国産材ビジネスセミナーin東京、ついに2015年度最終回!!
第5回目を開催し、今年度のカリキュラムを終了いたしました。

最終回は、今までご紹介してきた内容を凝縮しつつ、
「林業バリューチェーン」をテーマに開講しました。

 

【話題提供】新春年賀状からみる、年賀状デザインのポイント

まずは新年一回目ということで、年賀状をテーマにご紹介。

弊社にいただいた年賀状を参考に分析して、
「年賀状デザインのポイント」をご紹介しました。

年賀状作成のアプリやソフトが普及し、誰もがきれいに年賀状を作れるようになった今、
数ある年賀状の中で、もらった人の心を掴む、
他社との差別化に効果的なポイントとは何でしょうか?

それは、

1)会社ブランドの統一性
⇒ロゴマーク、コーポレートカラーが使われ、一目でその会社だとわかる

2)営業的な要素
⇒最近の商品や事業内容、トピックスがわかる

3)目を引く親近感
⇒手書きコメント、社員の顔が見える

 

いただいた年賀状を参考にこれらのポイントをご紹介しました。

年賀状の利用枚数はピークの2003年から徐々に減少していますが、
他の人(会社)が出さないからこそ、
年に一度の、顧客やパートナー企業とのコミュニケーション機会として、
年賀状をしっかりにご活用いただきたいところです。

さて、ここからセミナー本編へ。

 

【1】バリューチェーン分析から林業界を見る!

 

まず始めに「バリューチェーン」とは、原材料の調達から製品・サービスが顧客に届くまでの企業活動を、
一連の価値(Value)の連鎖(Chain)としてとらえる考え方のことを言います。
今回のセミナーでは、林業~製材~建築業のバリューチェーンを分解し、弊社岩井から解説いたしました。

例えば、「林業」を例に挙げると、
地拵え、植林、下刈り、除伐、間伐、枝打ち・・・と、
チェーンを分解できます。

その中で、ボトルネックになっている部分、利益を生み出している段階を見極めて
戦略をたてることができます。

 

また これを、業界全体に当てはめて

林業→製材→加工→建築・・・

などの流通段階を一連のチェーンと考えると(バリューシステム)

 

改めて、山で育てた木が使われるまでに、

・多く時間とコストが掛かっていること
・BtoB、BtoC、BtoBtoCと様々な業種が携わっていること
・プロ~兼業~ボランティアまで、携わる人の裾野が広いこと

などが分かり、林業木材業全体のバランスを俯瞰することができます。

またこのバリューチェーン分析の必要性について、異業種の事例を見てみると、

「サプライヤーの育成」と「流通改革」

がカギといわれています。

 

例えば、世界最大の食品・飲料会社であり、日本でもおなじみの「ネスレ」。

ネスレでは、オーガニックで安心安全なコーヒー豆の商品化に向けて、
コーヒー豆の栽培に携わる従事者の生産能力アップと、労働環境の改善が
課題となりました。

そこで、
・サプライヤーである農家の生産性を高めること
・農家の労働状況を改善し、従事者数を増やすこと

これらに取組むことで、バリューチェーン全体を改善し、
オーガニックコーヒーの商品化を実現しています。

林業木材業界においても同じく、

・製材業が林業事業体と連携して、優良材の安定供給体制を構築
・原木市場が林業事業体に造材指導をして、ニーズにあった原木供給を目指す

といった「サプライヤーの育成」を通じて、
木材の付加価値、企業の付加価値を高めている事例が多々あります。

受講者からは、

「木材は1世代で商品にならない素材だが、先祖が世話をしてくれた分まで、
育林コストとして計算すべきか?どの範囲までバリューチェーンに含めるのか」

といった質問もあり、大いに関心をもっていただけるテーマとなりました。

 

 

【2】林業木材業の地域連携事例紹介

 

林業バリューチェーンの考え方に基づき、第二講座では、
古川より日本各地の事業連携の事例をご紹介しました。

弊社がコンサルティングさせていただいた地域において、

・属人的な連携
・仕組みの連携
・組織の連携
・ソフトな実務連携
・ハードな経営連携 等…

多種多様な連携の形がありますが、これらを一挙ご紹介いたしました。

どの地域連携においても、

・共通の規格を定め、個々のレベルを高める
・役割分担を明確にする(例えば、ものづくり、営業、総務を分担する)

このようなルールが最低限必要であります。

地域での連携とは、仕事の奪い合いをするのではなく、
「ここはプロに任せよう」と、責任の明確化と役割分担を行った上で、チーム全体の力を高めていることが分かります。

また、弊社が事務局を務めるclubプレミアム国産材は、
遠くの同業種が集まった産地連携の一つです。

弊社では今後もセミナーや研究会を通じて、
商圏の被らないメンバー同士だからこそ可能な
情報交換や連携のご支援をさせていただければ幸いです。

 

【ゲスト講座】意外と似ている? PC業界と林材業 ~低成長時代のビジネスモデル~

 

さて、今回は(株)トビムシ取締役の小林洋光氏にゲスト講座をいただきました。

小林氏は、森林・林業を通じて地域活性化を支援する㈱トビムシ取締役を務める一方で、
外資系パソコンメーカーのレノボ・ジャパン㈱法務部を経験され、
法務の面から、日本の地域や林業を繋ぐ活動をされています。

そんな小林氏から、まずは法務関係のトレンドをご紹介。
2015年3月31日に「民法の一部を改正する法律案」が閣議決定され、
同日中に通常国会へ提出されましたが、

今後の民法改正にあたって、住宅の欠陥トラブルはどのような影響を受けるのでしょうか?

バリューチェーンを考えれば、
確実に木材、林業界へも影響をおよびす住宅クレーム。
工務店業界のみならず、林業界も今から理解しておきたいポイントについて、話題提供をいただきました。

 

次に、今回のメインテーマへ。
異業種であるパソコン業界から見た林材業といった切り口で、お話しいただきました。

まず、一見すると似て非なるパソコンと林材業ですが、
「生活の大半を共にするモノ」という点では、共通しています。

また、市況においても、

・建築の新築着工棟数、市場規模 → 減少
・パソコンの出荷実績、平均単価 → 減少

という、いずれも右肩下がりの低成長時代のマーケット環境という点で、
類似する部分が大いにあるということです。

そのような環境下で、パソコン業界においては、「自社のバリューとは何か?」をとことん考え、
デザインの訴求、用途に適した機能性の訴求、技術革新、
競合他社や競合商品との差別化を徹底して考えています。

そのような中で、異業種に携わる小林氏からみた林材業界には、
掘り起こされていない価値伝えるべき埋蔵情報の宝庫であり、
さらに、伝えたことが情報ではなく、伝わったことが情報となる時代であると、メッセージをいただきました。

豊かな地域性と年月を背負って育まれた木材は、希少性の価値ある商品であり
さらに快適性能や健康性能を科学的根拠で伝えたり、
異業種の販売方法や保険サービスを取り入れて伝えられたいと、ご提案いただきました。

 

 

【まとめ講座】明日からできる!事業計画の立て方

 

今回のセミナーでは、バリューチェーンの観点から、多種多様な連携についての話題をご紹介しました。
一方で、連携によって地域全体の力を高めるには、
そもそもに地域に強い企業があり、経営者がいることが要であります。

強い経営を目指すために必要な、事業計画の立て方とは?
弊社古川がコンサルティングでお伝えしている要素を5つに絞って解説しました。

また、林業、製材業、木材流通業の黒字企業の業界平均データを用い、
粗利率や営業利益、経常利益とは何か?
経営の基本となる考え方をレクチャーいたしました。

経営を考えるにあたり最も重要となるのは、「時間対粗利」であり、
右から左へモノを流通させるのではなく、「付加価値」を高めて仕事をつくること、
さらに、時間に対してどれだけ有効な粗利を生み出せるかということです。

最後にこのようなメッセージをお伝えして、2015年度国産材ビジネスセミナー最終回を終了いたしました。
2015年度は、全5回のメニューを開催いたしましたが、いかがでしたでしょうか?

 

最後に、受講者様の声をご紹介します。
アンケートにご協力いただいた皆様、貴重な声をありがとうございます。

来年度の開催 については、こちらのブログにてご紹介させていただきます。ご期待ください!

