているのか。自分にしかないものとは。
地元、地域のために必要なことを知り、をれを実践していきたい。

■Bさん

森林資源学コースにいながら、まだまだ森林について知らないことがたくさんあるこ
と
を改めて実感しました。
マーケティングの知識や林業の経営の仕方など学ぶことが
でき良かったです。
理念よりも利益か、利益よりも理念かとても難しいですが、
さらに深く考えていくと自分の卒論の研究などでも活かせそうです。

■Cさん

利益と理念、夢と現実についての話がとても興味深かったです。
マーケティングや活性化についての話も興味深く、自分も将来力になれればと
思いました。

■Dさん

今までは正直、講義を聞いても林家さんのお話を聞いても、これからの林業や林政に
あまり期待を持つことが出来ませんでした。
しかし、今回お話を聞いて全国各地で
いろいろな立場の方が努力されていて、
私も少しでも林業を盛り上げていけたらなと
感じております。
また「森ではたらく!」読ませていただきました。
私の地元、広島でも林業女子会できないかな、森林の面白さを他のコースの人にも
伝えられないかな、と沢山やってみたい!と感じることがありました。

■Eさん

今まで直接見学してきた工場や木材を取り扱う会社の動画を拝見してとても
感慨深かったです。
将来林業関係の仕事に就くかは分かりませんが、面白い講義だと思いました。

■Fさん

本講演では、木材の理念と利益のベクトルの話や、マーケティングについてなど、
林業における経営力の話が非常に興味深い内容で今までの自分には無い
考え方を学べ、
良い刺激になりました。
私はまだ将来の夢や明確な目標を模索している段階ではありますが、
本講演のおかげで、視野も広まり、将来のヒントになりました。

Posted by admin on 金曜日 1月 9, 2015 Under pick up, お知らせ, すべての記事, セミナー報告, 講演&研修 報告

2014年度の最終回!

東京国産材ビジネスセミナー(第5回)を、12月13日(土)に開催しました。

研修風景

 

今回のテーマは「バイオマスギャザリング&総まとめ

午前の部(オプション)&セミナー前半は、

低質材・端材・未利用残材の有効利用として、化石燃料の代替物として注目されている

木質バイオマスについて、第一線で活躍している方々にご講演いただきました。

講義の後半は「総まとめ講座」
林業・木材業の法務契約、
林業バリューチェーン、事業体経営における決算書分析、
そして、事業戦略の作り方についてまとめました。

 

■■午前の部~バイオマスボイラー現地見学~■■

午前中のオプション研修会は「公園における剪定枝活用の取り組み」。

東京湾に面する大井ふ頭中央海浜公園にて、
公園の管理会社である株式会社日比谷アメニスの大西竹志氏から、
剪定枝を利用した木質バイオマスエネルギー活用事例を紹介していただきました。

現地研修

 

こちらの公園では、園内で発生する年間100t以上の剪定枝をチップに加工し、

公園内に設置した「ソーラードライシステム」で乾燥

「ボイラーコンテナ」にて燃焼し、施設棟で利用する温水と冷暖房の熱源を供給しています。

講義室にてシステムの概要について説明の後、
実際にソーラードライシステムとボイラーコンテナを見学させていただきました。

ソーラードライシステム

 

ボイラーコンテナ

 

木質バイオマスときけば「大規模な発電施設」を連想しがちですが、

・「熱」を利用することでバイオマスエネルギーを効率的に利用
・ 熱需要に見合った「小型ボイラー」の導入

によって、
設備の導入費用と維持管理費用を削減、燃料の安定供給も可能となり、
無理のない事業計画になっているそうです。

今後も都市の街路樹や、公園からの大量の剪定枝が発生すると予測され、

都市における木質バイオマス利用事例として注目されます。

街路樹

 

