京都、北山林業に残る伝統的な伐採技法「本仕込み」。
真夏のこの時期、伐りたての北山杉は人の手でするすると樹皮が剥け、
みずみずしく引き締まった素肌があらわに。
その装いを見ただけで、
幾度も枝打ちをし、丹念に育てられた物語が伝わってきます。
機械による乾燥技術や樹皮剥きの技術が発展していなかった時代、
美しくも力強いこの景色は、北山では「夏」の風物詩でしたが、
今は1組の職人集団のみが成せるものとなりました。
大切に育てられた北山杉は、
数日間の天日乾燥の後、山を降り、磨かれ、私たちの暮らしに届けられます。
これからも大切に残していきたい日本の原風景、日本人の心です。