このたび、現役最年少市長(29歳)がいる美濃加茂市からのご依頼で、山之上地区のまちづくり協議会設立総会にて、まちづくりに関する基調講演をさせて頂きました。もともと8年前、弊社代表が講演したこともあり、そのご縁で約7年ぶりの訪問。(だいぶ昔ですが覚えていて連絡頂いた役所職員に感謝です)。また先日は、市長と一度ご面談をさせて頂きましたが、さすが若く、熱い方であるのみならず、市政全体の眺望感やその具体的アクションにかかるイメージの共有を内外に非常に積極的になされており、その中でも、美濃加茂市の北部山間地域の活性化も一つの柱として力を入れておられ、市長室での話もだいぶ盛り上がりました。

本日は、10月の三和地区に続き、山之上地区での講演となりまして、また講演前の午後には地域を廻らせて頂きました。

 

ここ岐阜県美濃加茂市の山之上地区は、濃尾平野の北部地域ともいえ、昭和初期に、雑木林を開墾して作った農園が広がる地域。名古屋商圏に仕事にゆくファミリー層も暮しており、農家と非農家と色々な方々が住まう地域です。

ここから「山之上町」

景色は美しき谷戸地形からなる里山風景もあり、そこにはNPO団体が景観づくりの一環で除草を目的にヤギを放し飼いにしているそうですが、いざ出逢うとなぜか、ほっこりしてしまいます。

 

田んぼと畑が広がる谷戸地形の風景

 

のんびりと風景に溶け込むヤギたち。わかりますか?

 

講演前に梨農園にお伺いしましたが、時期ももう遅く、いまは「愛宕(あたご)」というヒト玉がとても大きな贈答用の梨を作っている時期でした。後継者問題はもちろん、農家の所得向上や担い手育成という大きなテーマは全国共通ですが、やはり「仕方なく梨農園を閉めざるを得ない」という現実も色々と教えて頂きました。

 

たわわに実る「愛宕(あたご)」という梨

 

そのまま管理せずにいると病気や虫がやってくるので伐り倒さねばならない(もと梨農園)

 

古川の講演では、京王沿線の「稲城の梨農家」の事例をお伝えし、都市周辺(郊外立地)の梨農園の頑張りというものを紹介させて頂きながら、わずかに残った農家とともに「経営(経済)」と「風景(理念)」の話しを展開。そして「ドラマあまちゃん」「となりのトトロ」など身近なところから、まちづくりの本質における、いくつかのテーマ(フレーム)をお話しさせて頂きました。また、奈良県川上村、京都北山など他の地域の事例なども写真を見せながら、お話をさせて頂き、自分軸を都市と農村、日常と非日常とどこに置くのかといった問いを投げかけながら、身近な話を踏まえて、自分たちの地域だったらどうすべきだろうと、考えて頂く講演内容となりました。

また、まちづくりは、まずは、時間軸をどう切るかが大事。たとえば、景観10年、風景100年、風土1000年という時間の流れがあるなかで長期のビジョンを構築しながら、まずは、自分の人生、自分の家族を中心としたマイビジョンを創る事。そこから、生活基盤(安心と安全)、社会基盤(地域コミュニティ)、経済基盤(ちいさなビジネス)をどう作っていくかというビジョンを作っていくことの必要性もお伝えしました。

 

アンケートを見ると「前向き」な方が多く、それぞれに「やりたい!」を実現していく人たちが多くいるようにも感じられました。形式ばらず、肩ひじ張らず、楽しく、進めていければとその中で、コーディネーター的な存在としてお役にたてるのであれば、幸いです。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

 

ということで、おいしい梨を二つ買って帰りました!

買ったのは新高(にいたか)という種類、甘くておいしかった!

 

 

Posted by admin on 土曜日 11月 16, 2013 Under — ちいきの地域, pick up, すべての記事, 講演&研修 報告
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