 

★★★お客様の声★★★

■木材業 I様
初めて参加させていただきましたが、大変興味深いお話ばかりで面白かったです。自分が林業という業界について知らないことが多いことを改めて実感しました。また、PC業界の対年度成長率が約-40%という事実には驚きました。やはり異業種から見る林業という視点は、林業に携わっている人にとっては、とても斬新であると思います。このような視点の話をもっと聞いてみたいと思いました。

 

■公務員 S様
顧客設定とコンセプトが大切という点が印象に残りました。本日のセミナーを聞いて、自治体(村)をどうしたいのか、目標(ビジョン)を立てるべきと思いました。また、ゲスト講座を聞いて、より木材業界は生活との密着を考えること、営業と技術者の考え方のズレをすり合わせることが必要だと思いました。今後のセミナーでも、事例紹介を聞いてみたいです。

 

■公務員 I様
行政という立場にいて、果たして何をすべきなのかを考えるきっかけになりました。山林面積の多い自治体において、資源を有効活用できていない点があります。地域の木材関連業者と共に真剣に考える場を設けるために、今後もご協力いただきたいです。

 

■バイオマスエネルギー関係 K様
利益を何に使うかを考えることが大切という言葉が印象に残りました。地域で連携をとることが各企業にとって、業界にとっても良い効果を生み出すということが分かりました。地域の状況を全員が把握し、問題を解決するために何をすべきかを、全員で考えること、その時に、きちんと数字から分析していくことが重要だと思いました。また、林業は他業種の視点を持ち取り入れていく事が重要と実感しました。

 

■学生 T様
日本的な協力と、欧米的な協力(連携)の違いについてのテーマが面白かった。経営に係る利益には5種類あること、戦略、戦術、戦闘の違いが分かったこと、事業計画を立てるにあたって、事業内容を4つに分けて組み立てること、バリューチェーンと、まとめ講座を通じて全体的に繋がりを持って理解できました。伝えたことが情報ではなく、伝わったことが情報となる時代であるというところに、森林・林業の伸びしろがあると強く感じます。異業種に認められるバリューとは何かという考え方が必要であり、魅力になると感じました。

 

■林業 S様
近くの異業種、遠くの同業種と接点を持つことが重要であるとのメッセージが印象に残りました。事業計画の立て方のポイントを聞いて、自分の行っている事業で欠けている点が分かりました。今後、もう一度事業計画を見直していきたいと思います。

 

■木材業 H様
連携構築の在り方について、自分の地域を想像しながら聞くことができました。また、事業計画の立て方は、勉強になりました。ゲスト講座を聞き、異業種事例を聞くことで、森と材木のバリューを繋げていく事を積極的に考える重要性を感じました。

 

■製材木材業 U様
バリューチェーンという言葉の意味についてしっかりと説明を受け、自社を振り返った時に、改めて考えさせられる点があり、非常に勉強になりました。今回がセミナー初参加でしたが、製材業に携わりつつも、林業という仕事をあまり念頭に置いていなかったことが分かり、川上~川下までの一連の流れを理解する良い経験となりました。異業種からのゲスト講座も大変興味深かったです。今後も、国産材を使用し続け、また、エンドユーザーが求めているのか、色々な角度から分析して商品展開のヒントを教えてほしいです。

 

■学生 Y様
バリューチェーンや連携・協力のテーマは、会社を細かく分析する上で大変役立ちそうだと思いました。今後、就職し会社について分かった上で、より現実味を帯びて理解できる内容だと思います。事業計画については、自分の場合は人生計画に置き換えて考えてみようと思いました。利益率についての内容は、社会人になる前に知ることができて良かったです。復習して、理解を高めたいと思いました。ゲスト講座について、PC業界と木材業界の類似点があるという視点が面白かったです。木材業界が成長できる伸びしろが見えました。異業種では当然のことでありながら、木材業界が取組んでいない点に改めて気づき、もっと良さをアピールしていきたいと思いました。

 

■旅行業 O様
林業バリューチェーンの図式が分かりやすく、原木流通業の企画性を高める必要性についての話題も印象に残りました。林業木材業に関わる人やお金の規模感が掴めて分かりやすかったです。ゲスト講座では、「伝えたいことが情報ではなく、伝わったことが情報となる時代」という言葉に納得しました。今後も業界の最新情報を得るために参加させて下さい。

 

■まちづくり関係 M様
協力にあたって、役割と責任を明確にすることの必要性について、印象に残りました。セミナーを受講して、市場の概観が掴めたのが良かったです。もっと林業について知るコンテンツを色々と探ってみたいと思います。林業についてまだまだ知らないことばかりなので、今後も勉強していきたいです。ゲスト講座から「一次産業の中でも、林業ほど長期的な時間軸で続いてきたものはなく、貴い」という捉え方が新鮮でした。

 

■学生 W様
林業バリューチェーンを聞いて、林業から工務店業までの入り口と出口の窓口が広いことが分かりました。また、木材業の営業の大切さを知ったセミナーでした。林業の育林にあたって、過去の枝打ち回数まで把握して経営管理することも大切なのだと思いました。全国に様々な連携事例ができ始めているのだと知り情報盛りだくさんな内容で、とても勉強になりました。ゲスト講座でPC業界と林業と共通する点があるといった視点も新鮮でした。来て良かったです!ありがとうございました!

 

■学生 H様
初参加でしたが、林業の深さ、表面に出てこない部分を知りました。また、林業の将来性の分かる内容でした。

 

■デザイン業 S様
「情報力」と「行動力」で「交渉力」を高めるといったテーマが面白かったです。「負け残り」とも言われるような、衰退産業の中で残っている木材業者の経営力についての話題も印象に残りました。事業計画の立て方については、そもそも事業を行う前に確認したい7つのことが紹介されました。自分自身が夢を見たいと思いながら、踏み込めない理由と共通する点がありましたが、「負け残り」という言葉の意味をポジティブに捉えて進めたらと思いました。ゲスト講座では、自己バリューと将来求められるバリューを徹底的に考えるということが勉強になりました。オススメ図書の紹介も嬉しかったです。今後は、事業計画の立て方について、さらに詳しく知りたいです。

 

■住宅業 K様
事例紹介で紹介された木製品の美しさに惚れ惚れしました。林業界のバリューチェーンを集約した資料をみて、改めて木に関わる業界が広範囲な一方で、どこも「全く問題なし!」と言い切れる業種はなくて、ますます自分のバリューをどこで発揮できるのか、考えさせられました。ゲスト講座では、PC業界について知れたのが、とても面白かったです。林業界のことを知らなくて勉強中ですが、もっと視野を広げて、比較しつつ色々と見ることも重要だと思いました。

 

■製鉄業 H様
日本的協力と欧米的協力の違いについての解説が面白かったです。ビジョンの置き方で、敵が変わるマーケティング視点も印象に残りました。林業バリューチェーンの図式を見て、改めて川上への還元がなされていないことが確認できました。バリューチェーンの視点で、自らのストーリーも見直してみたいです。ゲスト講座についても、PCはじめICT業界の閉そく感について、改めて納得しました。ヒントになることが聞けました。

 

■エネルギー関係 H様
「理念なき利益は犯罪であり、利益なき理念は寝言である」という言葉が印象的でした。まずは行動!ということで今回参加しましたが、業界の事を色々と知ることができ、大変勉強になりました。異業種からみた林業の分析も面白かったです。

 

■林業 T様
今回は総まとめの回ということで、かなり多くの事例を詰め込んで得ることが出来ました。ゲスト講座では、林業木材業のバリュー(強み)を異業種からも認めてもらえるプレゼンで参考になりました。転職後も参加したいと思います!

