令和6年度 第3回 経営実践研究会&望年会を、12/14(土)に開催いたしました。

 

 

全国から集まった約20名の参加者様。

林業・製材・木材流通業・工務店等の経営者及び従業員、市町村行政職員、一般社団法人の代表理事など、トータル林業まちづくりを実践する多様な顔ぶれがご参加くださいました。

 

今回のテーマ

 

~魅力的な人材が集まる会社、定着する会社とは?~

 

人材不足、超売手市場の傾向はどんどん強まってきています。
人がこない、(優秀な)人材が欲しい!!というのは、今や全国どの業界でも最重要課題の1つですね。

 

人材をメインテーマに、今回は以下の次第(アジェンダ)で行われました。

 

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Ⅰ. 参加者より近況報告(今年の振り返り)

 

Ⅱ.最近の古川総研と最新情報
1.木で建てるシンポジウム(木構造世界)
2.林業経済学会から 森林環境税を実践する自治体最前線!

 

Ⅲ.人材育成と人材採用
1.最近の人材市場、人材定着、評価制度に関する課題提起
2.ゲストスピーチ:飛騨五木グループ ㈱森とみずのちから 高岸昌平氏
&ディスカッション

 

Ⅳ.毎年恒例!日経ヒットランキング×林業ヒットランキング

 

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Ⅰ. 参加者近況報告

 

参加者の近況報告(年間振り返り)からスタート!

参加者の近況報告もこの研究会の醍醐味の1つ。

「他の会社、経営者がどのような事業展開をしているのか、非常に刺激になる」という声多数です。

 

今回の参加者からは、林業木材業建築業の本業の展開状況、からはじまり、木の繊維のアパレル事業、アート工芸品事業、エネルギー事業、ウイスキー樽事業などなどなど・・・

 

今回も刺激的な林業/木材/地域ビジネス情報をたくさん聞くことができました。

皆様のビジネスのことなのでここでは多くを語れませんが、ここだけでも参加の価値あり、好評です。

 

 

Ⅱ. 古川総研より話題提供

 

当社からは大きく2つの話題の提供をいたしました。

 

「木で建てる 講演会」より、林業、木材、地域づくりに活かせる学び

令和6年10月16日(水)林野庁近畿中国森林管理局 桜ノ宮合同庁舎で開催された、古川がコーディネーターを務めた「木造建築の架構と形態の魅力展」における「木を建てる 講演会」について報告。

 

(講演会当日の様子はこちらのブログ参照)

【講演報告】「木で建てる」講演会コーディネート

木構造の世界の巨匠である稲山正弘先生の手がけた事例を中心に、話題提供。

稲山先生の構造事例については先のブログでもほんの一部をご紹介しましたが、参加者の中からも、いったことある!みたことある!わざわざ見学に行った!と、林業側の視点、製材側の視点、工務店・建築士側の視点から意見が広がり、今後の、公共木造に関する可能性についての示唆がなされるディスカションとなりました。

 

また、この講演会で古川が話題提供した設計士への問いかけから翻って、林業、木材側は建築側への理解をしようとしている?と、美味しい食べ物やお酒に例えて?!皆様にご提案させていただきました。

(詳しくは、講演や研究会などで!なかなか面白いのでおすすめです!)

 

林業経済学会@九州大学での研究報告(古川)

 

東京大学大学院 林政学研究室に社会人博士課程として所属している当社代表 古川。

2024年11月22日~23日 に、林業経済学会で研究発表を行った内容について、皆さまに報告させていただきました。

 

今回の学会で発表した研究テーマは

「兵庫県佐用町における町有林化事業の実態分析~市町村森林ビジョンの実装と森林環境税の活用事例として~」

 

自らの研究分析と、森林環境税と自治体における最前線の研究などについて報告しました。

 

特に森林環境税については議論が盛り上がりました。

今回の研究会には市町村の林務担当者が2名ご参加くださっていたのですが、ある参加者から「うちの自治体、年間200万くらいの森林環境税しかないんです」声があった一方、ご参加の行政職員が所属する2市町村の森林環境税はどちらも2億円程。

 

森林環境税は一人1,000円/年の徴収ですので、2億円は20万人分の税金です。
20万人分の負担(期待)に、応えなければという想いをその職員の方々は強く持ってらっしゃいます。

 

どちらの市町村も、ビジョン⇒基本計画⇒実施計画⇒委員会(勉強会)⇒施策実施としっかりされている自治体です。
しかし森林環境税がほぼ同額でも、林務担当の職員が20名のところと、数名という差なども実際にあります。

 

古川が報告した佐用町の事例をもとにしながら、参加企業経営者からの質疑やコメントも参考にしつつ議論が展開され、それぞれの自治体の特徴、職員の熱意を生かして、市民の福祉の向上のために新しい風が吹いていくことが期待される時間にもなりました。

 

 

 

Ⅲ. 人材育成と人材採用

 

休憩をはさんで、いよいよメインテーマです。

 

人材市場データと経営フレームから見えてくる、これからの人材採用/定着

 

まずは、古川ちいきの総合研究所から、最近の人材市場をデータから読み解いたうえで、

 

「これからの人材採用のカタチ」

「社員が定着する会社が満たしている要素」

「人事評価で陥りがちなエラーと見落しがちな重要ポイント」

 

当社経営フレーム(ちいきのフレーム)から解説、提案をさせていただきました。

 

人口減による労働力不足、これからさらに加速していく超売り手市場。

バブル崩壊~就職氷河期~リーマンショック~コロナ禍で、長く続いた買い手市場マインドを、どうリセットして今後の人材採用に臨むか。

どうやったら、社員が本当の意味で幸せに働ける職場をつくることができるか。

多くの経営者が陥りがちな評価エラーと、大事にするべき視点。

 

どうしても、今回皆さまに伝えたかった内容です。経営者と被雇用者の立場で視点も違ったりと、熱のこもった報告になりました。

 

飛騨五木グループ ㈱森とみずのちから 高岸昌平氏

 

高岸氏は、高崎経済大学に在学中(休学中)の2019年の約5か月、大阪に引っ越してきて当社のインターン生として従事されました。

その後、大学を卒業し、当社の研究会メンバーでもあり、立上げ支援をした飛騨五木株式会社に就職。

 

現在、勤務5年。

オウンドメディア「響 hibi-ki」ライター業務から、森について楽しく学べるボードゲーム「FOREST BALANCE GAME」開発や場づくり運営、イベント開催など教育事業まで、根気強くかつ華々しく展開されたのち、今は関連会社である小水力発電の事業会社へ出向、各地で事業立ち上げから主担当として携わるなど、骨太に大活躍中です。

 

 

飛騨五木株式会社は、現在、従業員120名。
多角的に林業の六次産業化を展開し、さらにすばらしい企業になっていっています。

 

岐阜で展開していた小水力発電のノウハウをもとに全国展開すべく「株式会社森とみずのちから」を2022年12月に設立。

高岸氏はそこに出向して、拠点のある奈良県を中心に活動されています。

 

当時の研究会の参加者でもあった、飛騨五木株式会社の親会社である株式会社井上工務店の井上博成氏は、古川編著の書籍「森ではたらく!27人の27の仕事」の27人の1人でもあります。
当時、京都大学の大学院生(博士課程)に所属しつつ、井上家のビジネスの中核を担う経営者として研究会に参加され、その中で高岸君を見出し採用してくれました。

 

インターン生だった高岸君が、この会社に就職し、そして働いて5年目。
会社にも定着しているうえ、活躍はめざましく、仕事での信頼も抜群。
その要因をお話ししてほしいと、ゲスト講師に抜擢させていただきました。

 

【お話いただいた内容】

・なぜ、地域(林業・山村)に興味を持ったのか。
・なぜ、古川ちいきの総合研究所にインターンにいったのか。
・古川総研で何を学んだのか、
・なぜ、飛騨五木を選んだのか
・飛騨五木での仕事で、インターンの経験が生かされたことは何か、
・仕事を始めて、新たに学んだことはなにか。
・古川メソッド”6つの悦び”で、会社の評価をするとどうなっているか。

 

特に印象的だったのは、以下でした。

 

・経営者が未来を描き、ビジョンをつくる必要性
・何が起こるかわからないが、その船に乗ってみたい、景色を見てみたいと思ったこと
・風通しの良い社風があったこと(意見が言える、仲間、制度など)
・社内の権限(経費)なども他社と比べて自由度が高いこと
・自己成長については、支援体制もあるし、実感も強いこと
・経営者が覚悟しなければいけない、採用と定着のポイントを“はたらく6つの悦び”視点で評価

 

現在の採用の中で、お金だけじゃない!好きを仕事にしたい!そして自ら前向きに動く人材を、どう会社として受け入れるか、作っていくか、たくさんのヒントがありました。

もちろん、給与などの労働条件や評価制度に対しても、業界の平均が低いからと甘えず、賃金や経費権限も高めていかねばということも、
ご参加の経営者の方々には身に染みたかもしれません。

 

その後のディスカションでは

・高岸氏が特殊解ではなく、自社を振り返ると経営者として従業員のことへの考えが足りないことへの気づき

・従業員としても、経営者の視点にも立ちつつ自分たちがやらねばならないことへの発想

などの議論が交わされ、今後やらねばならないことの指針がたくさん見つかり、満足度の高い研究会になった模様です。

 

Ⅳ.毎年恒例!日経ヒットランキング×林業木材業界ヒットランキング

 

最後は、毎年恒例の「日経ヒットランキング×林業木材業界ヒットランキング!」

ランキング詳細は、こちらのブログをご覧ください。

 

2024年林業・木材業界ヒット商品ランキング!【古川ちいきの総研選定】

こちらも、トレンドあり、参考になる情報あり、ダジャレあり?!

