古川ちいきの総合研究所

 

2017年3月3日(金)は佐賀市にて、
代表の古川が講師を務めさせていただきました。

 

講演のテーマは、
「豊かな森林資源を活かした森ではたらく!これからの地方創生」と題し、
山林所有者、林業、製材業、NPO団体、行政関係等、
約30名の方々にお集まりいただきました。

 

講演の会場は、佐賀市富士町古湯にある富士公民館(フォレスタふじ)。
佐賀の地域産材を使った木組みの天井と木格子が美しく、開放感に溢れる空間でした。

 

 

 

今回も講演では、林業×マーケティングの必要性について、
弊社がプロジェクト支援させていただいている地域での実践事例を交えて紹介し、参加者の方からは、このような感想をいただきました。

 

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■Aさん

マーケティングについては兼ねてより興味があり、書籍などで勉強してきましたが、世間に情報が溢れすぎていて、本質が掴めずにいました。今回の話を聞いてポイントを知ることができ、必要性、欲求性、物語性といった消費の三要素の捉え方、伝え方、バランスの取り方ひとつで、ただの風景や農産物、人に対し価値が生まれ、地域の営みを循環させられるのだと気づきました。やはり、改めてマーケティングは必要ですね。

 

 

■Bさん
違う価値観をもつ人へ、森から”非日常”を与える。非日常や価値観の差異がビジネスになる。日常と非日常のバランスを考える、といったメッセージが非常に参考になりました。

 

 

■Cさん
1つの価値感だけではなく、2つを組み合わせる。
コンセプト=”こうしたい”と思うこと、これを何年も継続ことが大切と思いました。今回、講演のテーマは林業でしたが、私は現在、公共施設関連の仕事に関わっており、施設を使った企画をどう立てていくのか、自分自身の仕事へのヒントをもらったような気がします。ありがとうございました。

 

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質疑応答の時間では、佐賀市内で農業を営む男性から、
「私は都市出身で、エコロジー思考に動かされて佐賀市へ移住して、農業をやっています。しかし、コンセプトはあっても売り方が分からない。都会の人がどのようなことを求めているのか?それを探りたいです。」

 

といった質問を受け、古川からは、

 

①百貨店、繁華街に足を運び、常に「市場のニーズ」を知ること。

②都会と自分の地域での「交流人口」を創出すること。

 

と、2つのポイントをお伝えしました。

 

移住当初はソトモノ目線で新鮮に映った地域での暮らしも、
時が経つ中で、自分にとっての日常へ変化します。

そのような中で、例えば定期的に、
移住や農業に興味あるソトモノ対象の体験型ツアーを企画すること、

 

このように、非日常感覚で地域を見る人との接点を持つことで、
かつて自分自身がソトモノだった頃の視点を振り返って、
どのような非日常に対し価値を認めてもらえるのか、知ることができます。

 

さらに、新たな交流接点を作ることで、
その地域のファンができ、農産物を買ってくれる顧客にも繋がります。

 

これは農業に限らず、林業でも、地域でのシゴト全般に言えるポイントですね。

今回の講演の内容をヒントに活用いただければ幸いです。

 

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なお、この度の講演は、佐賀市の地域おこし協力隊のKさんからの依頼で企画された内容でした。
参加いただいた皆様に感謝すると共に、このような機会を設けて下さったKさんに、重ねて御礼申し上げます。

 

 

最後に、会場の入り口付近に面白い展示物を見つけました。こちらは、5290年前の土埋木から作られた榧(カヤ)の将棋盤。
1997年3月、富士町上無津呂の林道工事現場から出土して、炭素年代測定の結果、
縄文時代前期に埋没した樹木であることが明らかになったそうです。

 

 

 

出土した時、とても状態がよかったことから、
製材してみると、見事に木目が表れたのだと教えていただきました。

 

木材では、表面的に見ると朽ちているような状態であっても、
製材加工によって驚くほど美しい木目が表れ、再び命を吹き返す素材のチカラは計り知れません。

 

このように、素材から最終商品ができるまで、長い歴史と目くるめく変化がありますが、
林業木材業の魅力であり面白さであると、
今回の講演を通じて、それぞれのシゴトについて考える機会としていただければ幸いです。

 

Posted by wpmaster on 金曜日 3月 3, 2017 Under pick up, すべての記事, 講演・研修、コーディネーター, 講演&研修 報告
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