10月18日(土)に、京都林業大学校にて経営高度化コースⅡ第2回が開かれました。
本日のメニューは、
・選ばれる林業会社、素材生産業者とは?
・「住宅10ニーズ」 ~木材は10ニーズにどうこたえられるのか~
・ブランド化とはなにか?
弊社岩井が講師となり、5名の参加者の皆様とワークショップをしながら、
「自分で考え、意見交換する講義」となりました。
まずは前回の復習から講義をスタート。
みなさまの働く原動力になる「好きと憤り」、経営をする時の心構え「理念と利益」とは?
林業大学校の講義に参加される熱心な皆様、各々の好きと憤りをしっかりとお持ちでした。
「山が好き」、「山仕事が好き」という好き=持続的原動力と、
「山の価値がなぜ認められないのか」、「林業がなぜ商売にならないのか」という憤り=瞬発的な原動力
二つの組み合わせが大切です。
お次は、「みなさんの名刺、何が書いてありますか?」
という岩井からの質問と共に、前回ご紹介したマーケティングの基礎「3C分析」を復習。
実は名刺には、自分のサービス、強みを端的に表現できる大切な場です。
名刺に何が書けるかをイメージしながら、自社の強みを改めて考えていただきました。
いよいよ本日のレクチャー、一つ目のテーマは、「選ばれる林業会社、素材生産業者とは?」
「自分が山主だったらどんな林業会社に仕事を頼みたいか?」
ワークショップで考えながら、自社の強みについて、あらためて考えていただきました。
まず、施業内容に関するニーズがでました。
- ・作業が早い
- ・壊れない道づくり…
さらに、顧客である山主への対応や、提案力
- ・急な注文にもこたえてくれる
- ・説明が丁寧で、コスト設計が明確…
原木を販売する技術
- ・造材が適切
- ・原木の売り先が適切…
また、会社としての大前提、
- ・山のものを盗まない
- ・事故を起こさない
当たり前ですが、大切にしたいことですね。
このほかにもたくさんの「選びたい林業会社」のポイントがたくさん挙がり、
最後に岩井から、「選ばれる林業会社・素材生産業者 3つのポイント」としてまとめました。
また、原木の売り先である材木店、製材所の場合、どんな会社が顧客に支持されているのでしょうか?
これは原木を売る山側の業界も、知っておくべき情報です。
顧客から支持されている会社は、実は木材業界も、ハンバーガー業界でも一緒です。
本日はファストフード店の例を引き合いに出しながら、
- QCD+個人信頼+会社信頼
という当たり前の積み重ねが、選ばれる会社への近道であることをお伝えしました。
お次のテーマは、「住宅10ニーズ」
住宅は、木材の最終製品の一つですが、いったいどんな家づくりが求められているのでしょうか。
こちらもワークショップをしながら改めて考えてみます。
たくさんの不動産広告が、本日のテキストです。
現在都会住まい派と、田舎住まい派に分かれて、意見をまとめたところ、
たとえば、同じ「快適性」というカテゴリーでも、重視するポイントに明らかな違いが現れました。
- 都会派が求める快適性=家の中の快適性(室内の静かさなど)
- 田舎派が求める快適性=趣味を楽しめる家や庭の広さ
想定しているライフスタイルの違いで、住宅ニーズがまったく違いますね。
このような住宅ニーズを押さえることで、あらためて「木材が施主に提供できるモノ、コト」が見えてきます。
施主のニーズにこたえるために、どんな課題を克服しなくてはならないのか。
あるいは、住宅の快適性、安全性にたいして、何ができるのか。
新しい木材の活用方法も見えてきます。
最後に本日のまとめとして、「ブランド化とは何か」、についての講義。
「高級感のある○○コーヒーと、ラフなスタイルの××コーヒー。二つのチェーン店のどちらがブランドですか?」
身近な喫茶店の例を引き合いに、あらためてブランドについて考えます。
高い価格で取引されるブランド品の共通点を振り返り、まとめとして、
「ちいきの総研流 木材業界 差別化7要素」をレクチャーいたしました。
今回は、徹底的に顧客目線立って、木材業界を振り返りました。
顧客のニーズを知ること。顧客に支持される「ブランド」について知ること。
その先に、自社の強みを活かした商品の開発や、情報発信があります。
木材業界では、「京都府産材」のように、新しく名前を付けて、ブランド化する動きが活発化していますが、
基本は顧客目線を忘れずに、木材ビジネスを展開していきたいですね。
次回(第3回)は、11月15日(土)の開催となります。
テーマは
○4つの事業
○価格設定と原価管理
○六次産業化とは何か
となっており、ゲスト講座としてビジネス法務に関するレクチャーも行います。
引き続き、よろしくお願いいたします。