2025年林業・木材業界ヒット商品ランキング!【古川ちいきの総研選定】

2025年(令和7年)、皆さまにとってはどのような1年だったでしょうか。世間的には春先に1964年以降で最大規模となる大船渡の山林火災をはじめ今治、岡山でも立て続けに発生したことや、秋口からは過去最多の熊による人的被害など悲しい話題も見られましたが、対して大阪・関西万博の開催による盛り上がり、日本初の女性首相の誕生といった華やかな話題も記憶に残る1年になったのではないでしょうか。

そして、この記事をご覧の皆さんは来たる2026年(令和8年)も駆け抜けるべく、1年の振り返りと新年の目標設定をされる頃ではないでしょうか。

そんな時期にぴったりの話題として、「2025年林業・木材業界ヒット商品ランキング」を発表します!

弊社では、2016年から毎年、「日経トレンディ」が発表しているヒット商品ランキングに照らし合わせて林業・木材業のヒット商品ランキングを独断と偏見でまとめ発表しており、今年で記念すべき10回を迎えました。

まず2025年のランキング紹介をご覧いただく前に、昨年のランキングは覚えているでしょうか?日経トレンディのヒット商品は、新NISA&「オルカン」投資が第1位、対して林業・木材業界は、新施策・「森林環境税」投資ということで、昨年は国民からの徴収が始まった年ということ、自治体が未来に向けた投資ともいえる森林整備を環境税を活用してすすめていることも踏まえてランクインしていました。その他のランキングをみたいという方は

こちら←からどうぞ!

 

さて、お待たせしました。今年の「勝手に林業・木材業界ヒット商品ランキング」公開です!

 

 

まずは、日経トレンディ発表の2025年ヒット商品ランキングは、こちら!

1位 大阪・関西万博withミャクミャク
2位 国宝
3位 Nintendo Switch 2
4位 平成女児売れ
5位 せいろブーム
6位 麻辣湯(マーラータン)
7位 THE ANSWER
8位 長崎スタジアムシティ
9位 Jiffcy(ジフシー)
10位  アレンジ系希釈飲料

詳細は以下リンク(日経XTRENDのWEB)よりご覧いただけます。

https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/01265/00001/#loginBackhttps://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00918/00001/

ranking表

日経トレンディ発表のランキングをご覧になって、皆さんはどのような感想だったでしょうか。「あんまりピンとこない、知らないものが多い」「これ知ってる!使ってる!」など様々あるでしょうか。個人的には、まだ行けてませんが「長崎スタジアムシティ」はJ1昇格が決まったこともあり是非来年は行ってみたいところです。今年は物価高の影響もありましたが、「体験」を重視し、コストパフォーマンスや効率性を追求する「ロジカル消費」が牽引する傾向が強く見られました。

いよいよ、続いては、林業・木材業界のヒット商品2025トップ10となります!

 

 

 

第10位 サステナ系航空燃料

(https://saj-teikokyo.com/2025/03/27/1013/)

 

まず、第10位の「アレンジ系希釈飲料」に対して、林業・木材業界からは、「サステナ系航空燃料」。

国内大手航空会社であるJALが立て続けに国産木材由来を活用したSAF(Sustainable Aviation Fuel)の製造に向けた覚書を異業種企業と交わした2025年となりました。これまでもANAが2023年に日本国内で混合された持続可能な航空燃料SAFを初めて調達するなど、カーボンニュートラルに向けた動きが活発化していましたが、ついに森林・林業が直接航空業界と繋がる時代が本格的に訪れました!

 

 

参考:日経ヒット商品ランキング10位 アレンジ系希釈飲料

(引用:日経XTRENDホームページより)

 

 

 

 

 

第9位 Starlink(スターリンク)

スターリンク

 

第9位 「Jiffcy(ジフシー)」に対して、林業・木材業界からは「Starlink(スターリンク)」。

ジフシーは打ち込み途中のテキストも即座に相手へ反映されることでスムーズなコミュニケーションが取れるアプリケーション。幅広い世代の利用や業務利用への拡大もありランクインされました。同じ通信サービスで業務利用にも繋がるものとして「スターリンク」を選出しました。2025年4月からauではスマートフォンで衛生通信(スターリンク)を使えるサービスを開始。来年度には他キャリアも追随予定です。これまで圏外が多かった山間部、林業の現場でも容易に通信ができる環境になり、安全対策や作業効率向上がまた一歩前進。

