今年の4月に予定していた、本視察会。

コロナウイルスの影響で延期となり、ようやく10月3日~5日の2泊3日の日程で、

コロナウイルス感染対策をしながらの開催が叶いました。

 

2009年の岐阜恵那での現地視察を皮切りに、

今回は12回目、弊社主催の研究会に長くご参加いただいている、有限会社藤川工務店代表取締役/ばうむ合同会社代表社員の藤川様にアテンドいただきながら、高知本山にて開催しました。

 

今回のテーマは、「まちづくりは、林業だ。立木価値から不動産価値への転換で、真の複業時代の突入へ。-世帯年収800万円への成功方程式-」ということで、現地の自然資源や仕掛け人に出会いながら、森林・林業からまちづくりまでを学ぶ2泊3日となりました。

 

 

今回のメニュー

【1日目】

①白髪山トレッキング

②セミナー

【2日目】

①レイホク木材工業協同組合見学

②ばうむ合同会社(本山蒸留所)見学

③さめうら荘・早明浦ダム見学

④クラインガルデン本山見学

⑤セミナー

【3日目】

①行川(なめかわ)散策

②ばうむ合同会社(木材加工所)見学

③高知おおとよ製材株式会社見学

④大杉見学

 

それでは、今回の現地視察会の様子を一部ご紹介していきます。

 

 

白髪山トレッキング

 

今回、12回目の現地視察にして初めてトレッキングをメニューに取り入れ、その初めては、全国的にはあまり知られていない、日本の秘境たるべく天然ヒノキの巨樹群へといざないました。

高知県屈指の天然ヒノキ林が残り、高知県天然記念物にも指定されている、「八反奈路(はったんなろ)」。標高1000m以上の山の中にある、八反ほどの奈路(この地域の言葉で、傾斜が緩やかな山を意味する)ということから名づけられたエリアです。

ここでは、古い切り株や岩の上に自生し、800年の年月を生き続け、元々の岩や切り株の後が空洞となっている「根下がりヒノキ」が見どころです。また、現在登録されている根下がりヒノキは33本あり、その1本1本にユニークな名前が付けられています。その中には、『くぐり一番』『太い枝張り』『しこをふむ』といった見た目のカタチから由来されたネーミングもあれば、『輪廻転生』『なぜ曲がったのか?』という、見た者が考えさせるような哲学的な名前もあり、地元の方が名付けたといわれたこのネーミングそのものも楽しみながらトレッキングを進めていきました。

 

また、かつては土佐藩が大阪にて白髪山周辺のヒノキを販売し、逼迫した財政を立て直し、さらに大阪に日本で初めての木材市場を開設したという逸話もあり、今でも大阪市内の白髪橋交差点など地名が残っています。

 

 

開けた場所で、今回アテンドいただいた藤川様が代表を務めるばうむ合同会社の食品加工部が手作りしたお弁当を参加者の皆さまと食べながら休憩。蒸留所見学の部分で後述しますが、お米日本一コンテストでこれまで2度日本一に輝いたブランド米「土佐天空の郷」を特別にいれていただきました。冷めてもなお美味しいブランド米、さらに自然の中で食べるご飯は格別の味となりました。

 

今回は休憩を含め4時間ほどでトレッキングしましたが、八反奈路(はったんなろ)がある白髪山の頂上へ向かう登山道や、縦走コースなど複数のコースも存在し、頂上からの景色もまた美しいということでしたので是非機会を見つけて複数回訪れたい山でした。また、屋久島、高野山等の巨樹の群生地をこれまで歩いた経験のある参加者の方も、この地を絶賛し、皆様に楽しんでいただけた様子でした。

 

 

ばうむ合同会社(本山蒸留所・木材加工所)見学

 

ばうむ合同会社様の工場見学は、2日目に本山蒸留所、3日目に木材加工所を訪問しました。

まず2日目の本山蒸留所。廃校の体育館を利用し蒸留施設を設置、年間約3tの焼酎が誕生しています。

 

そしてこちらでは、財団法人本山農業公社の和田様に、焼酎の原料にもなっているブランド米「土佐天空の郷」生産に係る取組をご紹介いただきました。

本山町では、水田地の約9割が棚田ということで、どうしても他の産地と比べると生産性は劣りますが、棚田ならではの寒暖差のある気候や、玄米の選別の際に国の基準より大きな粒を厳選するなどの品質管理をすることで質の高い米を生産しています。

 

2009年から販売している「土佐天空の郷」はお米日本一コンテストにおいて、これまで2度の日本一を受賞しており、地域に誇れるブランド米は現在35組の農家によって生産されています。

 

 

 

日本一の受賞をしたブランド米ですが、もちろん中には選別の際にふるいにかけられ落ちた米が出てきます。これを活用してつくられるのが、焼酎ということです。面白いことに、この焼酎の名前も「天空の郷」。炊飯米のブランド名というだけではなく、本山の米を原料とした商品を象徴する名前として「天空の郷」の利用をブランド協議会で許可することで、本山全体でのPR効果へと繋げているようでした。

また、最近は6次産業化の動きとして、玄米・白米の出荷だけではなく、おにぎりを作り販売することで少しでも多くの利益を農家に還元できるような仕組み作りを目指しているとのことでした。

 

 

クラインガルデン本山見学

 

2日目の午後には、クラインガルデン本山を訪問。美しい棚田の風景を望むことができる斜面に、10戸の住居があります。ところで皆さんは、「クラインガルデン」とは何か、ご存知でしょうか。

もともとはドイツで数百年の歴史を持つ農地の賃借制度のことを差し、日本語では「滞在型市民農園」とも言われており、全国に複数箇所存在します。要するに賃貸住宅に+農地がセットでついてきますよ、ということですね。クラインガルデン本山でも、各住居の庭先に小さな菜園スペースが設置されています。

 

 

移住定住促進の一環で、2013年4月に設置され、現在は空き家が出るとほどなく入居者が決まるほどの人気だそうです。

当日は短い時間でしたが、管理人を務める加藤様にもお話を伺うこともできました。

加藤様も元々は東京都出身、ご家族の健康のため約半年をかけて全国100自治体を巡り、環境や当時の移住担当者の対応の良さから、2006年に本山町へ移住されたとのこと。

クラインガルデン本山以外にも、ここ数年で町内のシェアハウスにも移住者が増えているとのこと。「最も美しい村連合」の認定を受けているということで自然環境が良いことはもちろんですが、四国のほぼ中央に位置する立地、さらにはなんといっても移住者相談の受入態勢や人の魅力に惹かれて移住を決める人が多いのではないかと考えさせられる訪問となりました。

 

 

2日間のセミナー

 

1日目と2日目の夕方には、モンベルアウトドアヴィレッジ本山内にある研修施設でセミナーを行いました。

1日目夕方には、山村ビジネス協議会の取組について本山町役場の大西様、山番LLPの取組について川端様をゲストにお話をいただきました。本山町では、林業事業体、製材・加工、工務店、行政がワンチームとなり町内産の原木単価をあげて製品として出荷するシステムを構築しています。このチームが山村ビジネス協議会であり、林業事業を担当するのが山番LLPとなります。

今回山番LLPについてご説明いただいた川端様は、8年前に本山町に来た移住者であり、現在は山番LLPを退社し独立をされていますが、山番LLP創立初期から携わり、事業を動かしてきた方です。

具体的な事業のお話を伺うと、まず前提として、山村ビジネス協議会にて、本山町の規模として大規模林業が合わないと判断した結果、少量生産であっても、木材の単価を上げる方法を試行錯誤されてきたとのことでした。

その結果、伐採をするのは伐り旬のみ。伐採後はばうむ合同会社の工場に直接搬送し、伐採を行わない時期に、工場に設置した簡易製材機を使い林業事業者が製材をすることでばうむ合同会社の小物製品用として、原木、一次製品どちらでも全量買取することで林業事業者の所得を向上させる仕組みを作っています。

また、詳細は省略させていただきますが、山主ファンドの取組により、所有者に森林=不動産としての価値を見出してもらうことで継続的に森林施業を行うことが出来る素地を創り上げているというお話が印象的でした。

 

 

2日目には、モンベルアウトドアヴィレッジ本山店長の山中氏、ばうむ合同会社の藤川氏、弊社代表古川が中心にお話をさせていただきました。

今回、食事、宿泊、研修施設の全てでお世話になったモンベルアウトドアヴィレッジ本山。そもそもなぜ本山町にモンベルの複合施設としては全国でも屈指の規模の施設が出来る事になったのか、店長の山中様ご自身のエピソードも合わせながらお話をいただきました。

20年前にモンベル会長の辰野氏との繋がりが本山町としてあり、アウトドアを観光に活かせないかという構想があった中、本山町周辺には徳島県三好市のラフティングなど、有名な施設や環境がある中、「ファミリー層」にターゲットを置いた際に、本山町のアウトドアフィールドの豊富さが素晴らしいということが決めてであったそうです。ご説明いただいた山中店長は10年前にモンベルに入社し、当初は香川県内のショップに勤務していたということですが、4年前に本山町に移住、昨年からは店長ということで、入社以来四国のアウトドアを見つめてきた中でも素晴らしい場所だということで、今後は本山を起点に、より四国全体のアウトドアを盛り上げていきたいとお話をいただきました。

