島根県奥出雲町にて、第2回起業アドバイザリーのため訪問させていただきました。この地域では、16名の地域おこし協力隊が活動中ですが、その中から卒業後に起業を目指す方々6名に対し、弊社代表の古川が起業アドバイザリーを務めさせていただいております。今回は、2カ月前からの進捗を報告いただき、新たなビジネスモデルの構築と、さらなる付加価値化のヒントを提供しながら、今後のビジョンと課題を共有しました。

 

ミニセミナーを開催

 

 

今回はまず、地域おこし協力隊員と、行政で協力隊担当の職員の方々を対象に、「地方創生×ローカルベンチャー~地域を熱くし、事業を厚くするチャレンジ~」と題したミニセミナーを開催しました。

 

◆ 講演のメニュ

【1】“協力隊”制度の活かし方 移住・交流から起業まで

・行政に必要なマーケティング発想

・任期中にやっておいたほうが良いこと

【2】地域で起業するということ
・地域ビジネスの定義は何?

・シェアビジネス、持続可能ビジネスのウソとホント

・暮らし方と儲け方の両立ポイント

・起業の意味、経営の意味とは何か

・お金より大事なこと

 

 

オススメ書籍の一文を紹介しながら進んだ講演ですが、参加された協力隊の方々からは、「他社との差別化を考えていく上で大変参考になりました。売りモノ・売りカタの戦略を立てていきたいと思います。」「理念重視のボランティア活動⇔利益重視の事業の狭間でどこのポジションを目指すか、上がり下がりある波を越えていくこと。自分のやりたかったことに、改めて気付きました。」「新しい気付きもありますが、忘れていたことや、ずっと気になっていたことをふと思い出す時間になりました。」といった感想をいただきました。

 

 

奥出雲町内を散策

 

 

アドバイザリー終了後は、本業務をコーディネートいただいている宍戸さん(一般社団法人スクナヒコナ 副理事)に、奥出雲町内をご案内いただきました。名勝・鬼の舌震の近くでお蕎麦をいただいた後は、出雲・鉄山御三家の一つ、絲原家(松江藩元鉄師頭取)の記念館を訪ねました。踏鞴(たたら)製鉄の成り立ちや道具の解説、それを統括してきた絲原家の歴史や骨董品の展示を通じて、奥出雲で技術継承されてきた、製鉄の歴史を学びました。16代続く名家の歴史を知ると、「たたら製鉄」という産業を基盤に家を興しながら、時代に応じて次のビジネスを展開し、地域の資源利用と雇用の拠点を作ってこられたことが分かります。

 

そして、たたら製鉄からは、持続可能な自然資源利用を学ぶことができます。製鉄には燃料となる薪資源が不可欠ですが、世界の大規模鉱山を見ると、精錬等への熱エネルギー利用のため周辺の山林を一気に伐採し、荒野となってしまった地域がほとんどです。しかし奥出雲のたたら製鉄では、30年単位での計画的な輪伐によって、持続可能な資源利用と製鉄が行われてきたため、現在でも豊かな山村風景が広がっています。土砂を流して砂鉄を採った斜面は、その後棚田に整えて活かし、荒廃しないペースで伐採した木は薪として精錬に使い、それによって出来た鉄製品は、地域資源として地域外へ出していくことで、外貨と外交を獲得してきたということですね。住まいと仕事の場が一体となった、絲原家製鉄所の絵図を見るとは、その地域にある資源を持続的に活かし、生業を持ったコミュニティの姿がありました。

 

 

 

 

なお、林業では「山の神」を祀るのと同じく、製鉄、鍛治にも守護神「金屋子(かなやご)」がお祀りされていました。ちなみに、金屋子神の御神木は、桂の木だそうですよ!祠を見守るように、青々とした桂の木が植えられていました。出雲方面へお出掛けの際には、一尺一寸角(33㎝)のケヤキの大黒柱で建てられた本宅、美しい庭園、散策エリア等、林業や植物、建築がお好きな方には、見どころ満載な絲原記念館へぜひ。

 

 

 

次回

 

第3回は9月頃の訪問を予定していますす。次回も経営アドバイスの個別面談を行うと共に、公開型ミニセミナー第2回を開催する予定ですので、協力隊の皆さまはもちろんのこと、奥出雲町(行政)の方々もお誘い合わせの上、ご参加いただければ幸いです。

 

それでは、引き続きよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

 

Posted by wpmaster on 火曜日 7月 25, 2017 Under — ちいきの地域, pick up, すべての記事, 講演&研修 報告
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