令和8年8月7日、みえ森林・林業アカデミーにて、弊社代表の古川が講義をさせていただきました。
毎年、お声掛けいただいている本講義。毎年、様々な業界からも参加され、東京や名古屋から通うかたもいるアカデミー。今年も、マーケティングをはじめ、経営、理念設計、森林ビジネスなどについて、全国の地域の林業最新情報も含め、11:10~17:00までお昼休みを挟み、たっぷりとお話し&ワーク(マーケティングクイズ)させていただきました。

目次
マーケティングの前に、自分とは何か
マーケティングというと、商品をどう売るか、どう発信するか、どう集客するか、という「手法」だと思われがちです。
しかし、その前に大切なのは経営の前提となる「自分とは何か」に向き合うことです。
・価値観
・情熱方程式
・人生と仕事
・理念と利益
古川がさまざまな地域に向き合う中で見出してきた”ちいきのメソッド”を紹介しました。
そのうえで、「自分についてシンプルに、印象的に伝える」フレーム「1分間スピーチ」を発表していただきました。
講義では、毎年恒例の「1分間スピーチ」。
自分は何者で、何をしていて、なぜ選ばれるのか。
そして、聞き手にどのような行動を起こしてほしいのか。
短い時間で自分の価値を伝えることは、ビジネスにおいてとても重要です。
林業や木材業は、技術や経験が重視される一方で、その価値を外部に伝えることが苦手な業界でもあります。
しかし、どれほど良い技術や商品があっても、伝わらなければ選ばれません。
受講生の皆さまにも実際に発表していただきながら、自分の仕事を言葉にすること、相手に伝わる形に整えることの大切さを体感していただきました。

自分の価値観の源、情熱方程式を見つめたうえでの自己紹介。
今回の受講生は、林業や国産材家具製造業をはじめ、農業やリラクゼーションサロンや飲食業経営、マルシェ開催などの個人事業主の方々など、多種多様だったことも相まって、端的でポイントを押さえながらも内容の濃い、質の高い1分間スピーチ発表となりました。
「経営」とは?
「経営」と一言でいいますが、そこには本当にたくさんの要素が含まれます。
「経営9フレーム」は、そんな経営を構成する要素を整理した古川(総研)オリジナルフレームです。
「この9フレームのうち、自分の会社や事業で恵まれているところはどこか?」
そんな問いを投げかけると、受講生の方からは、
「人材には恵まれている」
「技術が商品」
といった声が出てきました。
林業や木材業に限らず、どの会社、どのビジネスにも、必ず強みがあります。
それは、商品そのものかもしれません。技術かもしれません。人材かもしれません。地域との関係性かもしれません。
ただ、その強みは伸ばしつつも、全体のバランスを取ることが持続的な経営には重要です。
古川は、この「経営9フレーム」を人間の体に例え、それぞれの位置づけと重要性を解説しました。
「とてもわかりやすくて、理解しやすかったです。」
という感想もいただき、経営の解像度が少し上がったのではないでしょうか。

自分たちがすでに持っている価値を見つめ直し、そして経営全体に向き合っていくこと。
そこから、マーケティングの入り口が開かれていきます。
マーケット(市場規模)を押さえ、マーケティングを学ぶ
マーケティングについて学ぶ前に、まだ押さえておくべきことがあります。
それは、「市場規模」を知っておくことです。
これらを知ったうえで、自分のビジネスの立ち位置と、市場シェアをどれくらいにするかを戦略の前提として設定することが肝要なのです。
古川からは、一次産業(林業、漁業、農業)の市場規模比較、他業界との比較、林野庁の予算規模についてわかりやすくまとめ、解説させていただきました。
そのうえで、
・5フォース分析
・ブランドとは何か
・6次産業化とは
・3C
・マーケティング1.0~4.0
古川独自の視点、そして林業木材業だからこその視点を加えた、マーケティングの基本を事例紹介とともに解説させていただきました。
「5フォース=5つの脅威」、林業の場合は「○○」が加わり、6フォース=6つの脅威として、地方創生ビジネスのポイントをレクチャー。
そこから、木材生産だけにとどまらない事業展開として、森林サービス産業、いわゆる「森業」への広がり。
地域材や空間、体験、時間を組み合わせた価値づくり。
丸太を、丸太だけで売らない。
木材を、木材だけで売らない。
スターバックスは、ただ珈琲を売っているわけではない。
ディズニーランドは、ただ乗物やグッズを売っているわけではない。

