
令和7年度第2回森林ビジネス研究会を3/28(土)に開催しました。
今回も、プロフェッショナルのゲストスピーチをはじめ、森林・林業・製材、建築はじめ森林ビジネス・地域づくりに関わる多様な実践者が集まり、それぞれの現場のリアルを持ち寄りながら、新たな事業や展開の可能性を探る密度の高い時間となりました。
目次
各社近況報告
まずは恒例、参加者それぞれの近況報告と自己紹介からスタート。
全国から集まった参加者の皆さまより、それぞれの地域で日々チャレンジされていること、これからの構想などが共有されました。
それぞれのビジネスや地域ごとに状況は異なりますが、共通しているのは「制約の中でもどうやって前向きに取り組み、価値を生み出すか」というマインドです。
この時間は単なるアイスブレイクではなく、研究会全体を決めると言っても過言ではない重要なパートでもあります。
今回も、他の参加者から有益な情報だけでなく良い刺激を受けた方が多かったようです。
ちいきの講座
続いて古川より、ちいきの講座として、2つのテーマを取り上げました。
限界集落でも〇億円生み出す事業の可能性
宮崎県高千穂町。知らない人は少ない有名な地域ですが、その最奥の限界集落で地域ビジネスを営む、地域の名士がいらっしゃいます。
https://takachiho-muratabi.com/
昨年末、古川はその名士の元を訪ね、大いに刺激を受けてきました。
国の法律や補助事業の仕様を結果的に多く変えてきた公務員時代(実は高千穂を観光地として確立した立役者でもあります!)を経て、脱公務員をして限界集落で起業。
地元への愛、自然好きの話が根底にありつつも、世界の話、マーケティング、マネジメントの話、最先端の事例。
まさに、古川の大恩人である地域づくりインターン事業創設者 宮口侗廸先生の言う「野性と普遍性の同居」した超プロ。
集落維持、廃校利用、関係人口への考え、学生の受け入れ、限界集落ビジネスに留まらない、地域でチャレンジするマインドとアクションからの学びを、古川ならではのまとめでご紹介させていただきました。
<高千穂ムラたびでお話を伺う古川>

AIビジネス最前線
もう一つのテーマは、急速に進展するAIの動向について。
古川が先日訪れた「AI博覧会」レポートをベースに、様々なAIサービスの紹介をベースに、サービスの類型化と今後の予測、そして森林は、地域は、我々は、どうあるべき?!というお話をさせていただきました。
しかし、
「『アナログな経験(暗黙知)×AI』の掛け算から、何がどう生まれていくかは、まさにこれからで、本当の生きる力になるんじゃないか。」
そのような古川の問いに応えるブースはどこにもあったことも添え、
—
100億円あっても100年の木は、明日できない。
そういう世界こそ尊いと。
そこに、ちょっとAIを振りかけていくことをやったら、自然の中でAIを使わない生き方したい。
—
AIは上手に取り入れるということは必須になるといえども、「森林ビジネス」「地域ビジネス」、いや「生きること」の核となる視点を改めて提示させていただきました。
ゲストスピーチ:国立研究開発法人産業技術総合研究所
ネイチャーポジティブ技術研究実装センター 副センター長 保高徹生氏