 

■公務員 S様
偶発的に発生した利益で喜んでいてはダメで、計画を立てて、それ以上を達成した時に喜ぶことが重要と勉強になりました。5つの利益についての解説は、復習したいと思います。

 

■学生 H様
林業木材業だけでなく、どこでも使える知識として、利益や事業計画の立て方についてのテーマが勉強になりました。今まで、当事者意識というものがなく、生きてきました。今思えば、夢中になれるものを探して移り住んできたのかもしれません。これから社会を知り、新しい風にコテンパンにされても、夢中になれるものを探して動いていきたいし、動き続けます。お世話になりました。ありがとうございました。

 

Posted by admin on 土曜日 1月 16, 2016 Under pick up, すべての記事, セミナー報告, 国産材ビジネスセミナー(東京), 講演&研修 報告

 

国産材ビジネスセミナーin東京、2015年もいよいよ終盤に。

12月は第4回目を開催しました。

 

今回のテーマは”住宅動向からバイオマスまで”ということで、
まずは話題提供から。

11月には現地研修会として、岩手県岩泉町&矢巾町へセミナー受講者様と共に行って参りましたが、
現地の写真を中心に、製紙用チップ、燃料、木工家具、建築用材、集成材、バークたい肥、おが粉等…

東北地方の広葉樹の多様な使われ方、売り先について、改めて振り返りをいたしました。

★ 現地研修会の詳しいレポートは、こちらをご覧ください↓↓ ★
【現地研修会“広葉樹の森を巡る”in岩手 】(11/23-24)
1日目⇒https://chiikino.jp/?p=4762
2日目⇒https://chiikino.jp/?p=4854 

 

岩泉町での広葉樹林業をとって見ても、
木の使われ方と売り先が様々あって、林業が発展してきた歴史が分かります。

このような、木材の用途の多様性を念頭におきながら、
今回のセミナーの本題へ!

~~~

【1】用途別木材のマーケットシェア

基礎レクチャー編として、
まずは市場動向を知ることから。

・日本の木材の主な売り先は?
・日本の住宅:工法別シェアについて
・ 大手ハウスメーカーのシェアと国産材
・住宅ストック数と空き家率
・リフォーム、リノベーション、コンバージョンの違いと事例紹介

等、統計的数値を読み解いていきます。

 

 

さて木材の主要な用途とシェアを見るとき、
ボリュームシェアだけではなく、その金額シェアを考えることが大切です。

近年では合板の国産材比率向上や、バイオマス燃料などが注目されていますが、
やはり金額シェアを考えれば、製材用の原木マーケットが圧倒的に大きく、
よい木を育て売ることで、日本の林業が儲かり、産業として成立しているということが分かります。

~~~

ところで、マクロな視点とともに、国民一人当たりの木材使用量という実感のある数字に分解してみると、どうでしょうか?

木材の素材生産量を日本の人口で割ってみると、国民一人当たり約0.2㎥でとなり、
例えば薪にして燃やしてしまえば、焚き火一回分で終わってしまうくらいの量であると、具体的にイメージできます。

林業木材業については、調べれば丁寧な統計データが揃いますが、
この数字の見方、読み方について、

・異業種と比較する
・時系列で読み解く
・一人当たりに換算する 等、

このセミナーをきっかけに、より自分事化された気付きを得ていただければ幸いです。

 

 

【2】選ばれている、国産材家具・インテリアとは

さて、ここからは経営マーケティング編へ。

国産材を使った家具インテリアの事例を、弊社・岩井からご紹介しました。

木という素材は、誰にも加工しやすい点が特徴の一つです。

例えば、日本では針葉樹家具は「強度が弱い」「傷つきやすい」とネガティブなイメージを持たれがちですが、
針葉樹ならではの「白さ」「軽さ」が”面白い木(素材)”として、海外で人気を博していることもあります。

・ 加工度を上げてデザイン性を高める/あえて加工しない
・ 一点突破で市場を変える、市場を育てる
・ 一般的な”弱点” を”長所”に変える

など、それぞれのメーカーの戦略を分析しました。

 

木材の用途別製材品出荷量のうち、「家具用材」のシェアは約1%と少量ですが、
その分、これから増やせる市場(=可能性)があるということではないでしょうか。

マーケティングの視点を持って、
「木材ならでは」の特徴を強みに人気を得ている商品を紹介いたしました。

 

【3】住宅10ニーズと、選ばれる工務店ブランド・チラシの作り方

 

経営マーケティング実践編では、BtoB/BtoC営業の違いをレクチャーし、
具体的な営業ツールとしての「チラシ」作成のポイントを学びました。

ここで、「住宅10ニーズ」と題したクイズを実施!

「あなたが家を買うとき(選ぶ時)、どんな条件で選びますか?書き出してみてください。」

この回答から、住宅の売り方のヒントが見えてきます。

参加者からの回答は、

立地、費用、デザイン、快適性、間取り、安全性・・・といった回答が続き、

中には「カミさん(奥様)の意見!」という回答も。

一般的に女性の方が在宅時間が長いことから、
特にキッチンや水回りは、女性の意見は家づくりの重要なポイントになりますね。

このような回答の中、「国産材を使っている!」という条件を挙げた人は、意外といないのです!

 

つまり、消費者目線に立った時、木を木だけで売っていても、選ばれる住宅づくりは不可能で、

・安全安心×国産材
・デザイン× 国産材
・立地×国産材

といった関係で選ばれる住宅づくりを目指すこと。

山側としては、こんな家づくりに取り組む工務店と共に、
伐採ツアーや森林体験をすることで、国産材が選ばれるビジネスをともに作ることができ、
ゆくゆくは自社のビジネス(素材生産)にも繋がるということです。

チラシ作成のポイントも同じく、「国産材使用!!」と全面に押し出していても、
一部のニッチなファン層にしか届きません。

異業種の人気商品のチラシ等を交えつつ、反響のあるチラシの作り方をお伝えしました。

マーケティング視点を持ったチラシづくりの必要性は、工務店業に限ったことではありません。
林業においても、ポイントを押さえたチラシづくりで集約化施業の提案が求められています。
それぞれのビジネスへ、マーケティング視点を活かしていきましょう。

 

 【4】住宅・木材販売を実践するゲストからの特別講座

さらにここからは、ゲスト講座へ。
今回は豪華2名のゲスト講師にお越しいただきました。

まずは、
株式会社イケダコーポレーション 藤田 宏匡 氏から、
「塗料業界からみた、木材について~自然塗料と木のいい関係~」と題してお話いただきました。

ドイツ製の自然塗料を扱う商社として、
塗料のいろはからレクチャーいただきました。

 

日本で塗料が使われる場所は、主に2つ。

一つは、木を表しで使っているような、地域工務店であり、
もう一つ、近年特に需要の増えているのが、公共建築物です。

公共建築物木材利用促進法の施行により、税金を投入する物件には、木材を使うことが推奨されていますが、
大型の公共建築物を長持ちさせ、安心安全に使用するためには、
塗料の力を使って、木材特有の性質と上手に付き合うことが求められています。

例えば木材特有の性質として「呼吸すること」が挙げられます。
ご存知の通り、木は周囲の湿度に応じて、水分を吸ったり、空気中に放出したりする吸湿性を持っていますが、
木の表面を覆い呼吸できなくする塗膜性の塗料は、かえって木材の劣化を加速するおそれがあります。

また、塗装が劣化した時に、
・ 一度表面の塗料を剥がしきってから、一から塗り直しする塗料
・  再度上塗りし浸透させ、木の性質を強くさせる塗料

と、塗料の性質によってメンテナンスも異なりますので、
長期的なコストを考える上でも、塗料の性質を知っておくことは、木との付き合い方に必須ですね。

木材の性質を活かしつつ、長持ちさせる塗料との付き合い方を教えていただきました。

 

 

お二人目は、株式会社トビムシ(株式会社東京・森と市庭) 村上 達也 氏より、
「東京の森をいかす、森と市庭の取り組み」と題して、
奥多摩で進行中のプロジェクトをご紹介いただきました。

「株式会社東京・森と市庭」は、奥多摩地域をフィールドとして森林再生に取り組んでいます。

まずは森林のファンづくりと交流をめざし、
平成16年3月末をもって閉校となった旧小河内小学校を「OKUTAMA Field」として、
多目的に利用できるレンタルスペース事業を展開しています。

この「OKUTAMA Field」を使って行われたワークショップ研修や体験イベントについて、ご紹介いただきました。

 

また、「モリユカ・レンタル」として展開している無垢杉材の床レンタル&販売事業では、
都心のオフィスの床材を木質化した事例をご紹介いただきました。

「お客様と一緒に床を張って作業すると、不思議と皆寝転がるんですよ。
当初は土足で使用する計画でしたが、改装が終わって、土足禁止に変更となりました。」とエピソードを交えつつ、

タイル等の異素材から木材へシフトする際、
「ドアの開閉ができなくなる」等のトラブルが生じないための規格についても、工夫した点を教えていただきました。

[東京・森と市庭PV」

 

 

 

【まとめ】あなたに必要な木材利用の規模とは?

