ヒット商品ランキング番外編|2025年 林業・木材業界トピックス6選

こちらは、毎年恒例の「林業・木材業界ヒット商品ランキング」番外編となります。

▶ 本編(ヒット商品ランキングTOP10)を読みたい方は、こちら からご覧ください。

残念ながら今年のヒット商品ランキングTOP10入りはしなかったものの、業界内では注目すべき出来事が数多くありました。
今回はその中から、特に話題性・将来性のある6つのトピックスを番外編としてご紹介します。


 

①九州大学×ヤマハ発動機×徳島県三好市

(https://global.yamaha-motor.com/jp/news/2025/0904/agreement.html)

まずは、2025年9月3日に締結された、徳島県三好市・九州大学・ヤマハ発動機による三者協定です。
「ネイチャーポジティブ社会の実現を目指した森を繋ぐ協定」として、未整備の市有林を対象にCO₂吸収量を可視化し、J-クレジットおよびボランタリークレジットの創出・活用を目指す、全国的にも先進的な取り組みが始動しました。

カーボンクレジットを、三好市の「豊かな森林を未来へ引き継ぐ」ための有効な手段の一つとして位置づけ、森林管理と経済を結びつける動きとして注目されます。

 

②育林職人

(https://uerut.jp/about/)

続いては「育林職人」。造林・育林事業を全国で展開する青葉組の取り組みです。
新サービス「UERUT」を通じて、自然資本の保全・再生を支援する「自然資本家」を募集するとともに、入会特典として提供される木工品の製作が、育林従事者の冬場の雇用創出にもつながっています。

また、今年2月に発生した岩手県大船渡市の大規模山林火災に対しても、いち早く再生支援に名乗りを上げ、現地での活動を継続しています。

 

③木糸(アパレル用品活用)

(https://forestcircularity.jp/2025/08/num-119/)

3つ目は「木糸」です。数年前から存在していた間伐材由来の繊維素材ですが、近年はアパレル分野での活用が拡大しています。

クラウドファンディングを活用したプロジェクト展開や、大阪万博における医療スタッフのユニフォームへの採用などを通じて、環境配慮型素材としての認知が一気に高まりました。

 

④循環葬

(https://returntonature.jp/)

4つ目は、at FOREST株式会社が監修する循環葬®「RETURN TO NATURE」。
放置されている社寺林に手を入れ、「循環葬の森」として必要な整備を行う取り組みです。

現在は、大阪・能勢妙見山、千葉・真野寺の2拠点でサービスを提供中。
樹木葬とは異なる形式で、「森林を守りつつ自然に還る」という独自のコンセプトや、コミュニティデザインの視点が評価され、ウッドデザイン賞2025も受賞しました。

 

改正森林経営管理法・森林法

(https://rinseinews.com/news/9049/)

5つ目は、「改正森林経営管理法・森林法」です。
「集約化構想」の策定や「経営管理支援法人」の指定により、市町村の事務負担を軽減しつつ、森林経営の集約化を促進する制度設計が進められています。

あわせて、太陽光発電事業に伴う林地開発違反への罰則強化も決定され、来年度から施行予定となっています。

 

⑥保持林業

(https://rinseinews.com/news/9049/)

最後は「保持林業」です。
主伐時に一部の老齢木や大径木を残し、生物の生息地としての機能を維持する森林管理手法で、近年注目が高まっています。

全国各地で勉強会や視察が増えており、生物多様性の保全や森林生態系サービスの維持といった環境価値と、木材生産という経済活動を両立させる新たな森林管理として、今後の広がりが期待されます。


以上、ヒット商品ランキング番外編として、2025年に注目された6つのトピックスをご紹介しました。

商品そのものだけでなく、制度・技術・価値観・社会との関わり方まで含めて、林業・木材業界が確実に変化していることを感じさせる話題が多かったのではないでしょうか。

本編のTOP10とあわせて振り返ることで、業界の現在地とこれからの方向性が、より立体的に見えてくるはずです。
皆さんが「これは注目したい」と感じたテーマが、次の一年のヒントや行動につながれば幸いです。

来年は、これらの取り組みがどのように実を結ぶのか——。
引き続き、林業・木材業界の動向に注目していきましょう。