今回も感心と関心、笑いの絶えないヒットランキングになりました。

 

 

研究会後は、毎回恒例の懇親会@峠!!今回は大忘年会(大望年会)でもありました。

 

 

 

あまりに盛り上がりすぎて「FOREST BALANCE GAME」をしわすれたのが少し悔やまれますが、それはまた機会を設けたいと思います!

望年会は、二次会、三次会も盛り上がり、四次会、五次会まで続いたとか・・・

 

 

研究会を終えて

参加者の声

■一般社団法人 代表理事
事例発表で、若手従業員の意見が聞けたのが特に良かった。雇用主の課題として、世代が離れた職員との向き合い方がわからなくなっている場合があると思います。 どうすれば、仕事に向き合ってくれるのか?モチベーションを高められるのか?また、自分の働く意味は何か?普段気をつけていることが正しいのか?など、他企業の人から意見や発表を聞けることが貴重でした。

 

■林業・製材業・工務店業 従業員
高岸さんの発表がとてもよく、高岸さん本人の能力は大きいが、能力を引き上げる経営、会社作りが出来ているからだと感じた。 趣味や特技と仕事をかけ算する面白さは自分自身に置き換える事もできた事と、今後育成する際の考え方としても仕事への熱量が上がると感じたので大切だと思った。

 

■林業/製材/工務店/不動産/信託 従業員
学問(や法令)と実践とフレームワークを行き来するような視点での整理が独自だなと感じ興味深く特に良かった点と感じました。

 

■ 一般社団法人 代表理事
高岸さんが古川イズムを継承しているのが面白かったです。
中小企業の経営者ほど、毎年同じことを繰り返しがちだと思います。
若手だけでく、中年のクリエイティビティを育てたり、若手の非認知能力を向上させるような活動や教育があると良いかなと思っています。つまり、どの年代でも誰かに夢を語ることを認める社会があるといいですね。

 

■建築、木材加工業 代表取締役
幅広い内容で、勉強になることと刺激を多くいただいた!
特に、ビジョンの話の中で、期限を組み立てて卒業という言葉は響いた!
また、リアルな報告が聞けて、同じ感覚もあれば、今後あり得る問題等を先に聞けてよかった。
そして、ゲストスピーカーも、従業員であれだけのことを考えているとは…と感心した。
あれだけの人材を育てていけるようにこちらも頑張りたいと感じる内容でした。

 

 

■林業会社 経営者
経営に関するセミナー研修は多数あるけれど、林業の実情をしっかりしっている方が主催する勉強会は少ないので、とても有難いです。また業界に染まりすぎていないのもよいです。自分を見直すこともできたし、採用が大変な時代、独立を推進していく、協業パートナー制を導入するなど、次のステップへと進んでいきたいと強く想えました。

 

■行政職員
研究会序盤に木曽五木始め樹種の話をしてくださって、あまり木のことを知ろうとしていなかったなと気付かされました。森林法届出が日々の業務になっていましたが、樹木や木材の魅力にも触れて、市民に伝えられたらいいなと思いました。本日はありがとうございました。

 

■木材加工 従業員
理念・ビジョン→事業ポートフォリオ→6つのよろこびという整理がまとめとして腑に落ちました。参加者のみなさんは林業従事者や工場の従業員など、リアルな声をイメージしながら聞いていたように感じました。

 

■木材コーディネーター(経営者)
フレームワークのことは、忘れがちですね。普段の業務に忙殺されがちで、定期的な掘り起こしが経営者にとって大切だと思います。毎回、研究会の最後のまとめに挟んで欲しいです。

 

■市役所職員
本質的価値と付加価値というところが刺さった。
これまで移住や観光という外からの付加価値が評価されてきた。
その間、外部からの効果以上に内部の損失が多くなっている現状から、
改めて、本質的価値が見直されようとしてきている。
この失敗には、おそらく、目指す長期的将来像のビジョンが欠落していたからだと考える。
会社の成長と自分の成長がマッチングする人材育成。ここを目指したいなと。
ただ、ここを目指すためには会社の理念、トップのビジョンが非常に大切となってくると感じました。

 

最後に

熱く純粋に、林業、木材、地域の話ができ、そしてその理念をしっかりビジネスとして成立させて実践している人たちが交わり合う研究会。

とはいえ、林業、木材に関係する皆さまだけでなく、異業種、森林林業に興味がある方など、広く門戸を開いている研究会です。

次回は春頃開催予定です。

詳細が決まり次第、WEB、SNS(Facebook)、メール等でご案内いたします

皆さまのご参加を心よりお待ちしております!

 

 

 

Posted by wpmaster on 火曜日 12月 17, 2024 Under すべての記事, 未分類, 経営実践研究会[国産材ビジネススクール](大阪), 講演&研修 報告

能登の大地震、航空機事故と波乱の正月でスタートを迎えた2024年。他にも豪雨や南海トラフ地震臨時情報の初発表といった出来事から、改めて自然災害の怖さと備えの重要さを感じられた方も多い1年だったかもしれません。とはいえ、暗い話題だけではなく、ロンドン五輪では、海外開催の夏季五輪における最多メダル獲得、メジャーリーグでの大谷翔平選手の活躍など、明るい出来事も印象に残る1年でしたね。

 

そして、この記事をご覧の皆さんは来たる2025年も駆け抜けるべく、
1年の振り返りと新年の目標設定はされる頃ではないでしょうか。

そんな時期にぴったりの話題として、

「2024年林業・木材業界ヒット商品ランキング」を発表します!

弊社では、2016年から、毎年「日経トレンディ」が発表している、ヒット商品ランキングに照らし合わせて林業・木材業のヒット商品ランキングを独断と偏見でまとめ発表しており、毎年恒例となりつつあります。

 

2024年のランキング紹介をご覧いただく前に、昨年のランキングをみたいという方は

こちら←からどうぞ!

 

さて、お待たせしました。今年も日経トレンディヒット商品ランキングと併せて、「勝手に森林・林業界ヒット商品ランキング」も公開です!

 

 

まずは、日経トレンディ発表の2024年ヒット商品ランキングは、こちら!

1位 新NISA&「オルカン」投資
2位 大谷翔平売れ
3位 Vポイント
4位 「リードルショット」シリーズ
5位 名探偵コナン 100万ドルの五稜星
6位 キリンビール晴れ風
7位 スイカビール
8位 シンカトリ
9位 TEMU
10位  メルカリ ハロ

詳細は以下リンク(日経XTRENDのWEB)よりご覧いただけます。

https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00918/00001/

さて、お待たせしました!

林業・木材業界のヒット商品2024トップ10はこちら!