今回のテーマは「ニッポンの住宅動向からバイオマスまで」ということで、
最後はバイオマス動向についてご紹介。

全国50箇所以上に上るバイオマス発電所が設立され、
現状の素材生産量の2倍近くを出材する規模で計画が進んでいるバイオマス発電。

同じ原木を扱う業種と獲得競争になる恐れもあることから、
最近では、仕入れの質と量を確保するため、
製材所が山買いをして対策に打って出るところもあります。

[写真:バイオマスの事例「もくろう」]

一方で、たとえば山で焚き火する時に使う「木ろう(もくろう)」も立派なバイオマス利用の一つ。
原木丸太にチェンソーで数か所の切り込みを入れることで、
乾燥や燃焼時間を多少コントロールすることも可能です。

「バイオマス」の定義とは、広く考えることもできるのです。

あなたにとって必要な規模感、地に足のついた経営とは?
今回のセミナーを、考えるきっかけにしていただければ幸いです。

 

さて、次回の国産材ビジネスセミナーは、2015年度最終!!
一年間の総括として、テーマは「林業バリューチェーン」。
来年度に向けて、事業計画の立て方についてもレクチャーしますので、新規の方々のご参加もお待ちしています。

 

 

■日時:2016年1月16日(土)

14:00~18:00 + 懇親会

■場所:東京都中央区八重洲1-5-15 田中八重洲ビル (東京駅八重洲口から徒歩3分)

■内容(予定):

1)林業バリューチェーン(まとめ講座)

・水平連携、垂直連携等による地域連携型林業ビジネスの理論と実践

2)経営マーケティング 実践編

・明日からできる事業計画の立て方

3)ゲスト講座予定
・コンサルタントor国産材ビジネス経営者(予定)
詳細は後日お伝えします。

■受講料:おひとり様13,000円(税込)/学生  6,500円(税込)

■お申込みについて
ご参加をご希望される方は、メール(info@chiikino.jp)にて
以下の項目をお知らせください。

1)お名前
2)ご所属
3)お電話番号
4)メールアドレス
5)懇親会へのご出欠

お申し込み後、折り返しお支払方法をご案内させていただきます。

 

↓↓国産材ビジネスセミナーについての詳細はこちら↓↓

https://chiikino.jp/blog/?page_id=22

 

 

Posted by admin on 土曜日 12月 12, 2015 Under pick up, すべての記事, セミナー報告, 国産材ビジネスセミナー(東京)

(画像は林業スクールwebより転載)

本日(10月25日)は、岩手県の釜石地方森林組合にて、
釜石・大槌バークレイズ林業スクールのオープン講座で講演させて頂きました。

http://kamamorikumi.jp/education/ (参考)

三菱UFJリサーチ&コンサルティングの相川氏からのご紹介でご縁を頂きました。

 

強風のため伊丹空港まで引き返す可能背があるという飛行機へ搭乗。

揺れがひどい中、なんとかいわて花巻空港に無事につき、
そこから自動車で約2時間、途中、遠野市を経由して、釜石へ。

震災後4年、復興に向けて動き出しているとはいえ、まだそのあとが残る町の様子を見ながら、
新たな場所に移転した、釜石地方森林組合の庁舎に到着しました。

 

今回の題名は、

「森ではたらく!そのマーケティング理論と実践」
~全国の事例大公開&参加型ワークショップ~

と題しまして、
2講座に分けて行いました。

 

森林組合職員や山林所有者、素材生産業者、行政、ボランティア活動で森林に関わる人、まったく異業種の方など、非常に多様な顔ぶれの受講生の皆様とともに、4時間の研修となりました。

 

(第一講座の様子)

前半の第一講座は、
古川より、いつも全国でお話をさせて頂いている

1) 林業の原点
2) 情熱方程式
3) 理念と利益
4) 林業の市場規模
5) 消費の3要素
6) 3C(自社、競合、市場)

という概念を、
具体的なクイズを交えてお伝えしつつ、

岩井より、
弊社による全国のコンサルティング事例をお話しさせて頂きました。

(ワークショップの様子)

第二講座は、
4班に分かれての参加型ワークショップです。

前半でレクチャーしたいくつかのフレームを実際に使いながら、
「これがやりたい」というビジネスアイデアを持つ方をリーダーに、
その位置づけや方向性を整理し、まとめあげました。

 

Aグループは、
「私はボランティア活動をしているが、プロと一般市民の間にいるポジションの中で、
それぞれどのような役割をして、どういう技術(サービス)を付ければいいかを知りたい」

という声があがり、森林・林業に関わる、
プロ(専業)、アマ(副業)、アルバイト、ボランティア、一般市民における
各層別のアプローチについてディスカッション。

林業にかかわる様々なステージを生み出し、さらにそれぞれが連携してくことの必要性を発見しました。

(Aグループのアウトプット)

Bグループは、
「地域の美しい地域を残したい、森を伝え守りたい」
という理念を実現するために、エコツーリズムの利益(コンテンツ)づくりに挑戦。
「消費の3要素(必要性、欲求性、物語性)」に基づいて考え、
顧客単価を高めていくアイデアを出し合いました。

(Bグループの発表)

 

Cグループは、

「森林や自然環境をいかして、一般的な教育とは違う、森のようちえんをやってみたい」
という提案から、「3C(自社、競合、顧客)」のフレームを使って、
そのサービスは普通の義務教育や塾とどう違うのか、顧客となるのはどのような人か?を分析。

結論として、「顧客」でありながら、「競合」にもなりうるのは保護者であり、
保護者の理解や協力を得ることで、「自社」の仲間にもなっていくという、
教育ならではの課題や可能性が浮かび上がってきました。

(Cグループのアウトプット)

 

Dグループは
森に関わるNPOの持続性がテーマで、
こちらも3Cのフレームを用いて、
自社の商品、競合、顧客を、「既存と新規」に分けて、可能性を探りました。

(Dグループの発表)

 

このワークショップを通して、

1)ビジネスフレームを覚えるだけでなく、実践におおいに生かしていただきたいこと

2)所属や職業を超えたディスカション、交流により新たなアイデアが生まれること

 

この2つをお伝えできれば幸いです。

 

終了後、議論やアイデア出しにとどまらず、次の「実行」ステップへ進みたい!
というご意見も頂戴しました。

 

今回の経験をおおいに活用していただき、受講者の皆様のビジネスが発展していくことを、期待いたします。

我々も多くの学び、気づきを得た研修となりました。
関係者の皆様、誠にありがとうございました。

若い人材が多く、意欲的に活動を展開されている釜石地方森林組合様。
また必ず、釜石を訪れたいと思います。

 

Posted by admin on 日曜日 10月 25, 2015 Under pick up, すべての記事, セミナー報告, 講演・研修、コーディネーター, 講演&研修 報告

 

国産材ビジネスセミナーin東京も、今年度第3回目の開催となり、

今回のテーマは林業(川上)から下って、製材業・木材流通業です。

 

まずは基礎編のレクチャー。

「4寸角3m杉の柱を100本挽くとき、原木は何㎥必要ですか?」

といったクイズ形式で、製材において重要な「歩留まり」の考え方を学びました。

 

そこには、

・製品歩留まり(体積)

・原木歩留まり(欠品率)

・山林歩留まり(立木品質)

 

という3つの歩留まりを考える必要があります。

単純に体積を掛け算していくだけではなく、
実際には原木段階での欠品や、
山林において利用できる立木の比率など、

現実に即した計算が必要になります。

 

いかに歩留まりを高めていくか、
製材という仕事の奥深さを感じていただけたのではないでしょうか。

 

つづいて、木材流通に関して、

大きく3パターンに分けられる流通構造や、
マーケティングのトレンドについてお伝えしました。

 

そして今回、とくに参加者からのご期待が高かったのが、ゲスト講座です。

特別ゲストとして、株式会社インテレクツ 代表取締役  茨木 康雄 氏 をお招きし、

輸入材の流通構造や世界のマーケットについてご講演をいただきました。

 

茨木氏は、ナイス・カナダ代表、Trans-Pacific Trading代表を歴任し、
国内外で長年にわたり木材の製品開発、流通開拓を手掛けたスペシャリストです。

現在は流通をサポートする情報(IT)システムサービスを手掛けておられます。

 

「外材に押されて国産材がだめになった」論がよくきかれますが、本当にそうでしょうか?
そもそも「外材」とは何でしょうか?