剪定枝

 

~~~~~~

■■午後の部~バイオマスギャザリング&国産材ビジネス総まとめ~■■

午後からは場所を三菱UFJリサーチ&コンサルティング㈱本社ビルへ移し、
国産材ビジネスセミナー最終講義スタート!

 

●第1部「バイオマス“ギャザリング”

5名の講師をお招きし、バイオマス利用の最新情報をレクチャーしていただきました。

 

1.いまさら聞けない電力とは?熱量とは?木質バイオマスの入門講座

講義の最初は、木質バイオマスエネルギー利用推進協議会の川越裕之氏より、
なぜいま木質バイオマス事業が注目されているのか、その経緯と、
特徴・利用方法、現状についてのアウトラインを紹介していただきました。

川越裕之氏

 

2.現場&コンサルティング事例の紹介と今後の方向性

続いて、木質バイオマスエネルギー利用の最前線で活躍する3名の方から、
それぞれの取り組み事例について紹介していただきました。

①製材工場端材のバイオマス利用

株式会社森のエネルギー研究所の池谷智晶氏からは、

製材所におけるカスケード利用を促進する木質バイオマスエネルギー利用事例とその可能性についてご講演頂きました。

池谷智晶氏

 

②バイオマスコジェネの実践と今後

株式会社バイオマスアグリゲーションの久木裕氏からは、
バイオマスを利用した発電と熱供給を同時に行う「コジェネ(コジェネレーションシステム)」について、
ドイツの先進技術を紹介しながら、熱利用の重要性についてレクチャーしていただきました。

久木裕氏

 

③公園施設のバイオマスボイラー利用

午前の部をご案内いただいた、株式会社日比谷アメニスの大西竹志氏より、
海外の剪定枝利用事例も引き合いに出しながら、
改めて都市部での木質バイオマス利用の展望についてお話いただきました。

大西竹志氏

 

3.バイオマスまとめ講座&トークセッション

バイオマスギャザリング、最終章は、
三菱UFJリサーチ&コンサルティング㈱の相川高信氏より、
まとめ講座:木質バイオマスの原理・原則

木質バイオマスの特性を踏まえた事業計画の重要性とそのポイントの総まとめです。

全講師と参加者による質疑応答とディスカッションでは、
バイオマスの現状に迫る質問が飛び交いました。

・ 海外で主流の小型バイオマスボイラーの国内導入が進まない要因は?
・今後のバイオマス発電施設の施設数の推移は?
・製材所のバイオマス利用の需給バランスは?
日本の木質バイオマス事業はまだ発達途上の最中、
FIT制度等により大きなうねりが押し寄せています。

今後は先行事例に学びながら、
新しいビジネスモデル に積極的にトライしていくことが求められています。

相川高信氏

 

●第2部「バイオマスクレームトラブルの原因と防止する力 ~事後対応より事前に備える考え方~」(小林洋光)

小林洋光氏

 

小林からは、バイオマス事業への応用も含めた法務レクチャーです。

・なぜクレームトラブルが起きるのか、「瑕疵」とは何か
・バイオマス関連ビジネスで想定されるトラブルとは?
・トラブル回避方法(書面化の重要性)

木質バイオマスボイラーを扱う事業者には、
専門知識のない顧客への説明責任が重くのしかかります。
丁寧な説明、契約の明確化が重要であるということは、あらゆる業種でも共通事項です。
林業・木材業の幅は広がりつつありますが、商取引の基本としてこの原則は徹底すべきポイントです。

 

●第3部「国産材ビジネスセミナー総まとめ①:林業バリューチェーン」(古川大輔)

古川大輔

 

今、林業・木材業界で求められている「新しい市場の開拓、顧客創出」。

その糸口として、2つのテーマについてレクチャーしました。

①林業、木材業における水平&垂直連携による地域連携林業ビジネスの理論と実践
②営業力向上!研究データと国産材ビジネスを結ぶデータ利用

 

●第4部「国産材ビジネスセミナー総まとめ②:経営マーケティング総集編」(古川大輔)

セミナー最終回の今回は、経営の基本に立ち返ったテーマ

・経営の基礎である決算書の分析
・安定経営を目指す!これからの国産材ビジネスの組み立て方

なぜ売上ではなく粗利管理が大切なのか?
給料とは何か?経営者の腕の見せ所とは?

さらに、古川編著「森ではたらく! 27人の27の仕事」(学芸出版社)を事例に、
複数の事業を組み合わせることが、企業の安定に繋がることをレクチャー。
最後に「国産材ビジネスセミナー 主導権の持てるビジネスに必要な7要素」として、
2014年度国産材ビジネスセミナーの総まとめといたしました。