 

ばうむ合同会社代表の藤川氏からは、 民間の資金と経営能力・技術力(ノウハウ)を活用し、公共施設等の設計・建設・改修・更新や維持管理・運営を行う公共事業の手法であるPFI事業についての挑戦をお話しいただきました。PFI事業は、町が主体ではなく、計画立案から実施までを住民主体で行う公共事業としてまちづくりにおいてより住民の声を反映させることが出来る他、仕組みとして地方銀行も支援しやすい手法があるため、是非参加者の皆様の地域でも挑戦いただきたいということでした。

=== === ===

注)PFIとは、公共事業を実施するための手法の一つで、もともとは、1990年代前半に英国で生まれた手法です。官民が協同して、効率的かつ効果的に質の高い公共サービス提供を実現するというPPP(Public-Private-Partnership:官民の連携)の概念から来るもので、PFIはその手法の一つです。民間の資金と経営能力・技術力(ノウハウ)を活用し、公共施設等の設計・建設・改修・更新や維持管理・運営を行う公共事業の手法であり、あくまで地方公共団体が発注者となり、公共事業として行うものであり、JRやNTTのような民営化とは違います。
正式名称を、Private-Finance-Initiative(プライベート・ファイナンス・イニシアチブ)といい、頭文字をとってPFIと呼ばれています。

=== === ===

 

 

最後に、弊社代表古川よりプチセミナー。今回は、「林業まちづくり構想」に係る事業者視点、行政視点のポイントを整理し、如何にイノベーション(一人目のチャレンジャー、二人目のフォロワーの大切さ)を説きながら、ご自身の地域でただ視察先をまねるのではなく、オリジナリティとリアリティある未来づくりについてのヒントを提示しました。最終日は、視察を踏まえ皆さんに自社事業の将来を考えていただくた時間を多く作りたいということで、特製の曼荼羅シート(未来シート)をご提供し、皆さんに記入いただきディスカッションすることとさせていただきました。今回の視察終了後も、参加して終わりではなく、参加した後にしっかりと形に残せるようにと、課題の共有も含め、今後のご提案をさせていただきました。

 

 

製材・木材加工現場見学(ばうむ合同会社 木材加工部、レイホク木材工業協同組合様、高知おおとよ製材株式会社)

 

1日目のセミナーで紹介した山番LLPとばうむ合同会社による林業の6次産業化に係る事業が実際行われている、ばうむ合同会社の木材加工部の工場を3日目に見学しました。セミナーでゆっくりとお話を聞き、その後に参加者自らの目で現場を見てもらうことで、よりリアルに実現可能性とご自身の地域に落とし込んだ理解につながったのではないでしょうか。

 

 

また、小規模な工場だけではなく近隣のレイホク木材工業協同組合様、高知おおとよ製材株式会社様といった大規模製材工場までを見学することで地域における林業バリューチェーンを学ぶことができました。

 

 

大杉見学

 

3日目最終日、最後の訪問地は本山町のお隣、大豊町の八坂神社境内にある「杉の大杉」(国の特別天然記念物)。

なんと推定樹齢約3000年、樹高は約60m、2つの株が根本でくっついて伸びています。一目見た瞬間から言葉を失うほどの迫力を見せつけられます。そして、この場所は多くの人が願掛けに来るパワースポットとしても有名です。かつて、美空ひばりさんがこの大杉に「日本一の歌手になれますように」と願をかけ、実際日本一の歌手になった逸話があることから有名となりました。そこから、この大杉には「出世杉」の異名もつけられています。

 

 

境内の近くには「川の流れのように」の歌碑があり、奥山がきれいに見える開けた景色を眺めながら、美空ひばりさんの美しい歌声を聞きながら、ゆったりと心を落ち着けることもできます。

すばらしいパワースポットにて、参加者皆さんそれぞれが願掛けをし、今回の現地視察はフィナーレ。

最後にふさわしいスポットでした。

 

 

参加者の声

A様

ずっと都心にいたので白髪山のトレッキングは非常に新鮮で心が洗われました。 また、多方面でご活躍されている業界内の方々とお話ができ、多角的な視点を養うことが出来たと感じています。 一方で林業業界における強い課題感として、既存の仕組みや風習が根強く残っていることを感じました。

レガシーな産業だからこそということもありますが、普段他業界にいる身からすると、世の人々があえて新規参入したがらない理由が非常に肌で感じました。今回のセミナーに参加されている方々も同様の課題感を感じている方々ではあると思うので、共に改善に務められたらと思います。

この度は非常に貴重な体験をさせて頂くことが出来ました。お忙しいにも関わらずこのような素晴らしい会を主催して下さり誠にありがとうございました。 今後ともよろしくお願いいたします。

 

B様

普段から知っている地域でありながら、今回初めて知ったことがたくさんあって勉強になりました。木材だけに特化せず、観光資源、農業、移住促進など含めた地域づくり全体を見ていただけるプログラムになっていたので、とても多角的な視点から本山町の魅力を再発見することができてありがたかったです。

 

C様

3日間、ありがとうございました。私にとって「古川ちいきの総研」で展開される事業(セミナーおよび視察の運営を含む)は全てが学びの場であり、次のステップへ踏み出す糧となるものです。今後も参加と学びと自分ごと化を続けます。

 

D様

今回はじめて参加させていただきましたが共通の知り合いがいたり新しい情報を得たりとてもいい時間を過ごさせていただきました。また、トレッキングをしてあらためて会社経営も登り調子の時よりも下り坂の時ほどしっかり足元をみないと滑って転ぶなと実感しました。これからもしっかり足元をみて進んでいけたらと思いました。今後もよろしくお願いいたします。

 

E様

今回の研修は、私がやって来た事を再認識し自分自身で見つめ直す事に主眼を置いていました。林業・製材関連の事業体だと、森林や木材関係を深く理解しようとする事業が多いと思いますが、私達は、まちづくりの為の林業とは何かの原点を模索しており、此れから深く掘り下げていくための初期段階の取組みに、多くの方が、共感してくれたのは、此れから事業をやっていく大きな力となりました。これからもよろしくお願いします。そして、有難うございました。

 

 

さいごに

改めて、延期となりながらも無事開催ができたこと、大変嬉しく思っています。ありがとうございました。

当日アテンドをしていただいた藤川様におかれましては、計画・準備段階から大変お世話になりました。最終日、大杉でのフィナーレにて、藤川様からは、これまでやってきたことが間違いでなかったことを確認できたこと、また参加いただいた皆さんと共にそれぞれの地域を盛り上げていきたいということ、大変嬉しいお言葉をいただきました。

本当に、ありがとうございました。

 

 

次回の現地視察は来年度に、開催予定です。

また、12月5日には大阪にて研究会を開催し、今回の研修会・今年度の振り返りをしながら、

今後の業界、自社の事業を参加者の皆さまと考える時間を作ります。

詳細は以下となります。

 

===R2年度第3回 大阪経営実践研究会===

<開催日時>

12月5日(土)14時~18時

(忘年会:18時半~、研究会会場近く)

 

<場所>

サムティフェイム新大阪 ホール2(2階)
住所:大阪市淀川区西中島6-5-3

 

<内容>

〇現地研修会(高知県嶺北地域)の振り返り
〇2020年振り返りと、10年後20年後の未来ディスカション
〇企業(起業)と林業まちづくり構想の理想と現実(古川講座)
〇その他、新進気鋭のデザイナーの外部講座 も予定しています。

 

<参加費>

16500円(税込)

※忘年会費は別途5000円(税込)

 

<参加申込先>

・株式会社古川ちいきの総合研究所

・Mail:info@chiikino.jp / TEL:06-7878-6376

上記メールアドレスまたはお電話にて、「参加者名」「連絡先」「忘年会の出欠」をご連絡ください。

=== === === === ===

 

それでは、皆さんのご参加を心よりお待ちしております。

 

 

 

 

 

Posted by wpmaster on 火曜日 10月 6, 2020 Under pick up, すべての記事, 経営実践研究会[国産材ビジネススクール](大阪), 講演&研修 報告

 

【『令和元年度 森林・林業白書』に掲載されました】
 
毎年、林野庁より発行される森林・林業白書。
 
1年間の日本での森林・林業の動向が1冊にまとまっており、森林・林業に関わる人、興味がある人であれば、ご存じの白書でありますが、政策動向や各種情報が網羅され、図表も事例も分かりやすいため、是非多くの方に一読すべく良書としてお勧めしたいものです。
 
”そしてなんと、大変光栄なことに令和元年度版(最新版)の白書に、当社が紹介さました。
 
「特集 持続可能な開発目標(SDGs(エスディージーズ))に貢献する森林・林業・木材産業」の「第2節 多様化する森林との関わり」部分にて、林業コンサルタントとしてご紹介いただいています。

https://www.rinya.maff.go.jp/j/kikaku/hakusyo/r1hakusyo/zenbun.html

上記リンク先の林野庁WEBページから、本文をご覧いただけます。

また、7月22日には書籍版が出版される予定ですので、是非こちらもお手にとってみてください。

 

【掲載部分抜粋

“(林業コンサルタント)

