岐阜県主催で弊社が受託しています「製材・木材業経営強化セミナー」
第一回を、9月8日(土)に岐阜市のぎふ森林文化センターで開催しました。
この日は30名を超える方々にご参加いただき、
「林業×マーケティング入門編」ということで、4時間にわたり講師の古川よりレクチャーさせていただきました。
第一回の 内容は
・森林の多面的機能(日本の林業の表と裏)
・市場規模とは何か
・利益と理念
・情熱方程式
・3C(マーケティングの基本概念ほか)
・売りモノと売り方・市場規模とは何か
・消費の3要素
・顧客の定義
製材工場向けと題したセミナーではありますが、
製材・プレカット工場はもちろん、素材生産や森林組合、工務店様まで、幅広くお越しいただきました。
マーケティングセミナーにも関わらず、初めに「何のために働くのか」など、理念の部分についてもヒントをお伝えするのが、弊社セミナーの特徴でもあります。
そして、日本林業の概要や市場規模、クイズ形式で自ら「考える」時間、異業界の事例など、
時間をかけて、一見遠回りに思える内容ではありましたが、
この場にお集まりいただき、参加者が主体的に「考える」「書く」「話す」時間にこそ、価値があると考えています。
林業とは直接関係なさそうな事例にも、たくさんのヒントがあります。
ほんの一部ですが、内容をご紹介します。
たとえば、これ、何だと思いますか!?
<写真A>
実はこれ、どこのコンビニにも売っている、ペットボトルの緑茶飲料。
パッケージをはがしてしまったものなんです。
元に戻すと、こちら。
<写真B>
それぞれに個性があり、今日はどれを飲もうか、迷ってしまうくらいです。
「私は●●茶が好きだから、いつも買う!」
という方もいると思います。
さて、現在の木材業界は、写真Aか、Bか、どちらだと思いますか?
おそらく、Aの状態ではないでしょうか・・・
Aの写真では、ボトルの形と微妙な色の違い以外は、まったく区別がつかなくなっています。
これを、木材に置き換えてみてください。
よく見れば、年輪幅や色、含水率や強度などの品質が違うとはいえ、
素人目に見れば、パッと見た瞬間、まったく区別がつきません。
吉野桧、天竜桧、東濃桧、土佐桧、九州桧、久万桧・・・・。
製品だけを並べて、見分けられますか!?
(もちろん、プロフェッショナルな方はお分かりになると思いますが)
あくまでしっかりとした「ものづくり」があってこそですが、
パッケージやネーミング、イメージ戦略など「売り方」がいかに必要ががおわかりいただけると思います。
せっかくよいものを作っていても、商品の情報が伝わらなければ、差別化はできないのです。
コトラーの著書から言葉を借りれば、
~~~
今日のビジネス界が直面している問題は、商品の不足ではない。
顧客の不足である。
世界的に、
ほとんどの産業が消費者の購買力をはるかに上回る生産力を持っている。
この過剰な生産能力は、それぞれの企業が市場シェアの拡大競争をした結果もたらされた。
例えば、個々の企業が売り上げ10%増を目指しても、
市場の成長率が3%しかなければ残りは過剰生産になる。
この過剰生産がさらに激しい競争をもたらす。
競合各社は、なんとか顧客を引きつけようと値下げをしたりおまけをつけたりしている。
このようなやり方は、最終的に利ざやの縮小や、利益の減少につながる。
これが倒産、合併、買収を加速させたりすることになる。
値下げせずに競争するには、マーケティングを駆使することだ。過
剰な生産能力が問題になっている今日、マーケティングはますます重要だ。
~~~~
このことを、身近なものを使ったデモンストレーションで、ご理解いただけたかと思います。
参加者の皆様には、最後までお聞きいただいた皆様に感謝申し上げます。
これからあと4回、回を重ねるごとにステップアップする研修内容となっています。
次回(9月22日(土))は
・学びの姿勢とは何か
・経営理念、戦略とは何か
・選ばれる木材屋になるための5つのポイント
・品質、納期、価格に関する考察
・住宅10ニーズ
・木材業売上方程式【1~5】
・AIDMA的見込顧客の創出
・顧客管理の具体的実践方法
・ビール業界等(異業種)からの営業ヒント
・1haの山、本当のコストと利益は!?
・コンビニ商品から学ぶ その2
といった内容を予定しております。
ぜひ自ら最大限多くのヒントを発見していただき、明日からの経営に活かしていただければと思います。
次回から参加されたい、岐阜県内の業者様は、以下、岐阜県林政部 県産材流通課へ直接お問い合わせください。
岐阜県林政部 県産材流通課
FAX:058-278-2705 mail: c11545@pref.gifu.lg.jp
それでは、次回もお楽しみに!!