海外のメーカーや外材の流通構造、ビジネスルールを知って初めて、国産材の経営戦略も分かるはずです。
(たとえばどんなプレーヤーがいるのか知らないままに「外材」とひとくくりにして語ることは、「太郎vsマイケル」の試合を「太郎vsカナダ人」というあいまいな仮定で作戦会議しているのと同じです。)

 

 

まず会場を驚かせたのは、

「外材は負けです、外材に勝ち目はない」

 

という、冒頭の茨木様のお言葉でした。

 

その意味について、輸入材流通の基本や実情を交えてご解説いただきました。

 

以下、茨木様のご講演をもとに、弊社で3つの切り口から整理させていただきます。

 

【1】そもそも誰と戦っているの?~外材とは何か~

①どこの国?

森林・林業白書にも公表されている、日本の主な木材(用材)供給元を見れば、

2013年は

・国産材28.8%

輸入材は、

・米材(アメリカ、カナダ)18.9%

・欧州材9.1%

・南洋材8.7%

・北洋材(ロシア)3.3%

・その他31.6%

 

となっています。

まずは「どこの国」から輸入しているのか、知っておきましょう。

また、

木材輸入量を見れば、2003年から2013年にかけて、丸太は約12,600㎥から約450㎥に減少、製材品も約1,400万㎥から約1,200万㎥に減少しています。
輸入材のシェアは下がってきていることが分かります。

 

(表:林野庁HPより転載
http://www.rinya.maff.go.jp/j/kikaku/hakusyo/26hakusyo_h/material/m04.html)

 

②世界の主要プレーヤーは?

国内の主要な製材メーカーの名前は、ご存知の方も多いと思います。

いっぽう、海外はいかがでしょうか?

 

製材量の世界ランキングを見ると、

1位 West Fraser Timber(カナダ):790万㎥
2位 Canfor(カナダ):690万㎥
3位 Weyehaeuser(アメリカ):645万㎥
4位 Stora Enso(フィンランド):596万㎥
5位 Georgia Pacific(アメリカ):430万㎥

となっています。

それぞれに樹種や得意な製品も異なります。

プレーヤーを知ることで、より具体的に「外材」をイメージすることができます。

ちなみに日本企業では、23位に中国木材(160万㎥)がランクインしています。

 

【2】「外材神話」は本当??

なぜ国産材が輸入材に負けたのか、を論ずるときに、

「外材(輸入材)は、品質がよく、納期がばっちりで、価格も安いから!」

といわれます。

 

しかしこれは、誰の目線から見るかで変わってきます。

実際に、木材輸入商社からすると、
輸入材も、注文したものが納期通りに来ない、規格外のものが混ざっている、傷んでいるということがあります。長期間のビジネスなので多額の資金も必要です。

また船で輸送してくるため、実際には注文してから半年かかって納品され、現金の回収に一年掛かります。国内に膨大なストックを持つことで、納期対応が可能となるのです。

価格については、為替の変動により読めない部分が大きくなっています。

改めて実情を見てみると、従来は日本の「商社」の力により、
安定的に供給されていた部分がある、ということが窺えます。

 

しかしもちろん、世界のトップ製材メーカーは、
最新の機械を導入した品質の向上、輸出先の動向を見極めたマーケティング、
さらには林業分野でも低コスト化をはかるなど、

日々の経営努力を怠っていません。

 

茨木様からは、そのような海外の林業や製材の映像を交えて、

最新の取り組みについてご紹介いただきました。

 

 【3】世界から見た「日本」

最後に、世界から見た日本というマーケットを考えました。

今、たとえばカナダから輸出されている針葉樹のうち、
日本向けに出荷されているものは、そのシェアわずか5%です。

この決して大きくないマーケットを、
世界はどのように見ているのでしょうか。

視点①「為替」・・・円安により、日本への輸出は不利になってきています。
視点②「日本のマーケット縮小」・・・住宅着工棟数が減り、日本の木材需要は増える見込みが低い状況です。
視点③「日本人はうるさい?」・・・輸入の単位が細かく、また品質や顧客対応についても注文が多い、といわれるそうです。

このことから見て、冒頭の「外材に勝ち目はない」という表現になります。

逆にいえば、
「よほど円高にならな限り、国産材のシェアは伸びていきます」

と解説されました。

国産材にとってのチャンス到来と言えるかもしれません。

しかし、輸入材も含めてどの市場に、どんな製品を送り込めば勝てるのか、そのQCDはどうか、
明確なイメージを持って、その見極めをすることが重要と感じました。

 

まとめますと、

★そもそも誰が競合なのか?競合の強みと弱みはなにか?正しく認識しよう!
★そのうえで市場性(マーケット)がどこにあるか把握し、チャンスをつかみ取れ!!

ということを、強く感じたご講演でした。

 

★★★受講者の声★★★

・国産材にチャンスがあることには驚いた。欧米が、日本のマーケットに将来がないと言える根拠もわかり勉強になった。外材の方が納期がしっかりしており、品質も一定であると聞いていたが、今日話を聞き、納期まで時間がかかったり注文したものが入ってなかったりするなどの問題があるということがわかった。(学生)

・外材についてはいろいろと話を聞かされるが、扱っている人から話を聞けたのはものすごく興味深かったし、ありがたい機会だった。(林業)

・日本における北米、欧州の外材の率が減ってきていることが意外でした。商社の在庫により、日本国内での納期が早いということにもおどろきました。(会社員)

・外材輸入のリアルな話をうかがえて目からウロコな気分でした。どこも薄い利幅の中で激しく競り合っていると実感しました。(行政)

・貿易事情は耳にすることが全くなかったので、イメージがほとんど先行していました。今回そのイメージが間違いだらけだったことを認識できました。世間に流れている外材イメージは現状とは全く違うこと、本当に驚きでした。(学生)

・何から何まで目からウロコ、外材のリアルをここまで見せていただき、感謝感激です。日本の需要が大きく、商社に十分な余力があり円高だった時代と、現在、未来とでは事情がまったく違う。それがよく分かりました。輸出産業を守るために円安を続けると、アジア諸国との競合でも日本は買い負ける。(会社員)

・「外材に勝ち目がない」とおっしゃっていたのが驚きでした。日本へのマーケットが5%、納期の話が印象的でした。(林業)

・外材に勝ち目はないとのことであったが、海外から見た日本のマーケットが小さいこと、中国が伸びてきていること、日本の需要が伸びないことが予想できる。そのうえ要望が多い。こういったことから、日本とやりとりするのが面倒だと思われているのが本質なんだろうと思った。だからこそ、日本人は本当の競争相手を知った上で、適切な価格を追求していく姿勢を見せていくことが大切なのだと感じさせられた。(学生)

・外材は品質、納期がしっかりしているというのは、商社が在庫するからであって、輸出側は意外と適当であったというのは驚きだった。貿易に関する知識がほとんど自分にはないので、競争相手を知るためにも勉強しなければと感じた。(行政)

 

★次回告知★
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

国産材ビジネスセミナー第4回
「ニッポンの住宅動向からバイオマスまで」

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

・プレミアムなメーカーを目指す、製材業の方!
・時代に求められるコーディネーターになりたい、木材流通業の方!
・販路開拓を目指す林業会社の方にも!

■日時:12月12日(土)14:00~18:00 +懇親会

■場所 東京都内(詳細後日)

テーマ:「ニッポンの住宅動向からバイオマスまで」

●日本の住宅動向
・住宅10ニーズ
・国産材利用工務店の営業ノウハウ
・公共物件、マンション、リノベーション
・新たな需要、バイオマス

●経営マーケティング 実践編
・B to B / B to C 営業とは何か
・チラシ作成のポイント
・行列をなす地域ブランド工務店の作り方

●話題提供
世界の木材ニーズ~香港を事例に~

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■受講料:おひとり様13,000円(税込)/学生  6,500円(税込)

■お申込みについて
ご参加をご希望される方は、メール(info@chiikino.jp)にて
以下の項目をお知らせください。

1)お名前
2)ご所属
3) お電話番号
4)メールアドレス
5)懇親会へのご出欠

お申し込み後、折り返しお支払方法をご案内させていただきます。

Posted by admin on 土曜日 10月 17, 2015 Under pick up, すべての記事, セミナー報告, 国産材ビジネスセミナー(東京)

 

 

第4回産地共催交流セミナー(7/31-8/1)の出展を終え、振り返りを兼ねて

8月度の経営実践研究会 in 大阪を、開催いたしました。

 

■8月度のメニュー

1)選ばれる工務店とは何か?~住宅10ニーズ×国産材~

2)産地共催交流セミナー振り返り

3)clubプレミアム国産材の「物流」と「工務店連携」

4)集客&営業トークのポイント

5)日本林業&製材のリアル!~地域性、時代性から、地域ブランドを分析~

 

この中から、今月のハイライトをご紹介いたします。

 

==============================

【1】選ばれる工務店とは何か?~住宅10ニーズ×国産材~

家づくりにおいて、施主がもとめるポイント(ニーズ)とは何でしょうか?

