【講演報告】福井県森林組合職員協会様(決算書の見方)

 

福井県森林組合職員協会様より「決算書の見方を知らない職員向けに、基本を教えて欲しい」というご依頼をいただき、令和7年1月23日(木)に「決算書の見方 キホン編」として、弊社野間が研修講師をさせていただきました。

 

※主催者開会挨拶、会場の様子(野間撮影)

 

決算書の二大構成要素「損益計算書(PL)」「貸借対照表(BS)」

 

「損益計算書」

「貸借対照表」

 

経理など知らない方も、なんとなく耳にしたことのあるワードではないでしょうか。

BS、PLなどという言い方で聞いたこともあるかもしれませんね。

 

決算書を構成する二大要素と言っても過言ではないこの2つ。

 

聞いたことはあるけど、実際どんなものかはイマイチわからない…

決算書は見たことはあるけど、「売上」くらいしかはっきりとわからない。

その他も、経費かな?利益かな?とかなんとなくはわかるけど、詳しくはよくわからない。

「〇〇利益」なんて同じようなのがいくつも出て来て、違いはなんなの?!

という方は多いかもしれませんね。

 

「損益計算書」では、売上、それぞれの経費、そうしてでてくる複数の利益の違いをスライドでテンポよくご説明。

いまいちピンときづらい「貸借対照表」は、家庭の資産と負債でも例えてみつつ解説しました。

 

また、組合だからこそ決算書に出てくる「剰余金」についてもご説明することで、森林組合の存在意義も改めて想起していただけたかと思います。

 

超初心者向け、ということで基本が分かるように心がけたというのはあるものの、参加者の皆さま、想定より理解が早い!

自分たちの組合の決算書も持って来ていただき、見比べながら聞いていただくことで、自分事化も深まったようです。

 

決算書を見る時の4つの視点

 

次に、弊社が企業様の財務分析をする際に重要視する指標を「キホン+α」として解説しました。

 

「収益性」

「成長性」

「生産性」

「安全性」

 

決算書から財務分析をする際は、上記の4つの視点が重要になります。

 

この4つの視点をもとにした、いくつかの分析指標をご紹介。

売上推移、粗利率といった基本的な指標から、労働分配率、自己資本比率、流動比率などちょっと聞きなれない分析指標などをシンプルに解説しつつ、決算書を単に見るだけでは見えてこない「経営体の健康状態」についてお話させていただきました。

 

「財務分析」というと難しそうですが、決算書と同じく、ひも解くと「算数」なんですよね。

 

たとえば、「自己資本比率」は「自己資本÷総資本

単純な割り算なんです。

用語と内容は知らないといけませんが、貸借対照表の解説ですぐわかるようなものです。

ちなみに「自己資本比率」は、高いほど事業の運営は安定すると言われています。

その他、世の中で言われている難しそうな財務分析の言葉も、簡単な計算で出てくるものが多いです。

 

「算数」で「決算書」「財務状況」「経営の健康状態」が見えてくると思うと、なんだか出来そうな気がしませんか?

 

少し見直すだけで、ここまで利益アップ

 

最後は、「少し見直すだけで、利益が予想以上にアップする」ということを、「ブロックパズル」で解説させていただきました。

 

決算書の構成をシンプルに図解した「ブロックパズル」

 

 

ブロックパズルで決算書の構成をおさらいしたあと、「〇〇率を%アップしたら、どれくらい利益が残るか?」というのをクイズ形式で答えていただきました。

 

「〇〇と〇〇を1%頑張るだけで、最終利益が10%もアップする?!」

「〇〇を1%頑張るだけで、人件費「率」は下がるのに、人件費「額」はアップする?!」

 

実は参加者の中には経理担当の方もいらしたのですが、この数字には響くものがあったようです。

経営だけでなく、自分たちの給料、生活にも関わってくる、組織の利益。

皆さん、自分に深く関係することとして、また事業実施のときの見積もりや経費の使い方についても活かせると、ご好評をいただくことができました。

 

参加者の声

 

・決算書を読む知識がゼロだったので、大変わかりやすい解説で助かった。知識を事業運営に早速活用できる。

・取引先の業況確認及び当組合の収益確保に役立てたい。

・1%アップ、1%ダウンしたときの利益を計算する事例が面白かったので、自分でもやってみたい。

・決算書をしっかり読む。経営観点も大事に。

・数字を意識した業務形成を意識していきたい。

・自社の決算書の見直しをしたいと思った。

・決算書を今まで以上に掘り下げて見るようにしたいと思います。

・安全性を確認しながら新規事業を考えたいと思った。

・初歩的なことについてはなかなか聞くことが出来ず、わからないまま居たので、勉強する機会をいただけて、本当に良かったです。

・基本編の次を聞いてみたい。

・熱意ある講習をありがとうございました。

 

さいごに

 

超初心者向けに研修の構成をしたのですが、思った以上にスマートに理解をされて、福井県の森林組合の皆さまのポテンシャルの高さを感じました。

 

今回は初級編×組合編でしたが、中級編、上級編、林業会社編、製材会社編…などなどありますので、従業員研修、役員研修、業界研修など、ぜひお声掛けください。

全国どこでも参上します!

 

会場は、福井県産材でリニューアルされた敦賀駅でした。

 

ずっと行ってみたかった氣比神宮にも、研修前にお詣りしてきました。

日本三大木造鳥居とのこと!(あと2つは広島の厳島神社、奈良の春日大社)

 

 

福井、またお邪魔したいです。今度は山にも!

 

古川ちいきの総合研究所:野間