森林資源が充実し伐採量が増加する一方、高齢化により熟練の林業従事者が退職していく中で、経営を効率化し生産性を上げることは重要であり、自社の強みを活かし、この観点からコンサルティングのニーズを開拓している企業もある。

住友林業株式会社は、自ら手掛ける森林経営で 培った経験とノウハウを活用し、市町村や民間企業 に対して、ICTの導入支援や森林整備計画の作成、地域材のサプライチェーン構築等のコンサルティングを行っている。林業・木材産業に特化したコンサルタント企業も活動しており、例えば株式会社古川ちいきの総合研究所は、立地・規模・ブランドの視点で地域資源を分析し、市町村の林業を活かしたビジョンの策定、林業・木材産業に関わる企業(事業体)の経営力の向上、人材育成、採用・定着、商品開発、独自販路の開拓等の支援をしている。”

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Posted by wpmaster on 火曜日 7月 7, 2020 Under — メディア掲載, pick up, お知らせ, すべての記事

 

令和2年2月22日(土)、今年度第4回の大阪経営実践研究会を開催しました。

今回は、弊社代表 古川が専門誌「都市問題」2月号寄稿した記念のセミナー&ワークショップとして急遽開催することとなり、8名の参加者にご参加いただきました。

今回のメニュー

1.各社報告

2.情報提供

・林業ニュースまとめ

・全国の最新情報

3.古川講座

「都市問題(2月号)」~森林で業を為す~

・寄稿で、書きたかった背景と未来。

4. ワークショップ

・たった1つの質問でわかる働き方改革の本質へ

・ディスカッション

5.まとめ

 

それでは、当日の内容を一部ご紹介します。

 

森林で業を為せるか?見えてくる未来。

弊社古川が、公益財団法人後藤安田記念東京都市研究所様より「森林で「業」を為す可能性」というお題をいただき、専門誌「都市問題」2月号に拙文を寄稿させていただきました。

月刊誌 都市問題(外部サイト)

https://www.timr.or.jp/cgi-bin/toshi_db.cgi?mode=saisin&fbclid=IwAR2wvpOhWLySU3tlZ-uGXffTP5ROPpbhUIMCeLGTlIvDbQ7TBkFDMxRW1Xs

先述のとおり、今回のセミナーは寄稿記念であるとともに、寄稿文では書ききれなかった「背景」と「未来」というプラスαもお伝えするものとなりました。

 

セミナーでは、古川が20年の経験の中で組み立てた仮説一万字の寄稿文をベースに、森林で業を為すための背景のうち「6つの視点」に絞って解説したうえで、それらから見出した「7つの成功要因」「3つのテーマ」を寄稿文プラスαの未来として提示させていただきました。

 

【6つの視点】

 1.林業ロマンを活かす使命感

長い時間軸と多くの人の手間ひまと愛情がかけてこられた林業。静岡の天竜林業の歴史を伝える動画「昭和31年 山は生きている https://www.youtube.com/watch?v=JS-8oWTH9lA&fbclid=IwAR3C4Lulvbn1rexspPaPtKCc1q39olNRMN8oVAtoaOIn-xTerMt1LyUpim0」を、天竜林業地との関わりも思い入れも深い古川よりご紹介させていただきました。

「林業の時間軸への敬意を持つと、まだまだひよっこの自分」「100年の木はいくらお金を積んでもすぐつくれない。」

林業に関わる中で強く感じたロマンと重み。「ロマンを活かさないといけない」「林業は、業として為さなければならない」

この使命感は、古川の原動力の1つです。

 

2.様々な「森林」を語れるか。行ったことがあるか?

古川は、林業の聖地 奈良吉野での原体験をスタートに、天竜、尾鷲といった日本三大人口美林をはじめ、全国各地でお仕事をさせていただき、様々な森林と林業を見てきました。その中で、本当に多種多様な林業のかたちがあることを学び、体感しています。「自らがフィールドとしている地域のことだけでなく、他の地域と森林・林業を歴史も含め学び、自分たちの地域の特徴を知ることがいかに大切か。」ということをお伝えしました。

 

3.林業の「カ・レ・シ」

林業の特異性として、古川が見出した3つのキーワードの頭文字が「カ・レ・シ」。これらは欠点かプラスか?逆手にとってビジネスにしよう!というお話しをさせていただきました。

 

4.原体験の必要性

古川には、2つの原体験があります。

1つは、出身地である東京都町田市でクワガタを採って遊んだ思い出の裏山が、開発で破壊されたこと。

もう1つは、奈良県川上村に「地域づくりインターン」で行ったこと。(どの自治体に応募するかを鉛筆転がしで決めたという運命、林業との出会い)

古川の情熱(好き×憤り)は、これらの原体験がベースになっており、「林業にはマーケティングの必要だ!」と自分の体験で実感したことが、今の仕事につながっています。

 

5.森林で業を為すための 2つの「軸」を見る。2つの「先」を見る。

森林で業を為すためには「2つの軸=理念と利益」、「2つの先=ビジョン(将来)とマーケット(顧客)」を見ることが肝要です。「林業の理念ってなんだ?」「林業が生み出す利益とは?」「暗い話にばかり目を向けるのではなく、顧客に向き合いマーケットを拓いて、将来をつくりだすビジョンを!」ということを、フレームと事例からお話しさせていただきました。

 

6.トータル林業のススメ

「林業」というと、どのような仕事を想像しますか?「木を伐ること、原木丸太を搬出して売ること=素材生産」「木を植え、育てること(植林、育林)」このようなところでしょうか。しかし実際、「林業」と名が付く事業者は「製材業」「建材販売」「工務店業」「森林サービス業」など、様々な業態を有します。その上で「規模によって戦略が異なること」「素材品質によって、競合設定と流通設計が異なること」を前置きし、これからの林業には2つの重要ポイントがあることをお話ししました。

 

①狭義の林業から広義の林業へ

素材生産業など従来言われている「林業」を「狭義の林業」と位置づけ、「素材生産」「植林・育林」に留まらない「業と為す」ための価値創造を「広義の林業」と捉えました。古川共著「森ではたらく!27人の27の仕事」でご紹介している事例はまさに「広義の林業」です。この「広義の林業」とは、林業に「タテの広がり」を持つこと、ともいえます。

「森ではたらく!27人の27の仕事」(外部サイト)

http://book.gakugei-pub.co.jp/mokuroku/book/ISBN978-4-7615-1339-9.htm

 

②「業と為す」ためのマーケティング1.0~4.0

「顧客と向き合いマーケットを拓く」重要性については先述しましたが、その視点をマーケティング発展プロセスで考えることが重要である、ということをお話ししました。「マーケティング1.0(素材、製品)」から始まり、消費財(2.0)、空間、ライフスタイル・コミュニティの創造(3.0)まで拓くことが、今後「業と為す」ために重要な林業の「ヨコの広がり」です。さらには、サッカーの英雄ヨハン・クライフの提唱する「トータル・フットボール」をヒントに、林業関係人口を8つに分類しました(マーケティング4.0)。どの関わり方であっても、「所有からシェアへ」「地域社会へ利益と理念を還流」「自己実現をサポート」をキーワードに自分事化していくことが、これからの林業を、地域をつくっていくうえで外せないポイントです。

 

これら「タテ」「ヨコ」の広がりを持ち、さらに林業関係人口の多様性から「自分事化」することが、古川の提唱する「トータル林業」による「林業まちづくり構想」です。

セミナーではフレームで図式化したうえで解説したため、参加者により納得感を持っていただけたようです。

 

【7つの成功要因と3つのテーマ】

以上、6つの重要な視点をお話ししたうえで、これからの「林業6次産業化&地方創生」ビジョンとして、寄稿文には記載していない「7つの成功要因」と「3つのテーマ」を新たに提案しました。「何かすればうまくいく」というのではなく、結局はトータルな要素・視点での戦略が必要になります。

またさらなるプラスαとして、林業と日本の近代史についても軽く触れ、SDGsの流れについても地域の林業会社が如何に「あてはめて」考えられるか、そして同発信するかが重要だということもお伝えしました。これらについては今後の研究会で深掘りしていきます。ご期待ください。

参加者の皆様は、それぞれ地域で様々に森林に関わっている方々です。本セミナーでお伝えしたことが、これからの皆様の「森林で業を為す」力になれば幸いです。

 

 

その他

今回の研究会では、「都市問題」寄稿文セミナーのほか、「たった1つの質問からわかる働き方改革の本質へ(たった1つの質問からわかる人材採用定着の本質)」ワークショップのほか、林業ニュースのまとめと解説、弊社が関わる全国の最新情報のご紹介などもいたしました。

業界情報だけでなく、マーケティング・異業種との掛け算からも情報提供できるのが弊社の特徴です。古川ちいきの総合研究所では、森林・林業・木材業×異業種のプロジェクトも現在進行中。とても面白いことになっています。これからも、全国事例だけでなく、実践に基づく新たな情報をお伝えしてまいります。

 

参加者の声(一部抜粋)

【K様】

弊社の「当面の経営課題」とも被る内容が多く、参考になりました。地域創生とまでは言いませんが「地域に生かされる会社」を目指したいと思いました。トータル林業の「タテ」と「ヨコ」を意識して「林業まちづくり」、次なる取り組みに挑んでいきたいと思います。

