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奈良県フォレスターアカデミーにて、丸一日の講座を実施しました
2026年2月9日(月)、奈良県フォレスターアカデミーにて、弊社代表古川とスタッフの高田が講師として登壇しました。
90分×4コマ、丸一日を使っての集中的な講義です。
奈良県フォレスターアカデミーは、将来の森林管理や地域づくりを担う人材を育成するための学びの場で、行政・民間・現場・企画など、多様な立場の受講生が集まることが特徴です。現場感覚と制度理解、そして構想力を行き来しながら学ぶ、全国的にもユニークな教育プログラムです。
林業は、課題解決業ではない
講座の前半では、「林業は課題解決業ではない」という入口の整理から始めました。
必要なのは、大きく次の2つです。
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ビジョン
理想(妄想)を構想へ落とし込み、立地・規模・のれん(ブランド)を一体で定義すること。過去・現在・未来、川上から川下までをつなぎ、「自分たちはどこに立つのか」を明確にします。 -
マーケット
顧客形成。対象は木材の買い手だけでなく、山林所有者、行政、人材、投資も含まれます。誰に価値を届け、誰と組み、どう資金が回る設計にするのかを考えることが出発点です。
林業の営業は「売る」だけではなく、時に「山主さんに買わせてください」とお願いする営業でもある。この捉え直しが、マーケット設計の感覚を大きく変えます。
「1分自己紹介」で次の接点をつくる
午前の実践テーマの一つが「1分自己紹介」です。短時間で関心を引き、選ばれる理由を伝え、次の行動につなげる練習を行いました。
ポイントは次の3点です。
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一言目で空気を掴む(注意喚起)
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利益(実績)と理念(ビジョン)の両輪で語る(選ばれる理由)
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SNS交換や現地案内など、次の一歩を具体に置く(行動喚起)
出会いを「検討します」で終わらせない。この設計が、林業や地域フォレスターの仕事では特に重要だという点を共有しました。
森林ビジョンを「絵」で終わらせないために
午後は、市町村で策定する森林ビジョンの背景や必要性、そして実効性のあるビジョンとは何かを中心に扱いました。
強調したのは、
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「使い方(予算配分)」より先に「あり方(目指す姿)」を定めること
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ビジョンには、言葉や図だけでなく「誰が何をやるのか(プレーヤー)」まで書き込むこと
- プロセスの中に「組織化」を見据えた取組を入れること
という3点です。
兵庫県佐用町、高知県本山町、徳島県三好市、豊田市などの弊社事例を通じて、自治体規模や地域条件による進め方の違い、委員会構成やKPI、進捗管理といった運用の重要性を確認しました。
数字と提案で「続く仕組み」をつくる
最後は、財務・管理会計、理念と利益の循環モデル、4つの事業ポートフォリオ、SMARTの法則など、フォレスターにとって重要な要素を補完するフレームをレクチャーしました。顧客不足の時代に必要なのは「顧客創造」。3Cで強みを定義し、価値は必要性 × 欲求性 × 物語性で設計することが重要です。
また、管理会計では、粗利をの考え方、PL・BSをどう読むかといった実務の要点も整理しました。
受講者の声(アンケートより抜粋)
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ビジョンとマーケットを最初に考える意味がよく分かった。林業を林業だけで考えない、掛け算の発想が参考になった。
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授業内で自分以外の人のアウトプットを聞ける機会が多かったので、自分と違う意見や価値観を知ることができたのが面白かったです。
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刺激的な話でした。地元の人や山の人の考え方に寄っていたので、少しバランスが取れたような気がします。ありがとうございました。
- 全く知らない領域の話だったのですごく新鮮でした。逆に言うと、そういう領域に疎い業界にいるということが、再認識できましたし、古川さんから「これら全部を自分のフィールドにしないとフォレスターと言えない。」という言葉が刺さりました。小さなところからコツコツ始めて行きたいと思います。ありがとうございました。
おわりに
弊社では、市町村森林ビジョンの策定・実行支援に加え、林業・木材・地域ビジネスを対象とした各種講座・研修(マーケティング、合意形成、管理会計、事業設計など)を行っています。
ご関心のある自治体・事業者・教育機関の皆さまは、お気軽にお問い合わせください。