「駅から徒歩10分が良い!」「あの学校に子供を通わせられる学区内に住みたい!」
「第一に安心安全!」「保障やアフターフォローも気になる!」「この営業マンのオススメなら、間違いない!」

などなど・・・

建物そのものデザインや間取り以外にも、住まい・暮らしに係る多様なニーズがあり、優先順位は人それぞれです。
そのなかでどの部分を自社の強みとするのか、
また顧客ニーズを満たす営業&展開とはいかに?

①住宅10「ニーズ」
②顧客の「ポテンシャル」
③家づくりの「タイミング」

この3要素を考慮することで、
「お施主様へのメリット」が伝わる提案が可能となります。

では、工務店施主ニーズを満たすための支援として、
国産材メーカー、産地ができることとはいかに?

メーカーと工務店が同じ席に集う、
川上~川下一気通貫マーケティング研究会の場をいかし、
今後の連携や展開について、ディスカッションしました。

 

==============================

【2】 日本林業&製材のリアル!~地域性、時代性から、地域ブランドを分析~

 

 

世界と日本、天然林と人工林、時代や地域で異なる、森林の樹種構成や用途の割合、
産地の知名度、製材工場の数や分布など・・・

林業、木材業の地域ブランドを知る上で、いくつの切り口があるでしょうか。

今回の研究会では、統計グラフを元に、
日本国内の林業産地の特色を、クイズ形式でご紹介しました。

著名な老舗林業産地が、ブランド産地といわれる所以は何か、それは、

「天井板といえば、秋田杉」
「樽丸と言えば、吉野杉」
「床柱と言えば、北山杉」

 

というように、

「使い方」があってこそ、
はじめて素材価値としてのブランド産地へ発展してきたことが分かります。

川上からも「使い方」を提案し、「代表的使用事例」を確立させることで、
自らの産地をブランディング出来るということです。

今回は、定量化できる資源量や生産量、気象条件といった数字に加え
そこにしかない歴史、物語、人など・・・

比較の切り口を見つけることで、
それぞれの産地の特徴を見出すことができ、自社の差別化に繋がります。

ただの国産材では終わらない、国産材第二世代として、
あなたの産地ブランドは、次はどこへ展開しますか?

 

次回の大阪経営実践研究会では、
あらためて産地ブランドの表現方法についてレクチャーをいたします。

初めての方の無料体験も実施しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

==============================

★告知★

9月度 ・・・ 9月26日(土)
10月度 ・・・ 10月23日(金)
11月度 ・・・ 11月23-24日(月-火)【現地研修】
12月度 ・・・ 12月18日(金)

■会場:大阪市内ほか

■講師:古川大輔 ほかゲスト講師

■料金:各回20,000円(税別)

 

==============================

Posted by admin on 金曜日 8月 21, 2015 Under pick up, すべての記事, セミナー報告, 経営実践研究会[国産材ビジネススクール](大阪)

第2回 国産材ビジネスセミナーを開催しました。

この東京で開催するセミナーの特徴は、参加者のみなさまの顔ぶれです。

 

林業・木材関係者のみならず、新たに業界参入したい異業界の方、
また「実家が製材業をやっている」という後継者の方(現在は東京で異業種にお勤め)、
はるばる東北から熱心に参加くださる学生の方など、

今回もバラエティに富んだメンバーとなりました。

 

まずは入門編として、日本林業の「多様性」を、数字と写真で読み解く、岩井講座から。

日本の林業と言えば、多くの方は「スギを大量に植えて大量に伐る」というイメージをお持ちではないでしょうか?

そこには、意外な真実、

統計で見える事実「truth」と、さまざまな現場で出会う「リアル」があります。

その一部をご紹介します。

 

★日本林業の「truth」★

さてクイズです、

これは都道府県別に、ある4つの樹種の素材生産量(H25年度)をそれぞれ示したものですが、
この数字だけを見ても、全国一律に木材が生産されているわけではなく、
地域により非常に多様性があることが分かります。

さて、いったい何でしょうか?

ヒント:いずれも針葉樹です

 

★日本林業のリアル★

お仕事の中で、全国各地の林業地を訪問させていただきます。

その現場から写真の数々をご紹介。

樹種もいろいろ、日本三大美林の青森ヒバ、秋田杉、木曽桧、

また同じ「杉」でも、吉野杉、天竜杉、北山杉・・・などと、

農産物に「●●牛」とブランドがあるように、林業にも数々のブランドがあります。

 

ボリュームももちろん大切ですが、
この多様性と、品質を伝えていくことこそが、日本の林業を元気にしていくことと考えます。

 

お伝えしたい事は2つ。

★統計数値はだれでも手に入る時代。自分で加工して、統計的truthからオリジナルのrealを見つけよう

★数字だけでは見えてこない、面白さが現場にある!自分の足で、各地の林業を見よう!

 

 

つづいて古川からは、マーケティング入門編。

異業界なら当たり前に知られているフレームも、林業界に落とし込むとどうなるか?

 

たとえば、Aが売れるとBも売れる、という関係性にあるものを「補完財」といいます。

例:パンが売れるとジャムが売れる

単品ではなかなか売り方が思いつかない「枝付干しぶどう」。
風味を生かして、●●ワインと合せて飲むと美味しい!といった売り方ができます。

また単品では1皿しか売れないたこ焼き も、お酒と提供することで、客単価をアップすることができます。

 

木だけ売る時代は終わり、木+αの空間をセットで提案していく、
そんなヒントも見えてきます。

 

林業市場規模は、日本経済全体の中でどのような位置づけかといった比較、そしてマーケティング手法を含めて、
異業界に多くのヒントがあります。

 

★林業界だけを見ずに、 広く世界を見よう!

 

ということも、お伝えしたい事の一つです。

 

また、林業会社がサービス業として顧客に求めらるものとは何か?

実際に林業に従事されている参加者からのご意見も交えながら

「3つの切り口」として整理をさせていただきました。

 

仕入れ先も、販売先も顧客である = 顧客が2人いる

という林業サービス業の特殊性を理解すると、高めていくべき力が何か、見えてきます。

 

 

 

日本には非常に多様な森があり、そこから多様な商品が生まれている。

 

あらためて、森と連動した商品の「規格」をつくり、

価値を高める「企画」を売っていくこと。

 

次回以降のセミナーでも、みなさまと一緒に考えていきたいと思います。

 

★★★お客様の声★★★

「林業の全体像を数字や写真等でわかりやすく学べました。林業に様々な産地・ブランドがあることを知りませんでした。」・・・(ハウスメーカーA様)

「学校ではビジネスについては教えてくれないので、真新しいことばかりでした。」・・・(大学生B様)

「自分の知っている数字を別の視点で見せてもらって面白い。」・・・(製造業C様)

「マーケティング自体をあまり勉強してこなかったので参考になりました。一般論と林業を比較した時のマーケティングの共通点、相違点が整理されるとなお理解できそう」・・・(投資関係D様)

 

 

★次回告知★
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

国産材ビジネスセミナー第3回
「意外と知らない大事な仕事:製材業・木材流通業」

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

・プレミアムなメーカーを目指す、製材業の方!
・時代に求められるコーディネーターになりたい、木材流通業の方!
・販路開拓を目指す林業会社の方にも!

■日時:10月17日(土)14:00~18:00 +懇親会

■場所 東京都内(詳細後日)

テーマ:「日本林業のリアル!」

●意外と知らない大事な仕事:製材業・木材流通業
・製材業とは、木材流通業とは何か?
・木取、歩留まり
・3つの流通パターン:木材商流の基本

●経営マーケティング 基礎編
・QCDと木材マーケティング
・企業ブランディングとは何か
・選ばれる「産地ブランド、製品メーカー、材木屋」5つのヒント

●ゲスト講座
・外国産材を知ろう!

