令和7年1月20日(月)
高知県本山町にて本山町地域おこし協力隊を対象にした講座を行いました。
本講座は全5回で構成しており、協力隊の任期終了後の独立、経営に向けた内容となっています。
今回は、そのうちの5回目、最終回でした。
今回は最終回という事で、これまでの4回で学んだフレームワークを活用した総まとめ。当日は本山町に住んでいる協力隊員を中心に6名の方にご参加いただき、協力隊の皆様の事業内容発表会と発表に対するディスカッション/フィードバックを行いました。
初めに、前回までの振り返りを行いました。
・1分で自分を知ってもらう自己紹介
・自分の中にある好きと憤りから生まれる”情熱”
・販売するには商品/サービスのウリモノとそのウリカタでできている など
4回にわたる講座にて勉強してきたことを振り返ることで、最終発表会に移るための準備としました。
中でも、理念と利益の関係性については”仕事に対する姿勢”について補足説明を行わせて頂きました。
仕事には「やりたいこと/できること/やるべきこと」という3つの種類があります。
ビジネスを行うときには、社会をこうしたいという”理念”はもちろんですが、それを継続させていくための”利益”を追求していく必要があり、利益を追求するためには”やりたいこと”だけでなく、”やるべきこと”を優先しなければならないときもあります。
「天職はいつか見つかれば良い。やりたいことがわからない人はやるべきことだけに注力すると”できること”に気づくことができる」
そういった整理をすることで自分が本当に「やりたいこと」に気づくことができます。
続いて、本題である最終発表会に移りました。
「3年後にはアルバイトを補助事業とし、縫製事業を主力事業として動いていきたい」
「主力事業では造林事業を行うことで年間200万円を稼ぎ、他は子どもたちの活動拠点を作る刺激/開発事業を行いたい。」
「たくさんの”やりたい”を実現することが悦びで、地域内の多くの人を有機的に繋げていくことで共同事業者10社とお仕事がしたい」
協力隊の皆様が今まで学んできた、1分間スピーチ、裏プロフィールといった自己開示から、4つの事業ポートフォリオといった事業を明確化するために必要なフレームワークにご自身の事業を当てはめて、自分の”やりたいこと/できること/やるべきこと”を思うように発表されていました。
全ての発表終了後、
本山町役場職員のご担当者から、
「ビジネスモデルを詳細に聞かせて頂いて良かった。これまでは、卒隊が近い時期に行われる報告回で今後のことを聞くことが多いですが、協力隊1、2年目からこのような機会を使うことで漠然としていた計画を明確にしていただけるのは嬉しいですし、役場でも様々な支援ができるので何かあればおっしゃってください。」
と熱いお言葉にて前半戦を終了しました。
お昼休みが終わり、
各発表を踏まえたディスカッションに入る前に、
著名人が持つ情熱方程式について紹介させて頂きました。
スティーブ・ジョブズや松下幸之助といった世の中で影響力を持つ人は”好き“と”憤り”を持って活動に取り組んでいました。
全ての人が初めから影響力を持っていたわけではなく、自分を知り、自分をうまく活用することで影響力を持つようになりました。
「”好き”も”憤り”は、著名人だけのものじゃない。~今からでも遅くない!そしてそれは、原体験という経験からでしか得られない~」
というメッセージを送らせて頂きました。
続いては、本題である各発表のフィードバックとディスカッションを行いました。
協力隊の皆様内でのディスカッションでは、
「自身の強みである林道という知識や技術を活かして講師事業もチャレンジできると思うし、やってくれると嬉しいです」
「発言がポジティブで、自分の意思を胸張って話しているスタンスが自分と違ったので良かった」
「自分は木を切るので、造林をやっていただけると森林の循環ができるので嬉しいばかりです」
といった、自分と一緒にできたら嬉しいという協力の声や、もし自分がその立場ならこうしていくというアドバイスの声が多く飛び交っており、
古川からは、
「MD(マーチャンダイジング)を活かして、”一点突破全面展開”をして、お客様の声をもらうことで技術や商品/サービスの価値を向上していけば良い」
「顧客(森林組合など)からどうやって情報を聞き取りしていくかを考えるべき」
「人生計画で10年後までのロードマップを引いていたが、5年×2で細かく分けて考えても良いのではないか」
といった経営的視点を踏まえたフィードバックをさせて頂きました。
最後に、古川よりまとめをさせて頂きました。
「裏プロフィールでや情熱方程式、4つの事業ポートフォリオといったフレームワークで自分の中にある“やりたいこと”“やるべきこと”が整理でき、自分自身を理解することができます。」
「事業を実現するためには税金や保険といった管理会計もつきものです。」
「環境を持続可能的に保護していくためには理念だけでなく持続していくための利益も必要です。」
事業を作っていく上で必要なことが、今回の勉強会には詰まっていることを改めて伝えさせていただきました。
さらに、チャレンジする前に確認する6つの問いがあります。
①心から本当にやりたいことか
②社会が良くなっていくのか
③誰かに迷惑をかけないか
④幸せになる人が具体的に浮かぶか
⑤採算が取れるか
⑥自分で責任が取れるか
この6つに答えられるか否かが挑戦を分ける大きな指針です。
ここまで学んできたことに加えて、この6つを頭に入れておくと新たなことにチャレンジしやすいかもしれません。
全5回実施した本山町地域おこし協力隊講座も今回で終了。
最終回も9:00~15:30という長丁場でしたが走り切ることができました。
本山町協力隊の皆様、本当にお疲れさまでした。ありがとうございました!
以下、参加者からの感想です。
「5回の講座にて習ってきたことを具体的にして達成したいと思います」
「公庫からお金を借りるための事業計画をフレームワークで明確化できて良かった」
「自分の言葉で発言/宣言する大切さに気づいた勉強会でした」
「不確かなものを作るというしんどさはあるものの、その計画があったからこその行動のしやすさがあった。それを体験してもらいたくて勉強会を設定させていただいた。自分の中身も整理しつつ、皆さんの事業内容を整理することができて良かったです。」
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【アンケート回答より抜粋】
・考え方のフレームワークを知ることができ、協力隊の先輩方の考えを聞くことができたのは、とても参考になりました。
・とにかくやってみよう精神でこれからもピンチをチャンスに変えていきます
・今回指摘していただいた部分をより深めること、自分の理念やミッション、プロミスは都度振り返りながら見直していくことも今後やっていきたいと思います。
・自身の振り返りが出来たこと、それを周りの方々と共有することで各々の想いを汲み取る助けとなったこと、今後の活動の方向性を見据える意味でとても価値ある時間であったと思います。
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ここでの学びや気づきが、少しでも皆様のお役に立てていましたら幸いです。
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