【前編】インターン生の出張同行記録~見て触れて感じて学ぶ~

2024年度インターン生の富岡です。

大学院2回生を休学し。2024年度の古川ちいきの総合研究所のインターン生になってから11ヶ月が過ぎました。

 

時の流れは早く、勉強したことや訪れた場所などを振り返っている現在も、色々なことを思い出して、自分の”成長”を感じているとともに”寂しさ”をも同時に感じ、感慨深くなっています。

 

 

今回は2024年5月21日から23日に同行させて頂いた出張に関して、奮闘記録を2回に分けて書かせて頂きます。

本出張では徳島県三好市と高知県本山町の2地域を支援業務として同行し、それぞれにたくさんの学びがありました。

そのうち、今回は徳島県三好市への出張で見て触れて感じて学んだことを紹介します。

 

出張の始まり ~緊張と気づきの3時間~

 

5月21日(火)7:00、オフィスに集合して始まった出張。

インターン生として入りたての私は緊張しながら古川さんの車へ乗りました。

初めは緊張と沈黙が車内に広がっていたので、私の心も体も固まりきっていましたが、。

 

古川さんから突然の一言。

「世の中にはコーディネーターやアドバイザーといったコンサルと似た言葉がたくさんある。その中でコンサルってなんだと思う?」

いきなりの言葉に、緊張していた私は言葉がすぐ出ずに支離滅裂な回答をしてしまいました。

(その時は緊張し過ぎて何を言ったか覚えていません…。)

それに対して、古川さんがまた一言。

「要点を絞って、わかりやすく伝える。それをいかに早くできるかが試されるよ。」

私はドキッとしました。話をまとめて会話ができる人だと自負してしまっていた私でしたが、今まで話していたことは「ただ単に単語を並べているだけで会話になっていなかったのでは。」と気付かされ、車内でメモをとったことがない私だったが、すぐにその気づきをメモに書いた。それが本出張の始まりでした。

 

行き道には林業やビジネスに関する様々な学びがありましたが、当時は頭に何も入っていなかったので入ってくる内容が多過ぎて頭は混乱。とりあえずメモをして頭に入れる作業をしていた3時間でした。

 

 

何もかもが”学び” ~非日常からの刺激~

たくさん入ってくる知識のメモに追われていると、いつの間にか徳島県三好市池田町に到着。到着するや否や、私はすぐさまカメラを構えていました。

綺麗な山並みと古い街並みも残る中心街。

そこにあったのは都会に24年間住んでいる私からすると全てが”非日常”で、全てが”学び”でした。

 

綺麗な山並みからは「三好市は急な傾斜に村を作って暮らした歴史があるから神社が山の上にあること」を教えていただき、三好市の歴史はもちろんのこと、地域にとって神社が人々の生活を支えるものであることを知ることができました。

車に乗っている最中には「三好市の地名にはサラダやシンマチといったカタカナが使われている」と教えていただき、カタカナが先進的表記として使われているという三好市の特徴を知ることができたとともに、かつての地域の人の遊び心も知ることができました。

 

 

3つの”初めて”から学ぶこと

三好市では、3つの”初体験”からの学びがありました。

支援業務、ミツマタビール、スナックの三つです。

 

初めに”支援業務”に関してですが、これは言うまでもなく古川ちいきの総合研究所におけるメインの業務です。その業務のお手伝いを初めてさせて頂きました。

初めての業務は「森林ゾーニングに関する業務」でした。林業に関する知識は多少入っているものの、会議中は林業に関する知らない知識が飛び交っており、開始早々で私の頭はいっぱいになっていました。

新たに出てきた用語を調べながら、参考になるところはメモして、議事録をとる。

その繰り返しをしており、初めての出張かつ初めての業務でマルチタスクを経験したのですが、会議が終わった後の開放感はすごかったとともに、不明点が多いことから、行き道では固まっていた私も「ゾーニングってなんですか?」「皆伐ってなんですか?」など、古川さんや高田さんに林業に関することをたくさん聞きました。

 

  

 

その後、待っていたのは“懇親会”でした。

大人の人たちが大勢いる懇親会は初めてだったので緊張をしていた私でしたが、そんな中でも特に覚えているのが真っ黒の”ミツマタビール”!
ミツマタってなんだと疑問に思っていた私に「意外と身近にあるものだよ」と教えてくれた参加者の皆さん。そこで初めてミツマタは”日本のお札の原料”ということを知りました。

生きていく上で何気なく使っていたお札ですが、その原料を今飲んでいることに驚きを隠せなかったとともに、木を食材として扱うことができるのだと木材への新たな可能性を見出す手掛かりとなった時間でした。この後から私は「木材の香りをどうにかして食材に活かすことができないか」と考え、杉の香りのするコーヒーや燻製という木材を使った料理に興味を持ち始め、実践するようになりました。

 

  

 

ミツマタに関する新たな知識とビールのアルコールを体に入れた状態で、続いての人生初体験に向かいました

 

3つ目の初めては”スナック”です。私は大阪に24年間住んでいますが、それまではスナックやバーというお店はほとんど行ったことがありませんでした。まさか徳島県で人生初のスナックを体験するとは思ってもいませんでした。

訪れたのは地元で有名なスナックで地域の人が行きつけの場所らしい。

お店に入るとそこは異世界。人の心が動く空間作りにも興味がある私は”外とは違う場所/雰囲気(非日常)を店内に作り、いかに人の素を出すか”が考えられている場所だと感心し、入った瞬間からワクワクが止まりませんでした。

そして、そこで出会った同い年のスタッフとのお話からも学びがありました。

 

 

そのスタッフは緊張している私に話しかけてくださり、話の流れで”三好市池田町の話”にその方は生まれてずっと三好市池田町に住んでいる方で、それぞれの地元愛の話になったタイミングで、その方に「三好市から出ようと思わなかったのですか?」と聞いてみました。

すると、「地元の子たちの9割以上は出ていってしまったが、私はこの地域が大好きでこの地域で働きたいと思っています。」と話してくれ、地域への愛を熱く語ってくださったのです。

その瞬間、質問をした私が恥ずかしくなりました。私の中の固定概念として「地域の人は出ていってしまうもの」という考えが染み付いていており、「家業で残っています」などの回答を予測してしまっていたからです。

私は学部生の頃に移住に関する研究を行っており、移住者や地元住民に”移住に関する質問”というヒアリング調査を行っていました。その時によく耳にしたのが「若い世代の人たちはほとんど出ていってしまった。」という言葉でした。そのため、私は”地元の人は地域外へ出ていくもの”という固定概念が染み付いてしまっており、そういった同世代が池田町にいることに対して、驚きを感じてしまったのです。

固定概念に塗れていた自分の考えを改めたいと反省し、1つの事象だけでなく、広い視野で様々なものに触れていくことの必要性を感じました。今では、何を話すにしても必ず何個かの情報を比較し、固定概念のない正確な情報を話すようにしています。

 

そして、出張初日はもう一軒のバーに行った後に解散。

色々な人と話すことや学びが多いことに楽しくなっていた私は、次の日の朝を二日酔いで迎えてしまいました。”楽しみと飲む量のバランス”も学んだ初日に続き、

2日目は、三好市から車を1時間程走らせて高知県本山町へと向かいました。

 

(後半に続きます。後半はこちらからご覧ください→https://chiikino.jp/blog/?p=11519