平成27年1月9日(金)、
本日は愛媛大学樽味キャンパス、森林資源学専門教育コースの学生を対象に弊社古川が
新年最初の講師をさせて頂きました。

愛媛大学樽味キャンパス正門
愛媛大学では、林業の実践で役立つ人材を育てるべく、森林資源学専門教育コースを設置し、
理論の学習だけでなく、実践を通して幅広く深く、
森林についての学を深める場を提供しています。

 

古川は定期的に愛媛大学にてゲスト講師を努めており、
今回は、幼少の頃から森に馴染みがありこの学部に進んだ学生や沖縄など遠方より進学
した学生など20名以上の大学・大学院生にご参加頂きました。

 

講義は、日本三大美林は、人工美林といった日本の林業におけるポピュラーな話題提供からはじまり、
地域再生についてマーケティングや経済指標・経営的な視点からお伝えする内容となりました。
また、林業における経営力とは何か?を問う中で、国産材のブランド化に必要な7要素などを用いて、
現状の林業の課題や脆弱性を提示しました。

 

そして、複数の事例を交えながら、
各地域でいかに商品・サービスに付加価値を加えながら経営をするかといった事を紹介し、
最後には学生に向けて今後の林業や学生自身の将来についての
考え方や行動指針となるようなことを伝えさせていただきました。

テーマは「林業による地域再生」〜森ではたらく!暮らしと経営のプロデュース論〜として、
1,データと現場でみる林業・木材業界の理想と現実
– そもそも林業とは何か、そもそも林業の「担い手」とは何か
2,林業における経営力とは何か
– 地域資源(国産材)マーケティングの基本と実践
〜理念と利益、マーケティングのエッセンス、国産材ビジネス ブランド化7つのポイント〜
3,「森ではたらく!27人の27の仕事」(学芸出版社)から学ぶ若者のビジネスの5つのポイント
について、多くの事例を交えながらお話しました。

講演の最初は、日本三大美林は?日本三大人工美林とは?などのクイズを通して、
ディスカッション形式で進行していきます。
中でも、「好きな樹種とは?」の質問に対して、シロモジ、アオキといった
森林資源学部コースの学生ならでは?のユニークな回答も。

 

講義では、市場規模でみる林業、工務店やハウスメーカーの販売戦略としての
大量消費型や付加価値型といった分類など、学生にとっては日頃馴染みのない内容
ではあるものの、森林資源×マーケティングといった切り口は非常に新鮮であったようで、
熱心に耳を傾けて頂きました。

 

 

講義中の様子
いつも質問させていただくのですが、「理念なき利益は犯罪であり、利益なき理念は犯罪である」と
お伝えする中で、「理念と利益どちらを重視するか?」という質問に対しては、
8割の学生が理念を重視すると回答しました。

 

この質問に対する回答は聴講者や大学により比率が変わるのですが、
そのまま理念を大切に抱きながら、マーケティングノウハウなども身につけ、
理念と利益の両立をして頂きたいと思います。

その他、弊社がこれまでに”プロデュース”してきた事例を紹介し、森林資源をどう育て、
次の世代へつなげているのか。どのようにマーケティング要素を加味して、
ビジネスとして成立させているのか。
大学の座学を実践で活かすためのヒントとなるべく情報を紹介しました。

 

最後には、今後の進路を考える学生に、
森林に関わるさまざまな仕事や生き方があることを知っていただくためにも、
古川著書「森ではたらく!27人の27の仕事」を用いて、
普段の生活では知ることのできない、森林に関わるリアルな暮らしとビジネスを紹介。
27人の生き方から見えてくる、マーケティングだけではない視点、
生きていく上で大事にして頂きたい情熱方程式、自分を成長させる「旅・人と会う・読書」の必要性、
SMARTの法則などをお伝えしました。

 

森林に関する知識以上に、
今後の学生生活、将来はたらく上で役に立つヒントではないでしょうか。

 

参考図書として紹介された「森ではたらく!27人の27の仕事」と「林業男子」
素晴らしい学生のみなさんと出会う機会を頂いた愛媛大学の皆様に改めて感謝致します。
最後に、講義を受講された学生からのコメントを一部ご紹介させていただきます。
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学生からのコメント
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■Aさん
・地域から出て、初めてその地域のことがわかる。→地元のために何をすべきかが考えられる。
・お客が自分に何を求めているのか。自分にしかないものとは。
地元、地域のために必要なことを知り、をれを実践していきたい。

■Bさん

森林資源学コースにいながら、まだまだ森林について知らないことがたくさんあるこ
と
を改めて実感しました。
マーケティングの知識や林業の経営の仕方など学ぶことが
でき良かったです。
理念よりも利益か、利益よりも理念かとても難しいですが、
さらに深く考えていくと自分の卒論の研究などでも活かせそうです。

■Cさん

利益と理念、夢と現実についての話がとても興味深かったです。
マーケティングや活性化についての話も興味深く、自分も将来力になれればと
思いました。

■Dさん

今までは正直、講義を聞いても林家さんのお話を聞いても、これからの林業や林政に
あまり期待を持つことが出来ませんでした。
しかし、今回お話を聞いて全国各地で
いろいろな立場の方が努力されていて、
私も少しでも林業を盛り上げていけたらなと
感じております。
また「森ではたらく!」読ませていただきました。
私の地元、広島でも林業女子会できないかな、森林の面白さを他のコースの人にも
伝えられないかな、と沢山やってみたい!と感じることがありました。

■Eさん

今まで直接見学してきた工場や木材を取り扱う会社の動画を拝見してとても
感慨深かったです。
将来林業関係の仕事に就くかは分かりませんが、面白い講義だと思いました。

■Fさん

本講演では、木材の理念と利益のベクトルの話や、マーケティングについてなど、
林業における経営力の話が非常に興味深い内容で今までの自分には無い
考え方を学べ、
良い刺激になりました。
私はまだ将来の夢や明確な目標を模索している段階ではありますが、
本講演のおかげで、視野も広まり、将来のヒントになりました。

Posted by admin on 金曜日 1月 9, 2015 Under pick up, お知らせ, すべての記事, セミナー報告, 講演&研修 報告


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