やりがいと自己実現を叶える林業の未来モデルとは@日田市

講演の概要

ひた森講演会~九州のまんなかで、林業を語ろう。~

講演:やりがいと自己実現を叶える林業の未来モデルとは
主催:日田森の担い手づくり協議会
会場:日田市複合文化施設AOSE
日時:2025年7月19日 15:00~17:00

古川より所感

みなさま、こんにちは、古川です。この日(2025/7/19)、青森から東京(研究室の夏学期最終ゼミ)を経由して、そのまま週末は日田(ひた森講演会)でした。東京駅から新幹線で博多駅、そして「ゆふ号」で博多駅から日田駅へと陸路で日田へ。じっくり講演のネタを仕込む作業時間となりました。
日田は、10年ほど前にも講演をさせていただいており、私と同い年の経営者も多く、当社の研究会で現地視察&交流会などをしたりと、非常に仲良くさせていただています。今回も、「森ではたらく!27人の27の仕事(学芸出版)」の1人、森を継ぐ人の合原万貴さんを経由し、日田森の担い手づくり協議会からのご依頼でした。

私の講演からは、

・林業の再定義を
・産地とは何か ~肉、魚、ワインから学ぶ~
・市場規模、6次産業化とは。
・森林のコンセプトとは(林業界隈に”カタカナ”多すぎ事変)
・担い手は確保するものではない
・やりがい、自己実現とは
・トータル林業まちづくり(全国の事例)

といったお話を60分程、させていただきました。また、私の講演のあとは、副市長の服部さん、マルマタ林業合原さん、林野庁を卒業し日田市に移住し独立したMさんとも、パネルディスカッション。念願のヤブクグリの江副氏とも(ひょんなご縁から繋がりができて)お逢いでき、また、このためだけにと、吉野から来てくれた某社長もいて、久しぶりにお逢いできました。

 

流通ブランドの日田。
産地ブランドの吉野。
 それは、静岡クラウンメロンか、夕張メロンかという違いにもなぞられますが、この林業地は、色々な所有者のコンセプトが集まってこその産地。産地の中での多様性もあるわけです。いや、いま、この業界に産地とかブランドとか、ほぼ言わなくなった昨今こそ、時代はどう変わったのか振り返りながら、参加した吉野の某社長も一緒に、様々な未来像を語らいました。今回は、160億(大分県)と20億(奈良県)の木材生産額の差をお伝えしましたが、ほんとに日田のエネルギーを感じました。元気なマチです。
進撃の巨人の勢いも日田市は、いまだにあって、インバウンドがTシャツばっちりで、進撃巡りされてたり、進撃の巨人が好きすぎて日田(作者の故郷)に、何度も長野県からひとり旅する女性ファンもいたり。進撃オシのまちづくりに、進撃グッツから、日田杉を知ったという。へぇと、酒場で、隣の私たち林業仲間が感心した1日もありました。

そして、講演会の当日の懇親会(寳屋)も非常に充実。合原さん(森を継ぐ人)のシメのスピーチ、さすが、長期のコンセプトをもった山林所有者からの提言をいただきました。

「私自身が、森林の所有者であり、林業会社でもあります。その立場からすると、森林所有者である人たちが、植える、手入れする、その判断をずっと(悩みながらも)ジャッジしてきた結果、いま、その恩恵を(事業者、消費者が)受けているという事実を改めて、考え起こす必要があるのではないかとも思えました。(何もそれは山側の優位性をいっているわけではなく、)この先に、私たち所有者や林業者が、どのようにジャッジしていくのか、どのくらい育てていこうとしているか、山林をどういうコンセプトにしていくか、それが大事だと、改めて問い直す時期でもあるでしょう。だからこそ、これらを共有して、心得てくださるみなさん(流通、製材、加工、建築含む)が、ここにいるということで、未来が描ける。みなさんがいてこそ、成り立つんだなと、あらためて皆さん、長い時間軸で、よろしくお願いいたします。」と話され、さすが「森を継ぐ人」の言葉だなと地域で大事なワンシーンだったなと思った次第です。

そうそう、私の講演では、
進撃の巨人のケニー・アッカーマンのシーンをお伝えしました。
「俺がみてきたやつは、みんなそうだった。
酒だったり、女だったり、
神様だったりもする。
一族、王様、夢、子供、力、、、
みんな何かに酔っぱらってねぇと、
やってられなかったんだな。
みんな、何かの奴隷だった・・・」
このセリフから、自立、やりがい、情熱方程式、何が敵で、何が味方か、事業体として、地域として何を目指すのか、そんな話もしました。娯楽、昇進、所得、性欲、忠誠、支配、友好、何かしら生きる目的というか、ご褒美がないとやってられない。それを「酔っ払い」とするならば、私たちは、森と木を愛するよっぱらい集団として何をすべきか。
翌日、日田祇園祭りの集団見物は、 これまた凄かった。300年の歴史ある祭りだという。
そう、なにかに酔っぱらってく、その情熱は、ほんとに目指すべく未来、コンセプトが、あるのか、ないのか。
また、日田市のある割烹料理店。大将が採ってきたっという筑後川の支流の天然スッポン食べさせていただいたり、やっと会いたかったEさんに会えたり、意気投合もなにも、西中島の飲み仲間のご縁も。そう、すべて聞いて終わらない。
一歩また動く。動こう。
みなさん、+1アクションを。
(参考)
進撃の巨人から想う 持続可能な社会とは何か 地球環境、里山保全、地方創生
~自立とは何か、正義とは何か、それは何かに酔っぱらっているのか?~

フォト(講演風景、日田祇園祭り)

服部副市長より日田市の林業概要と林政の方針について発表

 

