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【開催報告】京都府「R8農林水学びの横断研修」第1回

令和8年6月25日(木)、京都府宮津水産事務所にて、京都府の農林水産業を学ぶ学生の皆さんを対象にした研修を開催しました。

令和8年度からスタートした「府研修教育機関カリキュラム強化事業~農林水学びの横断研修~」
京都府の農林水産業を担う次世代人材が一同に会する研修で、今回は全2回のうちの第1回です。

前回の研修の様子

昨年度に続き、弊社代表の古川が講師を務めさせていただきました。

京都府立農業大学校
京都府立林業大学校
京都府漁業者育成校「海の民学舎」
茶業研究所

前回は大雪の影響で参加が叶わなかった「海の民学舎」の学生さんも、今年は初参加。農業・林業・水産業の研修機関学生の皆さんが一堂に会し、分野を越えて学び合う実質的に初めての機会となりました。

今回の研修テーマは、これから一次産業の現場に関わっていくうえで大切になる「自分を伝える力」「経営を考える力」「価値を届ける力」。

経営に関する学びは、経営者であっても繰り返し学び、少しずつ身に付けていくものです

「前に聞いたことある」ではなく、「聞かずとも自ら出せる、活かせるまで落とし込むのが目標。

今回が初参加の方々がいらっしゃることもありますが、前回を振り返りながら内容をアップデートさせ、午前は自己理解とコミュニケーション、午後は経営・マーケティング、そして京都の農林水産物を活かした商品企画に取り組みました。

自分を知る「情熱方程式」、自分を伝える「1分間スピーチ」

午前の部、まずは古川の自己紹介と会社紹介からスタート。

ちいきのメソッド「情熱方程式」「一分間スピーチ」を使って、自分を知り、自分を伝える例をお見せし、みなさんにも考え発表していただくワークを実施しました。

仕事を選ぶとき、現場で踏ん張るとき、誰かと協力するとき。自分が何を大切にしているのかを知っていることは、とても重要です。

自分の中にある想いや原動力を、そのきっかけとなった原体験とともに見つめ深掘りし、そのうえでグッとポイントを押さえてシンプルに凝縮し、伝わるようにするために、どうしたらいいか。

農林水混合のグループに分かれ、グループ内で発表、そのあとに各グループから1名発表していただきました。

「魚が好きすぎて、この世界にきました。 アジ、ブリ、ヒラメ、なんでも好きです。ただし、ホヤ以外です!今ははロープワーク等の実習をしながら、定置網漁業の技術を学んでいます。 魚のこと、もっと勉強していきたいです。」

「元々料人で、自分でラーメン店を経営したこともあったが、自分で釣った魚を料理したくなり学校へ入学しました。定置網漁業の技術を高めるべく日々取り組んでいます。いつか、私のお店ができたら、是非来てください。」

「両親が、私が生まれた時にモミジを植えてくれて、共に育ってきたことからモミジが大好きです。スギ・ヒノキの伐採のみならず、広葉樹も伐れる技術もつけられたらと、材の活用の視点も学びながら、森の循環の一助となればと、頑張っています。」

「大学卒業後はずっと旅人をしていて、つまりはニートだったんですが(笑)、なぜかお茶との出会いがあり、今ここにいます。お茶のブランド化をしていきたいです。」

農林水産業に関わる学生の皆さんらしく、自然や地域、農林水産品、ものづくり、技術に対する想いが随所に感じられる発表が多く、初対面の人も多い中でお互いの背景や関心を知ることができ、午後のグループワークにもつながる良い時間になりました。

コミュニケーションのキホンは「自分を売り出す」ことです。

どれだけ良い想いを持っていても、どれだけ良いものをつくっていても、それが相手に伝わらなければ、次の機会にはつながりません。

コミュニケーションのキホンとして、「“自分を売り出す”とはどういうことか」を古川から解説した前半戦となりました。

昼休みは、”海のまち”ならでは!

昼休みには、京都府様企画として「宮津産のお刺身 高いのはどれ?ゲーム」と「巡回船の見学」が行われました。

宮津水産事務所での開催ということもあり、水産の現場に近い場所ならではのプログラムです。

「実際に商品を売っている人から売り方の工夫を聞きたい」ということで、宮津市の株式会社山一水産様がゲストで来られました。

 

なんと、地元産のお刺身3種を学生の皆さん全員にご提供!

実際に食べてみて、「値段の順に並べてみてください」

皆さん美味しそうに口にされてますが、値段となると美味しいというだけで考えていいのか…?など、グループ内で議論も白熱。

正解は・・・アジ、スズキ、タイの順。

「今回はこの順だったが、値段は時期によって違う。タイが一番高い時期もある。
旬のものを知る、それを使ってもらうことは大事。
今はタイが旬じゃないので加工に回されたりする(それもおいしいけれど)
旬を知り、時期や状態によって加工したり工夫して売るのは僕ら魚屋の使命だと思ってやっている。」

前線の方の覚悟と想いがこもったメッセージ、皆さんに響いたのではないでしょうか。(我々にも!)