しかし、マーケティング1.0〜4.0の解説の際には、古川が強調したのは、
「まずは1.0を押さえること」
林業界、国産材業界は、残念ながらここでつまづくことが、まだまだ少なくないのが現状です。
どれほどストーリーや共感が大切だと言われる時代でも、商品としての価値、品質、価格、顧客への提供価値が曖昧なままでは、事業は続きません。
古川独自のマーケティングクイズである、ホットドッグクイズ、しいたけクイズから始まった、3C分析、消費の3要素など、身近な例を交えながら、受講生の皆さまと一緒に考えていきました。
また、資源を単体で売るのではなく、組み合わせで売ること。
商品だけでなく、空間や時間を売ること。
ちいきのBAR峠での取組なども紹介しながら、森林ビジネスの広がりをお伝えしました。
そうして、これらを林業を軸にした地方創生にまで昇華させた、古川総研が提唱している「トータル林業まちづくり構想」の解説と、各地での実践事例の紹介をさせていただきました。
マーケットは、ただ待つのではなく、自ら創造していく視点が大切です。
そしてその時に、林業を林業としてだけ見るのではなく、視点を広げたり、ずらしたり、視座を上げること。
そこに、これからの森林ビジネスの可能性がある、ということをお話させていただきました。
BtoB(法人営業)は?顧客の視点でメリットになることを考える
続いて、林業/木材業の主要ビジネス形態であるBtoB(企業間ビジネス)の考え方について、解説しました。
業者を選ぶとき、人は何を基準に選ぶのか。
価格なのか、品質なのか、納期なのか、対応力なのか。
それとも、「この人に頼めば安心」という信頼なのか。
この問いは、林業や木材業にもそのまま当てはまります。
顧客は、なぜ自社を選ぶのか。
選ばれる理由は、明確になっているのか。
顧客にとってのメリットを、本当に追求できているのか。
これらを整理した「BtoB法人営業方程式」
こちらも、古川がこれまでの様々な取組から見出したオリジナルメソッドです。
技術がある。
良い木材がある。
地域に歴史がある。
それだけでは、まだ十分ではありません。
顧客の視点に立ち、相手にとっての価値として翻訳していくこと。
そこに、マーケティングの本質があり、林業/木材業をはじめとしたビジネスの基本だということをお話させていただきました。

どうあるべきか、ではなく、どうなりたいか
最後には、古川がこれまで訪れてきた全国の多様な森林、地域をご紹介しました。
森林・林業の現場には、地域ごとの歴史があります。
地形があり、林相があり、人がいて、文化があります。
だからこそ、正解は一つではありません。
「林業はこうあるべき」
「地域はこうするべき」
という考え方ではなく、
「自分たちは、どうなりたいのか」
「この地域で、どのような未来をつくりたいのか」
という問いから始めることが大切です。
マーケティングとは、単に売るための技術ではありません。
自分たちの価値を見つめ、顧客や地域に届く形へと磨き上げていく営みです。
今年も、マーケティングというメインテーマのもと、経営とは何か、自分/ビジネスとは何か、林業/地域とは何か、そしてこれからの森林ビジネスの可能性について、深く考える時間をご一緒させていただきました。
受講生の皆さま、みえ森林・林業アカデミーの皆さま、今年も本当にありがとうございました。
同日、浅野純平氏(株式会社森未来)の講義
同日、株式会社森未来 代表取締役 浅野純平氏の講義もありました。

- 新未来の起業と理念
- 木材プラットフォーム「eTREE」
- その学びから開発した「Laurel(ローレル)」
- ターゲティングの重要性
- プロデュース事例
実は浅野さんは、古川が15年前に東京で毎月開催していた「国産材ビジネスセミナー」の受講生。
沖縄から毎月参加していただき、講義でも「あの時の学びがベースになっている」と言っていただきました。
—浅野さんSNSより—
古川や浅野に続き、更なる事業家をこの分野で増やして行こうと話しました。
もしかしたら、コラボ開催するかも!?
その際は、是非とも、よろしくお願いいたします。
受講生の声(アンケートより抜粋)
- 内容が盛りだくさんでした!
- 楽しく拝聴いたしました。タメになることも多く、今後ともよろしくお願いします。
- どうやってブランド化していけばいいのかなど課題だらけですが色々と考えるきっかけを頂けたと思います。
- わたしは経済のことがまったくわからないので、販売企画は向いてないと思ってましたが、消費の三要素など教えてもらって、自分にもできることがありそう!と前向きに感じることができました。
- 古川さんは25年とは思えないほどたくさんの事業を起こされているようで、びっくりしました。とてもおもしろかったです。ありがとうございました。
- とてもわかりやすく興味深い講義でした。早速実践したいと思います。
- 正直、終始勢いに圧倒されてしまっていたのですが、お話を聴けて良かったです!Facebook申請しました!また宜しくお願いします!
- 1日では足りないぐらいの内容の講義でした。
- 理論をわかりやすく、またクイズ等を通して、思考しながら気づきを得つつ受講できました
- いつも熱意に溢れる講義で、受講生にとってとても貴重な学びの機会だと感じています。今後ともよろしくお願いいたします。
さいごに
本講座で得た知識と気づきが、各現場や地域での新たな挑戦に結びつき、持続可能な森林・林業の未来を切り開く力になることを願っています。
弊社では、全国各地で講演・セミナーを実施しております。講演のご依頼希望の方は以下リンク先のフォームからご連絡ください。







