銀座の一等地に銀座NAGANOという長野県のアンテナショップ(情報拠点&発信地)があります。
この日は、そこで、ソマミチプロジェクトが、信州落葉松、赤松被害木等の地域材の利活用をPR。
林業、製材加工、そして設計工務店(地元&湘南)によるトークショーが開催されました。
加工側によるスペック(機能)と
林業側によるストーリー(物語)と
設計側によるデザイン(意匠)について、語られる場でありました。
国産材、間伐材という言葉が市民権を得てきた昨今、
そもそも
何故、木材がいいのか
何故、国産材がいいのか
何故、信州材がいいのか
というところから、
敢えて、銀座NAGANOという場所で、
私は、信州の魅力(独自性)を伝えるために、
吉野林業を始めとした、他地域の話についてもご紹介させて頂きました。
その数日後は、奈良県川上村へ。
某工務店の見込み顧客に向けた200年吉野杉伐採ツアーにおいて、
製品や性能の魅力だけではなく、その地域の「魅力」について
体感体験して頂きました。
では、なんで吉野なの?密植多間伐長伐期といってもそれは技術側の自己満足?
では、なんで信州なの?新たなチームを組んでプレゼンといっても、それは自己満足?
もちろん、製造業としてのQCD(品質・価格・納期)の明瞭化は必須です。
そして、そこに一つの圧倒的答えに「デザイン」 の存在が欠かせないことでしょう。
デザインとは、見えるデザイン(意匠設計)、
見えないデザイン(理念設計)などありますが、
まずは、安全性、快適性、審美性、個性というところで、どの部分で尖っていけるか。
では、国産材は?地域材は?というと、上記4つを地域を表現しながら、
その地域を代表するデザイン的象徴が必要です。
例えば、秋田杉(天然)は、もともと某木材流通店が作ったのですが、
1.加工開発
2.有名な秋田の料亭で使った
3.天井板の美的空間が伝わった
以後、あぁ、あれが秋田杉だと認知される地域ブランドを作った。
吉野杉だって、樽丸林業(酒樽の材料)から始まり、
鴨居長押等の杉柾赤身の世界でブラントを作った。
天竜杉だって、江戸時代はこけら板から始まり、
成田御殿といわれたとき、あの補償問題の土地で新居ができ、桁丸太が使われたとき、
時代に応じて天竜材ブランドが浸透されていったのです。
あぁ、あの「製品」が使われた「空間」と呼ばれる、地域ならではの圧倒的デザインとは何か。もう一度「地域デザイン」というものを再定義しつつ、ストーリーと空間とそこに見られる山林資源の持続性。
素材業だけからの拡張こそ重要で、林業は地域づくりなのです。
改めて、もっともっとデザインを知るべきだと大いに思う一日でもあり、
その接点を増やすべく仕事をしていかねばと思う所存でありました。
(地域再生・森林再生コンサルタント古川大輔日記 2015.07.27より編集)
代表取締役 | 代表コンサルタント 古川 大輔 Daisuke Furukawa
twitter: @daisukefurukawa
blog: 地域再生・森林再生コンサルタント日記
地域と森林林業専門コンサルタントとして全国の産地を飛び回ること十数年。会社のミッションは、森林や林業、山村の問題解決ではなく「価値創造」です。そんな志を共有できるお客様・そして未来のビジネスパートナーとの更なる出会いを目指して、古川の考えや、先輩方から教わった学びを言葉にお届けします。