「林業のリ・デザイン」
〜一次産業すべてに通じる、暮らしと経営のプロデュース論〜

2014年10月9日 広島経済同友会 第一次産業を考える委員会にて
弊社代表古川が
「林業のリ・デザイン」〜一次産業全てに通じる、暮らしと経営のプロデュース論〜
というテーマにて講演を致しました。

会場には約30名の会社や団体役員の方に多くお集まり頂きました。

※広島経済同友会様とは
昭和21年4月設立
企業経営者・幹部の個人参加を原則とし、様々なテーマについて調査・研究・討議を行う。
現在は林業をテーマとした活動を進めており、約800名の会員が在籍中。

 

■ はじめに
広島経済同友会様では現在、林業に関する提言をすべく様々な講師を呼び、議論を進めています。
今回、弊社では、「林業というとどんなイメージか?」という話題提供から始まり、
具体的な事例や質問を織り交ぜ、
他の一次産業にも通じる経営やマーケティングの視点を掛けあわせながらお話しました。
「林業×マーケティング」という視点はまだまだ業界に浸透していないもので、
ユニークな講演であると好評を頂きました。

冒頭では、三浦しをん原作の「神去なあなあ日常」が原作の、
今年話題の映画「ウッジョブ!」や、
矢口監督も寄稿いただいた古川編著「森ではたらく!27人の27の仕事」についても紹介をし、
最近の林業への注目度の高まりをご紹介しました。

林業とはどういう仕事か、という素朴な疑問にお答えすべく、
はじめて林業に触れる方に知っていただきたいポイントについて、
以下に改めてまとめてみます。

■ 林業はどうあるべきか
よく聞かれる質問として、日本の林業はどうあるべきか?それに対する答えはありません。
「日本のラーメン業界はどうあるべきか?」という質問と同じです。
店ごとに独自のスープや麺があり、こだわりがある。
林業界も同じく、あくまで人や個々の企業がベースとなり、成功しているといわれる地域でも、システムではなく「人」がポイントです。

■ 林業の多様性
好きな魚は?と聞かれれば答えられる方が多いですが、木はそもそも種類さえ知られていません。
○○牛と聞かれれば有名な肉牛産地が思い浮かびますが、
○○杉と聞かれると答えられない人も多いものです。

産地や生産方法も様々な日本の林業、まずはその多様性を知っていただきたいと思います。

■ 林業をとりまくキーワード
林業の特殊性を知るためのキーワードをご紹介しました。
「林業のカ・レ・シ」(3つの特殊性)とは?
近年よく聞かれる「バイオマス」という言葉が、真に意味するものとは?
どちらも重要な概念で林業を知る上で知っておきたいキーワードです。

■ 市場規模
林業の市場規模は4,000億円(うち約半分は栽培きのこ)であり、それに対して農業は8兆円、漁業は1.4兆円。
しかし、森林には貨幣流通していない価値があります。その価値とは?

■ なぜ森ではたらくのか?その価値について
森林の価値は市場規模以上のものであり、森林の多面的機能や生物多様性保全といった価値が注目されています。
某シンクタンクの試算ではその価値は日本全体で70兆円以上とも。最近ではその価値を知り、「山を持っているが、どうすればよいか」という問い合わせも非常に多くなってきています。

 

参加者の中にも、「実家に山を所有しているがどう扱えばよいか」
といったお悩みを抱えた方も多く、
業種を問わず、日本人にとって「森」とは切っても切れない存在であることを改めて実感させられました。

長時間の講義にも関わらず、ご出席頂いたほぼ皆様と共に懇親会へ進みました。

林業に直接的に関係のない事業を経営されている方も大変な関心をお持ちで、
私にとっても異業種視点をいただき、非常に熱い議論となりました。
以下にセミナーご参加者様からのアンケートを、一部掲載させて頂きます。
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■ 商業施設経営 A様
林業の現状と何が足りないか、何が必要か。あらゆる業種に共通する考え方で説明を受けたことは大変わかりやすかった。
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■ 観光業 B様
環境を活かした仕事を創りたい。美しい森を作って、里山ツーリズムの創造へつなげていきたい。サスティナブルな国家づくりに森は不可欠と再認識した。
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■ 不動産業 C様
祖父の山をどうするかで、悩んでおり大変勉強になりました。
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■ 金融業 D様
「情熱方程式」にあるように、自身や周りの人間にもっと憤りを持たせる働きかけを行って生きたい。これによって様々な活力が生まれてくると思います。
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■ IT関連 E様
まずは自分の山の価値を知り、自分と地域のためにどうしていくべきか考えるところから始めたい。
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■ メーカー F様
原体験により、林業に関する理解を深めたい。
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■ 建設業 G様
林業がどうあるべきかを論ずるのが無駄な事を理解。まずはConsumerを見た上での今後のビジネスをどうしていくのかを考えたい。
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■ 印刷業 H様
自社の商品に意味付けをし、物語を創り、ツール創りをしていきたい。
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■ コンサルティング業 I様
マーケティングの基本・実践と情熱方程式がとても参考になりました。
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■ 教育関係 J様
理念と利益、3C、消費の3要素を自社のために役立てたいと考えました。自分の山を所有していますが、その市場価値の低さに残念な思いを抱いておりました。
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■ デザイン業 K様
消費の3要素が面白かったです。まちづくり事業を考えており、またお話を聞かせて下さい。
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■ 放送関係 L様
実家の林の整理をしてみようと思いました、家を建て替える際には木造を考えています。
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■ メディア関係 M様
利益なき理念は寝言 とならないようにしていきたい。

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Posted by admin on 木曜日 10月 9, 2014 Under pick up, すべての記事, 講演&研修 報告


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