 

 

 

第10位 RINDO

(写真:RINDO WEBページより※一部表記加工)

 

 

まず、第10位の「メルカリハロ」に対して、人材マッチングのサービス繋がりで林業・木材業界からは、「RINDO」。

林業特化型の求人サービスが2024年1月に開始。「インターネット上に人と森を繋ぐ道“林道(りんどう)”を整備したい」という創業者の想いと共に、未経験者・女性でも挑戦可能な仕事、自分に合わせた働き方が見つかるということで、注目を集めています。

 

 

参考:日経ヒット商品ランキング10位 メルカリハロ

(引用:日経XTRENDホームページより)

 

 

 

 

 

第9位 eTREE

(写真:eTREE WEBページより※一部表記加工)

 

第9位 「TEMU」に対して、林業・木材業界からは「eTREE」。

2018年のリリースから6年。今では、単に製材品(木製品)を検索できるだけにあらず。「木材補助金ポータル」「地域材ポータル」ページ等の内容が充実し、検索性も上がったことで手軽に木製品に関わる情報を探す時にまず見るサイトとしても定着しつつあります。

 

 

参考:日経ヒット商品ランキング9位 TEMU

(引用:日経XTRENDホームページより)

 

 

 

 

第8位 樵木林業

(写真:㈱四国の右下木の会社 WEBより)

 

第8位 「シンカトリ」に対して、火も電気も使わない単純明快さに古さと新しさを感じられるということで、林業・木材業界からも、古くて新しい林業のカタチを感じさせられた「樵木林業」がランクイン!

徳島県美波町で実践され、江戸時代から伝わる循環型林業で山を管理しながら生産される木材から備長炭を生産。他にも体験プログラムなどを通して森林関係人口の創出を目指しています。環境省が主催する「グッドライフアワード」では環境大臣賞を受賞しました。

 

 

参考:日経ヒット商品ランキング8位 シンカトリ

(引用:日経XTRENDホームページより)

 

 

 

 

 

第7位 トリュフ栽培

(引用:Science Portal WEB記事より)

 

第7位「スイカゲーム」が見た目のゆるさの割に戦略性が高い果物(植物)を育てる落ちゲーであるのに対し、林業界からは、栽培の難易度が高い採取ゲー!?である「トリュフ栽培」がランクイン。

国内初の人工栽培を成功させた岐阜県(森林総合研究所との共同研究)に続き、山梨県でも成功事例が報告され、一気に業界の注目を集めました。これまでも自然発生した国産トリュフは流通していましたが、少量不安定な供給であったため、数年後には安定供給&新たな収益事業としても期待されています。

また、本ランキングの発表の直前には、弊社ともお繋がりのあるシシガミカンパニー(岐阜県東白川村、代表:田口房国  氏)が新規事業として国産トリュフの人工栽培に挑戦するというプレスリリース(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000140863.html)も発表されています。今後の展開が楽しみですね!

 

 

参考:日経ヒット商品ランキング7位 スイカゲーム

(引用:日経XTRENDホームページより)

 

 

 

 

 

第6位 QINO SODA

(写真:QINO SODAオンラインショップより)

 

第6位 「キリンビール晴れ風」に対して、林業界からも新しい飲料として「QINO SODA」。

業界としてはここ数年、クラフトジンや醸造酒で自然原料として山の素材が注目されていますが、ノンアルコールドリンクでも登場しました。クロモジの蒸留水を使ったさわやかなソーダで、くつろぎと気分転換。ふるさと納税や能登復興支援(寄付)にも積極的に参加しており、ランクイン。

 

 

参考:日経ヒット商品ランキング6位 キリンビール 晴れ風

(引用:日経XTRENDホームページより)

 

 

 

 

 

第5位 森林管理デジタル 造林の効率化

(引用:ソフトバンクニュース記事より)

 

第5位 「名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)」に対して、北海道が舞台である繋がりから、「森林管理デジタル 造林の効率化(オプトマイゼーション)」と題して下川町×ソフトバンクの取組がランクイン。

造林効率化の共同研究協定を締結されました。他地域×他企業の事例ではありますが、脱炭素の動きとしてカーボンオフセットの取引・協定も増えており、これまでの企業の森とは別のカタチでの、異業種とのチームプレイが各地で増加傾向にあります。

 

 

参考:日経ヒット商品ランキング5位 名探偵コナン 100万ドルの五稜星

(引用:日経XTRENDホームページより)

 

 

 

 

 

第4位 「バンブーシュート」シリーズ

(写真:延岡メンマWEBサイトより)

 

第4位 「リードルショット」シリーズに対しては、「バンブーシュート」(森をそだてる メンマ)シリーズ。

バンブーシュート(たけのこ)の活用で山肌をタンオーバー!?ということで、森の厄介者とされている竹林整備を収益化につなげる発想で「延岡メンマ」が規模拡大。全国で協定を結び、町田市など各地でシリーズ化が進んでいます。これから、国産メンマブームが発生の予感。

 

 

参考:日経ヒット商品ランキング4位 「リードルショット」シリーズ

(引用:日経XTRENDホームページより)

 

 

 

 

さて、ここからはいよいよ上位3位の発表です!!!

 

 

 

 

 

第3位 YAMAP流域地図/YAMAPエポスカード

(写真:YAMAP WEBサイトより)

 

第3位 「Vポイント」に対しては、「YAMAP流域地図/YAMAPエポスカード」がランクイン!

Vポイントは、Tポイントとの「統合」で新たなポイント経済圏が誕生したことに対して、登山情報プラットフォームYAMAPは流域地図・ハザードマップが「統合」し規模拡大、単なる山登りアプリからの進化を遂げました。データがビジュアル化されていない水域の情報がわかりやすく閲覧しやすい点が評価され、グッドデザイン賞2024の金賞も受賞しました。最近ではYAMAPエポスカードも登場し、利用額の0.1%分が「日本山岳歩道協会」に寄付され、山岳保全活動に活用される仕組み化もされています。

 

 

参考:日経ヒット商品ランキング3位 Vポイント

(引用:日経XTRENDホームページより)

 

 

 

 

 

第2位 30by30

(引用:環境省WEBサイト[左]、亀山市WEBサイト[右]より)

 

第2位 大谷翔平売れに対して、林業・木材業界からは50-50ならぬ、「30by30」。

「生物多様性」、「脱炭素」が全産業で注目されている中、2030年までに生物多様性の損失を食い止め、回復させる(ネイチャーポジティブ)ゴールに向けた動きが強まっています。環境省は、民間の取組によって生物多様性の保存が図られている区域を「自然共生サイト」として認定し、達成を目指しており、弊社の関わりのある地域でも続々と認定サイトが増えています。その中の1つである三重県亀山市でも「亀山里山公園」が自然共生サイトに認定されている他、同市では「かめやま生物多様性共生区域」を独自に設定し、市民や市民団体、農林業者や地元企業などが自発的に生物多様性保全に取り組む活動を評価し、認定することで、社会貢献活動を行っていることを対外的に示す取り組みも進められています。

 

 

参考:日経ヒット商品ランキング2位 大谷翔平売れ

(引用:日経XTRENDホームページより)

 

 

 

 

 

第1位 新施策・「森林環境税」投資

 

さて、新NISA&「オルカン」投資に対して、

林業・木材業界の栄えある第1位は、新施策・「森林環境税」投資です。

今年度から森林環境税の徴収が開始され、さらに国民から活用方法について注視されている森林環境譲与税。各自治体が未来に向けた投資ともいえる森林整備を進める中、兵庫県佐用町では住民の「福祉」の向上のための未来への投資として、環境譲与税と町単の予算を組み、積極的に私有林の買取・寄付受付を行い町有林を増やしています。令和4年に買取を開始した当時には73haのみだった町有林が、令和6年12月現在では1,653haにまで拡大しており、着実に施策が進んでいます。また、町有林の活用の一部として早生樹(ユーカリ)育成とも併せて各種メディアに取り上げられたことで注目が集まり、ロールモデルの1つとして全国からの視察も増えている状況です。

 

 

参考:日経ヒット商品ランキング1位 新NISA&「オルカン」投資

(引用:日経XTRENDホームページより)

 

 

 

さて、全てのランキングをまとめたのがこちら。

 

以上、2024年の林業・木材業ヒット商品ランキングトップ10でした。

業界の皆さん、いかがでしたしょうか?

知っているものばかりでしたか?

残念ながらトップ10には入らなかったものの、他にも沢山のヒット商品があり、番外編も多かったのですが、今回はここまで。

業界としては、例年より大きな動きは少なかったように思える1年ではありましたが、各地域の特色を活かした施策や取り組みがされているところとされていないところが明確に分かれ始めた年ともいえるのではないかと思います。2025年はデジタル、カーボンクレジット、生物多様性、森林所有、担い手育成・確保という大きな時流となるキーワードの中で、各地で尖った取り組みが突出して見えてくるような予感がします。

さて、来年は何がヒットするのでしょうか。

 

今回のランキングを肴に、是非皆さんもそれぞれ1年間何があったか振り返りながら、これからの未来を見据えた時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

それでは、2025年の発表もお楽しみにお待ちください!!!