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■受講料:おひとり様13,000円(税込)/学生  6,500円(税込)

■お申込みについて
ご参加をご希望される方は、メール(info@chiikino.jp)にて
以下の項目をお知らせください。

1)お名前
2)ご所属
3) お電話番号
4)メールアドレス
5)懇親会へのご出欠

お申し込み後、折り返しお支払方法をご案内させていただきます。

 

Posted by admin on 土曜日 8月 8, 2015 Under pick up, すべての記事, セミナー報告, 国産材ビジネスセミナー(東京)

 

4回目を迎えました、産地共催交流セミナー「国産に、こだわる。さあ、集結!」

7/31(金)大阪会場、8/1(土)東京会場と、2日間にわたり開催いたしました。
前回より新たな産地も参加し、12社の共演。

受講者は、工務店、設計事務所、インテリア、リフォーム、木材流通、一般、学生までさまざま。
それぞれの立場で、国産材に熱い視線を注ぐみなさまです。

2年前 、ジャパンホーム&ビルディングショーで注目を集めたclubプレミアム国産材の再集結に、
会場の期待が高まります!

 

clubプレミアム国産材主幹の古川よりご挨拶のあと、各社のプレゼンテーションを開始!

10分感の限られた時間の中で、各社が産地の物語、イチオシ商品、
工務店とともに行う施主サービスまで、情報満載でお届けしました。

 

トップバッターは佐用上月より、義弘林業 。

「山守が伐って、山守が届けるフローリング」をコンセプトに、

伐採から製材加工まで一貫して、、代表の吉田さま自身が責任を持って管理した、究極のトレーサビリティをアピール。
丁寧に枝打ちをされた優良材のヒノキを、立木の状態からナンバリング。

できあがった無節ヒノキフローリングは、どこの山で育って、誰が伐り、誰が挽いたか、すべてわかる、
プレミアムな物語が詰まった逸品です。

 

 

続いて、岡山西粟倉からは、㈱西粟倉・森の学校 。

「日本初、自分でつくる人のための材木屋」を掲げる、
DIYのための新ブランド「みんなの材木屋」をご紹介。

新たに仲間入りした一年目ルーキー・羽田知弘氏が、村の期待を背負って登場です。

リノベーション部材としてお馴染みとなった「ユカハリ」シリーズに加え、
施主自らが「自分で触れたい、使いたい」と思える商品開発への歩みを紹介いただきました。

都市部のオフィス、マンションリノベに、今熱いイチオシ商品です!

 

 

兵庫播州からは、木原木材店 。
「丸棒加工」を得意とし、あらゆる径級の足場丸太や土木用材を製造しながら、

最近ではアパレルショップの内装や店舗での丸棒利用など、
新たな木の可能性を開拓しています。

加えて突板内装シートのご提案で、木のある暮らしをトータルにご提案。

「間伐材マイスター」の法被姿が印象的です。

 

 

信州松本からは、林友ハウス工業株式会社 。
美しい信州落葉松の風景と共に、カラマツ材を使用したT&Tパネルが登場。

外壁に木を張る、そのハードルを越える、木の壁の価値を、
湘南地域で愛用された豊富な事例を交えて力説頂きました。

カラマツのみならず、松枯れ被害を受けた青が入ったアカマツ材を、
逆転の発想で「ブルーステイン」としていかす取り組みもご紹介。

信州の林業、製材、建築、家具職人が連携したソマミチプロジェクトにも注目です。

 

 

家具の町・福岡県大川市からは、今回初参戦となる株式会社ウエキ産業 。

国産材100%、原木仕入から一貫した製造体制を持ち、
建具から内装材まで空間をトータルにコーディネートできるメーカーとして、
杉の表情をいかしたドアの数々をご紹介。

 

 

高野山からは、「高野霊木」を搬出する高野山寺領森林組合 。

普段は林業現場ではたらく田嶌氏から、
開創1200年を迎えた高野山で、総本山・金剛峰寺の所有山林から生まれた「高野霊木」について、
空海の教えを汲む森づくりの理念と、現代の空間に合わせた「ミニ床の間」などの
新たな使い方をご提案いただきました。

 

 

吉野林業発祥の地、奈良県吉野郡川上村からは、川上さぷり(川上産吉野材販売促進協同組合) 。

500年の伝統ある吉野材の品質と品格、を次世代に繋ぐ、
その想いが込められた、赤身幅広フローリングは、まさにプレミアム材。

吉野林業再生に取り組む「吉野かわかみ社中」の紹介もあり、
熱のこもったプレゼンテーションとなりました。

 

 

三重熊野からは、野地木材工業株式会社 。

みずから”僻地(へきち)”と呼ぶ、都市から離れた立地で戦うメーカーとして、
「頼まれたら断らない、何でもやる、あらゆる製品を作る」が基本スタンス。

品質管理を徹底して行うシビアな会社姿勢とは逆に、
専務の野地氏による軽快なトークに、会場は爆笑の渦に包まれました。

 

 

島根県・出雲石見からは、竹下木材有限会社 。

今では希少となった「地松」が豊富にある、山陰地方の森林資源をいかし、
地松ひとすじに、その強みを生かし、弱点を克服する技術を完成させました。

横架材からフローリングまで、高品質な商品をご紹介。
コーポレートカラーの紫色も印象的です!

 

 

高知県・土佐嶺北からは、木工メーカー&地域商社のばうむ合同会社 。

平成元年生まれという営業担当・藤川氏により、元気良いプレゼンテーション。

「もくレース」などで知られる得意のレーザー加工技術をいかし、
住宅の装飾として、低コストで実現可能な「欄間」やデザイン建具をご提案されました。

また、なんと「焼酎」もつくっているというばうむ。
第一次産業を応援する地域商社として、本格玄米焼酎「天空の郷」も要チェックです!

 

 

二日目の東京会場では、富士山麓から、FUJI HINOKI MADE。
代表して影山木材株式会社  が登場。

富士山麓の裾野に、意外や広大な檜人工林が広がる様子を、
美しいPVと詳細な地形図で開設され、その豊富な資源量をいかした、新たなブランドの誕生を印象付けました。

施主と共に大黒柱を伐採する「木魂祭」のストーリーが、共感を呼びました。

 

 

岐阜県東濃は東白川からは、株式会社山共 。

「今日は社長の代打で参りました」という安江氏から、

東京オリンピックに照準を絞り、国産材メーカーとして「最強の原材料供給会社を目指す!」という宣言。

実際に都内の随所で使用された自社製品の事例を豊富に紹介し、
都市空間でいかに木が利用できるか、大いに想像力が膨らみました。

 

大阪・東京の両日とも、プレゼンの合間には、休憩&交流タイムを設けました。

各社のブースに、来場者が殺到し、
一分一秒を惜しんで、メーカーとの情報交換がさかんに行われました。

まさに、12社のメーカー担当者から”生の声”を聞き、商品に触れらるチャンスが、半日で実現!
これこそ、プレミアム国産材と出会える、類を見ないイベントと言えるのではないでしょうか。

 

そして締めくくりは、ゲスト工務店による特別講演となりました。

 

 

大阪会場は、有限会社六車工務店 代表・六車誠二氏によるご講演。
「今、国産材にこだわる理由。若杉活用軸組構法の挑戦」。

日本建築の技術を繋ぐために、なぜ国産材、無垢材なのか。
「山とシンクロする建築」 をキーワードに、戦後植林の材を活かす新たな構法の開発や、
コンクリートとのハイブリッド、プレファブ構法など、あくなき挑戦の数々をご紹介いただきました。

 

 

東京会場は、株式会社井上工務店/飛騨五木株式会社より、企画研究室・井上博成氏によるご講演。

「建築、バイオマス、家具小物まで。飛騨五木のライフスタイル展開」と題し、
地域材を中心に展開するビジネスモデルについて、ご解説いただきました。

工務店が林業、製材や不動産、信託会社と連携することで、
地域材の価値を最大限に高めていく、そのために、

・カスケード利用による価値最大化
・出口戦略
・ ゆるやかな垂直連携

が重要であると、実践者のお言葉をいただきました。

また「飛騨五木」(スギ、ヒノキ、クリ、ケヤキ、ヒメコマツ)ブランド化の取り組みとして、

レコーディングしたばかりという、「飛騨五木の唄」も披露され、会場をなごませました。

 

 

最後に、セミナーのまとめは、弊社古川が務めさせていただきました。

大手ハウスメーカーも国産材に注目し始めた近年、
理念共感を重視する時代が終わり、次なる「国産材第二世代」に求められる展開とは何か。

山の資源に合わせた『規格』=【品質、価格、納期】とともに、
ユーザーとの接点を想像していく『企画』=『ストーリー』

 

その『規格』と『企画』が求められる時代であると、締めくくりました。

 

※内容の一部は、「建築士」8月号に寄稿させていただいております。

 

最後になりましたが、猛暑の中、足をお運びいただいた受講者様、この日のために準備を重ね出展いただいたメーカー各社様、
関係者の皆様に心より御礼申し上げます。

引き続き、clubプレミアム国産材の今後の展開にご注目ください!