このあとは、宮津水産事務所が管理する海上巡回船の内部を見学させていただきました。

農林水と一次産業ひとくくりにされることが多いですが、通じるところもありつつ、それぞれ本当に多彩です。

海を支える現場の仕事や設備にふれることができ、他分野の学生さんたちにとっても、貴重な機会、刺激になったのではないでしょうか。(漁業に興味でてきた!と言っている農林学生の方々もいました)

経営とは何か―一次産業を続けていくために必要な視点

午後の部では、まず「経営とは何か」をテーマに、ちいきのメソッド「経営9フレーム」を使って解説させていただきました。

前回もお話ししましたが、今回は図解もアップデート。

経営には、商品、利益、組織人材など、さまざまな要素があります。何をつくるのか。誰に届けるのか。どうやって利益を出すのか。どのように人と協力するのか。どんな理念を持って続けていくのか。

自分が将来、就職する場合でも、独立する場合でも、地域の事業に関わる場合でも、「経営を自分ごととして考える」ことは、これからますます大切になってきます。

これからも折に触れて、思い出し、自分なりのものにしていってほしいと思います。

マーケティングとは、価値を相手に届けること

続いて、マーケティングの基本。

こちらも前回の振り返りとなりますが、マーケティングとは何かという解説と、すべての基本となる「3C」と「消費の3要素」について、こちらもアップデートを多く取り入れてお話ししました。

どれだけ良い農産物、林産物、水産物であっても、ただ「良いものです」「おいしいです」と伝えるだけでは、なかなか選ばれません

お客様は誰なのか。競合にはどのような商品やサービスがあるのか。自分たちの商品にはどのような強みがあるのか。さらに、人は何をきっかけに「買いたい」「食べたい」「体験したい」と思うのか。

そうした視点を持つことで、つくる側の想いと、買う側の気持ちをつなぐことができます。

講義では、食べ物や地域商品、木材などの身近な事例を交えながら、マーケティングの考え方をわかりやすく解説しました。

農林水コラボ商品を考えよう!

研修の最後には、今回のメインワークとして「京都の農林水コラボ商品を考えよう!」というグループワークを行いました。

農業・林業・水産業の学生が同じ場に集まるからこそできるテーマです。

京都には、それは京野菜や丹後トリガイ、北山杉など有名な産品をはじめ、多種多様な地域資源があります。それらを組み合わせることで、どのような商品や体験、サービスが生まれるのかを、グループごとに考えていただきました。

単に「素材を組み合わせる」だけではなく、誰に届けるのか、どんな場面で楽しんでもらうのか、京都らしさをどう表現するのか、価格や見せ方をどう考えるのか。

午前に学んだ「自分の想いを伝える力」と、午後に学んだ「経営・マーケティングの視点」を活かしながら、各グループで意見を出し合い、企画を考えていただきました。

  

各グループ発表は大盛り上がり!基本に忠実なものから、そうかこう来たか、それぞれの分野で想いを持っているからこその面白い視点がたくさん出てきて、農・林・水が分野を越えて交わることで、京都の一次産業の新しい可能性を感じる時間となりました。

先生方からは「本当にコラボ企画検討してもいいかも?!」という声も出てくるくらいでした。

出てきた企画アイデアをご紹介したいところではありますが、ブラッシュアップして、もしかしたら実現?!などの可能性もありますので、今後の動きに期待です!

分野を越えて学び合うことの価値

今回の研修では、農業・林業・水産業という異なる分野の学生の皆さんが、同じテーマに向き合いました。

それぞれの分野には、専門性があります。一方で、地域の資源を活かし、事業として続け、価値を届けていくためには、分野を越えた視点も必要です。

農業だけではなく、林業だけでもなく、水産業だけでもない。

畠山重篤さん提唱の「森は海の恋人」https://mori-umi.org/greeting/

森からのきれいな水は海へと流れ込みますが、そこにたどり着くまでには大地も潤し、まさに林業、農業、水産業は運命共同体です

今回の研修が、自分の将来を考えるきっかけとなり、また農林水産業の仲間と繋がる機会になれば嬉しいです。

ご参加いただいた学生の皆さん、そして企画・運営いただいた京都府の皆さま、ありがとうございました。

次回は令和9年1月開催!卒業目前の方も多くいらっしゃるので、ぜひ反芻してブラッシュアップしてくださいね!


受講生の声

  • 自分がどのような場面に向いているのかを知ることができた気がする。
  • お仕事探しをする上で大事なことを知れた。
  • 会社で働く時も経営者目線でみることができそう。
  • 産業や分野を越えて地域を盛り上げる取り組みを実践してみたくなった。
  • 就職先を二択で迷っているので参考にしたいです。
  • 林業以外の一次産業の従事者との交流や新たな視点が、地域全体を振興させる起爆剤になると思う。コラボ商品の開発など実際にやってみたい。
  • 話がとてもおもしろかった
  • 今回もとても貴重なお時間、お話をしてくださってありがとうございました。現在進行形の就活にも活かしたいです。ありがとうございました。


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