 

【K様】

森林の多面的機能と林業が生み出している生産額の差の大きさに驚いた。一方で、林業に携わる方々が多面的機能にさらに目を向けると事業の可能性が広がるのではないかと思った。そのような視点が「トータル林業」にはあるのだと思う。マーケティング3.0、4.0によるトータル林業もとても共感した。大企業でないからこそストーリーを一貫して製品サービスを提供できる強みが林業にはあるだろう。

 

【O様】

マーケティング1.0の「QCD(品質、価格、納期)」が、基本・土台として大事だということを改めて感じた。1.0という基本を大事にしながら、3.0、4.0にまでビジネス、まちづくりを広げていけるように取り組んでいきたい。

 

【S様】

次の道に進む前に、古川さんの話が聞けて気がひきしまった。セミナーでは特に「自分事化」が響いた。自分の中で改めて林業を「自分事化」して次に進みたい。そして、顧客の自分事化もつくりだせるような仕事をしていこうと思う。

 

【T様】

自分事化は大事だと思う。事例について参考になったので、これからどのようにビジネスにつなげていくかということを自分事として理解を落とし込みながら実践していきたい。

 

さいごに

今年度最後の研究会が終了しました。

次回は令和2年度第1回として、4月11日(土)~13日(月)に高知本山での現地研修を予定しておりましたが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、開催延期させていただくこととなりました。

参加者の皆様だけでなくそのご家族、そして、受け入れ先だけでなく移動中も含む地域の皆様の安全を第一に考えたことによるものです。参加者の皆様にたくさんのものを得ていただきたいと、現地の方々と鋭意準備を進めてまいりましたため、残念ではございますが、人命が最優先です。

皆様も、私たちも、無事にこの非常事態を乗り切りましょう。

事態が収束し、改めて開催が決定しましたらご案内させていただきますので、それまでお元気でお待ちください。

 

Posted by wpmaster on 月曜日 2月 24, 2020 Under pick up, お知らせ, すべての記事, 未分類, 経営実践研究会[国産材ビジネススクール](大阪)

12月21日(土)、元号改正により新しい時代を迎えた令和元年も早くも終わりに差し掛かる師走の末、

今年度第3回の大阪経営実践研究会を開催しました。

今回は、12名の参加者と1名のゲスト講師にお越しいただき、

今年の振り返りと来年の抱負を皆さんにお話いただくなど、年末らしいコンテンツを交えながらお届けしました。

 

 

今回のメニュー

1.各社報告

2.情報提供

・林業ニュースまとめ

・初参加者紹介

3.ちいきの総研講座~林業活性化最前線~

・関係人口創出拡大とは

・森林への期待とは「副業、複業、コミュニティ、マーケティング4.0」

4.ゲスト講座(京都大学森里海連環学教育研究ユニット 特定准教授 清水夏樹 様より)

・台湾(国際シンポジウム:2019山村緑色経済検討会)&グリーンツーリズムについて

・農山村活性化の芸術的テーマ、大学の目指す地域連携の実態と課題とは?

5.2019年の振り返りと2020年の抱負

・参加者による発表

・2019年ヒット商品ランキング

・2020年予測と抱負、今後の予定

 

それでは、当日の内容を一部ご紹介します。

 

 

関係人口創出拡大とは?森林への期待とは?

 

弊社代表古川より、AIDMA理論と移住定住方程式(交流人口)と見込み顧客(マーケティング戦略)の点から、
中小企業の目下のテーマである、募集・採用・定着への導線づくりをお話しました。

一昨年ごろからよく目にするようになった「関係人口」、この定義を皆さんご存じでしょうか?

総務省のポータルサイト(https://www.soumu.go.jp/kankeijinkou/)を見ると

『移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域や地域の人々と多様に関わる人々のこと』

とあります。

「人口」をテーマとした行政の言葉のイメージがありますが、単に人口としてみるのではなく、人の行き来である「交流」の中で起きる具体的アクション(観光、特産品購入、ふるさと納税、対話、頻繁に通う、ボランティア)による多様な接点の中に、民間企業の経営において人材採用・育成・定着のヒントが含まれています。そこで、注目するのがマーケティングフレームのAIDMAやAISASとなります。

交流人口といっても、まだその地域のことを知ったばかりの人もいれば、既に地域内で行動を起こしている人もいるはずです。どのような属性、段階の人口が多いのかを把握し、何を目的に人口を増やすのかを定める自治体、そして地域に根差す企業は学生との接点、インターン制度の在り方、研究者との連携、また地域での暮らし方の喜びとは何かというところを追求していくことで、採用のあり方、社員教育のあり方が見えてくるのです。

人材が足りないという企業様は是非、自社だけではなく地域という枠で血縁ではない地縁が増えていく関係性と仕組みを見ていただければと思います。

 

今回は、12月初週に訪問した台湾でのシンポジウムについてもご紹介したのですが、台湾のほうでも、日本の施策に倣い、「地方創生」「6次産業化」という政策キーワードから、
グリーンツーリズムへの力を入れているということでした。また古川と今回ゲストの清水様が見てきた林業・製材会社では、マーケティング機能もしっかり持っており、営業力の強化もできている中で、彼らが日本から学ぼう!という姿勢が見られ非常に紳士的でありました。今後は、台日交流を経て、お互いの長所を活かした、事業交流ができるとも考えています。

 

 

ゲスト講座~学術論文の評価が変わる!それは、会社の評価の変化へ!?~

今回は、京都大学森里海連環学教育研究ユニット 特定准教授清水夏樹様にゲストにお越しいただき、

農山村活性化の学術的テーマ、大学の目指す地域連携の実態と課題についてお話をいただきました。

普段、企業経営ではなかなかお話を聞くことが出来ない学術の世界ですが、特に興味深かったのが

「インパクトファクターから、オルトメトリクスへ。」というキーワードでした。

 

まず「インパクトファクター (impact factor、IF) 」は、「自然科学・社会科学分野の学術雑誌を対象として、その雑誌の影響度、引用された頻度を測る指標である。」(Wikipediaより)、

「オルトメトリクス(英: altmetrics)」とは、「学術論文の影響度を評価する指標のこと。学術雑誌の影響度を示すインパクトファクター (IF) や、研究者個人の被引用数を示す指数などでは定量化しにくい観点から学術研究を評価するために2009年から2010年頃に提唱されるようになった考え方、およびそれに基づく代替的な指標の総称。」(Wikipediaより)とあります。

 

これまでは、研究=既往の研究を重要視しているイメージが強くありましたが、現在では世間での評価、SNS等での広がりなどを指標とするオルトメトリクスが、指標になりつつあるということですね。

ビジネスにおいても、誰から評価されるべきか!?といことを考えると一般的には「顧客」が大きい存在かもしれませんが、広い意味での顧客ととらえれば「社会(地域の人たち)」の評価が、地域の実績、信頼、そこからの口コミに繋がり、起点として自らの情報発信からの反響といったことが、極めて重要になっているということとも捉えられると思います。

 

日々のオペレーション(接客、運営、営業対応)の良さが、SNSで広がる昨今、改めて、社員ひとりひとりの行動から、個人評価から会社評価、地域への評価へというところ、評判というところに、企業の魂を持っていくべきではと考えさせられた次第です。

 

また、清水様のお話の終わりの方では、「是非、企業は研究者をもっと使ってください」とお話をされていました。

木材業界では木材強度の計算で工学とのかかわりは強いかもしれませんが、是非これを機に社会学との連携、学術を活かした戦略も考えていきたいところですね。

 

 

2019年の振り返り、2020年の抱負

皆様にとって、2019年はどのような年でしたでしょうか?また2020年の抱負は既に立てられましたか?

本研究会では毎回、参加者の皆様から近況報告をいただいているのですが、今回は振り返りと抱負を併せて発表いただきました。

皆様のお話を伺っていると、2020年の抱負については主力事業の課題修正のお話をされている人もいましたが、特に多かったのは主力事業に加え補助(副業)事業への注力、

採用や社員教育といった基盤整備についての抱負が多いように思います。また、研究会メンバー同士で連携した仕入れ販売やイベント実施についても触れていただく方もいました。

 

また、「自社」(内部環境を)を徹底的に分析改善することも需要ですが、流行(外部環境)にも敏感にアンテナを立て、事業の参考にすることも重要です。ということで弊社では今年も日経トレンディが選ぶヒット商品ランキング2019(https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00242/00002/)に合わせて森林・林業ヒット商品ランキング2019を発表しました。毎年楽しみにしているという方も出てきたこのランキング、参加者の皆さまも楽しみながら2019年の振り返りをしていただけたのではないでしょうか。

弊社ではこれからも異業種視点も含めた森林・林業の最新情報を発信していきますので、お楽しみにお待ちください。

 

 

参加者の声(一部抜粋)

【T様】

内容が盛りだくさんでした。今回の参加を金い、弊社でも中・長期の経営計画を考え始めたいと思いました。またグリーンツーリズムのお話については、「功罪あるが森林で一番人が動くのがツーリズム。」「農村という言葉があるが農村の明確な定義はない。」「研究者の評価軸が変化してきている」という点が印象に残りました。地域との関わりはこれから強めていきたいと思いました。

 