古川から、日田でどんな「ビジョナリーフォレスト」を描けるか、私から「林業まちづくり構想」の仮説を話させていただきました。

 

300年の歴史を誇る日田祇園、翌日(7/20)は、集団顔見世。

 

集団顔見世の始まる前、宿泊先のホテルの窓から、日田駅前に集まる「山鉾(やまぼこ)」 。山々に囲まれた盆地形。進撃の巨人の作者諌山氏は、この山を”壁”に見立てたという、この壁の外には何があろうと想起されたそうだ。

 

進撃の巨人Caféにて、作業。

 

事務局から頂いた、参加者のアンケートより

■気になったキーワード

・自分事にして、+1アクション、肉と魚の部位の例えと比喩、酔っ払う(ケニー・アッカーマンのセリフ)。
・熱意、好き、憤り、森林ビジネス、峠Bar。
・全て参考になりました
・林業に「比喩力」が大事
・林業は1周回って一等賞」
・林業の仕事のやりがいをどう考えるか
・林業の市場規模、他県の事例、情熱方程式
・やりがいに対しての考え方。
・林業業界には比喩力が足りない。レンガを積む男の話し。〇〇することは林業ということを考える。
・森林環境譲与税も使い方より、あり方、ビジョンを考えることかららはじめた方がよい。
・林業サービス産業、トータル林業まちづくり構想
・バーテンダーのように木を語る
・日田の林業・木材産業と将来ビジョンについて
・みんな何かに酔ってる
・林業に接点のある近い産業で起業する人を増やす
・古川さんの話も、後半のセッションもすべて興味深かった。
・森は海の恋人の畠山さんのような山から海までつながる話(だから、山が大切という再認識)や木が育つ一生の話とかよかった。

■+1アクション(自分事化するならば)
・もっと森林の事を全般的に知ろうと古川さんがおっしゃっていた本を購入しました。次回の講演会や勉強会に参加してみようと考えました。
・担い手にはなれませんが、日田材を使いたい。
・自分で考えることを放棄して、安易にコンサルタント等に頼ることなく、まずは自分であがきながら活路を見つけようと思う。
・木について関心を持つこと木造非住宅利用に向けた広報活動をする。
・林業でオールラウンダーになり、森林づくりや、針・広葉樹の利用を考えていきたい。
・まずは一枚板でのテーブル、カウンター、脚づくり。
・参入支援制度の周知
・引き続きヤブクグリで、人と森の関係を問い続けたい。
・酔っ払う対象を絞り込みたい。
・森林の多機能化の検討や森林経営計画の作成
・何がしたいかを明確にしてそれに対して何が必要か掘り下げて明確化していきたい。
・組合への積極参加。
・林業科の高校生に対して、林業を楽しみ、副業を楽しみながら生活をすることができることを伝える
・講演内で紹介された企業等(旭川家具、BESSなど)が、どのように自社、商品、地域、木材林業をブランディングし、価値訴求を行っているのか調べて自社事業にも応用したい。
・地域の方だけでなく、自治体や林業、林業サービス産業関係者といった幅広い関係者とこれからの地域の森林について考えて、協働で森林を保全していきたいです。
・自伐型林業の収支シミュレーション
・日田の子ども達に、日田市の恵まれた森林環境と木材のもつ温かみや安全性、機能性を伝えていきたい。

■古川へのメッセージ
・大変、面白い講演でした。ありがとうございまた。「峠」という行きたいところが増えました。
・わかりやすくて面白かったです。Bar峠に行きたいです。
・とりあえず、「森林ビジネス」を予約しました。
・「森林ビジネス」購入します
・参考に大変なりました。本買います。学ぶことが沢山ありましたので、学校でも皆と共有します。
・何か面白いことご一緒しましょう。
・飲み仲間として、酔っ払ってる古川さんしか見たことがなかったですが、ある意味、常に酔っ払っていらっしゃる事がわかりました
いろいろ考えるきっかけをもらい、ありがとうございました。
・本買います~ !
・林業の楽しみ方(林業のあり方)と題して、①日田林工高校の教員、②日田林工高校の林業科の生徒、③日田市内の中学生とその保護者に対しての講演会をしていただきたい。
・大阪出張時には、BAR峠に立ち寄ってみます。
・日田市以外から来ましたが、いつか私の地域でも講演をしていただきたいです。
・楽しい話をありがとうございました
・一昨年、「木育インストラクター初級講座」に始まり、今年は上級を取得しました。子ども達に木材の良さを伝えていく上で、住んでいるこの日田市にどれだけの森林があって、どんな人がどんな苦労、努力をして大切に森林を守っているのか、正しい事実を伝えたいと思って参加させていただきました。場違いな感じもしましたが、子ども達が木育活動をしていく上で、木に親しみと愛着を持って育っていけば、将来大切な日田の森林資源を守っていく心が育ってくれると信じています。将来の日田市の木材産業を担ってくれるどもが出てくるかもしれませんものね。ありがとうございました!
・例えを多様しながら、分かりやすく熱いエールをありがとうございました。やりがいは情熱と怒り、腑に落ちました。怒りを活動に昇華していきたいと思いました。

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改めて、日田市の皆さま、この度は講演の機会をいただき、誠にありがとうございます。現在動いている日田市での某プロジェクト支援のみならず、妄想を構想に、構想を事業へと、落とし込むことまで、お付き合いのほど今後ともよろしくお願い申し上げます。

また、本ブログを読んでいただいた各地の方がも、是非様々なテーマで地域で一体化すべく必要性がありましたら、講演、研修などご用命ください。必ず、キーパーソンとの懇親会は込みで、お願い申し上げます笑。

古川大輔