 

 

 

 

 

 

Posted by wpmaster on 火曜日 12月 17, 2024 Under pick up, すべての記事

2024年、ウッドデザイン、グッドデザインの表彰も公表されましたね。

 

また、昨年“ちいきのBAR峠”が「特別奨励賞」をいただいたインテリアプランニングアワード2024も結果が公表されました。

 

そう、もう年末が近いです!!

当社の研究会&大忘年会のお知らせです!

今回のメインテーマは「人材育成&採用」!!

 

昨今の人材難ゆえの世間の採用事情、インターン生からの採用等、改めて、小規模だからこそできる“人材獲得”と“育成”について、レクチャーしつつ、ゲストスピーカーも交えてディスカションする予定です。

 

さらに、11月21~23日に九州大学で開催される林業経済学会で研究報告予定の古川(大学院生:社会人博士課程)から、最新情報もお伝えいたします!

 

そして、毎年恒例の2024年日経ヒットランキング×林業木材ヒットランキング大発表!

2024年の振り返り&2025年(令和7年)のヒット予測もあります!!

お楽しみに!!

 

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令和6年度第3回 研究会&大忘年会!

メインテーマ「魅力的な人材が集まる会社、定着する会社とは?」

 

(先着20名様限定)

 

・各地(参加者)の取り組み
・古川総研より最新情報
―林業経済学会(11/21~23)
―木構造/中大規模建築(10/16シンポジウムより報告)
・人材育成と人材採用
-起業ビジネス研修(本山町・川上村)より
-最近の人材採用と育成の課題
-ゲストスピーチ
-まとめ
・2024日経ヒットランキング×林業木材ヒットランキング!

 

<日 時>

 

令和6年12月14日(土)
13:30~17:30 研究会
18:00~21:00 懇親会

 

<場 所>

 

・研究会会場:新大阪(西中島)近くのセミナー会場
※お申込みいただいた方に詳細を別途ご案内をさせていただきます。
懇親会会場:ちいきのBAR峠(大阪市淀川区西中島4-6-24大拓ビル)

 

<参加費>

①研究会のみ参加の場合:税込16,500円(※11/11までにお申し込みの方は税込11,000円)

②研究会と懇親会(忘年会)どちらにも参加:上記参加費+懇親会費5,500円(税込)の合計額

 

※なお、新規のお客様の場合、既存のご参加者様と商圏が被る場合はお断りする場合もございます。
お問い合わせでは、参加要望に関する目的をご明瞭に頂ければ幸いです。

詳細はお申込みいただいた方に別途メールにてご連絡をさせていただきます。

 

=========キャンセルポリシー=========

<参加費>7日前~:30%、3日前~:50%、当日:100%

<懇親会費>前日18時以降:100%

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出欠のご連絡は、info@chiikino.jp (担当:高田)へ、

以下の内容を記載、選択の上お申し込みください。

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■お申込みの連絡はこちらメールアドレスへ以下の内容を記載の上ご連絡ください■

 

info@chiikino.jp

 

名前:

 

会社名:

 

電話番号:
※当日お電話可能な番号

 

参加内容:

①研究会のみ参加
②研究会と懇親会どちらも参加

 

支払方法:①当日現金 ②振込

 

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※皆様からのディスカッションテーマのご要望等も随時承っておりますので、お気軽にご連絡ください。

また、ご参加の方で近況報告や、当日ディスカッションしたいテーマなどがございましたら、事前に共有いただけますと幸いです。

Posted by wpmaster on 月曜日 10月 28, 2024 Under — セミナー、研修、講演のお知らせ, お知らせ, すべての記事, 経営実践研究会[国産材ビジネススクール](大阪)

 

 

令和6年10月17日(木)、弊社拠点「峠」にて、川上村地域おこし協力隊(集落支援員)の起業に向けた支援業務として、

『地域ビジネス起業マーケティング講座』第3回を実施いたしました。

全3回で構成されている本講座も今回で最終回となりました。

当日は川上村に移住された協力隊員と集落支援員、合わせて10名の方にご参加いただき、

「起業における営業マインドとメソッド」、「チラシDMの7つの感のレクチャー」「最終課題発表」を行いました。

 

 

 

はじめに~「峠」の紹介 ~

今回はいつもと会場が異なり、皆さんに川上村から大阪まで来ていただき、

まずは、会場である”ちいきのBAR 峠”について、

古川が持つお店への想いやこだわりについてお話させて頂きました。

 

「この看板は樹齢100年で、100年続く会社になってほしい」

「パーテーションに使っている広葉樹は長野松本の里山林で伐採するところからプロデュースしている」

「茶の湯文化、和室の設えを支えてきた北山丸太の新しい内装材活用に挑戦している」

その他にも、全国各地の繋がりの中で出会った木材や製品を活用したこだわりの空間を、

動画も併せながら説明させていただきました。

また、峠では奈良県川上村の木工家が作成した家具や、吉野杉の一枚板でカウンターを構えていたりしますので、特に川上村の皆さんにとってはなじみある素材がオフィス街の真ん中に自分たちが活動する地域の木材が実際に使われている現場を見ることで、顧客に対してのサービスや商品の「伝え方」のヒントにもなったかと思います。

 

 

 

レクチャー ~顧客創造に必要な営業とは?~

さて、峠の紹介を終え、いよいよ最終講座の本題に入ります。

まずは、顧客創造に必要な”営業”について、お話させていただきました。

顧客に商品やサービスを買ってもらうためには「売りモノ」と「売りカタ」の2つを考えていく必要があります。

例えば、どれだけ美味しいラーメンでも、SNSやチラシなどで”商品の価値”を伝えていかないと顧客に対して売ることができません。

そこで必要になってくるのが「チラシ DMの7つの感」です。

紙媒体は古く、今はソーシャルメディア時代だと思われる方もいるかと思いますが、”地域”においては重要なツール。

原理原則は一緒で、時代に応じて主要な発信媒体(広告媒体)が変われど、重要なメソッドとなります。

 

 

お得感、安さ感、限定感、特別感…

上記以外にもありますが、顧客の気を引くためには「7つの感」を駆使する必要があります。

「何人にアプローチをすることで何人の顧客を創造できるか」

「チラシを作る時には特別感とお得感を伝えていくことが必要です」

など、他では聞くことができない、反響率が高くなるチラシ・DMのメソッドをお話させて頂きました。

 

 

 

実践 ~顧客創造に必要な営業とは?~

休憩を挟んだ後には、

地域おこし協力隊(集落支援員)の方々が実際に作ったチラシを見ながら、

「”7つの感”の中で何が足りていないか」を解説させて頂きました。

参加者2人から事業やイベントに関するリーフレットとチラシの紹介がありました。

1人目は、バイクに乗る人向けのキャンプ道具を販売する事業を考えられており、その広報活動の一環として自社製品に関するリーフレットを用意されていました。

リーフレットには持ち運びやすさや頑丈さといった製品の強みを最大限表現されていましたが、誰が利用するのかという特別感が薄いこともあり「バイクを乗る人向けのキャンプ道具ならバイクの写真があってもよいのでは?」といったフィードバックをさせて頂きました。

 

 

2人目は、一級建築士で事務所を構えており、今回は会社で行うイベントのチラシを持ってきて頂きました。

チラシは設計費用の割引や顧客に対するメッセージが込められていて参加者側のお得感や安心感がわかりやすいものとなっていましたが、自社に設計依頼をしてもらう顧客が増えるような導線が少なかったため、「建物のモニター募集から口コミを集めていくことで安心感を作っていく」「設計費用の割引からどのようにして依頼まで行くかの”クロージング”を意識してデザインに入れていけば良い」といった違った視点からのフィードバックをさせて頂きました。

 

 

どちらの広報物も自社製品や自分の強みを活かしたものになっていましたが、今回レクチャーした「チラシ DMの7つの感」を踏まえ顧客の気を引くため必要な項目を洗い出してみると、さらに良くなるポイントが隠されていることを体感いただきました。

また、普段の生活から見つけられる事例を分析した事例も紹介しながら、自らの商品やサービスの価値を顧客に伝えていくためにはどのようなことが必要なのか学んでいただきました。

 

 

 

最終課題発表

最終回という事で、今までの講座でレクチャーしたフレームワークを活用したまとめ(自身の事業案)を皆さまに発表していただきました。

3回目になる本講座ですが、

第1回でお伝えした情熱や価値観は事業を作っていく中で常に考え続けていかなければなりません。

そんな初心を忘れぬように、

裏プロフィール、5つの価値観といった初回の振り返りから行いました。

※詳しくは以下URLから以前のブログをご覧ください。

https://chiikino.jp/blog/?p=11184

 