■Club プレミアム国産材公式ホームページはこちら
http://club-premium-wood.jp

■■■■■セミナー受講者の声!!■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

アンケートを基に、 受講者様からの感想をご紹介させていただきます。
アンケート記入にご協力いただいた参加者のみなさま、誠にありがとうございました。

■工務店にとって、メーカーがすべきことは何かと考える信念が感じられ良かった。

■前回のセミナーとまた違う新たな商品が知ることができ良かった。

■国産材の可能性を知ることができた!!!

■各産地での取組は、林業の活性化に大いに役立っていると感じました。

■普通に生活していて、木材産地の方々とお会いする機会はないので、貴重なイベントだと思います。

■様々な産地の木材を比較できて良かったです。

■色んな産地が集結し、多くの取組が聞けて良かったです。

■若い経営者、担当者からのプレゼンが置く、林産業が今後も継続していく可能性を感じました。新しい技術や価値観と、残していくべき技術や知識が両立されていけば良いですね。

■川上と川下を繋げる取り組みにいつも感動しております。

■有意義でした。私は、木の家づくりをやろうと決めて方向転換してから15年近く経過しますが、気持ちが負けそうな時も何度もありました。しかし今日は良い刺激をいただきました。ありがとうございました。

■これまで林業(産地)の話を聞く機会があまりなかったので、良い勉強になりました。

■製品への思い、山への思いが伝わってきますね。地元だけでなく「ここの木が良い、使いたい!」と思える山づくりというのも、面白いと思いました。

■林業、木材業界が不況の中で、このような立ち位置のセミナーは他に類を見ない。主催者の力量に毎度感心します。

■プレゼン者は皆個性的で、かつ話が聞きやすく、この業界の主役になって盛り上げるプレーヤーに出会える会だった。木材を建材感覚で捉え、法規定が進む中でも、彼らならば十分に生き残っていけそうだと感じた。

■地域の山村資源の活用方法の事例について、様々な産地を比較できたことが非常に参考になりました。

■産地の特徴ある材木を短時間で一度に知れる有意義なセミナーだと思いました。

■国産材第二世代として何が出来るのか、考える機会になりました。

■国産材には、世間を魅了する力があると思います。どんどん発信していきたいと思いました。

■各地域の規格材を知ることが出来たと同時に、これを伝える上での企画提案など各地域の想いが詰まった講演でした。この機会を通じて、各地域の林業を巡りたいと思いました。

■流通業としての役割を再認識しました。脱構造材を目指して取り組んでいきます。付加価値の高い製品をいかに使って行くか。。これが今一番のテーマです。

■本日はありがとうございました。「参加して良かった」という言葉に尽きます!!新入社員の自分ですが、どのように今後PRをしていくべきか、消費者との距離を埋められるか、一生懸命考えたいと思います。

■出展者のメーカーは、材の良さだけでなく、地域の持つ独自性を強調されており、ブランディングとは何かと勉強になりました。

■普段は顔の見えない産地(メーカー)の取組を知る事ができた。流通の中で関心が高まっていけば、取扱いに繋がる可能性を感じた。

■やはり木材業と流通業者の橋渡しとなる「商流」の育成が一つの基本ラインtなり、日々のPR活動により、これが生まれるものと確信しました。

■このようなイベントをもっと各地で開催してほしい。

■国産材比率向上のためにも、今回出展されたメーカー様との取組が必要と思いました。

 

■■■■■受講者の声(記事、ブログ等)■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

★森林ジャーナリスト 田中淳夫様(yahoo!ニュース)
http://bylines.news.yahoo.co.jp/tanakaatsuo/20150803-00048125/

★株式会社雅工舎様
http://mbp-kyoto.com/miyabi-kosha/column/14279/

 

Posted by admin on 土曜日 8月 1, 2015 Under — 産地ブランド・選ばれる林業会社, — 選ばれる製材メーカー, pick up, すべての記事, セミナー報告

昨年から名古屋で開催している、”林業特化型”の経営実践研究会。

「今年もぜひやりたい!」との声で、2015年度も開講となりました。

 

弊社では、林業のみならず異業種も参加する「国産材ビジネスセミナー」(東京)

製材、流通、工務店の経営者を中心に行う「経営実践研究会(国産材ビジネススクール)」(大阪)

を主宰しておりますが、
名古屋では、林業経営に特化して開催しています。

 

経営者の参加者が中心であった昨年度に比べ、
「社員の学びの場に」と、現場リーダーの参加も増えました。

まずは自己紹介&各社報告を行い、各地からの参加者どうし、
最近の課題や進行中のプロジェクトを紹介。

似た課題を抱えている企業同士は、お互いにアドバイス、または
他社の取り組みを参考に「わが社もしよう!」とリアクションがあり、

”遠くの同業者”がつながれるのが、この研究会の価値であると、
改めて感じることができました。

 

今回のメインテーマは、『森林経営と人材育成』。
ゲストとして、各地で森林経営に関するコンサルティングを手掛ける方を講師にお招きし、
近年の林業経営を語る上でポイントとなる、「提案型集約化施業」と「森林経営計画」について学びました。

テーマは

1)そもそも提案型集約化施業とは何か?
2)森林経営計画制度の実情
3)そのための人材育成について

です。

+++++++++++

最近よく耳にする、

「提案型集約化施業」「提案型施業」「集約化施業」「集約化」「団地化」「団地間伐」「森林経営計画」など・・・

よく似た言葉が溢れていますが、
その定義について、正確に説明できる方は少ないのではないでしょうか。

何となく使っている言葉ですが、定義を知り、本質と目的を明らかにすることが重要です。

+++++++++++

そして、「森林経営計画」のリアルについて一挙解説!

「経営計画を作るには、森林組合が有利なのか?」
「実務において、みんなどこに戸惑っているのか、課題は何か。」
「森林施業計画との違いは何か?」

参加者からの率直な質問も飛び出し、

「所有者へ提案時のポイント」や「制度の今後の展開」など、
実務に直結するさまざまなポイントを学びました。

 

現代の林業経営においては、制度に関する情報を掴み、
うまく活用していくことは必要でありますが、

最後はやはり、
制度や補助金に振り回されない、ビジョンを持った経営をしていくという結論に達します。

 

+++++++++++

最後に古川から、

『変わりゆく計画制度下で、林業に求められる「規格」と「企画」の視点とは?』

というテーマでまとめました。

 

戦後造林地も育ちつつあり、資源の状態が変化する中で、
それをいかす製品「規格」と、さらに価値を付加する「企画」の重要性について

林業者がどこまで関われるのか、ヒントを提示いたしました。

 

 

参加者の皆様、ゲスト講師様、今回もありがとうございました。

林業特化型・経営実践研究会in名古屋は、通年の開催を予定しています。
本音で議論できる場づくりを大切にするため、広く募集はしておりませんが、

ご興味のある林業事業体の経営者様は、お問合せいただければ幸いです。

 

≪次回開催のお知らせ≫
日時:9月19日(土)13:00~17:00
場所:名古屋駅周辺

ご興味のある方は、メール(info@chiikino.jp)または
お電話(06-7878-6376)にて、お問い合わせください。

Posted by admin on 土曜日 7月 11, 2015 Under — 産地ブランド・選ばれる林業会社, すべての記事, セミナー報告, 講演&研修 報告