【M様】

今回も本当に勉強になりました。年末年始の事業計画作成のイイネタを仕入れられました。交流人口から移住定住人口への動きは、会社でいうリクルートの流れと同じという視点はなるほどなと思いました。移住(就職)した後に、以下に定住、永住(離職しない)する地域(会社)にするか。福祉の充実(福利厚生、給与面)なども重要ですが、住みやすさ(働きやすさ)全体をいかに感じられるまち(会社)にするかが大事ですね。社内で具体的な改善対応を考えていきたいと思います。

 

 

さいごに

今年最後の研究会が終了しました。

次回第4回は2月22日(土)を予定しています。

さらに先にはなりますが、4月11日(土)~13日(月)に高知県本山町にて現地研修会を開催予定です。市町村規模に合わせた林業とまちづくり、新たに出来たモンベルアウトドアヴィレッジにも注目の回となりますので、是非ご予定を空けていただければ幸いです。

詳細は後日、ご案内させていただきますのでお楽しみにお待ちください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Posted by wpmaster on 土曜日 12月 21, 2019 Under pick up, お知らせ, すべての記事, 経営実践研究会[国産材ビジネススクール](大阪)

夏の名残と秋の空気の混在が心地よい10月26日(土)、新大阪にて今年度第2回目の大阪経営実践研究会を開催しました。

 

今回は兵庫、大阪、広島、高知、岐阜、愛知、長野、福岡の8府県から9名の方にご参加いただきました。

森林環境税や全国の最新情報の提供から、「なぜ、地域材か(総集編)」「まちづくりと林業、食と農と観光への事業連携」の2つのテーマを軸とした構成の研究会となりました。

 

今回のメニュー

【1】参加者近況報告

 

【2】ちいきの総研より情報提供

・某都道府県の林業事業体の経営力アンケートより

・森林環境税、山林所有者への意向調査から

・「顔の見える木材での快適空間づくり事業」から最新情報

 

【3】テーマ①「なぜ、地域材か。(総集編)」

・古川による「地域材利用の意義」フレームワーク化と解説

 

【4】テーマ②「まちづくりと林業、食と農と観光への事業連携」

  1. 一般社団法人ソマミチ トークイベントを終えて

 

  1. ゲスト講座

「食と酒からみた、まちづくり、~もう一度「農林漁」をつなぎましょう~」

 

【5】ディスカッション

 

 

【6】まとめ(古川)

 

 

手前味噌ではありますが、いつもに増して刺激的かつ有機的な情報とディスカッションの詰まった研究会になりました。

 

今回も一部抜粋して、当日の内容をご紹介します。

 

 

テーマ①「なぜ、地域材か(総集編)」

前回の研究会で参加者から問題提起されたこのテーマ。

 

「地域材を使うことの意義は何か?どのように説明したら良いか?」

「使い手、エンドユーザーが地域材を選択するために必要な要素とは?」

 

前回研究会では、全国から参加の皆様より、自らの実績や経験を踏まえたコメントを多くいただき、白熱したディスカッションが繰り広げられました。

 

そんな前回のディスカッションと、今までお仕事させていただいてきた全国の事例、自らのマーケティングメソッドなどから複合的に考察し、今回古川が「地域材利用の意義」についてフレームワーク化、解説をさせていただきました。

 

キーワードは

「環境、SDGs」

「国土保全」

「地域経済」

「雇用」

「水源、流域」

「マテリアル」

「PEST分析」

「マーケティングメソッド(古川オリジナルメソッド)」

「顔の見える関係」

「トータル林業」

「事例」

「カッコよさ、感覚に訴える」

 

これらを図解した一大フレームが出来上がり、参加者からも「よく分かった」の声をいただくことができました。

 

「なぜ、地域材か」というテーマについては、これで完結ではなく、このフレームワークを活用しながら今後も議論を深めていきます。

「どんなフレームワークか気になる!」という方は、是非研究会にご参加ください!

そんな想いのあなたとも、議論を交え、地域材の可能性を広げていきたいと思っております。

 

テーマ②「まちづくりと林業、食と農と観光への事業連携」

1.一般社団法人ソマミチ トークイベントを終えて

古川がサポーティングコーチとして理事を務める、長野県松本市の一般社団法人ソマミチ。

ソマミチウェブサイト https://www.somamichi.com/

 

一般社団法人設立2年の節目に、トークイベントを開催したことは、このブログでもご紹介したところです。

ちいきのブログ(令和元年10月23日)

https://chiikino.jp/blog/?p=10212

 

今回の研究会には、ソマミチ代表の原 薫様のご参加があったこともあり、古川とこのトークイベントを終えての所感と、ソマミチの活動の意義などについてご紹介いただきました。

 

ソマミチは、木を使う社会の仕組みをつくることを目指し、「山が基準」をキーワードに活動するチーム。林業、製材、設計、家具木工・指物師、建築まちづくりディレクターなど、多彩なメンバーで構成されています。多彩であるがゆえに、チームとして協業しながらも、それぞれの専門分野での活動が主になることで、全体としてのソマミチを伝えるのが難しくなってしまっていることが一つの課題でした。

 

そこで開催されたこのトークイベント。

山での体験イベントから建築、木工まで多様なソマミチメンバーの活動をトータルでご紹介することで「ソマミチとはどんなチームなのか」「何を目指しているのか」ということを伝えられたことは、大きな成果の1つであったといえます。

 

今まで「名前は聞いたことあって、森や木のことで何か良いことをしているようだけど、よくわからないから」と参画するまでに至らない人たちが多かった中、トークイベント後に「ソマミチがどんな想いで、どんな取り組みをしているか、全体像が見えた。ぜひ、参画したい!」という入会希望の反響がいくつもあり、単なる「打ち上げ花火」的なイベントに終わらず、さらなる広がりに繋げることができました。

 

また、ソマミチのこれからの活動の方向性についても参加者から質問があり、「山と食文化」「感動をベースに」「遊び場からビジネスへの導線」「国交省制度の活用」など、ソマミチだけでなく、各参加者の事業にも参考になる情報と議論を交わすことができました。

 

2.ゲスト講座「食と酒からみた、まちづくり ~もう一度「農林漁」をつなぎましょう~」農業と漁業と林業のいい関係づくり 地域経済をうまく回すには

 

百貨店の鮮魚コーナー勤務からまちづくり、IT企業、輸入商を経て、現在は食と農のマーケティングからまちづくりまで、自治体の仕事、大学講師など幅広く担う、まさに専門家かつ複業家の片桐 新之介様よりご講義をいただきました。

 

専門性と外部視点の客観性の両立。

掛け算による独自性の創出。「シナジーキャリア」

 

「ハモの骨きりが出来るマーケターは自分くらいではないか」という多才な片桐様。

多様な実績のうち、いくつかの事例を交えながらお話を繰り広げられました。

 

「もう一度、農林漁業をつなぐ」

「6次産業化の商品づくりにおいて大事な7つのこと」

「ユーザーエクスペリエンス」

「人を巻き込むことで、売れる仕組みが自ずとつくられていく」

「これからの新しい循環」

「コミュニティが支援する農林漁業」

「環境の自分事化」

 

刺激的かつユニークでありながら、まちづくり、マーケティングをはじめ、複業家ならではのスキルを活かしたビジネスづくり。

また、農林漁業を俯瞰した視点と、現場の人たちと協業し意思疎通してきたからこその温度感のある取り組みは、林業・木材業に携わる我々にとっても、大いなるヒントとなりました。

 

片桐様の手がける今後のビジネスについてもオフレコで教えていただきましたが、こちらもなんとも興味深い!!このような情報を得ることができるのも、研究会の醍醐味ですね。

 

隣接異業種、リアルなビジネス実践からのヒント、それだけではなく、片桐様の柔軟な発想からも、得るもの多きゲスト講座でした。

参加者の皆さまにも大変ご満足いただけたようです。

 

ちいきの総研よりまとめ

今回の研究会では「なぜ、地域材か。(総集編)」として、「地域材利用の意義」について再度テーマとし、ディスカッションした内容とこれまでの知見から、フレームにまとめさせていただきました。ですが、ここで終了ではありません。このフレームを使い、自らにとっての地域材利用の意義について、定期的に考察することが重要です。参加者の方からも「その時々の状況で、学ぶこと、見出すことは違ってくる」というコメントもありました。研究会では、「なぜ、地域材か。」を永久的なテーマとして、継続的に追いかけていきます。

 

また、今回のもう一つのキーワード「複業」。

弊社が実施した某都道府県の林業事業体経営力調査から「林業以外のサブビジネスを持っていること」と「増収増益」の相関性が見えてきました。また、ゲスト講師の片桐様のお話でも「複業」による「シナジーキャリア」の形成というお話が出てきました。この「複業」こそ今後のビジネス展開において重要な要素であり、これからのプロフェッショナル像といえるでしょう。それは、地域において自らが「ペルソナ」(消費者のモデル的存在)となるとともに、「プロデューサー」(事業者のモデル的存在)にもなるということであります。ソマミチの多彩なメンバーも、地域の「ペルソナ」であり「プロデューサー」であるからこそ、理念が反響してファンが増え、活動もビジネスも広がっていく。

この「複業」についても重要な視点として位置づけ、今後も深堀りをしていきます。

 