 

 

参考:日経ヒット商品ランキング9位 Jiffcy(ジフシー)

Jiffcy(ジフシー)

(引用:日経XTRENDホームページより)

 

 

 

 

 

第8位 福島循環型木造スタジアム構想

(https://note.com/vuild/n/nc233a2e41baf)

 

第8位 「長崎スタジアムシティ」に対して、同じくスタジアム関連で「福島循環型木造スタジアム構想」がランクイン!

VUILD㈱が作成した木造スタジアム構想。 「式年遷宮」から着想を得て、資源循環・地域参加・技術伝承という「モノ・コト・ヒト」の3つの循環が実現する仕組みを考案。復興の象徴として建設され、世界に誇れる「リジェネラティブ(再生型)」なスタジアムの実現に向けた動き出すか!?

 

 

参考:日経ヒット商品ランキング8位 長崎スタジアムシティ

長崎スタジアムシティ

(引用:日経XTRENDホームページより)

 

 

 

 

 

第7位 THE FOREST BUSINESS(『森林ビジネス』)

(https://ourl.jp/DEgfW)

 

第7位「THE ANSWER」が花王100年のヘアケア研究からたどり着いたヘアケアの答えであるのに対し、林業界からは、100年構想からたどり着いた明治神宮を一部取り扱った『森林ビジネス』 がランクイン。一般読者が実際に現地を訪問し書いたブログまで登場しました。これまで森林・林業界について詳しくなかった多くのビジネスマンを中心に広く業界を知ってもらうきっかけとなるビジネス本が誕生。古川の25年間の経験と知識が集約した一冊は、Amazonの林業部門のベストセラー1位も獲得しました。

 

 

参考:日経ヒット商品ランキング7位 THE ANSWER

THE ANSWER

(引用:日経XTRENDホームページより)

 

 

 

 

 

第6位 熊肉料理

(https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/900178516.html)

(https://www.instagram.com/p/DSHn_S5CY61/)

 

第6位 「麻辣湯」に対して、林業界からも料理関連で「熊肉料理」。

2025年の漢字にも選ばれた「熊」。日本各地でクマの出没が相次ぎ、人身被害も過去最多となった影響で「ジビエ」分野にも注目が集まりました。1本400円の串から1皿数万円の熊掌料理まで全国の熊肉料理が知れ渡り、中には熊で遠のいた客足を、熊肉を使った熊汁で取り戻す温泉施設まで登場。

 

 

参考:日経ヒット商品ランキング6位 麻辣湯

マーラータン

(引用:日経XTRENDホームページより)

 

 

 

 

 

第5位 無印ブーム

(https://stay.muji.com/ja/room/sakamotoya/)(https://atelier.muji.com/jp-ja/exhibition/250131/)

 

第5位 「せいろブーム」に対して、森林・林業界からは今や単なる生活雑貨販売店にあらずということで「無印ブーム」。

世界最大規模の「無印良品イオンモール橿原」には奈良県産材、吉野材を内外装に採用。吉野町には地元木工作家とコラボして仕上げた地域共生型宿泊施設「MUJI room SAKAMOTOYA」が誕生。旗艦店では「山のダイゴミ展」を企画し、山から出るもったいない資源を活かす活動も応援。最新では「木の家」の新仕様も発表。森林・木材×地域性を活かした多くのライフスタイル提案がされました。

 

 

参考:日経ヒット商品ランキング5位 せいろブーム

せいろブーム

(引用:日経XTRENDホームページより)

 

 

 

 

 

第4位 平成女児あっぱれ

(https://somanobase.com/about/)

 

第4位 「平成女児売れ」に対しては、「平成女児あっぱれ」。

平成に“女児”だった奥川季花氏が代表を務める「ソマノベース」が新たなムーブメントを生み出しました。「戻り苗」というツール・仕組みを活かし、都市と地方のつなぎ役となることで持続可能な価値を創造し、ユニークで親しみやすいカタチで土砂災害による人的被害ゼロを目指しています。代表の奥川氏は現在、女性初となる日本木材青壮年団体連合会(木青連)の近畿常任理事も務めており、これからの展開も楽しみに。

 

 

参考:日経ヒット商品ランキング4位 「平成女児売れ」シリーズ

平成女児売れ

(引用:日経XTRENDホームページより)

 

 

 

 

さて、ここからはいよいよ上位3位の発表です!!!

