【実施報告】令和7年度 川上村地域おこし協力隊ビジネス講座(第2回)

協力隊ビジネス講座、第2回

2025年10月15日(水)、奈良県川上村にて第2回「令和7年度 川上村地域おこし協力隊ビジネス講座」を開催しました。移住者が自己の価値観や理念設計などを経て、地域で事業を行うための基礎を学ぶことができる全5日間のプログラム、今回は「マーケティング」と「林業」についてお話させていただきました。

前回の様子はこちら


前半は「ビジネス(起業)講座」

前半は「ビジネス講座」。今回のテーマは「マーケティング」でした。

起業を目指す人は、自分の商品サービスをどうやって作り、リーチさせるか。

また、川上村のことや吉野林業を、どうやって届けたい人に届けるか。

  • マーケティング1.0~4.0

  • 売りモノと売りカタ、3C

  • 消費の3要素

  • ライフサイクル「地」と「図」の関係

  • QCD
  • 法人営業方程式
  • DM集客「7つの感」

一般的なマーケティングフレームからはじまり、林業、木材、地域の支援を通じて見出してきた「ちいきのビジネスフレーム」での解説へ。

ストーリーに走りがちな林業マーケティング、ニーズとウォンツを忘れていない?

この林産物を売るキャッチフレーズは?

DMチラシに記載すると効果的な内容は?

林業はマーケティング1.0をきっちりするだけで市場優位性が持てる。

BtoBがメインの林業ビジネスで売上を上げるために必要な営業視点とは。

具体的な例えとともに解説していき、参加者の皆さんのうんうんとうなずく姿が印象的でした。

後半は「森林ビジネス(林業)講座」

後半は「森林ビジネス講座」。

弊社の川上村地域おこし協力隊支援では初の試みになりますが、役場担当者様とのお話の中で「川上村の林業のすごさ、特殊性を意外とみんな知らない」という話題があったことから、林業部門の協力隊員向けにお話しさせていただくことになりました。

まずは、酸素を生み出し植物誕生のきっかけとなったといわれる「シバノバクテリア」と、それにより形成されたオーストラリアの岩石「ストロマトライト」のお話からスタート。

そこから、世界の森林事情、森林・林業基本法における林野庁の意義、森林の多面的機能、林業の市場規模などなど、まずは森林林業の全体概要を解説したうえで、三大美林をはじめとした日本のさまざまな林業を、私たちが携わってきた事例とともにご紹介しました。

皆様、特に日本各地の森林と林業の紹介では、自分たちが日々向き合っている林業との違いからか、興味津々な様子が伝わってきました。

日本林業の聖地に住み、まさに最前線でプロフェッショナルの方々からリアルな吉野林業を日々学ばれている協力隊の皆さん。

世界、日本の森林林業を知るマクロな視点を持つことで、川上村の林業の特殊性を再認識し、誇りをさらに感じる機会となったのではないでしょうか。

吉野林業が日本三大人工美林の1つであることを初めて知った隊員の方もいらっしゃいました。

古川からは、川上村の林業との出会い、吉野五大林家とボルドーの五大シャトゥーの比較、他地域と比較した際の川上村の林業・木材の特徴なども解説。製材木取りの説明もさせていただきました。

森林組合にある川上産吉野杉でつくられた和室も見学しと併せて、理解が深まったようです。

しかし、すべての柱が赤身無節の四方柾、天井は無節赤身の幅広板目、廊下は目の詰まった赤身柾目、欄間や建具など細かいところまで、どこを見ても超高品質な川上産吉野杉がふんだんに使われていて、寺社仏閣より良い材料がたくさん使われているんじゃないか…と、我々もいちいち驚愕しておりました…!一見の価値あり、いや何度も見たい。眼福でした…。


参加者の声

講座終了後には、受講者の皆さんからさまざまな感想が寄せられました。その一部をご紹介します

  • Aさん:「自分の立ち位置を改めて考える機会になりました。」

  • Bさん:「最近はセールスがすごく大事という認識でしたが、マーケティングも改めて大事と感じました。」

  • Cさん:「吉野杉、吉野檜を選んでもらえるようになるためのヒントになると感じました。」

  • Dさん:「吉野材の価値を自分の中にしっかり落とし込んで伝えていきたいと思います。」

  • Eさん:「川上村の林業のすごさを改めて認識し、とにかくコツコツと技術を身につけて、綺麗に材を出せるようになりたいと思いました。」

古川が愛する川上村、そして長い時間軸で丁寧に紡がれてきた川上村の林業。

当社だからこその視点で今後もお手伝いをしていければと思っています。


次回以降に向けて

このビジネス講座は全5回。単に座学を受けるだけではなく、講座内でも対話を通して学んでいただくことを大事にしており、講座後には専用テキストを配り、内容の振り返りと次回に向けたワーク(穴埋め)を事前にしていただくことでスムーズに連続受講できる工夫をしています。これから、地域で事業をつくるための大切な視点を一つひとつ積み重ね、協力隊員の皆さんが川上村での活動により確かな軸を持てるようサポートしてまいります。

次回は「しごと(はたらく悦び)」と「数字(管理会計)」

ちょっと堅苦しく聞こえますが、ビジネスには絶対外せないこの2つ。ちいきの総研ならではの噛み砕いてわかりやすい講座になりますので、お楽しみに!

なお、弊社では全国の協力隊向けの講座はもちろん、単発の講演なども対応可能ですのでお気軽にご相談ください。

過去の講演実績は弊社WEBページ(講演会・ワークショップ実績)よりご確認いただけます。