 

参加者の声

【U様(国産材建具メーカー)】

久しぶりに参加しましたが、各地での国産材の活路の見出し方を学べ、方法、手段、観点の違いを感じることができ、非常に勉強になりました。改めて「地域材とは」ということを考え直すきっかけとなり、なぜ必要なのかをより地方(地元)自治体に伝えていくことで、まちづくりの流れが変化していくことを強く感じました。

 

【S様(都市計画系コンサルタント)】

まちと自然の関わり、都市空間と林業の関わりは、地方都市でこそ進めていくべき取り組みだと思います。都市計画でも10~20年の視点はあります。今はタクティカルアーバニズムという言葉で、暫時的、戦略的に進める重要性が言われることが多いですが、森林資源の持続性と時間軸で考える超長期的(都市計画的には)な視点は斬新でした。

 

【I様(工務店)】

各種ディスカッション&レク、楽しかったです。なぜ、どう地域材を使うのか、フレームワークで理解できました。片桐さんの取り組みについて、経済性も含む持続性の担保は色々な課題があるとは思いますが、尖った企画でより良くなるといいなと感じました。パワフルな取り組みが参考になりました。

 

さいごに

令和に入って第2回目の研究会。

いつも以上に濃く、ビジネスのヒント、原動力になる内容であったのではないかと自負しております。

この勢いのまま、これからも走り続けたいと思います。

 

次回の研究会は12月21日(土)に開催予定です。

 

詳細が決まりましたら、弊社ブログ、SNS、メールにてご案内させていただきます。次回も多くの方にご参加いただけることを楽しみにしております。

 

今回は参加できなかった方、初めて研究会を知った方も、参加をご検討いただけますと幸いです。

 

研究会内容の詳細は、以下のURL(大阪・経営実践研究会紹介ページ)からご覧ください!

https://chiikino.jp/blog/?page_id=187

 

Posted by wpmaster on 水曜日 11月 20, 2019 Under pick up, お知らせ, すべての記事, セミナー報告, 経営実践研究会[国産材ビジネススクール](大阪)

 

 

数日でぐっと秋を感じさせる涼しさになり、晴れ間から差し込む陽の光の温かさが心地よい、10月23日(水)。

長野県松本市は信毎メディアガーデン1階ホールにて、

一般社団法人ソマミチのトークイベント

「松本で生きる。松本をつくる。~山と暮らす、その誇り。~」を開催しました。

 

 

 

 

各地から100名以上の来場者とカラマツで彩る会場

当日は、地元松本の方だけではなく、関東圏など広くから120名程の方にご来場いただきました。

事前にご予約いただいた方、既にソマミチ会員になっていただいている方はソマミチ手袋の特典付き。

今後も森林、屋外イベントがありますので、その際には皆さんと一緒にこの手袋を付けて作業したいですね。

(早速、本ブログ最後に、ツアーのお知らせもあるので是非チェックしてください。)

 

 

また、当日の会場にはソマミチメンバーの活動を代表する製品やパネルの展示を行っていました。

 

↑ソマミチの理念、メンバー、活動風景、施工事例等をまとめたパネル

 

 

↑グリーンウッドワークの作品

 

 

↑カラマツT&Tパネルの壁材

 

 

↑松本市産アカマツのヘリンボーンの床・壁材

 

 

↑アトリエm4の前田大作さんが手掛ける家具

 

実は、今回の展示の他にも、信毎メディアガーデンの1階フロア内に普段から設置している什器は、ソマミチの提案でカラマツが使われているんです。

 

 

11名によるトークリレー

それでは、当日のトークの様子を少しだけ、ご紹介。

トークイベントの内容の詳細はソマミチのFacebookページにて、当日のライブ映像が観れますので興味がある方は下記リンクからご覧ください。

https://www.facebook.com/somamichi/videos/2474706712759381/

 

 

まず、冒頭に弊社古川より、イベントタイトルにもある「松本に生きる、その誇り」をテーマにお話をしました。三つの「ガク都」(「岳都」「楽都」「学都」)で生きる、その誇りとは何か、らしさとはなにか。参加者の皆さまにも考えていただくオープニングトークとなりました。

 

 

 

企業組合山仕事創造舎の香山さんからは地理的条件から松本の自然、カラマの利用の歴史などをお話しいただきました。日本の中でもカラマツは北海道、岩手、長野を中心に分布しており、特に長野県の気候は良質なカラマツが育つ環境にあり、昔は電柱用として育てられてきたカラマツは、現在は一部建築材にも使えるまで育っていることがよく分かるお話でした。

 

 

林友ハウス工業株式会社の竹腰さまからは、ソマミチT&Tパネルを開発するまでの経緯やメリットをお話しいただきました。カラーバリエーション豊富なT&Tパネルですが、カラマツは国産材の中でも塗料の色ノリが良いというメリットを活かして誕生しています。

 

 

アトリエm4の前田さまからは、ご自身が制作される家具のお話や工房、市内の店舗内装のデザインのお話をしていただきました。なんと、自邸兼工房も全てカラマツで建築されており、家具から建築まで、幅広いカラマツ利用が強く印象に残るお話でした。

 

 

山の辺建築設計事務所 の宮坂さまからは、南相木村営住宅など最近の松本周辺での施工事例をご紹介いただきました。前田さんのカラマツ家具を展示した内覧会の様子などもご紹介いただき、顔の見える関係でのカラマツの活用、暮らし提案の姿が、会場の皆様には見えたのではないでしょうか。

 

 

♯classicの山本さんからは、神奈川の湘南エリアでの施工事例を元に、湘南での暮らし、家づくりにおいて潮風にも強く、デザイン性にも優れたカラマツの外壁材がお施主様の一つの選択肢として選ばれていることを紹介いただきました。海が無い長野の木が、サーフィンなどマリンスポーツも盛んで普段の暮らしでも海と近い湘南の暮らしに溶け込んでいる様子からカラマツの可能性を感じていただけたのではないでしょうか。

 

 

設計事務所ランドシャフトの堀越さんからは、ソマミチのこれまでのツアーやイベントの様子をご紹介いただきました。なぜ、ソマミチがイベントを行うのか、イベントを通して何を伝えたいたいか、会場の皆さんに知っていただけたのではないでしょうか。

 

 

 

ソマミチの理事メンバーの他にも、
ソマミチ理事のお施主さんで実際に、カラマツを店舗などで利用されている
明神館(松本市内にある温泉宿)の斎藤さん、
村山人形店(会場近くにある人形店)の村山さんからは、
ご自身の事業の内容に合わせ、どのような経緯でカラマツを使うに至ったか、
実際にカラマツを使った内装や什器の色合いや経年変化の良さなどをお話しいただきました

 

 

 

最後には、代表の原さんから、

「本日、皆さんのクロストークで紹介した内容は、ほとんどが松本の風景です。
ここにあるもので、このようなマチづくり、地域づくりが出来る。
これは日本だからこそ可能であり、しかしながら木を伐ることが自然破壊と言われることもありますが、
適切な自然の利活用は、災害なども軽減します。
大難を小難に、小難を無難に、無難を無事に生きることが可能な日本だからこそ、
皆さんと沢山の自然資源を利活用していきたい、世界に発信できる松本をこれから作っていきたいと思います。」

という素晴らしい締めのお言葉で今回のイベントはクローズしました。

 

 

参加者の声

・近頃のソマミチのイベント、パンフレットなどの内容があか抜けていて、実に好ましく思っています。

 

・ソマミチを通して松本の里山や松本の暮らしをもっと好きになりたい。自分と木の利用についてどんなことが出来るか考えたい。

 

・カラマツは有効活用しにくい木材と思っていたのですが、活用方法の多様性が有り驚いています。

 

・「ソマミチ」という名前からワクワクする言葉で情報発信しているな、と思っていました。チーム活動の内容が、新しい時代を感じさせるカタチで、これからの動きもとても興味あります。今日はありがとうございました。

 

・どの取り組みも魅力的でした。プロの集団かつ、各々の仕事が活かされていて相乗効果になっている面白さを感じられました。

 

・長野県外に住んでいた際に、山林、製材、建築をトータルサポートしている会社に勤めていました。そこで地産地消の家づくりをする想いに共感し、木の地産地消、国産材のことをみんなにもっと知ってもらいたい、触れてほしい、そして次世代にも木を繋げていきたいという想いがあります。わけあって現在は自然豊かな松本に移住してきたのですが、木に対する自身の想いをどういう風に表現すればいいのか、伝えていけばいいのか、自身が出来る事は何かなど、ぐるぐると考えている状況です。自身と同じような想いの人が集まるソマミチさんと今後繋がり、想いを共感し動けたら嬉しいです。ソマミチタウン、作っていきたいです。

 

 

 

さいごに(次回ツアーのお知らせ)

【↓お申込みフォームはこちら↓】

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSduLhWbP8GEj3NUY4BjV7zvIAyT_6WQ-l2hwXVD7Znd89l0kQ/viewform

 

詳細は、ソマミチのFacebookページにて掲載しますので、

Facebookページもチェック&フォローをお願いします。

【↓ソマミチFacebookページ(イベントページ)はこちら↓】

https://www.facebook.com/events/436422813737044/

 

 