 

 

 

 

 

第3位 ASPEN2

(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000168736.html)

 

第3位 「Nintendo Switch 2」に対しては、「ASPEN 2」です。

ASPEN2は、ストロークエンジン搭載機器向燃料で2025年4月から日本での提供を本格開始。排ガス中の有害成分を約93%カットしたクリーンな燃料が日常的にチェンソーや刈払機を扱う林業従事者の健康を守ります。価格は現在一般的に使われている燃料の約4倍ながら、切り替える事業者が増加中。Nintendo Switch 2が2世代目としては異例の売上で、「機種変更」感覚の需要を開拓したように、林業事業者が「燃料切替」の需要を開拓中という事でランクイン!

 

 

参考:日経ヒット商品ランキング2位 Nintendo Switch 2

Nintendo Switch 2

(引用:日経XTRENDホームページより)

 

 

 

 

 

第2位 全員が国宝

第2位 国宝に対して、弊社が主催する経営実践研究会改め、「森林ビジネス研究会」に全国からご参加いただき森林・林業会をけん引する皆様が宝ということで「全員が国宝」。

当研究会は、参加者から“地元で夢を語ると馬鹿にされるが、ここでは夢を語らないと馬鹿にされる”と言われるほど、参加者の皆さんによって支えられ、発展してきました。映画『国宝』には、歌舞伎の継承において、“血か芸か”というのがテーマの一つにありましたが森林・林業界も継承は永遠のテーマです。そのためにも経営力を高めていくべく、研究会に参加している、地元の活性化を目指すヘンタイ、Challenge人財こそ「国宝」です。

研究会当日の様子も弊社ブログで紹介していますのでこちらからご覧ください。

 

 

参考:日経ヒット商品ランキング2位 国宝

国宝

(引用:日経XTRENDホームページより)

 

 

 

 

 

第1位 大阪・関西万博withモクモク

 

「大阪・関西万博withミャクミャク」に対して、林業・木材業界の栄えある第1位は、「大阪・関西万博withモクモク」です。

同じ万博繋がりですが、特に業界としては「木の万博」としての記憶も強く残ったのではないでしょうか。「多様でありながら、一つ」というコンセプトを元に象徴となった大屋根リングをはじめ、各所に木材が活用された万博。環境配慮として再生可能な素材として木材を選択する場面が増えていることが顕著に表れ、中には当初鉄筋造を想定していたパビリオンが納期内施工が難しいことから木材が採用される場面もあり、木材利用の選択肢の広がりも感じられました。

 

参考:日経ヒット商品ランキング1位 「大阪・関西万博withミャクミャク」

大阪・関西万博

(引用:日経XTRENDホームページより)

 

 

 

さて、全てのランキングをまとめたのがこちら。

ranking

 

以上、2025年の林業・木材業ヒット商品ランキングトップ10でした。

業界の皆さん、いかがでしたしょうか?知っているものばかりでしたか?

残念ながらトップ10には入らなかったものの、他にも沢山のヒット商品があった2025年でした。

業界としては、大阪・関西万博を中心に大規模建築への木材利用の注目度やサプライチェーンへの注目も高まる機会が多く、他にはデジタル、カーボンクレジット、生物多様性という大きな時流となるキーワードの中で各地で動きだした1年間でした。

さて、来年は何がヒットするのでしょうか。

 

ちなみに、来年の2026年の日経トレンディの予測では、
・ストレス解消の”苦労キャンセル”
・満足感やSNS映えから”体験型ムード消費”
・生成AIの商品化が進む”AIの浸透”
・環境と経済の両立として”サステナブル&コスパ”

といったことがキーワードになっています。
どういった1年になりましょうか。

今回のランキングを肴に、是非皆さんもそれぞれ1年間何があったか振り返りながら、これからの未来を見据えた時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

また1年後、2026年の発表もお楽しみに!!!それでは、よいお年を!