雪の降り積もる長野県塩尻市にて、

県産材利用促進に向けた国産材・地域材マーケティングの講義を致しました。

 

今回の講義は、長野県森林整備加速化・林業再生協議会さま主催の

「信州木の家マイスターステップアップ講座」のうちの一コマとして行いました。

同講座は長野県内の木造建築物の設計や施工に携わる方等を対象に
平成22年度より開催されてきたもので、今回の講義は既にマイスターとして
登録を受けたみなさまの、さらなるステップアップを目指した研修会、

私からは、「信州木の家マイスター」に登録されたみなさまが
県産材利用・普及啓発へ関わっていかれるのにあたり、
マーケティングの基礎~応用編の内容をお伝えしました。

受講者のみなさまは工務店、設計業の方が多く、約30名の方々がお越しくださいました。

【そもそも林業はどんなイメージ?】

まずは、建築・設計の川下側におられる受講者のみなさまへ、
林業に対してどんなイメージをお持ちでしょうか?とご質問を。

全国の産地ごとにも特長がありますが、
県産材の利用促進・普及啓発をする上で、
木材にどんな付加価値をつけて提供できるのでしょうか。

たとえば「ラーメン業と林業」には共通の考え方がある、といったように、他業種との比較も例にあげて
まずは林業とはなんなのか、についてご紹介致しました。

次に、国産材マーケティング&経営戦略の重点項目を中心にマーケティングの基本講義へ。

例えば、ファスト派が8割を占めると言われる
現代の住宅ニーズにおいて、いかに欲求性を付加できるか。

・3C

・消費の三要素

・地と図の関係

・セルフコントラストマーケティング

これらのフレームワークを用いて解説致しました。

また、いかに長期的視点を持って、将来の「こだわり派消費者」を育てられるか。
品質、価格、営業者の強みに、例えば、林業のストーリーを掛け算すること。

木材のある暮らしの提案をコンセプトとして、
産地共催で国産材PRを進めているClub Premium Woodの事例を元にご紹介致しました。

さらに、工務店・設計業からの参加が多かった受講者のみなさまに対して、
木材から提案できる「住宅の10ニーズ」を重点的にお伝えしました。

①    住宅に県産材の利用を進めるには

②    公共施設等に県産材の利用を進めるには

この二つを本講義のテーマと致しましたが、お施主さんに近いみなさまこそが、

消費者のニーズに合わせた木材利用の提案ストックフォルダーを

ご準備いただきたく10の視点をご紹介しました。

【建築・施主にとって地域材の価値とはそもそも何か?】

さらに講義の二日目はマーケティング講座応用編ということで、

①地域材・国産材で住宅の価値を高めるには

②長野県産材(カラマツ等)の特徴を生かすには

 

この二つのメニューを中心として、参加型のワークショップ&講義となりました。

ワークショップの前に、まず事例紹介では「自社の強みの見せ方」について、
地域材へのこだわりを強みとしている企業の事例などを
HPの特長、経営者自らのプレゼン動画を紹介しつつ解説致しました。

【県産材/アカマツ・カラマツでの応用編】

ワークショップ①では、県産材販売における3Cを地域のみなさま目線でたくさん洗い出し、プレゼンしていただきました。

長野県の県産材としてメインとされるアカマツ・カラマツについてはとことん「良いとこ探し」を。

受講者のみなさまからは、改めて県産材のアカマツ・カラマツには
どんな魅力があるのか、多数挙げていただきました。

そしてそれぞれの魅力を三つの要素で分類して、

県産材の①素材力②加工力③サービス力のどこを強化が必要かなどプレゼン&ディスカッション致しました。

二日間に渡る講義で、マーケティングの基礎から、県産材での応用例までを
お伝えしましたが、県産材ならではの強みや、さらに強化すべき点を見つけていただけましたでしょうか。

講義の感想文までいただき、ありがとうございました。

今回お伝えしたフレームや住宅10ニーズについても、

日頃から身の回りで置き換えて使っていただければ幸いです。

長野県のみなさま、受講者のみなさま、誠にありがとうございました。

★感想頂いた方のご紹介★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

2日間にわたる講習ありがとうございました。

林業及び林業に前向きに携わる日本の色々な方々のお話を

広い範囲から、ビジネスの狭いポイントまで包括的にわかりやすくして頂き、

以前よりも少しは理解が進んだと思います。

国産材、地域材をいかに普及させていくかという課題は、

その主語を他に変えても成立する、マーケティングとしての永遠のテーマがありました。

この度、体系的にそのテーマをどう捉え、どう対応していく道があるのか、

様々な手法と一緒に教えて頂けたことは、とてもためになりました。

いま、自分のおかれている立場を鑑みて、教えて頂いた内容を実践にうつすべく

ワークショップのようなことも今後やっていきたいと思いました。

これから先の林業や、他の産業もすべて「人」が支えるものだということ、

今回の講義を受け、さらに痛感し、その人々に必要とされ頼られる存在である古川さんを

見習って頑張りたいと思います。

本日はありがとうございました。

         長野県内  某設計会社 A様

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Posted by admin on 金曜日 1月 17, 2014 Under pick up, すべての記事, 講演&研修 報告


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