前回の「森林ビジネス研究会」でも参加者の関心が高かった「ネイチャーポジティブ」。
古川の大学時代からの旧友、「国立研究開発法人産業技術総合研究所 ネイチャーポジティブ技術研究実装センター」で副センター長を務める保高徹生様にゲストスピーチをしていただきました。
ネイチャーポジティブの最前線で対峙する保高様。
わかりやすい基本から、国や企業がどう考えているのか、森林ビジネスとの関わりや、全国での取り組みなど、親しみやすく軽快なトークで楽しく解説してくださいました。
・「SDGs」「脱炭素」と何が違うのか。
・「生物多様性」って本当にいいの?
・自然共生サイトは何のためにあるの?
・人工林と生物多様性の関係性
・一般企業はネイチャーポジティブにどう対応しているの?
・生物多様性と環境アセスメント
・TNFD(企業の財務評価の1つになっている生物多様性指標)
産業技術総合研究所では、ネイチャーポジティブ以外にも本当に多様な研究がされていますが、その中でも森林や地域に関係する主に環境系の取り組みも複数ご紹介いただきました。
ディスカッションでは、参加者から自社の取り組みや地域の実情と、ネイチャーポジティブ、生物多様性への影響についての質問がたくさん出てきました。
森林、地域を軸としたビジネスを実践されている皆様。自分事として捉えられるところが多かったようで、盛況なディスカッションとなりました。
古川ちいきの総合研究所は、今後もネイチャーポジティブと森林、林業について、検証を続けてまいります。
古川まとめ
保高様のゲストスピーチからのディスカッションを受け、古川まとめへ。
小学校2年生の国語の問題から「思考と感情の多様性」と「感謝の気持ち」
ネイチャーポジティブとは何か。多様性とは何か。
空海の教え、高野山(金剛峯寺山林部/高野山寺領森林組合)の「共利群生(きょうりぐんじょう)」「禽獣草木皆是法音(きんじゅうそうもくかいぜほうおん(これみなほっとん))」の理念に通じる。
最後は「ネイチャーポジティブ」の前に、「ヒューマンネガティブにならず、他者への感謝、利他的思考を大切に!」と、締めくくらせていただきました。

懇親会も大事な時間
4時間の研究会もあっという間に過ぎ、懇親会の時間。
各社報告でそれぞれのビジネスに興味津々の皆様、初対面の人が多いにも関わらず話題が尽きない時間となりました。

二次会は弊社の拠点、ちいきのBar 峠

店内の木材を納材した方や産地の方からのエピソード紹介、また国産材ハープの演奏もあり、何とも贅沢なひとときでした。
参加者の声(一部抜粋)
- ネイチャーポジティブに関する概要を改めて学び、さらに自然回復評価に関わるユニークなゲスト講師からの取組みもお聞きでき、実際に自然回復評価に向けた動きを感じることができた。また、研究会をきっかけに自身の取組みを具体的に進める道筋も見えてきたと感じた。
- 全体的に大変有意義でした。まず、参加者の皆様のさまざまな取り組みを知ることができました。古川さんのお話も、資料がコラムや、お子さんの国語のドリルなど、さまざまな方向性からお話ししてくださり、気づきがたくさんありました
- この研究会は、参加者が漠然と抱く「何かしらのヒントが得られるはず」という期待に、毎回きちんと応えてくれる。しかし同時に、得られたヒントをどう深め、どう実践へと繋げるかは、あくまでも自分自身の問いとして委ねられる構造になっていることを、改めて実感した。
- これから自身が担当する生物多様関係の業務についてアウトラインや方向性が随分と整理された印象。新しい視点も得られた。
- ここのセミナーや研究会に来るといつも感じているが、自分にとっての「情熱=好き×憤り」は何だろうと周りの参加者を見て思った。事業に取組む人たちはカッコよく見えるがそこにはつよい熱量が必要。情熱とは欲して得られるものか?
- 参加された皆さんが地域でそれぞれ取り組まれている内容だけでも、ディスカッションできるのかなと思うぐらいに濃厚でした。各地域でみなさん様々な取組をされているのだなと感心しました。
- 講師の飄々とした語り口に好感を覚えました。一見軽やかでありながら、視野の広さと確かな専門性が随所に滲み出ており、さすがと唸らされる場面が幾度かありました。内容についても、黎明期にある分野の輪郭をおぼろげながら掴むことができ、ゲストスピーチは得るものの大きい時間となりました。
- 初めて、ようやく参加させていただきましたが、非常に内容の濃い有意義な交流会でありました。
最後に
今回も充実していた研究会であることが垣間見えたのではないでしょうか。
ここに書ききれないことがたくさん、ビジネスや活性化に活かせるのはもちろん、シンプルに前向きになれる研究会です。
ぜひ一度ご参加いただきたいです。森林、木材、建築関係はもちろん、異業種の方もウェルカムです。
毎回、異業種からのご参加が複数名いらっしゃいますので、まずはお気軽に!
次回開催予定
次回開催は令和8年6月@新大阪です。
詳細が決まり次第、本ブログやメールなどでご案内をさせていただきます。
皆さまのご参加を心よりお待ちしております!