続いて、1分間スピーチ、裏プロフィールといった自己開示から、

5つの価値観、4つの事業ポートフォリオといった事業を明確化するために必要なフレームワークにご自身の事業を当てはめて、自分の持つ全てを発表して頂きました。

 

「両親が転勤族で全国を転々としていた」

「すべてが開発事業だから、とりあえずはメイン事業を作ることに集中したい」

「自分で人を動かすこと/デザインで変えていくことをやってみたいと思い、川上村に移住しました」

「森林の多面的機能を暮らしから伝えていくことがしたい」

皆さんが思う「自分とは/事業とはこれだ!」を最大限に表現されていました。

 

 

 

まとめ ~全3回を通して~

最後に、全3回を通したまとめです。

協力隊の皆様が持つ情熱や事業を発表することにより、

この部分は良かった、この部分は課題だ。というような気づきがあり、

「自分の事業で足りないポイントを考えるいい機会になった」

「自分のチラシではお得感お値打ち感出てないなぁと思いました」 など

地域おこし協力隊(集落支援員)の皆様も事業をブラッシュアップできていました。

また、協力隊においては特に、起業の視点だけではなく、

地域づくり、地域コミュニティ、集落支援といったキーワードや、

今回であれば川上村や地域社会にどのように還元していけるか、

理念が繋がるかといった背景もあってのビジネスであるというポイントもお伝えしながら、

全3回の講座を実施させていただきました。

 

最後は、川上村役場 栗山さんより

「この研修にて整理したものを武器としてこれからも頑張ってほしい」

「地域おこし協力隊とはどのようなものかを改めて考えるきっかけになった」

というような熱いフィードバックを頂き締めくくりました。

 

 

全3回実施した川上村地域おこし協力隊に向けた地域ビジネス起業マーケティング講座も今回で終了。

最終回も13:00~18:00という長丁場でしたが走り切ることができました。

皆様お疲れさまでした、ありがとうございました!

 

 

 

以下、アンケート回答より抜粋

・7つの感。というアプローチの仕方を今後意識して行く。

・具体的なかつ、効果が実際にあるようなアドバイスをいただけた。二段階得点。

・皆さん、それぞれ物語があり、想いがあり、頑張ってほしいなと思いました。

・他のクリエイターの方のお話をお聞きすることができたのが人生設計をする上でタメになった。

・自分が活動で行っていることを事業化するための道筋を考える事ができた。

 

 

 

ここでの学びや気づきが、少しでも皆様のお役に立ちましたら嬉しいです。

 

マーケティングはもちろん、財務や人材採用など広く経営に関してや、地域づくりや森林ビジョン策定の際の考え方や手法などについても、実践を元にした講演がご好評いただいています。

ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。

 

 

 

文章:古川ちいきの総合研究所 インターン生 富岡 瑠加

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Posted by wpmaster on 金曜日 10月 25, 2024 Under すべての記事, 講演&研修 報告

 

令和6年10月16日(水)、林野庁近畿中国森林管理局 桜ノ宮合同庁舎で開催されている「木造建築の架構と形態の魅力展」における「木を建てる 講演会」にて、弊社代表 古川がコーディネーターとして登壇いたしました。

 

 

主催である大阪府建築士会 岡本森廣会長の開会挨拶、近畿中国森林管理局 高橋局長の趣旨説明を経て、古川がトップバッターで話題提供をさせていただきました。

 

プロローグとして、古川から話題提供

 

古川の講演テーマは、
「都市木造・木質化のために必要な森林(地方)からの発信と関係づくりを考える」

 

森林・林業への道を志した源である、故郷東京都町田市と学生時代の奈良県川上村での原体験をお伝えしながら、SDGs、脱炭素時代とはいうが、なぜ今森林・林業なのか?
林業、木材の表現を、ブランド牛、魚、ワインのように表現できるほどの親近感があるか?
そもそも、自分は、川上~川下、業界の中、どの位置にいるのか?
日本には様々な森林がいて、色んな林業があって、多種多様なプレーヤーがいるが、知っているか?

 

そして、建築士の皆さんは自分の位置を認識して、自分たちを木材を使うのに、山とのつながりを表現できているか?

 

このような問いかけをしながら、表現の1つの事例として、弊社の「ちいきのBAR 峠」のストーリー、設計のポイントなどをご紹介させていただきました。

 

古川による、アイスブレイクとなる話題提供、そして皆さまへのご提案から、講演がスタートです!

 

 

 

 

林業、木材、建築 各分野で活躍される登壇者の講演

 

 

1)笹山寿樹 様(宮崎県山村・木材振興課みやざきスギ活用推進課長)

「宮崎県の林業・木材産業の現状と木造化・木質化の取組」

 

宮崎県の森林・林業の概要から、林業政策、飫肥杉の特性や、先達て設立した川上~川下の連携協議会のお話を聞かせていただきました。

 

33年間、スギ丸太生産量が全国一位の宮崎県。

 

都道府県初の再造林に関する条例「宮崎県再造林推進条例」が7月に施行され、「産官学と県民が一丸となって再造林に取り組む”宮崎モデル”」構築を目指し、皆伐再造林による持続可能な循環型林業を目指しています。

 

また、民間企業の連携による「みやざき木の建築推進協議会」も令和6年に設立され、木造化・木質化のための木材供給体制構築強化も推進されています。

 

林業の先進的な地域であり、今後も動向から目が離せない都道府県の1つであることは、間違いありません。

我々もぜひコミットして協業できることがあればと思う内容の講演でした。

 

2)足立正智 様(一般社団法人島根県建築士会 前会長)

「島根の暮らしと木の文化 ~木とともに生きる~」

 

建築士であり、森林所有者でもあり、小さい頃から森林に親しんできた足立様。
島根県での建築事例、木造塾を開催する中で感じてきたことをお話しされました。

 

木材の流通や品質など供給側の課題、そして建築側の木材知識の薄さによる利用側の課題。

双方の価値観にミスマッチがあり、解決するには「ストック」「品質基準と性能表示」「標準寸法を決める」、そのうえでのサプライチェーン構築が必要だという問題提起をされました。

 

建築側も木を理解し、供給側も建築に歩み寄り、「どんな材が必要なのか」ということを明確にすること、という言葉で締めくくられました。

 

こういった建築士の方がいらっしゃることは、とても頼もしいです。
一方で、このようなことを知らない建築士の方がまだまだいるであろうことに驚いたのも、正直なところです。
どんどんコミュニケーションを深め協働して、共に変えていきたいですね。

 

3)稲山正弘 様(東京大学名誉教授)

「木造建築の架構と形態の魅力」

 

この特別展のメインキーパーソンであり、現代の木構造の第一人者、稲山先生。

稲山先生のお話を目的に参加された方も多かったのではないでしょうか。

 

業界では超有名、一般の人々でも知っている建築事例たちの解説。
意匠設計士にフォーカスされがちな建築事例ですが、あれもこれも稲山先生が木構造に関わっておられました。

 

ダイナミックかつ機能的、美しい木構造事例の数々。
構造を意匠的に魅せる、まさに「架構と形態の魅力」。

 

地域の木材をいかに中大規模建築物の新たな木構造事例にしていくか。
設計の方法や取り入れた工法、材料についてなど実務メインでしたが、在来軸組工法を利用して創意工夫で木構造の中大規模建築を可能にしていく実践される具体的なお話は、林業木材側としては発展的な建築の考え方を知ることができる貴重な機会となりましたし、参加されていた建築士の皆さまにとっては実践につながる学びとともに非常に刺激になったのではないでしょうか。

 

【稲山正弘先生が木構造を手掛けた事例(ほんの一部抜粋)】
著作権の関係があるため、リンク先をご確認ください。

 

・東急池上線戸越銀座駅

2018年 奨励賞 東急池上線戸越銀座駅

 

・北沢建築

北沢建築


高級車CMやミュージックビデオなどでも使用されています。

 

・岐阜県立飛騨牛記念館

岐阜県立飛騨牛記念館 / Hida Beef Cattle Memorial Museum

 

・屋久島庁舎

屋久島町庁舎

 

その他、本当にまだまだたくさんあるのですが、林業関係に馴染みのあるところでは、「岐阜県立森林文化アカデミー」のアカデミーセンター棟、テクニカルセンター棟なども稲山先生が木構造を手掛けておられます。

 