それでは、また信州松本にて、皆様とお会いできること、

一緒に松本の風景を作っていけることを楽しみにしています。

 

 

 

 

 

 

 

Posted by wpmaster on 水曜日 10月 23, 2019 Under — ちいきの地域, pick up, お知らせ, すべての記事

残暑厳しい令和元年9月4日(水)。

 

三重県様からのご依頼で講義をさせていただきました。

 

「みえ森林・林業アカデミー(三重・林業大学校)」の「ディレクター育成コース」「マネージャー育成コース」の両コース受講生を対象に「マーケティングとは?~これからの国産材マーケットの作り方~」というテーマでの講義。
弊社代表 古川がお話をさせていただきました。

 

10年前には全国で数校しかなかった林業大学校。
現在全国には20近くの学校があり、「林業大学校ブーム」ともいえる状況で、「みえ森林・林業アカデミー」はそのうち、今年度開校された新設の学校です。

 

特徴は、多くの林業大学校のように新規就業者に向けた学校ではなく、実際に仕事をしている社会人を対象に絞った大学校であるところ。
三重県の林業界を強化すべく組まれた、仕事に即生かせる実践的で豊富なカリキュラムが印象的です。

 

そのような積極的な攻めの姿勢が感じられる大学校での講義。
当日は、林業・木材関係者をはじめ、経営者や個人事業主など、23名の方が受講されました。

「理念なき利益は犯罪、理念なき利益は寝言」

 

古川の信条は「理念なき利益は犯罪、理念なき利益は寝言」

利益だけではより良い世界にならない、理念だけでは生きていけない。

 

現在、SDGsに対しての世間の動き、また地球温暖化を力強く訴えるスウェーデンの少女のニュースが話題になっていますが、経済と環境問題は他人事ではなく、自分事として、身近であり、地球規模でも大きなテーマです。

 

林業は多面的機能を発揮する。その理念があり、その理念に自社の経営に対して信条を強く持っておられる方が多いわけですが、この「理念と利益」を両立させるという信条を多くの林業・木材業者様とともに、実現するため、我々は日々、全国の実践事業者様と奮闘をしています。

 

大阪で隔月開催している経営実践研究会では常に、経営者の皆様とその実践内容と展開方法について熱くディスカッションが繰り広げられています。

 

この本日の切り口である「理念と利益」について、平成22年に実施した、木材業者の経営力調査結果もご紹介しながらご説明し、古川のこれまでの国産材への取り組みや、森林・林業・木材業の支援をする原点となった体験と、そこから得た価値観についてお話しした上で、講義のスタートです。

 

 

「働く悦びのマネジメント」と「理念訴求による人材採用」

 

「仕事をしていて嬉しかったことはなんですか?」

 

古川からの問いかけに、受講生の皆さまからの回答。

 

「お客さんから感謝の手紙をもらった。」

「作品が完成したときの達成感。」

「賞与が思った以上にたくさんもらえた。」

「仲間と協力して健闘した仕事がうまくいった。」

「提案した内容が評価された。」

「商品が思った以上に高く売れた。」

 

実は、ここから「5つの働く悦び」が読み取れます。

「5つの働く悦び」は古川が多くの会社を支援してきた中で、見出してフレーム化したものです。

 

仕事をしていく上では、この「5つの悦び」が満たされていることが仕事の満足度に繋がります。

すなわち、経営者としては、従業員の就業環境と人材定着を総合的に考える際の指標にもなるのです。

 

しかし、この「5つの働く悦び」を考える前に、実は大事なことがあります。

それは、「理念」。

「理念」を共有し、同じ方向を向いて一丸となって進んでいくことは、会社というチームが「利益」を生み出すためにも非常に重要な要素です。

 

「理念」とは「何を大事にしているか」ということ。

採用の際に「理念」のミスマッチングが少ないと、経営者・従業員の双方がwin-winの関係を築く基礎ができます。

 

「野球採用」を実施している人材派遣会社の「ユニークな事例」をはじめ、弊社クライアント企業様の「理念訴求戦略による優秀な人材の獲得と経営規模拡大事例」数例についてご紹介させていただきました。

 

これからの国産材マーケットのつくりかた

後半戦は、本題の「マーケティング」講座です。

 

まずは「あなたがホットドッグ屋台の経営者なら」という仮定の「ホットドッグクイズ」から、販促とは「売り物×売り方」であることを解説しました。

 

自社の強みを見出すフレームワーク「3C」についてもご説明しました。
「顧客のニーズ」×「自社の出来ること」×「競合他社の出来ないこと」について、ライバルとの差別化はまず「地域一番店になること」であるということもお伝えしました。

 

そして、例えば食品だとマーケットは以下のように変遷していくこともご説明しました。

 

「お腹を満たすものであれば売れる」→「おいしくないと売れない」→「おいしくても売れない」

 

「おいしくても売れない」という、現代。

 

木材もかつて、「どんな木材であっても、住宅をたくさん建てなければならないから売れる」という状況でした。

ですが、高い品質を求められるようになった今。
住宅着工戸数も減少の一途を辿っている。
この状況でどのようにマーケットを作り出していくか、ということを、改めて古川から皆さまに問いかけさせていただきました。

 

マーケットをつくりだす。
それには「顧客が購入に至るための要素は何か」を考えることは不可欠です。

 

「顧客が購入するための要素」とは、弊社マーケティング基礎フレームの1つ「消費の3要素」。
「必要性」「欲求性」「物語性」の3要素です。

この3要素について、広告の事例を使って解説をしました。
この3要素を考えるとき「顧客視点」を持つことが必須になります。
広告を見て「どちらを買いたいか」というのはわかるのに、売る側になると見えづらくなること、皆さま実感できたのではないでしょうか。

普段の生活の中では顧客であることも多いのに、不思議ですよね。

 

この「消費の3要素」は風船と同じで、ニーズや時代の価値観やマーケット状況によって3要素がそれぞれ膨らんだりしぼんだりするものです。
このように主流となるもの、流行がかたちを変えながらも時代の変遷やライフサイクルの中で循環することを、弊社マーケティングフレームを使って解説し、ニーズや潮流の動きを読みながらマーケットをつくりだす重要性をお伝えさせていただきました。

 

また、「モノ・コト・ヒト」消費とも言われる「マーケティング1.0~3.0」を基軸に、商品・サービスの事例をご紹介しながら、近年のマーケットニーズの傾向についても解説いたしました。

(皆さん真剣に聞いておられます。手前味噌ではありますが、古川の講演の参加者は寝ている人がおらず、熱心な方が多いのがいつも印象的です。)

 

ワークショップとまとめ ~ルール化し、自分事化へ~

最後は、全員参加のワークショップ。

4つのグループに分かれ、それぞれ指定された林業・木材関係の商品・サービスを売るのに「何があれば売れるか?」ということを、付箋を使ってアイデア出しをしたのち、本日ご紹介したフレームに基づき整理していただきました。

 

「アフターフォロー=売り方」「作家の個性=物語性」など、さっそくフレームが役に立ったようです。

古川の解説ののち、すべてのグループからアイデアとして出てきていた「QCD」についてご説明しました。

 

「QCD=品質Quality、価格Cost、納期Delivery」

 

商売の基本中の基本といえるものです。

 

「品質Qualityは顧客との約束」「価格Costは納得性、明朗性」「納期Deliveryは価格に反映させるべき」などの解説をしたあと、このQCDから会社信頼、個人信頼へと発展していく弊社マーケティングフレーム「BtoB法人営業方程式」についてご紹介しました。

 

実は、多くの方々が、こういったマーケティングフレームに合わせると「やるべくこと」がたくさん出てきて、結局のところ「ただやっていないだけ」、すなわち「やることがいっぱいある」さらに言えば「やることをやれば(やりたい理念に向けて)もっと儲かる!」という具体的アクションが出てくるものです。

 

冒頭でご紹介した、実は弊社が独自で行った「(林業/製材業)経営力チェック」アンケートの回答では、ここ数年の増収増益企業は回答事業者全体の1.5~2割ほどありました。どの業界も製造業、下請け業はつらい時代とはいえども、成功している事業者は、「当たり前のことを当たり前に行う力がある」と言い換えられるかもしれません。

 

古川ちいきの総合研究所としましては、「なぜ国産材が売れないのか」ではなく「2割の事業者はしっかり売れている」という人たちから、学び合い、高めあい、鼓舞しあえればと、あらゆるネットワークにアンテナを広げ続けていく所存です。

 

そして最後に、「BtoB営業である林業・木材業は、マーケティング基礎フレームから、BtoB法人営業方程式、さらにまだまだマーケットをつくりだす方法はある。まずは講義でお話ししたマーケティングフレームを使い、ご自身のお仕事を分析してルール化し、本日の学びを自分事化して活かしてほしい。」というメッセージをお伝えして、講義終了とさせていただきました。

 

受講された皆さまの声

 

【A様(林業会社)】

・納期によって価格を変えるべきというのは、その通りだと思いました。まずは交渉していきたいです。

 

【B様(製材業)】

自社は代理店方式で法人営業のため不要との判断でホームページを開設していませんでしたが、今回の講義で情報発信の必要性を感じました。

 