~~~

今回のセミナーのテーマであるバイオマスは、
木材のカスケード利用を推進する手段でもありますが、
「木材流通への影響」、「既存の木材利用業者の影響」等…
いくつかの課題も、今回のセミナーを通して見えてきました。

参加者の皆様それぞれの立場で、木質バイオマスの適正利用に向けて、
今日の学びを「自分ごと化」していただければ幸いです。

講義風景

 

以下にセミナー後の参加者の皆様からのアンケートを一部掲載させていただきます。

=== 参加者アンケートより ===

■ 公務員 A様

木質バイオマス、海外との比較の話し等、自分は根本的なことは知らなかったのだと気付きかされました。マーケティングの講座では自分の中の概念が組み換わる話がたくさんあり、刺激的でした。情報、知識以外にも考える機会を得られました。数回ではありましたが、セミナーに参加できてよかったです。普段とは違う目線で、「林業」というものを考えることができました。

+++

■ 学生 B様

バイオマスについて幅広い話を聞くことができました。発電所の計画だけで稼働していない事例が多いという話しを聞き、世間で言われていることを鵜呑みにしてはいけないと感じました。大学で出合う方々は「昔はよかった」といいますが、今の話を聞く機会がなく、林業で初めて「お金」の話を聞けたことは大きな収穫です。

+++

■ 木材業 C様

バイオマス利用の先進事例・技術を取り入れることができない日本という国が悲しい。バイオマス発電の真実を見つめながら、当社に最適なバイオマス利用を図りたいです。

+++

■ 建築業 D様

法律に関する固い話をやわらかくお話ししていただき、分かりやすかった。

+++

■ 林業 E様

起業して成功するまでの正しい努力の仕方・方法、マーケティングポイント講座が印象に残った。林業ビジネスの可能性にはどのようなものがあるのか(個人、行政、森林組合…)自分の有効活用含め、考えていきたい。今後もセミナーを続けてほしいです。

+++

■ 会社員 F様

実際に運用されているチップボイラーを見学できたのは興味深かったです。周辺施設との連携はぜひ進めていただきたいです。木質バイオマスの最新事情が良く分かり、大変参考になりました。身近な発電所は大規模ですが5,000kw/hがやっと。大規模発電所ではなく、林業者や山主も巻き込んで、持続可能なモデルケースを作る必要性を強く感じ、自分も協力していきたいと思います。

+++

■ 林業 G様

世間的に「エネルギー問題=電力」という考え方になっているという話を聞き、熱利用の実例が身近な所に作り、世間に浸透させていく必要を感じました。今日の講義を受けて、刺激事業を実際に提案・実行していきたいと思います。事業提案と実行ができたら、大阪の経営実践研究会にも参加したいと思います。

+++

■ 公務員 H様

「無期限の暫定的状況はやめよう」という考えにとても共感しました。自由経費の創出を実行し、研修、営業等に投資していきたいと思います。

+++

■ 学生 I様

1年を通して参加し、本当に色々なことを学ぶことができました。学校で知ることの出来なかったことを知り、参加した意味があったと思います。これから社会人になるうえで色々なことを参考にし、自分の目指すものを追求していきたいです。今後ともよろしくお願いします。

+++

■ フリーランス J様

ボイラー見学と説明が分かりやすく、初心者でも理解できました。バイオマスの良い面だけでなく、問題点も隠さず説明してくれたので、ありがたかったです。バリューチェーンの講義は今回一番楽しみにしていた講座で、古川氏のぶれない理念が印象的でした。林業への愛が伝わってきました。

+++

■ 林業 K様

特に印象的だったのが「自分でデータを取る」ことの説得力。林業の中でも生産性やバイオマス関連の事等、自分で調べてみようと思います。今後の実践課題としたいと思います。

+++

■ 建築業 L様

林業・木材業の連携について、自分たち建築設計業界から何かできることはないか検討していきたい。これまで林業にほとんど関係のない業界で緊張していたが、実際に聞けて良かったことがあった。このセミナーをきっかけに、林業について考えて行きたい。

+++

■ 木材業 M様

バイオマスエネルギー以外の製品にも目線を広げることができ、本当に多くの可能性を感じた。興奮しました!