建築写真を見ているだけでも旅をしているようで、わくわくが止まりませんでした。
一方で、このすばらしい建築を、山からつながった総合的な作品にするにはどうしたらいいか?
自分たちへの重要な問いを再確認する時間でもありました。

 

4)川井秀一 様(京都大学名誉教授)

 

「スギ材を活かして健康で快適な空間をつくる」

 

講演の最後は、こちらは木材学の大家(たいか)、京都大学名誉教授の川井秀一先生です。

弊社の第一号社員も、京都大学農学部在学時に大変お世話になりました。

 

川井先生からは、学術的視点から「内装材としてのスギの健康効果の高さ」についてお話をいただきました。

 

スギの木口面を空気に触れさせると、空気中の有害物質を吸着する性質=スギの空気浄化性能(健康効果)に着目し、木口面を増やすスリット加工を施した「スギ木口スリット材」を内装材に使用する試みを、長年取り組まれています。

 

「杉スリット」として商品化もされています。
https://www.sugislit.com/

 

スリット材を内装に使用した場合の空気浄化効果、健康効果などについての実験データ分析結果を解説されたのですが、数字で示されると客観的データしてスギの良さをより伝えやすくなりますね。
最近は、タバコの臭いの軽減効果についても実証実験をされて一定の結果が出たようです。

 

街の空間、暮らしの空間、スギ材が増えたら、健康効果で幸福度もあがりそうですね。

先生が粘り強くスギに向き合い続けている姿勢にも、心打たれました。

 

 

パネルディスカッション

 

講演後はパネルディスカッションが行われ、古川がコーディネーターを務めさせていたただきました。

 

古川から

「『木で建てる』ための、あなたの理想形は?」

 

という問いが投げかけられ、林業、木材、設計、それぞれの視点からの回答が非常に興味深かったです。

 

・国土保全、災害防止、水源涵養を発揮するために森林整備する中で産出された木材を活用するという林業の視点。

・木造の懐の深さ、木材は構造、燃料などいろいろなかたちや姿があり、それが人間と通じるところがあると感じる。

・木は工業製品ではなく、コピーではなく、ゆらぎがある。そのゆらぎが脳波に残ると聞いたが、本当にそうだと思った。

 

<稲山先生>

・内装が木でも構造がRCとかたくさんあるが、東大寺とか法隆寺とかあるしできないわけがないと、木造をするようになった。

・昔はRC主流だったが、今は木構造の潮流があり、RC構造専門の人にも広げていきたい、それが役割。

・とにかく木が好き、木を活かしたい。

・在来軸組工法をうまく使えば、中大規模建築はできる!RCに頼らなくてもできるし、特殊金物や特殊材料を使わずに、RCよりも安くできる。国産材でできる在来軸組み工法の中大規模建築をさらに広げていきたい。

 

<川井先生>

・スギの話をしたけれど、もちろんヒノキも大好きです。

・国産材供給が40%だが、60%くらいには上げたい。

・生産量重視の再造林もしない粗放な林業に負けて価格競争に負けているのが悔しい。

・日本固有のスギ、ヒノキの特長で戦っていけたらと思っている。

 

時間の関係でディスカッションする前にタイムアップになってしまいましたが、非常に示唆に富む言葉たちをいただくことができました。

 

 

最後に

 

一般社団法人大阪府木材連合会
津田潮会長より、最後の言葉をいただき、閉会となりました。

「木の魅力、木の高級感、アピアランス、求心力…これら木材の力が、皆さんのお仕事に役にたつと確信して、閉会の言葉といたします。」

 

端的で、素敵な表現ですね。

林業界、木材業界の皆さんも、こうやって木を伝えるための表現を当事者だからこそ紡いでいっていただきたいです。

 

 

閉会後は、稲山先生と木構造の模型を前に、意気投合!(恐縮ですが…)

 

稲山先生も、木構造建築の立場から、山からどうやって繋ぐか、どうしたら地域にとって良くなるか、課題に思い、広い視野で考えていらっしゃいました。

 

また、折に触れてご一緒させていただきたいです。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

 

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この日はコーディネーターでしたが、講演、ファシリテーター(司会進行)など、ご好評いただいています。

ご相談から承りますので、ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。

 

私たちも、今後もこうやって様々な皆さまと出会っていけましたら、幸せです。

 

Posted by wpmaster on 日曜日 10月 20, 2024 Under — セミナー、研修、講演のお知らせ, すべての記事, セミナー報告, 講演&研修 報告

 

令和6年9月26日(木)、奈良県川上村にて地域おこし協力隊(集落支援員)の起業に向けた支援業務として『地域ビジネス起業マーケティング講座』第2回を実施いたしました。

 

当日は川上村に住んでいる協力隊員と集落支援員、合わせて10名の方にご参加いただき、経営をしていくために必要な事業計画やお金の話についてお話しさせていただきました。

 

 

前半戦:自分とビジネスを理解する

 

自らの原点を振り返る

 

まずは、裏プロフィール、5つの価値観、林業白書についてなど、前回講義の“振り返り“を行いました。

 

「なぜ自分は川上村にいるのか」

「自分にとっての好きはいつ頃から始まったのか」

といった情熱を問うような質問から始まった今回の研修。

 

「自分の好き×憤りはどこにあるのか」

 

という問いに対して、

 

「表現することが好きだから」

「社会に対する憤りはあまりないかもしれない」

 

など、改めて自分たちの原点を見つめ直すところからスタートしました。

 

事業を行う上で大切にしていく”想い”

 

続いて、自分が持つ想いを“ビジョン”や“ミッション”などに理念設計することについてのお話ししました。

 

ビジネスを立ち上げ、続けていくためには、一目で覚えてもらえるような社名、屋号やメッセージが必要です。

 

また、それだけでなく、「拠り所」「軸」となる”ビジョン”や”ミッション”などを明確にしておくことは、ビジネスをしていくうえで重要なことでもあります。

 

「メッセージにはリズムも必要 (5・7・5など)」

「メッセージがあるロゴを作るだけで、一目で何をしているかわかる」

 

コーポレートメッセージと屋号を考える上で重要なポイントを話した後に、実際に協力隊員の皆様にも考えていただきました。

 

 

10分間、真剣に黙々と考える協力隊員の皆さん。

 

「バイクで持ち運べる、原体験を。」

「暮らしにひとつ、無垢の木を。」

「グラフィックなこと、つみあげたい」

 

個性溢れるコーポレートメッセージや屋号がたくさん出てきました。

 

この機会に自分たちが伝えたいメッセージを考えることで、軸を明確にするとともに、自分の「好き」や「やりたいこと」を改めて明らかにすることができたかと思います。

 

自分たちが活躍する地域について知る

 

自分の中にある情熱がどこにあるかを明確化した後に、協力隊員がその情熱を実践する舞台である“川上村”についてのレクチャーに移りました。

 

「川上村にある吉野杉とは」

「川上宣言などの水源地の村づくりとは」

 

そんな川上村が持つ魅力を古川の視点から解説しましたが、協力隊員の皆様も知らないことがあり、事業を行っていく上での新たなヒントとして取り込んでいるようでした。

 

事業の『位置づけと役割』を可視化する

 

 

続いては、“商品サービスを作る考え方”と“4つの事業ポートフォリオ”についてお話ししました。

 

仕事を作っていくときには「これをやりたい」という妄想をした後に、「この形で動いていこう」と、具体的に事業を作っていく過程が必要です。

しかし、会社の中では事業を作ることがゴールではないことはご存知でしょうか。

 

実は、事業を作った後に商材・商売といった”商品に変えていき、売れる仕組みを作ること”がまず初めのゴールなのです。

 

その仕組みを作ることで、様々な事業が生まれていく第一歩になる、そのような“商品サービスを作る考え方”についてレクチャーさせていただきました。

 

 

こうやって事業化していくと、収益が十分出ている事業、楽しいけれど収益にはつながらない事業、始めたばかりでこれから育てていきたい事業、儲からないけど理念として継続していきたい事業…さまざま出てきます。

 

儲からないから辞める?収益が上げられるものだけに特化する?

