流通を飛ばしたい!そんなとき、こんなことが、よくあります。
・メーカーの直接取引が増えると、流通の取引領域とバッティングする。
・自分の顧客の顧客を開拓することで、自分の顧客を食うことになる。
マーケティング用語で、カニバリゼ―ションとか評されますが、食い合いがおこり、「俺の仕事を奪う気か!」と言われたりするというところです。食い合うほどの「肉(利益)」が、そもそもどこにあるか、どうつくるかを考えるべきなのですが・・・。
さて、流通から直販へという支援をするとき、いつも思いますが、
・価格が不透明なままで、
・努力なき意味不明な領域争い
をよくみてきましたが、それでは市場の活性化はありません。
いまだに木材の世界でも、日本酒の世界でも、古い体質が残るところはメーカーが販売をしてはならない。流通を通すことという商慣習(ルール)は様々にありますが、背に腹を変えられないという理由でメーカーが直接取引をするのではなく、あくまでも
そもそも、既存の流通が、
・価格の不透明さ
・サービス展開の努力のなさ
があるゆえに、変革せざるをえないとすれば、それは、必然の動きであるわけです。
ただし、いつも思いますが、ただ、流通を飛ばせばいいというのは間違いです。
与信管理は?
ストック機能は?
在庫調整は?
運送に関することは?
等など絶対に必要な仕事があります。それは、どこかでやらねばなりません。
意味のない、市場に撤退すべく、努力をしない流通を飛ばすべきですが、
かといって、流通を飛ばしたことにより、
直接取引が増えました
コストが下がりました
ということを短絡的に喜ぶのではいけません。
改めて、
1.仕入れ(原価)+調整費用
⇒ここの金額の「納得性」と「明朗性」
2.流通事業者として
与信、ストック、物流のサービスの充実化
3.顧客と共に「仕入れ」と「見込み顧客」づくりを
サポート&同行する。
ということをしているかどうかで評価するべきです。それを全くしていない人は、メーカーだろうが、流通店だろうが、マーケットから撤退していただきたい。ある流通店の販売先に、とあるメーカーが直接販売し、今までの取引先を脅かされることがありました。
それに対して、結果的に、流通店の強みを改めて見出し、サービス強化をすることができた、という経験がありましたしあえてメーカー側が直販のカードを持つことで、流通店と協業営業の新しい方法が展開されたという経験もあります。やはり、適切な競争が起こることで各種サービスがよくなっていくんですね。
流通がどうあるべきか、業界がどうあるべき、とかでなく市場についてサボっているところは撤退すべきということは、業種業界を問わないかと思います。
林業などは、弱きものを助けるという補助事業があることで、本来は撤退すべくプレーヤー(事業体)まで市場に残ることができる。これが大きな問題です。もう一度、横綱に立ち向かう力士のように、戦う素地を作っていきたいと思っています。
(地域再生・森林再生コンサルタント古川大輔日記 2015.07.23より編集)
代表取締役 | 代表コンサルタント 古川 大輔 Daisuke Furukawa
twitter: @daisukefurukawa
blog: 地域再生・森林再生コンサルタント日記
地域と森林林業専門コンサルタントとして全国の産地を飛び回ること十数年。会社のミッションは、森林や林業、山村の問題解決ではなく「価値創造」です。そんな志を共有できるお客様・そして未来のビジネスパートナーとの更なる出会いを目指して、古川の考えや、先輩方から教わった学びを言葉にお届けします。