+++

■ 木材業 N様

法律のことについての導入が分かりやすく、林業だけでなく、どのように落としこむか考えることができ、非常に勉強になりました。全体を通して、1企業として、業界として、やるべきことが見いだせました。今まで実務ばかりで発想が貧困になっていましたが、発見が多くポジティブな教えをもらいました。本当にありがとうございました。

+++

■ コンサルタント O様

参加者の人が真剣に聴講されていて、関心の高さを感じました。水平・垂直連携の一つとして、このような場は有意義なものと思います。

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2014年度の国産材ビジネスセミナーは、今回が最終回となります。
参加していただいた皆様、講師の皆様、誠にありがとうございました。

来年度も東京にて国産材ビジネスセミナーを開催する予定です。
日本の林業・木材業・バイオマスに関心のある、ご新規・リピーターの皆様のご参加お待ちしております。

また、林業・木材業に従事する方で、

「もっとビジネスのディープでリアルなディスカッションがしたい!」という方は、

大阪にて開催中の「経営実践研究会 国産材ビジネススクール」へお越しください。
(詳細はこちら https://chiikino.jp/blog/?page_id=42 )

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★書籍のご案内★

今回のセミナーで紹介のあった書籍(3冊)好評販売中です。

バイオマスはどうやったら成功するのか?林業という生き方とは?いま林業で起きてるムーブメントは?

少しでも気になった方は、ぜひご覧ください。

 

書籍紹介

 

●【木質バイオマス事業 林業地域が成功する条件とは何か 】
著:相川高信 (全国林業改良普及協会)

相川高信氏がつい先日出版された、林業側の視点でバイオマス事業を論じた本です。
燃料材供給、発電、熱供給の地域ビジネスの計画・運営の鍵はこの本の中に!

(全国林業普及協会HP http://www.ringyou.or.jp/publish/detail_1258.html

 

●【森ではたらく! 27人の27の仕事】
編著:山崎亮、古川大輔 (学芸出版社)

林業を軸にした事業展開/ライフスタイルのヒントに!

(学芸出版社HP http://www.gakugei-pub.jp/mokuroku/book/ISBN978-4-7615-1339-9.htm

 

●【林業男子 いまの森、100年先の森】
著:山崎真由子 (山と渓谷社)

日本全国で「いまの森、100年先の森」のために動き出した人々へのインタビュー本!
弊社古川と岩井の経歴・活動内容も紹介していただいています。

(山と渓谷社HP http://www.yamakei.co.jp/products/2814310330.html

Posted by admin on 土曜日 12月 13, 2014 Under pick up, お知らせ, すべての記事, セミナー報告, 国産材ビジネスセミナー(東京)

12月6日、秋より始まった全5回の京都府立林業大学校経営高度化コースの

最終講義が無事に修了致しました。

最終講義ということで、これまでに学んだ、林業経営、マーケティング、営業などの

考え方を自分(自社)であればどのようになるか?

といったことを実際に考えていただき、

それを元にディスカッションをしながら受講生へのフィードバックを行いました。

本日は、各自へのフィードバック・ディスカッションを行う前に、

11月に開催された九州合同現地研修会の報告からスタートです。

弊社では毎年、合同現地研修会という形で全国の林業地へ行く取り組みを行っており、

約30名で九州の福岡県・筑後川流域、日田地方エリアの

伝統ある林業・最新の取り組みを直接見てきました。

日田地方の林業事業会社はどこも、独自の取り組みを行っており、

小規模の製材所でありながら、川上から川下まで見ることで適正な在庫管理・価格統制を実現している企業。

大規模でありながら、20数種類の選木を行っている原木市場や、また規模に関わらず

新技術への取り組みや、川下での利用状況や販売までをウォッチしている製材所。

商標登録されている乾燥方法、高温から低温、減圧乾燥まで人工乾燥やバーコードを

取り入れた管理まで、天然×人工の手法をバランスよく取り入れている企業など

各企業のユニークな取り組み・学びをフィードバックするとともに、現地の日田木材青年会の皆様と深夜まで語り合った様子までご報告。

そして、本日のメインであるこれまで4回の振り返りとして、これまでに学んだ、

・  情熱方程式

・  3C分析

・  マーケティング戦略

・  自社事業の分析(主力事業、補助事業、刺激事業、開発事業)

・  営業方法

などを自分(自社)の場合はどうなるか?