赤字部門の製材を辞めて仕入販売だけにするか、住宅事業に特化するかなど、たとえば木材業界でもありますよね。

 

ちいきのビジネスフレーム“4つの事業ポートフォリオ”

 

主力事業、補助事業、開発事業、刺激事業

 

この4つに分けて整理することで、それぞれの事業の位置づけと役割が見えてきます。

また、ビジネスとしてのバランスも俯瞰して可視化され、方向性も検討しやすくなります。

 

協力隊の皆様にも自身のビジネス(構想)を分類していただきました。

やっていきたいことを明確にする第一歩となったのではないかと思います

“4つの事業ポートフォリオ”は、この日最も興味を持ってくださった方が多かったフレームの1つとなりました。

 

 

後半戦:社会の仕組みを知り、ビジネスに活かす

 

お昼休憩を挟み、午後の部からは”お金や制度に関するお話”をさせて頂きました。

 

ビジネスに不可欠な要素。お金、管理会計

 

事業を行っていく上でその存続を決めるのは、さまざまな経営力はもちろん、利益があるかないかが重要になってきます。

 

「利益をどのように出せば良いのか」

「出た利益を何に使うかは経営の肝」

「100円値下げしたら、利益を取り戻すのは6倍の売上が必要?」

など、管理会計に関するレクチャーを行いました。

 

切っても切り離せない、保険や年金、税金に関するお話

 

続いては“健康保険、年金、税金”についてです。

 

前述の通り、ビジネスをする場合は利益を出して継続していく必要があります。

そのため、会社であっても個人であっても必ず支払う必要がある健康保険、年金、税金などの支出は、切っても切り離せません。

 

経営者になった場合、個人事業主の場合、会社など組織に所属した場合、それぞれにおいて、健康保険、年金、税金などの仕組みはどうなっているのか。

 

会社が負担してくれるお金、自分で負担する必要があるお金、会社に所属しない場合、会社に所属していても経営者と従業員で違う補償…

 

イラストや図解を使い、例など示しながら、わかりやすくまとめて解説させていただきました。

 

起業であっても、就職であっても、はたまた無職でも?

ついて回る保険、年金、税金。

今後ビジネスをしていく際にも参考にしていただければと思います。

 

ブロックパズルで理解する、お金の仕組み

 

管理会計や保険/年金に関するお金の話は、数字が多いことで毛嫌いしてしまう人もいると思います。

 

今回は、”ブロックパズル”を用いて解説させていただきました。

 

「売上と経費(変動費、固定費)」

「粗利と最終利益」

「会社として支払う義務のあるお金」

「黒字の場合、赤字の場合」

 

これらをブロックの積み上げで図解し、わかりやすくレクチャーさせていただいたのですが、「お金の関係は難しいと思っていたけど、自分でもできるかも」というコメントをいただくことができました。

ぜひ、管理会計をビジネスの1つの武器にしてくださいね!

 

 

最後に~気持ちで負けない経営~

継続していくために必要な「はたらくよろこび」

 

最後に、”今まで仕事をしていて一番嬉しかったこと、辛かったこと”について、考える時間を作りました。

 

仕事をしていく中での嬉しかったこと、辛かったことというのは、仕事を続けるためのモチベーションに大きく関与しています。

 

「お客様に褒められた時が嬉しかった」

「会社の先輩に認められたことが嬉しかった」

 

皆様に発表していただき、ちいきのビジネスフレーム「はたらく6つのよろこび」に整理しました。

 

何が自分にとって働くよろこびなのか?何がつらいことなのか?

 

どちらも表裏一体の関係ですが、俯瞰してバランスを見ることで、強みがわかったり、時には対策を取ることができ、モチベーション持続、ビジネス継続のヒントになる、ということをお話しさせていただきました。

 


 

さいごに、宿題として今までレクチャーさせていただいてきたことをアウトプットするワークシートを配布しました。

 

次回は、川上村から飛び出て、弊社が経営する新大阪「ちいきのBar 峠」にて開催予定、上記最終課題を皆様にプレゼンしていただきます!

 

 

今回も、協力隊の皆様の中にある情熱を明らかにするところから、管理会計や事業ポートフォリオといった経営に関する内容まで、10:00~15:00の5時間を走り切ることができました。

皆様お疲れさまでした、ありがとうございました!

 

 

アンケート回答より抜粋

 

・管理会計の話がわかりやすくて印象に残った。

・4つの事業ポートフォリオを作成して明確にしたいと思います。

・自身の事業を整理して、利益の流れやバランスを確認します。

・自分の事業が将来的に(4つの事業ポートフォリオのうち)どの事業になるか考えていければと思いました

・マーケットがどこに存在して、そこにどのようなアクションを起こしていくか?考えるきっかけになった。

・林業における原価の考え方や作業道を事業化した時にどう見積もりを作るかを考える事に落とし込みたいと思いました。

・とても勉強になりました。ありがとうございました。

 

=====

ここでの学びや気づきが、少しでも皆様のお役に立ちましたら嬉しいです。

 

マーケティングはもちろん、財務や人材採用など広く経営に関してや、地域づくりや森林ビジョン策定の際の考え方や手法などについても、実践を元にした講演がご好評いただいています。

 

ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。

 

文章:古川ちいきの総合研究所 インターン生 富岡 瑠加

 

 

Posted by wpmaster on 火曜日 10月 8, 2024 Under すべての記事, セミナー報告, 未分類, 講演&研修 報告

令和6年9月12日(木)、
奈良県川上村にて、地域おこし協力隊(現役・OBOG)を対象にした講座を開催しました。

本講座は全3回で構成しており、協力隊の任期終了後の独立、経営に向けた支援内容となっています。

弊社は以前に川上村の協力隊のアドバイザリー(月次支援)にも携わらせていただいていたこともあり、
久しぶりにお会いできた方も多くいらっしゃいました。
そんなホーム感があふれる会場で行われた第1回の、テーマは「ビジョンとマーケティング3つの基本ポイント」です。

 

当日は現役協力隊(1~3年目)、OBOG含めて10名に参加いただきました。
第1回ということで、初めましての方もいましたのでお互いを知るために自己紹介から始めました。

独立して事業をするにせよ、企業や団体に所属して活動にするにせよ、
「誰に何かを伝える」際には、まず「自分のことを簡潔かつ印象深く」伝えることが大事なことです。
そのため、今回は単に自己紹介をするのではなく、アイスブレイクも兼ねて、

「1分間で印象に残るスピーチ」を行いました。

 

他の地域でも同様のアイスブレイクを行うことがあり、いきなりということで戸惑う人も多いのですが、

川上村の皆さんは村に訪れた経緯、自分のやりたい(成し遂げたい)軸をしっかりと持たれており、
オリジナルの経験を踏まえた自己PRが最初からできていたことがとても印象的でした。

 

自己紹介の後は、弊社代表古川から、川上村に出会った経緯やこれまでの関わり方を紹介した上で、
「経営者(個人事業主)の在り方のヒント」として、発言権の獲得の仕方、成功の3要素、運がいいとは何かという視点を交えながら、古川自身の紹介と会社紹介をさせていただきました。

そして、ここからは本日の講座の本題へ。
冒頭の自己紹介にも繋がりますが、「自分の大事にしているもの」を測る物差しとして「5つの価値観」があることをお伝えしました。

「源」「時間観」「仲間観」「経済観」「土地観」の5つを整理することで、自身のビジョン・人生設計に繋げることができるというものです。

また、個々の価値観を整理するだけではなく、例えば川上村は「水源の村づくり」(源)を推進していることや、500年の林業の歴史(時間観)に基づいた山づくりがされていることなど、地域性を探るヒントとしても5つの価値観を活用することができることを踏まえ、「なぜ川上村の協力隊なのか」ということも考えていただきながら講座を進めることができました。

特に、協力隊は3年という限られた任期だからこそ、自身の価値観をよく理解した上で仮説を立てて行動することが事業の実現と継続に向けて大事であることを今回を機に強く感じていただけたかと思います。

 

講座の後半には、そもそもビジョンとは何なのかを全国の事例を紹介しながらお伝えし、

次回以降、皆さんが考えている事業やサービスを「顧客」に届けるための学びをお届けするための入り口として基本的なマーケティングフレームを3つ程レクチャーしました。

ビジョンについては、事業展開における意味と意義を学び、身近な事例としては川上宣言とは何か、ご自身の事業についてどんな宣言ができるか。
ミッション、ビジョンをどのように作っていくか、言語化の大切さと合わせてお伝えしました。

また、川上村の人はもちろん、全国で名が知られている吉野林業の特徴や林業における道づくりの必要性なども例えにしながら、個人事業主として今後何をどう目指していくかという視点で皆さんと対話しながら進行しました。

ただし、ミッション、ビジョンに束縛されすぎず、事業を動かす初期段階では、必死に見込み顧客の名簿を探して、作り、1件1件廻って営業をすること、動くことも大切です。

講座の終盤には、特に現役の協力隊員にもっと川上村の先輩たちと出会って欲しいという古川の願いも込めて、消防、にんそく(草刈り)、お祭り、地区の方々と自治をどう考え、どういう暮らしかたをしていくか、諸先輩たちから学ぶ必要についても共有しました。