【C様(行政)】

「働く5つの喜び」を明示することで人材確保をするということが非常に参考になった。自分の担当する法人で人材定着が課題になっているので、この切り口で分析したい。

 

【D様(製材業、建設業)】

本日のフレームで自社の事業を再分析する必要があると感じた。商品は需要の多いニーズ(価値観、文化)に合わせる必要があるのかどうか、どのようにそれを掴むのか、ということも考えていきたい。

 

【E様(森林組合)】

原体験からの情熱方程式(情熱=好き×憤り)が価値観をつくるものということがヒントになった。会社としての理念が大事だということは納得性があり、もっと知りたいと思った。今は仕事をやっつけでしている部分もあるが、本日の学びを生かしてなんとかしたいと思う。情熱も再考し、毎日の仕事の支えにしたいと思う。

 

【F様(木材流通業)】

やれていないことがある!と気付きました。木材業・林業はポッと出ではできない仕事です。辞めたいとは思わないので「好き」なんだと再認識してもっと好きになり、その情熱で仕事に取り組んでいこうと思いました。先人の知恵を大事にして、数年後の創業100周年を迎えたいです。

 

【G様(森林組合)】

「あなたの来ている服の素材の産地はどこですか?答えられないのに、自分が木を売りたいときだけ三重県産と言っても説得力がない。」と言われ、ハッとした。ワークショップももっと掘り下げて自分事化したい。マーケティング手法はどの仕事にも共通して使えることで、講義全体が大変刺激的で気持ちがザワザワして、最高でした。

 

最後に

皆さまがこの講義内容を自分事化し、お仕事に、マネジメントに活かしていただけたら、これほどうれしいことはありません。

ブログでは抜粋してまとめましたが、上記以外にもたくさんのことをお話ししています。

 

全国47都道府県を仕事で訪問したことのある古川も、まだまだお会いできていない方々がたくさんいます。

是非、皆様のまちにもお邪魔して、お話しをさせていただければ、意見交換して未来をつくっていければと思っています。

 

講演のご相談等は、お問合せフォームからお受けしています。
ご希望の時期や内容について、お問合せフォームからご連絡いただければ幸いです。
過去の講演実績は以下のURLからご覧いただけますので、併せてご参考ください。

https://chiikino.jp/blog/?page_id=193

 

 

 

Posted by wpmaster on 水曜日 9月 4, 2019 Under すべての記事, 講演&研修 報告

移動中の高速道路で大粒の雨に降られましたが当日の目的地、新庄村に到着してみると雨もぴたっと止み所々晴れ間ものぞいて秋の気配を感じる爽やかな気候となった8月30日。

今年度第4回勉強会を開催しました。

 

(色づいた稲穂:8月も終わりに差し掛かり、新庄村特産のヒメノモチも収穫の時が近づいています。)

 

今回は前回の勉強会で皆さんとディスカッションを行い、詳細を詰めた本プロジェクトのロゴマークの仮決定版の発表と勉強会メンバーを中心に構成されるチームがこの先展開してゆく活動についてミニビジネスという観点からアイデア出しを行っていただきました。

 

勉強会の役割とは?

「勉強会」、各地や社内でもよく行われていることだと思いますが、皆様の中で勉強会というとどのようなものをイメージするでしょうか?

新庄村のように、地域の林業関連業者が集まり、その地域の森林林業の課題や現状を把握し将来どのような森づくりを行うか、共通理念を定め、その理念に向かって取組を進めていく場合、勉強会において以下の3つの機能(役割)を参加者の皆さまに活用いただきたいことをお伝えしました。

1.村での情報共有の場

2.お悩み相談の場

3.ビジネス提案の場

 

これまでも多くの地域をコーディネートさせていただいておりますが、地域内の同業者、隣接異業種の皆様は交流が深いと思いきやそうでもない、という地域は少なくありません。

また、地域内外からゲストを招き講座を行うことで他地域事例からの学びや自社経営の悩みについて相談(質問)機会を設けること、自社だけではできないことをチームで実施するビジネス提案を行う機会を設けることが勉強会では可能です。チームとしての以前に「個」の経営強化につなげることも勉強会にとって重要な要素です。

 

 

ついに、ロゴマーク完成。解禁間近!

昨年から、新庄村の森林ビジョンは何かということから、森林ビジョンを体現するためのチームの1つの顔ともいえるロゴマークについて参加者の皆さまとワークショップを重ねてきました。

更に、前回の勉強会からは、村内の道の駅のロゴデザイン作成や現在も村内のまちづくり事業に携わるデザイナーにご協力いただき、ロゴマーク及びビジョンのデザイン化をしていただいています。

 

今回の勉強会で、ロゴマークが確定し、今後はコンセプトブックの作成などに移っていきます!ということでロゴマークをお披露目したいところですが、解禁まで今しばらくお待ち下さい。

今回のロゴのポイントだけ、ご紹介すると

・汎用性を高くするフレキシブルデザイン

・村全体のブランディングに繋げられる(道の駅のロゴとの整合性等)

・新庄村の山、木、水がテーマになっていること

となります。コンセプトブックの紹介と同時にロゴマークも解禁される予定です。公開まで、お楽しみに!

 

 

チーム作りと情報発信体制~弊社事例をもとに~

今後本プロジェクトをチームとして展開していくにあたり、皆さんに具体的なイメージを持っていただくために弊社がコーディネートに携わる3地域の事例をお話しました。

1.長野松本:一般社団法人ソマミチ

2.岩手岩泉:岩泉の明日の林業をつくる会

3.愛知豊田:一般社団法人ウッディーラ豊田

 

これまでも弊社ブログやSNSでもご紹介してきた事例ですが、改めて今回勉強会の参加者の皆さまには具体的にどのように情報発信をしているか、理念と利益の体現のためにどのような活動/イベントをしているかを中心にご紹介しました。具体的な他地域事例があることで、今後の新庄村での活動がイメージしやすくなったのではないでしょうか?

次に参加者の皆さんからそれぞれが取り組まれているイベントについて情報共有をいただきました。各林業事業体様も子供向けのイベントであったり、林業機械の展示であったり村民や住民へ向けたイベントを毎年開催されていることがわかりました。

また、木工に取り組まれている方もおり、今月末に行われる新庄村のトレイルランニングの大会のメダルを作成しているとのことで、既に動いている魅力的な活動が新庄村には多くありますが情報発信についてはそれぞれが個別に行っている場合が多いことも分かりました。

 

現在の時点で様々な活動をしておられる方がいらっしゃる新庄村の可能性と今後の展開に期待が膨らむとともに、チームとして統一デザインで情報発信をすることで個々の活動において相乗効果を生み出すことが出来るでしょう。

 

 

5つの視点からみる「ミニビジネス」アイデア

林業活性化において、素材生産の体制や木材利用の直接的な対策は重要ですが、雇用や移住定住など地域全体の暮らし、経済を顧みた際には素早く始められる小さなビジネス、ミニビジネスの存在も重要となります。

勉強会の後半では、今後チームで取り組む、ミニビジネスに向けて5つの視点

1.直近のトレイルランニングにむけて出来る事

2.“〇×〇”のコラボで出来る事

3.小さく始められること

4.短期的にできること

5.中長期的にやりたいこと

 

からアイデア出しを行いました。

 

思考の幅を広げ、初めの一歩を小さくすること、さらに具体的な事例を見て、触ることで様々な意見やアイデアを発想しやすくなります。ということで、弊社のオフィスから全国各地のクライアントの皆様の木工事例を持参しました。皆さん実際に手に取って、会話をしながら木を触りながらのアイデア出しを行いました。

 

 

現在村内で取り組んでいることをベースに様々なアイデアが出てきました。

<トレイルランニングにむけて>

・カホンをブブゼラのように応援に使えないか?

・大会の参加者の名前を木札に書いてみたら面白いのでは?

 

<短期的に>

・杉玉づくりワークショップ

・音の鳴る応援グッズ

 

<中長期的に>

・カホンを加えた金管バンド

・6歳になったら机を作ろうプロジェクト

・ふるさと納税の返礼品に使えそうなもの

 

<小さく始める>

・目に触れる名札やバッジ作成

・ノベルティとして配布可能なもの

・普段使いできるもの(Tシャツなど)

 

<〇×〇>

・トレラン×サウナ

・森林セラピー×サウナ

・麻×杉玉

 

個々ではできないこと、思い付かないこともチームで考えれば実現可能に!アイデアは出して終わりではもったいないので、まずはやってみよう精神で、今後は実行に移していく予定です。

 

 

さいごに

第1回の勉強会から積み重ね、今回の勉強会が第4回。昨年度から数えると7回の勉強会が終了しました。

今回でチームの形や方向性が固まりましたので、これから皆さんの目に触れる形で活動できるよう準備を進めていきます。

次回は9月の下旬頃に中間報告会という形でロゴマークやチームのお披露目、今後の取組について関係者のみだけではなく村民の皆様も対象にご報告します。新庄村の本プロジェクトがより良いチーム作りができますよう弊社一同全力で動き、サポートして参りますので、どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。新庄村のこれからの動きに、是非ご注目ください!

 

 

 

 

 

Posted by wpmaster on 金曜日 8月 30, 2019 Under — ちいきの地域, pick up, すべての記事, 講演&研修 報告