を受講者毎に発表していただきながら、ディスカッションへ。

実際に学んだことも、自社にあてはめて考えてみると、

全部をすぐに書くのは難しかったりするものですが、

皆様頑張って改めて自分・自社のこれまで、今後について考えて頂きました。

そして、「明日からできること」として、これまでの学びを活かして、

具体的にどういったアクションをしていくかを発表することで、

知識を知識として終わらせないようにしています。

ディスカッションの後では、弊社古川より、

行政の役割とは?と題して、民間事業体が行政と

プロジェクトを取り組む際には何に気をつけるべきなのか?

 

例えば、林野庁の役割は、農林水産省設置法によって定められており、

任務が明確に定められていること。また森林林業基本法にのっとって、予算内容が確定し、執行する。

「行政は何もやらない」のではなく、民間と行政の各自の責任を明確にしながら事業を進めることの重要性など

本来あるべくそれぞれの業務領域と事業推進上の関係性についてレクチャーしました。

 

最後に、

講義を活かすための態度、考え方として

 

・  成功者の3条件(素直・勉強好き・プラス発想)

・  船井総研流のビジネス成功要因(長所伸展、力相応一番、時流適応)

・  稲盛氏のビジネスの成功要因(熱意、考え方、能力)

 

などを紹介し、知識以上に大事なことについて話していきます。

また、事業体には「作る人」「売る人」「回す人(総務力のある人)」が必要であり、

今の林業界には、回す人がいないとの指摘も。

 

本講座でも若い方に参加頂いており、若手をはじめ、受講者達がここで得た知識を元に、

地域でリーダーシップを発揮し、林業界に良い影響を与えていくことを期待したいと思います。

 

授業後は、閉講の挨拶を経て、近くの会場で深夜までざっくばらんに受講生達とともに、

素敵な時間を過ごさせていただきました。

全5回の講義はあっという間に終わりましたが、

私達も多くの気付きを得ることができた貴重な講義となりました。

 

受講修了書授与式の様子。全5回ありがとうございました!

以下に、受講生のアンケートを一部掲載させていただきます。

 

■森林組合 A様

今後は施行の時間単位を1日ではなく、60分単位で計算し施行の振り返り・効率化を

行なっていきたいと思う。今回の学びを「素直」に受け止め、プラスに考えて今後仕事に

取り組んでいきたい。日々の業務と講義の内容がなかなか合致しなかったが、

本日の講義でやっと合致し、視界が広けた。

 

■森林組合連合会 B様

今回のセミナーで学んだ多くのことを自分で再度整理し、実践していきたいと思います。

また、他のメンバーにも伝えていきたいと思っている。今後も色々と相談させて欲しい。

 

■森林組合 C様

従業員を増やすと言っても、それにあたりどれだけの売上、利益が必要か厳密に計算が

必要になることを痛感。今後の雇用について考える際の指針にもなった。今はまだ、現場の

事を多く学ぶ必要があるが、経営にも関わっていきたいと考えており、その際には、

今回の数字を見る力などをまた学んでいきたいと感じた。

 

■森林組合連合会 D様

今回の学びを活かして、将来を見据えて目の前の仕事に取り組んでいきたい。マーケティングや

営業など、「知識は強み」であると実感。さらに、PRの手法や発想方法などもっと掘り下げて

知りたいと思っている。もっとこうした場に参加していきたい。

 

Posted by admin on 土曜日 12月 6, 2014 Under pick up, すべての記事, セミナー報告, 講演&研修 報告