 

さて、ぎゅっと詰め込んだ第1回の講座でしたが、事後の振り返りテキストを共有するなどのフォローもさせていただきながら、残り2回の講座を走り切る予定です。

ここで、当日参加者のアンケートを一部紹介させていただきます。

===

・理念、ミッション、ビジョンの深堀が印象的でした。

・出会った方に手紙やはがきを送るということが印象的でした。いくらネット社会といえどまだ、人と人の繋がりが続くと思うので、自分たちの商品を買ってくれた人には手紙を送ろうと思います。

・今回は総体的な内容で楽しくお話を伺えた、次回以降深堀した内容を聞けるのが楽しみです。

===

成功の3要素のうちの1つである「素直」を早速取りこみ、

まずは聞き入れて試して(真似して)みるということも当日直接宣言してくださった参加者もいて、

当社としても大変やりがいと悦びを感じる1日となりました。

全3回の講座を通して、少しでも自身の事業の方向性が明確になり、理想の実現に向けてお役に立てると嬉しい限りです。

 

最後となりますが、同様の講座は全国でも開催しています。

財務や人材採用などの経営に特化した内容や、地域づくりや森林ビジョン策定などコンソーシアム型の組織形成に係る取り組みなど、

幅広くご要望に沿って組み立てができますので、ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。

Posted by wpmaster on 木曜日 9月 26, 2024 Under すべての記事, セミナー報告, 未分類, 講演&研修 報告

 

令和6年8月7日(水)、みえ森林・林業アカデミーで、弊社代表の古川が講義をさせていただきました。

今年で5年目。
毎年やる気に満ちた古川ですが、アカデミーに向かう車中でも「あ!あれも伝えたい!」とどんどん増えていき、数百ページにもなった講義資料とともにスタートしました。

 

 

裏プロフィールで興味喚起?!~1分間スピーチ~

 

まずは、古川の自己紹介から。
輝かしい?「表」プロフィールでの自己紹介をしたあと「裏」プロフィールでも自己紹介。
女子にフラれた?!麻雀と合コン三昧?!悲しい離別、情けない失敗…
「裏」プロフィールで、「注意喚起=掴む」ということをお話しさせていただきました。

 

ビジネスにおける自己紹介は4段階構成にするといいと言われています。

 

・注意喚起
・事業概要
・選ばれる理由
・行動喚起

 

上記の構成をもとに、「1分間スピーチ」を受講者数名にしていただきました。

 

いきなりハードル高いかな?と思ったのも束の間、皆さんすばらしい!
明るい口調、自社の強み、冗談を交えつつしっかりとアクション喚起につなげます。
この1分間スピーチ、ぜひ色々なところで活用していただきたいです。

 

 

ビジョンは絵に描いた餅なのか?

 

ビジョンって、耳にする機会が増えてきたと思いませんか?

 

林業関係だったら、森林ビジョンというのが増えてきています。
どうして必要なの?絵に描いた餅なんかいいから、実際の現場をなんとかして!
って思ってしまいますよね。

 

ビジネスでも森林でも、何か課題があってそれを解決するために取り組む際に、どうしても「手法」や「やり方」について論じられがちです。

しかし、実は「どうなりたいか?」「どうありたいか?」の「在り方」「ビジョン」ってすごく大事なんですよね。
森林ビジョンだけでなく、様々な企業も「ビジョン」「理念」をしっかり定めているのは、それがすべての取り組みの軸になることを分かっているからです。

 

どこに向かうために、それをやっているのか?
そのことで何が実現するか?

 

「まずは理想、妄想からスタートしてOK!」

 

その中で、自分の立ち位置から出来ること、やるべきことは何か?

 

「過去・現在・未来、川上~川下、自分の位置を知る」

 

すべてに通じる「ビジョンとマーケット」。

 

マーケティングも大事ですが、その前に自分の立ち位置、自分のビジネス、自分の心を深堀りすることが大事ということですね。

 

深掘りをするための考え方として「5つの価値観」についても、古川の原体験とともにお伝えさせていただきました。

 

 

林業マーケティングフレーム、ちいきのメソッド

 

日本の林業の市場規模って知ってますか?

 

え?農業の200分の1?!
某大企業1社の年間売上の100分の1にも及ばないの?!

 

ちょっと衝撃的なデータからマクロ視点での位置をまず知っていただき、マーケティング講座がスタートしました。

 

さまざまなマーケティングフレームを林業視点と生活者視点で読み解きながら、古川が林業木材/地域と向き合う中で見出してきたオリジナル「ちいきのメソッド」へと展開。

 

<ちいきのメソッド(抜粋)>
・理念と利益
・情熱方程式
・都市と田舎
・地域材ブランドの真髄
・林業マーケティング1.0~4.0
・素材からライフスタイルへ
・ライフスタイル~地と図の関係~
・東レ、インテルと林業の共通点
・全国の様々な森林
・トータル林業まちづくり構想

 

いや~…たくさんありますね(笑)
これでも抜粋です。弊社オリジナルのメソッド、まだまだたくさんありますよ。

 

フレームワーク、メソッド、身近なたとえから、実際に古川がお手伝いした全国の具体的事例まで、多種多様にご紹介させていただきました。

 

理論、メソッド、そしてビジョン実現は、実践してなんぼです。
実際にアクションを起こしている全国の仲間たちの挑戦が、皆さんのエネルギーになればと思います。

 

 

参加形式で、自らの想いとビジネスを俯瞰する

 

クイズやワークショップで受講生の皆さんにもご参加いただきました。

 

・ホットドッグクイズ!
・巨大しいたけクイズ!
・どっちのビールが飲みたい?~必要性、欲求性、物語性~
・法人営業B2Bマーケティング~選ぶ理由、選ばれる理由の因数分解~
・ワークショップ~理念、ミッション、バリュー、スピリット~

 

ちょっと食べ物が多い気もしますが(笑)、「なるほど」と頷く方々の姿、またワークショップでは皆さんの想いが垣間見えたのが印象的でした。

 

 

真剣な眼差し、メモを取る姿、時々笑ってもらえる嬉しさ、コミュニケーションの楽しさから、古川のトークも絶好調。
オンラインもいいですが、やはりライブ感はなにものにも代えがたいですね。

 

林業関係、川上から川下の皆様から、東京でヨガ教室をされている方や異業種コンサルタントの方など、様々な方々とご一緒でき、我々も皆さまから刺激を受け楽しい時間を過ごさせていただきました。

 

ありがとうございました!!!

 

 

受講生アンケートより抜粋

■マーケティングについて本質から実践、応用例までを受講生の意見を都度あつめそれらに回答していくスタイルで、今まで受けたアカデミーの講義の中で衝撃的に一番充実した講義でした。
必要なことを本質的なところから教えていただいたき、とても納得できました。
古川さんのやり方なら自分のやりたいことをカタチにできそうです。(受講生M様)

 

■「MVV(ミッション、ビジョン、バリュー)を管理会計にまで落としこむ」、起業してビジネスをしている自分にとって、非常に重要な視点をいただけました。(受講生H様)

 

■民間の視点で考えることが出来たので、市役所として今後の支援等を考えるきっかけとなりました。(受講生S様)

 

■現在会社員ですが、会社員視点で考えててはいけないと感じた。
経営者視点で物事を考えていきたい。(受講生B様)

 

■マーケティングについて今まで勉強したこともなく、新しいことばかりでしたが楽しく勉強させていただきました。(受講生M様)

 

■凄く面白かったです。帰ってまた頭の中を整理して自分の理念を考えてみます。(受講生N様)

 

古川よりメッセージ

やりたい理念に対して、
どれくらいとりたい利益を持つべきか。

 

よい森林の未来、
よい地域の未来が、
自分の未来と重なって行けるよう

事業マーケティングと経営マネジメントの力を
高めていきましょう!

===

 

マーケティングや理念設計はもちろん、財務や人材採用など幅広く経営に関して、地域づくりや森林ビジョン策定の際の考え方や手法などについても、理念と利益の共存と実践を元にした講演がご好評いただいています。

 

ご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。

 

私たちも、今後もこうやって全国の皆さまと出会っていけましたら幸せに思います。

Posted by wpmaster on 金曜日 8月 16, 2024 Under すべての記事, セミナー報告, 未分類, 講演&研修 報告